『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』**横断車道(102)**≪2020.冬季&2021.春季合併号 Vol.109≫

2021年04月27日 | 横断車道

横断車道―102―

Covid-19(新型コロナウイルス)については、まだ判らないことが多いようだ。しかし、常識的に判断できることも、多々ある。ところが、当然の判断とするべきことでも、ある専門家がいい加減なことを言うこともある。医者であれば、この種の常識的判断ができているのかと言えば、必ずしもそうでもない▼外から自宅に帰ったら、下着以外はすべて脱いで、すぐにシャワーを浴びる。家から外に出ると、総てのものがペンキ塗りたてで、触れたところにはペンキがついたと判断するというのだ。言ったのが医師であり、マスコミの報道になった。一般的に、これができる人は少数だろう。何度も出入りする人は、困難だろう。触れたところからは必ずしも、ウイルスが付着することもない▼こんな報道から、スーパー入口に置いてあるアルコールを使用しない人がいると、非難する意見が出る。入口にアルコールを置くのは、スーパー側の「配慮」というパフォーマンスに過ぎない。医療用アルコールほどの純度はなく、よほど手の総てに塗り込まなければ、完全でもないし、純度の高いアルコールを塗りすぎると、手荒れを起こす。常に手洗いを心掛けていれば、必ずしも入口のアルコールは必要ない▼さて、この程度の庶民の行き違いは、問題にしても仕方ない。が、行政が行違いを起こすと、国民の不幸だ。悪名高き「GO TOなんちゃら」は言うに及ばず。総ての公立小中学校の児童生徒にフェイスガードをつけさせるやら、「イソジンが効く」などは論外と言えよう。究極は政府の専門委員会に、遺伝子学の専門家がいないことである。Covid-19の流行が、世界各地で第何派でどのように変異しているのか、究明してゆかねば、対応が正しくできないのは明らかだ▼国や自治体の行政に、そこまでの高度な能力を要求するのは、そもそも困難なのかもしれない。地盤・看板・カバンの国会議員や、就職難に議員になる方が易しいと、地方議員になった人たちに、それ程の要求をするのは、無理かもしれない。情勢分析や政策立案能力は皆無でも、ネットを駆使し、マスコミに乗れば、議員にはなれるのである▼隅々までとは言わないでも、世界情勢が如何になっているのか、その中で日本の位置づけは如何にあるべきか。日本の経済分析が出来ているのだろうか。日米関係とは言うが、日本の財産がアメリカに五月雨式に吸い上げられる体制が続くが、それが論じられることは皆無だ。TV・新聞の経済評論で見たことは無い。まして、野党を含めて政治家が語ることが皆無である▼Covid-19は何れ収束するだろう。その道筋は真理を探求する近道ではないかもしれない。ビル・ゲイツはCovid-19で如何ほど儲けるのかは知らないが、新たなウイルスの出現を預言している。人類は、またしても遠回りするのだろうか。日本政治や世界政治のように。(コラムX)

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『みちしるべ』**息抜き鼠牛川柳**≪2020.冬季&2021.春季合併号 Vol.109≫

2021年04月26日 | 単独記事

息抜き鼠牛川柳

五輪など やれる条件 どこにある?   狂気陣
税金が 東京五輪で また消える     三腸炎
GOTOで コロナ蔓延 止まらない    利権政策局
攻撃と 防御ミサイル 矛と盾       イージスアショア
大掃除 家の中より 永田町         梅を見る会
先進国? 不正選挙が 蔓延す     発展途上国
大統領 退任後には 逮捕され      宗主国
コロナ後に 戦後情勢 どう変わる?    寅ンプバイ殿
スマホなど 個人情報 垂れ流し     闇権力情報機関
ネット力 知らぬ国だが 嫌中韓     グルってる

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『みちしるべ』**編集部より**≪2020.冬季&2021.春季合併号 Vol.109≫

2021年04月24日 | 藤井隆幸

編集部より

 緊急事態宣言が解除されたかと思ったら、まん延防止等特別措置が発令されました。コロナ禍の第4波が来たとも言われています。長引く事態に、慣れたと言えども無事にお過ごしでしょうか。

 今号(109号)は、2020年冬季号と2021年春季号の合併となってしまいました。コロナ禍のせいにすれば、言い訳になってしまいますが、例会の中止も繰り返され、活動が停滞していることも否定できません。

