多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

パッチギ! LOVE&PEACE

2007年11月15日 | 観劇など
パッチギ!(2004年)の続編、パッチギ! LOVE&PEACEをDVDで見た。

ストーリーは次のようなものgoo 映画を転載
1974年、東京。江東区枝川でサンダル工場を営む叔父夫婦のもとに身を寄せるリ・アンソン(井坂俊哉)一家。難病に冒された幼い息子チャンス(今井悠貴)の治療のため上京したものの、医師の下した診断は厳しく、さらに多額の費用が必要なことがわかり、乱闘騒ぎをきっかけに親友になった元国鉄職員の佐藤(藤井隆)と命がけの計画を立てるアンソン。妹のキョンジャ(中村ゆり)は稼ぎのいい芸能界に飛び込むが、人気俳優の野村(西島秀俊)と出会い恋に落ちて…。

映画としては、キョンジャのシンデレラ・ストーリーがあまりにワンパターンだったり、釜石への強制連行、朝鮮人の徴兵、来日の契機となった済州島四・三事件など、重い在日の歴史の捉え方がもうひとつ消化不良で深みがなく、前作に比べ不出来だった。
しかしディテールの描写は、かなりのものだった。ユリ・ゲラーの「スプーン曲げ」やブルース・リーは誰にもわかるが、GOROや週刊プレイボーイの表紙、幸福ゆきの切符、キンミヤ焼酎や大村昆のオロナミンCのポスター、池袋スカラ座の「エマニエル夫人」のポスターなど芸が細かい。きっとスタッフの苦労は大変だっただろう。

チャンスが通う朝鮮初級第二学校
前作は68年の京都が舞台だったが、6年後アンソンの妻、桃子は死んだことになっている。息子チャンスが筋ジストロフィを患い、名医を訪ね京都から東京に転居し、住んだ場所が江東区枝川である。住民が自力で学校を建てたが2003年東京都から校庭の返還と使用相当損害金を求められ、長い裁判の末、今年3月都知事選を前に無事に和解が成立した。
寄り添って生きる枝川の人々やサンダルづくりの仕事などよく描けていた。この町の歴史は、狼と羊の紙芝居でさりげなく説明されていた。1945年3月10日の大空襲のときは、隣保館での炊き出しなどこの町の人々が日本人の救援をしたそうだ。

現在の枝川の町並み
役者では藤井隆が抜群によかった。最初のシーン、京浜東北線東十条から王子への真剣な国鉄運転手の表情、パトカーに単身体当たりするとき口ずさむ「傷だらけの人生」、佐藤の素直な性格をよく出していた。その他、脇役の、プロダクション社長役でんでん、水戸黄門の女優お志摩役国生さゆり、飲み屋のマスター役温水洋一の演技が光っていた。

☆わたくしが見た李鳳宇の映画では「月はどっちに出ている」の明治記念館での結婚式のシーンや携帯で呼び出し商談をするシーンが印象に残っている。また桐生のまちの「のど自慢」も好きな映画だ。
井筒和幸監督の映画では、初期の「ガキ帝国」の島田紳助・松本竜介の迫力が忘れられない。
☆わたくしが京都から東京に出てきたのは1972年。下宿先が高円寺(キョンジャがアパートを借りた場所)だったので、そのころの都丸書店のことなどを少し思い出した。
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