先週から繰越になっていた結婚記念日ディナー、言って参りました。
以前から気になっていたイタリアンのお店に、前日予約の電話。このお店は全部で10席しかないという小さなお店で、夜は全席予約オンリー。
電話に出たお店の女性と色々打ち合わせて、予約確定した後、最後に女性が一言。
「なお、当店は男性のお客様には、ジャケット着用をお願いしております」
ちょっ…!ドレスコードありかよ!!!
「はい、分かりました」と落ち着いた返事を返しながら、心の中は激しく動揺。
何しろ、ドレスコードのあるお店になんて、新婚旅行のハワイ以来一度も行った事無いし!それより、岡山にドレスコードのある店なんてあったんかい!
『ジャケット着用をお願い』って事は、ス、スマートカジュアル、とかいうヤツだな!?タイまでは無くても良いし、女性はワンピースやスーツ、ニットでもよしとな!
ぶつぷつ言いながら、ウォークインクローゼットに突入。夏でもOKなジャケットを見つけ出したはいいけど、いい感じのシャツが無い!慌てて近所のお店でクールビズな半袖シャツを購入。これにベージュのパンツと茶色のモカシンを合わせれば、オッケー何とかいける!
さて碧也はどうするべ。スーツが普段着だったOL時代、DONNA KALANやANNE KLEINがお出かけ着だった独身時代と違い、今はユニクロとドラックストアーズにどっぷりな日々。しかも、当時の激細服を着たらボンレスハムも真っ青なイベリコ豚化している今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか、じゃねーっ!まっとーな服がねーんだってばよ!
…と、ひっくり返してファッションショーをかました後、何とかそれなりに見えるELLEのサマーニットワンピとボレロを発見。
当日の本日、岡山の日中の気温は33℃ばかし。
「あづい~~~~何でこんな日にジャケット~~~」
と着替えの間中ぶつぶつぶつぶつ言ってるダンナ様。「もしこれでマズかったら、ブログにけちょんけちょんに書いちゃるねん!!」と息巻いている。
そういえば去年の夏、担当さんにつれて入って貰って以来、気に入って何度か足を運んだ某レストランは、有名カリスマシェフが突然辞めてしまったおかげで、現在閉店中。他にも、以前通っていたイタリアンは、美味しいんだけど禁煙席が無いので足が遠のいてしまい、記念日や誕生日に、雰囲気良く美味しく食べられるお店の新規開拓がそろそろ必要になっていて。行ってみては負け、という状況が続いていたので、ドレスコードまで作ってお客を選ぶお店の味やいかに、と期待半分惧れ半分でGO。
「Terada」という小さな看板が出たそのお店は、岡山駅前の桃太郎大通りと柳川筋という別の大通りが交差するあたりにありまして。入り口の重いガラスドアの向こうには、これまた重い木製のドア。おそるおそる店に入ると、外の車の騒音が嘘のように静かな空間。4人がけテーブルが2つと、2人がけテーブルが1つ。窓は1つも無い。奥には小さな厨房、そこにはシェフ1人。シェフが1人で何もかも作るらしいと分かって、ちょっとびっくり。
ワインは全てボトルらしく、グラスも無ければハーフボトルも無い。ついでにワイン以外の飲み物も無い。ワインを避けた碧也は発泡水、ダンナ様は1人でボトルを一本開ける事に。この日のコースはシェフのおすすめ。一品一品を少量にして、品数が多いコース。写真撮影はNGっぽかったので無し。
小さな丸パンにつけるオリーブオイルを選ばせてくれる。フレッシュな香りで少しスパイシー、というオイルを選ぶ。白い大きなジノリのお皿に乗って、二品ずつ出てくる料理。
う…うまい…。
素材を生かした薄めの味付け。薄めながら、でも非常に奥が深い味。軽く焼いた鮭とトマトの冷たいスープに始まり、春菊(バジルにしか思えないけど春菊!)のリゾットとパルミジャーノのガレット、揚げたライスチップを鱗に見立てた鯛とアスパラ2種のグレープフルーツゼリー乗せ、季節の野菜のパスタとサトイモのスープ、岡山地鶏のオマール海老ソースがけと人参のスープ、最後はメイン料理の鴨肉と花ルッコラのサラダ。
最初はごく控えめな味付けから始まり、次第に濃厚にはなって行くのですが、しかし濃すぎず、しつこ過ぎないあくまで新鮮な素材重視の味。一品一品がごく少量で、1枚のお皿に二品ずつ、宝石のように綺麗に並んで出てくるのは視覚的にも楽しかったです。
お料理の後はチーズ四種類。スイスのドルチェゴルゴンゾーラともう一品、何だったかのチーズ。残る2品はかの吉田牧場のラクレットとカマンベールでした。添えてあるドライフィグは洋酒がよく効いて激しく美味しく、チーズと合わせて食べるとまた格別の味でした。
ドルチェの前に、ダンナ様がワイン一本空けちゃった。飲みすぎよあなた。
ドルチェはチョコケーキとシャーベット、ブランデーをかけて戴くプティング。それとエスプレッソ。大変満足なお味でした。
「結婚記念日です」と言っておいたせいか、帰り際に小さな花束とパンを四つプレゼントして下さいました。挨拶に出てこられたシェフは、思いの他お若い方。希望の食材があれば入れます、と言って下さいましたが、おそらくお任せの方が美味しいものが食べられそうですよ。
ワイン一本と美味しい料理でダンナ様上機嫌。「これだったらジャケット着てもまた来たい
」だそうで。碧也も同意でございます。ここんとこ、新規開拓は負け続けだったので、今回は快勝。記念日に来られる美味しいお店が見つかったのはラッキーでした。
戴いた可愛いブーケ。淡いピンク色です。