 皆さんからの投稿も、頂いてから時間が経ちすぎて、印刷・配布の時点では、時間のずれを感じないこともありません。大変申し訳ない事態です。今後、記事を書かれた日付を入れるなど、工夫をしてゆきたいと思います。

 これに懲りず、原稿を頂けるよう、よろしくお願いします。

編集長代理 藤井隆幸

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2021年4月例会【中止】のご案内

2021年04月23日 | 月例会案内

 


阪神間道路問題ネットワーク
4月例会中止のご案内


ご案内が遅くなりました。週明けには三度目の緊急事態宣言が、ここ兵庫県にも発せられることになったようです。というわけで、4月の例会は中止とさせていただきます。5月例会は改めて検討します▼感染状況の推移も見守っていたのですが、例会参加常連の方々のご意見もお聞きした結果、決定させていただきました。今のところ、西宮勤労会館は使用できますが、週明けにはどうなるか分からないというところ(注)▼3月例会の参加者は、「みち環」H代表・S画伯・「中の環境」N住職・「川西自然」T代表・「北部水源連」N代表、それに私の6名でした。N代表より、今後の「北部水源連」の活動方針の説明があった他、S画伯より、新名神川西IC供用後の物流問題など、様々な話が出ました▼道路全国連からは、4/29午前中に、ZOOMでの幹事会の連絡がありました。今年の全国集会や、例年の名古屋での幹事会、それに「45周年誌」の出版などが議題です▼『みちしるべ』109号につきましては、冬季・春季合併号とさせていただきます。4/25に印刷予定ですので、今しばらくお待ち願います。コロナ禍の影響と言えば申し訳になってしまいますが、全体に活動の制限も顕著になってきています。夏季号につきましては、E-mailやFAX・郵送などで、原稿を頂けるよう、よろしくお願いします。    (F)

(注)西宮市立勤労会館は4/25~5/11まで、閉館となりました。

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『みちしるべ』**斑猫雑感(斑猫独語80)**≪2020.冬季&2021.春季合併号 Vol.109≫

2021年04月23日 | 斑猫独語

斑猫雑感(斑猫独語80)

澤山輝彦

 「これまでで最大の強烈寒波がやってくる」とか、「大雪が降ります」とかテレビの気象情報は大局的な見地からの予想をまず全国に向かって恐ろしげに言う。大阪の都市部に住み雪はちらほら寒気は冬だから当然、と思っている私なんかは「また言うとるなあ、あいつらは人をびびらして楽しんどんのんとちがうか」と思う。ケチをつけていると、「いちいちケチつけるもんじゃない」と二階から声がしたりして。 ――今は団地住まいで二階はありませんが―― とにかく、もう少し局地的にしぼった警報の伝え方を工夫すべきであると思うのだ。

 雪国という言葉がある。美しい響きだ。でもそこは決して美しいだけではない、深い雪に埋もれて難儀な生活をされている多くの方々が居られるのだ。ここんとこは十分承知している。危機的な気象状況を民衆に知らせるのが、テレビなどの役目だと思っているのなら、もっと政治の嘘、庶民を馬鹿にした政治などを徹底して報道をすべきではないか。これらも日本の危機なのだから。そうすれば「マスゴミ」などと、揶揄される言葉から濁点を自ずから消すことができるのだ。

 そんな大雪で埋もれた雪国の高速道路にたくさんの車が立ち往生している場面は、新聞・テレビには格好の写真としてよく出るものだ。それにはいつも後始末の苦労や、炊き出しや差し入れに感謝したというような、結末の記事が添えられる。だがこんな時、誰が何処で車の乗り入れを制限したり、適切な除雪の出動判断をしたりしていたのか、その適否などはあまり知らされない。こんな積雪渋滞の繰り返しを見ていると、技術の進歩を疑ってしまう。もっと自然とは謙虚に付き合うべきであると思う。何かこのあたりの対策を講じる部署間の調整が、うまく行っていないのではないかという気がする。

