無事行って参りました神戸。
お昼どきに着いたので、まずは腹ごしらえ。目的地の近くでカフェ飯。
神戸らしく、焼きたてパン10種類ぐらいが食べ放題でした。ランチのメインはダンナ様は冷製ジェノベーゼ、碧也はサーモンの香草焼き。焼きたてのパンはどれも美味しくて満足。皆さんお皿を片手に何度もパンが並ぶテーブルに通っては山盛りにパン取りまくり食べまくり。神戸っ子は本当にパン大好きですね。
お腹いっぱいになったところで、本日の目的地へGO
こちら、神戸市立博物館で昨日から開催されている特別展↓
「西洋の青~プルシアンブルーをめぐって~」であります。
「非常ノヒト」1巻をお読みになって下さった方なら「ベレインブラーウ」という言葉に聞き覚えがあるでしょうか。「物類品隲」にもその項があり、源内が拘っていた西洋顔料「ベレインブラーウ」とは、ずばりこの「プルシアンブルー」の事なのであります。
源内が描いたのであろうと言われる油彩画「西洋婦人図」、小田野直武の「蓮図」、佐竹曙山の「燕子花にハサミ図」、司馬江漢の「異国風景人物図」などを所蔵しつつ常設していないという神戸市立博物館ですが、プルシアンブルーの特別展にこれらを展示しない筈はない!と意気込んで行ったのですが、ばっちりありました。
そればかりでなく、秋田の千秋美術館でもついに本物が見られなかった、直武の「唐太宗図」や「児童愛犬図」までもが一緒にならんでるじゃありませんかっ…!!がふっ!!
いやもう、前にのめり後ろにのけぞり喜ぶわたくし
源内の隣に直武、直武の隣に曙山、一人挟んでその隣に江漢の絵がずらりと並ぶそのエリアは、今現在のわたくしにとってはわさわさと全身の毛が逆立つほどの喜びの空間でして、そんなにめちゃくちゃ混んでもいない事もあいまって、数時間ほどうろうろと徘徊しては絵に張り付いて(ガラスケースのせいでちょっと遠かったんですが…)眺めるという幸せな時間を過ごしてきました。
(神戸市立博物館HPより)
本当に源内の作なのかどうか、博物館の学芸員の方ですら微妙に疑っている感じの「西洋婦人図」ですが、今回まじまじと近くで眺めて、勘ですが、やはりこれは源内の手によるものじゃないかなという印象を受けました。ちょっと素人臭い絵で、でも何とも器用で小奇麗な彩色や、全体的に漂う可愛らしい印象のフォルムが、志度の源内博物館のお神酒天神を思い出すんですね。絵の根本的な癖みたいなものは人間あまり変化しないので、お手本(向かいに展示されてました。西洋男女図)があっても、そういう部分は残るんじゃないかと思ったりします。
(神戸市立博物館HPより)
ずっと見たかった直武の「蓮図」は、生で見ると本当に繊細で美しく、陰影の細かさや暈しの美しさはやはり群を抜いていました。近くで見ると、彼のあの細い細い線で蓮の茎の毛の一本一本まで細かに描き込まれているのがよく分かるんですが、離れてみると今度は葉や花の色の微妙な陰影や色彩の変化が際立つという。淡い背景もあいまって、なんとも幽玄かつ写実的な美しい画でした。横に並ぶ曙山の絵や江漢の絵と比べてみても、この人の陰影や細かなディティールに関する拘りは徹底しているなと思いますね。江漢なんてすぱんと明るくてダイナミックで陽な感じがするんですが、直武の絵は本当に柔らかに静かに力強く、陰な感じで美しい。写真じゃよく分からないのが残念ですが。
ああ、代表作の「不忍池図」が見たい。見たいよう。この絵に見え隠れする源内の影の話なんて聞くと、ますます見たい気持ちが倍増であります。碧也につきあううちにどうやら秋田蘭画や直武の画にハマったらしいダンナ様ともども、「また秋田に行くしかないのかのう…」と話しております。
(上に並ぶ名前の方々は、曙山を除きウィングス本誌にはもう登場してますが、コミックス派の方はもうしばらくお待ち下さい。2巻には出てます)
それにしても、そのあたりに3時間ほど張り付いていたせいで、一般の方々の源内に関する会話が色々聞けて面白かったです。ほぼ全ての方が口にしたのはやはり「うなぎ」と「エレキテル」。
「あーこれ、これや!『土用の丑の日』や!日本のマーケティング界の魁になった人やで!」(50代ぐらい・男性)
…ちょっと違うですかね…
「あー、平賀源内。あれやな、日本で最初に蒲焼食べた人!!」(40代女性)
…ち…ちがっ…
「それとあれやろ、カミナリさんおこす人やろ!?えれきてる!」(その友人らしい女性)
…源内本人も「雷の理」つってるから、それでもいいのか…しかしまるで超能力者…
「知らんわ。誰それ。聞いた事もないわ」(40代ぐらい・女性)
…マジっすか!?きょ、教科書に載ってませんでしたか?
