横断車道―102―
Covid-19(新型コロナウイルス)については、まだ判らないことが多いようだ。しかし、常識的に判断できることも、多々ある。ところが、当然の判断とするべきことでも、ある専門家がいい加減なことを言うこともある。医者であれば、この種の常識的判断ができているのかと言えば、必ずしもそうでもない▼外から自宅に帰ったら、下着以外はすべて脱いで、すぐにシャワーを浴びる。家から外に出ると、総てのものがペンキ塗りたてで、触れたところにはペンキがついたと判断するというのだ。言ったのが医師であり、マスコミの報道になった。一般的に、これができる人は少数だろう。何度も出入りする人は、困難だろう。触れたところからは必ずしも、ウイルスが付着することもない▼こんな報道から、スーパー入口に置いてあるアルコールを使用しない人がいると、非難する意見が出る。入口にアルコールを置くのは、スーパー側の「配慮」というパフォーマンスに過ぎない。医療用アルコールほどの純度はなく、よほど手の総てに塗り込まなければ、完全でもないし、純度の高いアルコールを塗りすぎると、手荒れを起こす。常に手洗いを心掛けていれば、必ずしも入口のアルコールは必要ない▼さて、この程度の庶民の行き違いは、問題にしても仕方ない。が、行政が行違いを起こすと、国民の不幸だ。悪名高き「GO TOなんちゃら」は言うに及ばず。総ての公立小中学校の児童生徒にフェイスガードをつけさせるやら、「イソジンが効く」などは論外と言えよう。究極は政府の専門委員会に、遺伝子学の専門家がいないことである。Covid-19の流行が、世界各地で第何派でどのように変異しているのか、究明してゆかねば、対応が正しくできないのは明らかだ▼国や自治体の行政に、そこまでの高度な能力を要求するのは、そもそも困難なのかもしれない。地盤・看板・カバンの国会議員や、就職難に議員になる方が易しいと、地方議員になった人たちに、それ程の要求をするのは、無理かもしれない。情勢分析や政策立案能力は皆無でも、ネットを駆使し、マスコミに乗れば、議員にはなれるのである▼隅々までとは言わないでも、世界情勢が如何になっているのか、その中で日本の位置づけは如何にあるべきか。日本の経済分析が出来ているのだろうか。日米関係とは言うが、日本の財産がアメリカに五月雨式に吸い上げられる体制が続くが、それが論じられることは皆無だ。TV・新聞の経済評論で見たことは無い。まして、野党を含めて政治家が語ることが皆無である▼Covid-19は何れ収束するだろう。その道筋は真理を探求する近道ではないかもしれない。ビル・ゲイツはCovid-19で如何ほど儲けるのかは知らないが、新たなウイルスの出現を預言している。人類は、またしても遠回りするのだろうか。日本政治や世界政治のように。(コラムX)