 冬の雪と同じように夏には豪雨の予報がある。近年はゲリラ豪雨などと呼ばれる集中豪雨が続いた。これにこりた(こりることは悪くない)熊本県知事は、凍結していた川辺川ダムの建設容認に踏み切った。普段は水を流す流水式のダムにするということだが、堰をきったように(ここで堰を切るという句を使うのも面白いことだと思うけど)滋賀県を中心に、ストップしていた大戸川ダムも建設容認に向かって動きだした。これまで様々な方面の考え方からダム設置に反対してきたことが、このことを機に待ってましたとばかりにとんとんと崩れてしまうのは、人を信じるという人間の根本が崩れてしまうのだと寂しくなる。豪雨にあふれる川との付き合いには強力な堤防の設置、それが一番だと私は思うのだが。ダム建設が洪水対策に万全であるとは限らない。ダムの時代は終わったともいわれているのに。

 自然界が産むコロナウイルス、これに対抗するにはせいぜいワクチンを作ることぐらいで、そのワクチンが完成した頃には、また別種のウイルスがうまれているのだ。人と自然はこんな付き合いしか出来ないのである。我々日本人の自然観は謙虚なものであった。西洋技術思想が入り自然をおさえこむという考え方が広まると、私達の自然観まで変わってしまったのか。河の流れをダムで制御するよりも、ワクチン的?であるかもしれない堤防の強化のほうが自然との付き合い方として優れていると思うのだ。ダム建設で沈む広大な土地、そこには岩や樹など神が宿る場がいっぱいある。古来、日本人はこんな形で自然と付き合ってきたのだ。生き物も無数にいる。

 21世紀だ。科学技術万能の世だ。考えもしなかったことが出来ている世界だ。ここから抜け出さねばならないとはとても言えない。でもこんな科学技術の行き着くところを見極め、これ以上は要らないという限界を見つけることは必要だ。それも科学技術に設計してもらうのかもしれないが、そのための心を人間がまず持たねばならない。地球の資源を使い尽くし、気がつけば残り滓の自然の中にうろうろする人類がいる、SF的発想だが案外人類の終末というのはそんなものかもしれない。私達は居ませんが。

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『みちしるべ』**コロナPCR検査の大幅な拡充を!**≪2020.冬季&2021.春季合併号 Vol.109≫

2021年04月22日 | 川西自然教室

コロナPCR検査の大幅な拡充を!

田中 廉

 今回の新型コロナ問題で、首をかしげることがある。それは、「どうして日本のPCR検査件数が少ないのか?」である。新型コロナの厄介なところは、無症状感染者や無症候期(潜伏期間)にも感染性があることが確認され、その感染源の割合は5~6割ほどといわれている。感染の拡大を抑えるためには、PCR検査を行い、感染者を隔離することが基本である。

 本年1月下旬には大隅,大村,本庶,中山のノ-ベル医学・生理学賞受賞者が連名で、コロナ対策について声明を発表した。声明は4項目ありその2番目が、「PCR検査の大幅な拡充と無症状感染者の隔離を強化する」である。本年1月頃のデータ-だがPCR検査件数は、以下のとおりである。(一人で2回以上検査を受けた場合もあるので検査を受けた人数は検査件数よりも少なくなる。人口当たり。)

日本 4.4%     豪州 約45%     イタリア 約45%
スイス 約44%   オ-ストリア 約44% マレ-シア 約11%
フィリピン 約6.5%

※別途調べたデンマ-クは約188%(検査を受けた人は約68%)

 原因は、巨額の検査費用、オリンピック実施に患者数を増やしたくなく、「クラスター戦略」に固執、等々いくつも指摘されている。初期の検査数の少なさは、PCR検査が当初、保健所を通してしかできず、その保健所の数が1994年の全国847から2020年には467に減らされ、当然スタッフも減少しているので、今回のような緊急事態に対応できなかったこと。また、病院も経費節減の名のもと、統廃合が進められキャパに余裕がなかったことが一番の原因だと思う。

 平時は何とか回っていたが、有事の備えができていなかったということだ。これは、それまでの政策が機能しなかったということで、政治の問題でもある。この間の日本の対応は、広島県医師会の健康情報(5月9日)に簡潔にかつ率直に記されている。それには「4月2日、日本感染病学会と日本感染環境学会は、『軽症の患者にはPCR検査を勧めない』という方針を明らかにしました。背景にあるのは、まず陽性者の入院・隔離施設の圧倒的な不足、PCR検査可能許容数の不足、偽陽性率の高さ(30%ほどとも聞きます)などです。一方『コロナに感染しても大方(80%)は自然治癒する』、という事実も忘れてはいけません」と書かれている。