と、面白く聞きつつ彼らの絵をしっかりと眺め、展示物のいくつかを見て「あ、嘘描いた…」と軽く落ち込んだりしながらも(図の資料が無く、文章から想定して描くと実際の形状やサイズと違ってる事がままあります)有意義な数時間でした。
幾つかの図録を買って美術館を後にしましたが、近所なら何度でも行きたい特別な特別展でした。
夕飯は例によって南京街の「楽園酒家」へ。オードブル、メイン2種、お粥、デザートの「お粥コース」を注文。
エビチリ~
鶏のから揚げ香味ソースがけ
〆はやっぱりお粥!
美味しく頂いて、イスズベーカリーのパンと観音屋のチーズケーキを買って、満足して帰りました。
おまけ。神戸のベイエリア。綺麗でした。
お昼どきに着いたので、まずは腹ごしらえ。目的地の近くでカフェ飯。
神戸らしく、焼きたてパン10種類ぐらいが食べ放題でした。ランチのメインはダンナ様は冷製ジェノベーゼ、碧也はサーモンの香草焼き。焼きたてのパンはどれも美味しくて満足。皆さんお皿を片手に何度もパンが並ぶテーブルに通っては山盛りにパン取りまくり食べまくり。神戸っ子は本当にパン大好きですね。
お腹いっぱいになったところで、本日の目的地へGO
こちら、神戸市立博物館で昨日から開催されている特別展↓
「西洋の青~プルシアンブルーをめぐって~」であります。
「非常ノヒト」1巻をお読みになって下さった方なら「ベレインブラーウ」という言葉に聞き覚えがあるでしょうか。「物類品隲」にもその項があり、源内が拘っていた西洋顔料「ベレインブラーウ」とは、ずばりこの「プルシアンブルー」の事なのであります。
源内が描いたのであろうと言われる油彩画「西洋婦人図」、小田野直武の「蓮図」、佐竹曙山の「燕子花にハサミ図」、司馬江漢の「異国風景人物図」などを所蔵しつつ常設していないという神戸市立博物館ですが、プルシアンブルーの特別展にこれらを展示しない筈はない!と意気込んで行ったのですが、ばっちりありました。
そればかりでなく、秋田の千秋美術館でもついに本物が見られなかった、直武の「唐太宗図」や「児童愛犬図」までもが一緒にならんでるじゃありませんかっ…!!がふっ!!
