元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

退職の理由

2007-04-24 | 万年筆
今回の私の決断がすごく急だったと周りの人たちは思っているようですが、入社した時からイメージしていたことだったので、私自身それほど不自然なことではないと思っていますし、お客様方もそうするような気がしていたとおっしゃって下さっていますので、それほど自然に反したものではないと考えています。
ただ、多くの人たちに言ってきたことですが、社長になりたいとか、店を持ちたいという欲はなく、ただ自分自身をもっと世の中の役に立たせることができる方法があるのではないかと思っていました。
それが転職など他の組織に入ることによって実現するのでしたら、そうしたでしょうし、雇ってくださる会社があるのでしたら、喜んでそうしたと思います。
しかし、お世話になったナガサワ文具センターは会社としてはすごくたくさんのことを私にさせてくれたと思っていて、ここまで一人の社員に任せてくれる会社も他にないと思いましたので、独立という厳しい道を選択しました。
15年の会社員生活の中で感じ続けて、最後まで馴染むことができず、退職のひとつの理由になったことがあります。
それはそれぞれの会社によって文化があるということでした。
同じ100万円という金額の稼ぎ方が違うという問題は日常の仕事の仕方も違ってきますし、仕事の価値も違ってきますので、それは非常に根深いものだと思っていますし、理解されなかったらなかなか肩身の狭いものです。
私は会社文化を決して否定しませんし、会社のスピリットとして尊重していましたが、私にはできないということと、正解ではないと思っていたことが、最後まで馴染めず、自分を適応させなかった理由です。
しかし、それでも15年間もい続けた理由は、組織の中にいるという安心感を手放せなかったと言う他はありませんが、その組織にい続けながら反対だけしているのはただのへそ曲がりだと思いましたし、何も生み出さないただの評論家なのではないかと思い出した果ての決断でした。

5 コメント

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決断 (mtfuji)
2007-04-24 18:56:12
よく決断されました。拍手です。いや、ふざけていっているのではありません。決断してしまったら今度は次の道でのスタートになるのですから、スタートに対する拍手です。どの道に進もうと、吉宗さんの信じてやってきた方法に対する顧客がたくさんいることは間違いないことですから、その信頼をもとに進んでいただきたいのです。組織には組織の都合があります。自分の一度の人生で、どのように自己実現をしていくのか。そこを見つめた上での結論なのですから、よかったと賛同します。組織を離れた点では私も同じです。よくわかるような気がします。「あのぶどうはすっぱい」とだけは言って欲しくないのですが、吉宗さんはそんなことはないはずですよね。これからが楽しみですね。
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Re.決断 (penandmessage)
2007-04-24 20:59:55
mtfuji様
いつも気に掛けてくださって本当にありがとうございます。一大決心と言いたいところですが、すごく自然な流れのの中での踏ん切りといった感じの独立です。
少しずつ自分のできることをコツコツと積み重ねて、数十年後に最終的な形ができていたらと、思っています。これからも長くなりそうです。
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タイミング (b-wind)
2007-04-25 00:26:31
自分は運命というものは信じていませんが、それでも物事にはタイミングというものがあると考えています。
タイミングと努力が合わさって初めて人は物事を成しえるのではないでしょうか。
拝見する限り、吉宗さんにとってまさに今がその時ではないかと思えてなりません。
追い風は吹いています。自分も微力ながら協力させていただきます。
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協力者 (penandmessage)
2007-04-25 20:55:42
b-wind様
私もタイミングだと思えました。それは今回のことを考え始めたとき、何人かの有能な協力者が集まりだしたからでした。もちろんb-windさんはその中でも最も身近な人です。
そんな才能の集まりが今回の私の独立を後押ししてくれていることを皆さんにもっと知っていただきたいと思っていますし、この愉快なグループをもっと大きくしていきたいと思っています。これからもよろしくお願いいたします。
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Unknown ()
2007-04-25 21:28:30
花を咲かせるリスクよりも、蕾のままでいるリスクの方が大きい。

要はそう言うことだと思います。
いつだって、より勇気を必要とする決断が正しいと決まっています。
少なくとも、僕の人生はそうでした。

楽しい裏には苦しみがあり、その向こうに成功が見えます。
とにかく描いた目標に、今この瞬間にも、近づきつつあること。そう努めること。

また、お話を聞かせてください。

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