 要は、病院の受け入れ態勢が十分でなく、患者が増えれば医療崩壊が起こるとして患者数を減らそうとしたのだ。そのため新型コロナを軽視するような表現までしている。厚労省は4月15日にはPCR検査センターの設置を許容し、かかりつけ医などの判断で保健所を通さずとも検査ができるようになった。また、以前は37.5度以上が4日継続などの基準があったが、この基準は撤廃され、今ではいくつかの症状が出た場合は検査OKとなった。

 以前よりは前進した対応であるが、大きな問題がある。かかりつけ医などが症状の出た人にしかPCR検査の許可を出さないので、無症状な人は検査されない。最初に述べたように、コロナの特徴は、無症状感染者や無症候期からの感染が5~6割ほどもあるので、無症状の人にもPCR検査を広げて、これら感染者を隔離しない限り、コロナの抑え込みは難しい。

 今は、一度に数十から数百の検体を検査できる全自動PCR検査機が色々と開発され、唾液によるPCR検査も可能になっている。また、プール方式という、複数の人の唾液を1カプセルに入れ一度に検査する方法も一部では行われ、その場合、費用は大幅に低下する。

 実際、那須塩原市では無症状の希望者を対象に、PCR検査を今年1月から実施している。家族であれば5人までの人の唾液を検査キットにいれ、検査センタ―に持参し、1キット当たり個人負担分1000円を支払う仕組みだ。これだと夫婦二人では一人500円、家族5人であれば一人200円で検査ができることになる。もし陽性であれば、全額市が負担し個別に再検査が行われる。

 このように、検査件数を増やすことは容易になってきている。まず介護施設、病院、感染が多かった地域などでは無料で複数回検査をするべきだと思う。コロナ感染に不安を持つ人は誰でも、無料または安価にPCR検査を何度でも受けられるようにすべきだと思う。(感染しても初期にはウイルス量が少なく検査で引っかかってこないので2回の検査が必要)

 感染することも怖いが、自分が無症状感染者で他の人に感染させることも非常に怖いのだ。複数のPCR検査で陰性であれば、もっと積極的に人と会い旅行も、外食もできるようになる。GOTOキャンペーンなどなくても人は、外に出てゆくだろう。そして経済もよい方向に進むだろう。感染者が減少し、医療にまだ余裕のある今こそ、好機である。

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『みちしるべ』**PCR検査を受けました!**≪2020.冬季&2021.春季合併号 Vol.109≫

2021年04月21日 | 川西自然教室

PCR検査を受けました!

田中廉

 12月6日(日)に37.4℃の熱があり、翌日朝に平熱に下がっていましたが、かかりつけ医に昨夜は熱(37.4℃)があり診察を受けたいと電話しました。が、インフルエンザやコロナの診察はできないので、市立病院に行くように言われました。市立病院に電話し、「かかりつけ医ではPCR検査はできないので、市立病院に電話するようにといわれた」というと、かかりつけ医から連絡が入っていたのかどうか(ここは不明)わかりませんが、午後2時に病院の駐車場に来るように指示されました。

 駐車場に行き病院に電話すると、看護師さんが来て、診察券・保険証を写真で撮り、いったん病院に戻りしばらくすると、同じ看護師さんが来て、一通りの聞き取り調査と少し離れたところから検温を実施。1時間半ほど車で待機後、病院内の特別な部屋に案内され、医者より聴診器で胸の音、首のリンパ節、のどを調べられ、熱もないので問題はないでしょうとのことでした。

 PCR検査を希望しますかと聞かれ希望したところ、看護師がPCRのキットを持ってきました。自分で採取するように言われ、大きな吸引パネルの前で自ら両方の鼻の穴に綿棒入れ、それを小瓶の中に入れ看護師に渡し、それで終了でした。

 2日後、病院より「陰性でした」との電話がありホッとしました。駐車場では2~3台、看護師さんが来て診察券などを撮っていたので、発熱外来の人ではないかと思いました。診察代は1,270円で、コロナ検査代は無料でした。

 以前5~6月頃、同じように37.4℃の熱が出て、県のコロナ相談係(?)に電話したところ、「38度以上になればまた電話ください」といわれ、検査されなかったことを思うと、だいぶPCR検査は改善されたようです。ただ、これはかかりつけ医の判断が大きく、私の友人は同じ時期に同じような発熱を訴えたが、紹介はしてもらえなかったとのことです。