いやもう、前にのめり後ろにのけぞり喜ぶわたくし
源内の隣に直武、直武の隣に曙山、一人挟んでその隣に江漢の絵がずらりと並ぶそのエリアは、今現在のわたくしにとってはわさわさと全身の毛が逆立つほどの喜びの空間でして、そんなにめちゃくちゃ混んでもいない事もあいまって、数時間ほどうろうろと徘徊しては絵に張り付いて(ガラスケースのせいでちょっと遠かったんですが…)眺めるという幸せな時間を過ごしてきました。
(神戸市立博物館HPより)
本当に源内の作なのかどうか、博物館の学芸員の方ですら微妙に疑っている感じの「西洋婦人図」ですが、今回まじまじと近くで眺めて、勘ですが、やはりこれは源内の手によるものじゃないかなという印象を受けました。ちょっと素人臭い絵で、でも何とも器用で小奇麗な彩色や、全体的に漂う可愛らしい印象のフォルムが、志度の源内博物館のお神酒天神を思い出すんですね。絵の根本的な癖みたいなものは人間あまり変化しないので、お手本(向かいに展示されてました。西洋男女図)があっても、そういう部分は残るんじゃないかと思ったりします。
(神戸市立博物館HPより)
ずっと見たかった直武の「蓮図」は、生で見ると本当に繊細で美しく、陰影の細かさや暈しの美しさはやはり群を抜いていました。近くで見ると、彼のあの細い細い線で蓮の茎の毛の一本一本まで細かに描き込まれているのがよく分かるんですが、離れてみると今度は葉や花の色の微妙な陰影や色彩の変化が際立つという。淡い背景もあいまって、なんとも幽玄かつ写実的な美しい画でした。横に並ぶ曙山の絵や江漢の絵と比べてみても、この人の陰影や細かなディティールに関する拘りは徹底しているなと思いますね。江漢なんてすぱんと明るくてダイナミックで陽な感じがするんですが、直武の絵は本当に柔らかに静かに力強く、陰な感じで美しい。写真じゃよく分からないのが残念ですが。
ああ、代表作の「不忍池図」が見たい。見たいよう。この絵に見え隠れする源内の影の話なんて聞くと、ますます見たい気持ちが倍増であります。碧也につきあううちにどうやら秋田蘭画や直武の画にハマったらしいダンナ様ともども、「また秋田に行くしかないのかのう…」と話しております。
(上に並ぶ名前の方々は、曙山を除きウィングス本誌にはもう登場してますが、コミックス派の方はもうしばらくお待ち下さい。2巻には出てます)
それにしても、そのあたりに3時間ほど張り付いていたせいで、一般の方々の源内に関する会話が色々聞けて面白かったです。ほぼ全ての方が口にしたのはやはり「うなぎ」と「エレキテル」。
「あーこれ、これや!『土用の丑の日』や!日本のマーケティング界の魁になった人やで!」(50代ぐらい・男性)
…ちょっと違うですかね…
「あー、平賀源内。あれやな、日本で最初に蒲焼食べた人!!」(40代女性)
…ち…ちがっ…
「それとあれやろ、カミナリさんおこす人やろ!?えれきてる!」(その友人らしい女性)
…源内本人も「雷の理」つってるから、それでもいいのか…しかしまるで超能力者…
「知らんわ。誰それ。聞いた事もないわ」(40代ぐらい・女性)
…マジっすか!?きょ、教科書に載ってませんでしたか?
と、面白く聞きつつ彼らの絵をしっかりと眺め、展示物のいくつかを見て「あ、嘘描いた…」と軽く落ち込んだりしながらも(図の資料が無く、文章から想定して描くと実際の形状やサイズと違ってる事がままあります)有意義な数時間でした。
幾つかの図録を買って美術館を後にしましたが、近所なら何度でも行きたい特別な特別展でした。
夕飯は例によって南京街の「楽園酒家」へ。オードブル、メイン2種、お粥、デザートの「お粥コース」を注文。
エビチリ~
鶏のから揚げ香味ソースがけ
〆はやっぱりお粥!
美味しく頂いて、イスズベーカリーのパンと観音屋のチーズケーキを買って、満足して帰りました。
おまけ。神戸のベイエリア。綺麗でした。