音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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■「かのあわれな大ベートーヴェン老」曰ドビュッシー

2012年07月21日 | ◆一言◆
反好事家八分音符氏(ムッシュー・クロッシュ・アンティディレッタント)著 平島正郎 訳
『ドビュッシー音楽論集』岩波文庫より抜粋


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私たちは、
ベートーヴェンの交響曲を指揮するいろいろのやりかたの
例によって例のごとき演習に、立ち会うといった寸法だ。

ある人たちは〈速める〉だろうし、
別の連中は〈遅くする〉だろう。

そしてもっとも苦しむのが、
かのあわれな大ベートーヴェン老である。

ものごとをいつもまともにうけて、しかも消息に通じている人たちは、
だれそれの指揮者がほんとうのテンポをもっているなどと公言するにちがいない。
それにこうしたことは、会話のすてきな主題だ。

あの連中はどこであれほどの確信を得たものだろうか?
死後の世界から情報を得たのか?
墓のむこうからそんな気のきいたことをベートーヴェンが教えてよこすなんて、
いやはや驚きいった次第。

しかも彼のかわいそうなたましいが、もし演奏会場をさまよおうものなら、
きっとあわてて天体の音楽しかもうきこえていないあの世界に、
また上がってゆくにちがいない!

すると偉大な御先祖さまのバッハが、
いくらか厳しい口調で言うはずだ。

〈ルートヴィヒや、
おまえのたましいがすこし縮こまったところをみると、
また悪所に足を踏みいれてきたな〉

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・・・・いやはや・・・まさに、
「辛辣」なドビュッシーの発言!?

「ほんとう」という理想を、決め付けて公言する危険・・・!?
「ほんとう」を真に目指す人ならではの言葉のようにも思われました・・・

















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