 以上、ご参考になれば幸いです。

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『みちしるべ』**道路を造る時代から撤去する時代へ**≪2020.冬季&2021.春季合併号 Vol.109≫

2021年04月20日 | 藤井隆幸

道路を造る時代から撤去する時代へ

藤井隆幸

 中核市である西宮市には、三つの鉄道がある。JR神戸線・JR宝塚線・阪急神戸線・阪急甲陽園線・阪急今津線・阪神本線・阪神武庫川線の7路線である。駅の数は21もある。そのなかでも、マイナーな駅が阪神香櫨園駅である。各駅停車しか止まらないと思われがちだが、日曜・祝日の朝には数本の区間特急が止まるのではある。西宮市の中でも、夙川沿いの夙川公園は桜の名所で有名なのだ。そんな夙川の上に設置された駅である。

 さぞ駅周辺は奇麗であろうと思われるかもしれない。ところがである。確かに阪神高架事業に伴い、香櫨園駅周辺も何かとお金をかけて整備されたのは事実だ。造られる時はお金をかけるのだが、メンテナンスにはお金をかけないというのは、道路事情と似ているところがある。

 駅周辺の管理部門が複雑に入組んでいるというのも、管理が行き届かない原因でもある。阪神電鉄の管理部分、二級河川である夙川は県の管轄。夙川公園は市の公園課の管理。県道と市道があり、それぞれの所管である。一部の植え込みが住民の苦情からか、手入れされたのであるが、1m隣の小さな空き地は、灌木が生えて通路を塞いでいるといったところだ。

 昨今、「向こう三軒両隣」と言うのは死語になったようだ。向かいの三軒と、自宅の両隣の前の道は、気がついたら自宅前だけではなく掃除するという風習である。世間が忙しくなったのか、自宅前でさえ道路は掃除しないのが一般化しているようだ。仕方がないので、我らロートルが雑木の撤去や掃除をすることになっている。

命に係わる道路の保全ができていない

 まっ、香櫨園駅周辺が汚い、通行に邪魔な雑木・雑草が茂っていても、命に直結することはまれではあろう。が、道路の橋梁やトンネルの老朽化は、人身事故にかかわるのだ。8年前の2012年12月2日の中央自動車道、笹子トンネルの吊り天井落下では、9人が死亡した。

 この事故をきっかけに、国土交通省は全国の橋梁・トンネルの総点検を実施した。全国730,000ヶ所のうち、メンテナンスが必要とされた橋とトンネルは約73,000ヶ所。このうち6割に上る約45,000ヶ所が放置状態である。

 特に地方自治体では、圧倒的に予算不足が問題になっている。昨年の豪雨水害で、熊本県の球磨川では10橋が流されたが、いまだに復旧していない。地方道の橋梁のうち、通行止めになっているのは2008年に977ヶ所。2018年では2,901ヶ所と3倍近く。

現存する橋梁やトンネルを廃止する時代に

 今後、少子高齢化で税収が大きく落ち込むことが確定している。そんな中で、道路の維持管理費は、今後30年間で最大76兆円余りかかると国土交通省は試算した。年間2兆5,000億円余りかかる計算になる。

 国土交通省の来年度の道路関係予算要求は4兆8,286億円である。その中でメンテナンス費用は8,000億円程度である。地方単独事業と言う、地方自治体が国の補助金なしで独自に賄う道路予算は含まれていないが、国の予算(概算要求)の半分程度しかない。メンテナンス費用の割合は、国とそれほど変わらないと思われる。

 NHKのアンケートに答えた自治体では、管理している橋やトンネルを減らしていく必要性が「ある」と回答したのは全体のおよそ8割とのこと。高度経済成長期に造られた多くの施設は、今後、加速度的に改修にかからなければならない。国の補助金を見込んでも、必要額の足元にも及ばないのが実情である。

 つまり、今ある橋やトンネルを、賞味期限切れを機会に、次々に廃止する必要があるということだ。ただ、明石海峡大橋のような航路の要衝に位置する橋は、建設費の倍に相当する撤去費用を要する。賞味期限は70年という説があるが、そう先の事でもなさそうだ。

