大学生の頃は自宅の車を借りてよくドライブに出かけた。
お金は無いけど時間は沢山ある。
思い立ったら早朝でも深夜でも、独りきままにハンドルを握ってはあても無くあちこち運転したものだった。
そんな訳で、ある真夏の夜中にふと思い立って伊豆の方へ出かけてみた。
今はもうどのようなルートを行ったかよく覚えていないが、おそらく箱根を越えてから修善寺へ行くようなコースだったと思う。
深夜の山道は国道と . . . 本文を読む
ふと、初めて入手した洋楽のLPは何であっただろうと思い出してみると、これが何と「Zodiac」というグループのバンドであった。
ビートルズでも無ければサイモン・アンド・ガーファンクルでも無い。
ストーンズでも無ければカーペンターズでも無い。
何気なく「初めて入手した洋楽のLPはDurutti Columnです」何て言えたらカッコイイのだけれども、残念ながら恐らく知っている人はほとんどいない . . . 本文を読む
イスタンブールからの帰国。
航空会社はアエロフロート航空でモスクワ乗り継ぎである。
窓際の僕の隣にはロシア人女性、そのまた隣には彼女の旦那さんが座っていた。
年齢不詳。若い訳ではないけれども、年配と言うほどでも無い。
仮に彼女をナターシャさんと名付けることにする。
彼女は隣の旦那さんにあれこれと話しかけては世話を焼いているようであった。
旦那さんの方はというと至って物静かで動かない様子で、 . . . 本文を読む
過去のメモ帳を眺めていたら片隅にラクガキがあった。
日付を見ると98年。10年も前のもの。
その絵を見て忘れていた記憶が一瞬にして甦った。
と言っても本当に些細なことである。
毎朝の通勤で混み合う東海道線。
ちょっと先の座席に目を遣ると、年配のおじさんが居眠りをしている姿が見える。
居眠り自体は珍しくない。座っている乗客の8割が眠っているくらいだ。
でもそのおじさんは、陽の光を遮るために . . . 本文を読む