先日種村季弘の好物漫遊記という本を読んでいたら、ハレー彗星についてのエッセイがあった。
前回の最接近時である1910年には、酸素が無くなってしまうとか、この世の終わりになってしまうとか、処女の生贄が必要であるなど世界中で大騒ぎになっていたのだが、彗星の何たるかをすっかり解明している(と言っても未だに謎は多いのだが)現代においては、そのような混乱も全く無い。
「正直言ってつまらない」というのが . . . 本文を読む
駅から自宅までの帰り道は市役所の通路を突き抜け、さらにちょっとした公園を横切って行く。
その公園にはいわゆる「地域猫」が住み着いている。三毛だったりトラだったりと何年か毎に政権交代をするのだけれども、大抵はそこをテリトリーとする猫が1匹ベンチに陣取り、お節介な近隣住民が寄越すご飯を待ちわびている。
さて、先日の夜も公園を通って帰ろうとしていたら、どこからともなく猫の鳴き声が聞こえる。普段寝そ . . . 本文を読む
僕が普段いる仕事場は一見大きめのコンクリート3階建の住宅である。そこの3階を事務所として間借りしており、2階は建物の持主である会社が事務所として使用、1階はその会社のスタジオ兼倉庫になっている。
玄関は2階にあるのだがこれが微妙な高さ関係で、坂の途中に建っているものだから外の階段を数段登るだけで2階の玄関前に着く。
一方1階は前面の道路よりほんのちょっとだけ下がっており、目立たない倉庫用の扉 . . . 本文を読む