道路を撤去する時代に抵抗勢力とは

 あれば便利という単細胞的発想で造られた、山手幹線の武庫川大橋。これなどは、後世に最も批判される事業の一つになることは間違いない。神奈川で外郭環状道路を、住宅地の大深度地下(地上から40m以下)で掘り進み、陥没や巨大空洞が複数発生している。これなどは、今すぐ廃止すべき典型的な道路であろう。

 橋梁やトンネルの改修事業は、新たな建設事業に対して規模が小さい。道路族議員のキックバックも少ないという背景がある。庶民にとって、そんなに懐を肥やして、棺桶に足を突っ込んだ際に後悔するだろうと思うことではある。ところが、この手の生き物は、庶民の常識を理解できるのはあの世に行ってからなのである。

 そろそろ庶民は、こんな政治屋家業の面々に、票を入れるのを止めなければならないのだろうが。オレオレ詐欺同様、庶民を丸め込むのは、頭が悪い割には長けて居るのだ。 

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『みちしるべ』**住宅街に陥没と空洞ができた!**≪2020.冬季&2021.春季合併号 Vol.109≫

2021年04月19日 | 単独記事

住宅街に陥没と空洞ができた!

東京外郭環状道路の建設現場で、陥没と空洞ができて大問題になっています。大深度地下(地表から40m以上深いところ)は、地表の地権者の権利が及ばないとした法律が出来ました。それを根拠に調布市の住宅街の地下トンネルを、シールド工法で掘り進めたところ、陥没と空洞ができてしまいました。
リニア新幹線も、同様のトンネル工事をするため、この事故をいかにしてもみ消すかというのが、当局側の思惑です。何が問題なのか、現地住民のニュースから、一部ご紹介します。

東京外環道訴訟を支える会ニュース No.10(2021.2.10.)より

10月18日調布陥没事故、外環道訴訟は新段階に
~国は直ちに事業中止、大深度法廃止を~

弁護士 武内更一

「地表には影響が及ばない」とする 大深度法の大前提は崩壊

調布市東つつじヶ丘の地表陥没をきっかけに、地下空洞3か所と広範囲にわたる地盤の沈下と緩みが判明しました。外環道のシールドマシンによるトンネル掘削工事が 原因であることは明らかです。「地表には影響が及ばない」として制定された大深度法の大前提は崩壊しました。人の所有地の地下を地権者の承諾なく、補償もせずに使用できるとした大深度法は、財産権を保障し、公共の目的のもと正当な補償をした場 合に人の財産を使用できると定めた憲法29条に違反し、外環道の大深度地下使用認可は無効、と私たちは訴訟で訴えてきました。また、シールドマシンによるトンネル掘削工事は、過去にいくつも事故例があり、地盤沈下や陥没を引き起こしかねず、住宅地の地下で行うことは違法であるとして外環道の都市計画事業認可等の取消しも求めてきました。

6月の新横浜陥没事故も、9月の地表の振動・家屋損傷も、無視して工事続行

2020年6月には、新横浜駅付近の道路の地下で行われていたシールドトンネル工事によって、地表が陥没するという事故が発生し、私たちは、9月9日の裁判で、そのことを指摘し、被告国に直ちに工事を中止するよう訴えました。にもかかわらず、国とNEXCO両社はそれを無視し、工事箇所の地表では、地下からの振動や騒音が発生し、建物が損傷するという事態も生じていたのに、工事を強行し、本件事故を発生させたのです。

「想定外」ではない! 事業者に100%「過失」

この事故は、断じて「想定外」ではありません。事業者に100%「過失」がある「不法行為」です。事業者は、被害を受けた住民に対して完全な被害回復を行う責任があります。それが不可能な場合、被害に応じた賠償金を支払う義務があります。

被害を繰り返さないために事業中止を!12月25日施行期間延伸差止訴訟提訴

今後二度とこのような被害を繰り返させないためには、外環道事業そのものを中止させることが必要です。外環道は「都市計画事業」としての施行期間は2021 年3月31日までと定められています。このまま期限が到来すれば本事業は進められなくなるため、事業者は、期間延伸の申請をしようとしています。私たちは、昨年12月25日に施行期間延伸差止訴訟を起こしました。外環道訴訟の3月2日の裁判期日では、この訴訟の審理が、これまでの裁判と一緒に行われます。

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