元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

仕事の根源

2018-01-14 | 実生活

蹴上奥の発電所から見た平安神宮の鳥居

 

店をこうしたいとか、万年筆を多くの人に使ってもらえるようにしたいとか言いながら、私は家族を養うために仕事をしていて、その根本的な理由と自分を動かしているエネルギーの源は変わっていない。

家族の小さな生活を守るために万年筆の仕事をしている。

自営業は良い時も悪い時もあるけれど、何とか生活してくることができて、息子を大学に行かせることができたことは恵まれていたと思っている。

これで逃げ切ることができたわけではなく、まだまだ生きて行かなければならないので、あと30年くらいは今のレベル以上は保たないといけないと思っている。

お金のことに関して、私も妻も本当に楽観的で、結婚してから何とかなるだろうと思ってやってきました。

結婚したばかりの時も若かったせいもあるけれどほとんどお金がなかったし、息子が生まれた時もなかった。

ローンを組んで家を建てたけれど、そのローンは私が69歳まである。
あのまま会社にいたら払えなくなっていたと思うと、今考えると本当に怖いけれど、その時は何とかなると思ったし、今は何とかすると思っている。

自分の人生を振り返ってみて、金持ちだったことはなかったけれど、こうやって家族3人で元気に暮らしている。

自分の仕事を良くしたいとか、新しい万年筆を輸入するとか、夢やロマンを持って仕事していて、傍から見ると道楽でやっているように見えるけれど、本当は生きていくため、生活のために万年筆屋をやっている。

そうやって考えると好きなことばかりやっているわけにもいかず、嫌だと思うこともしないといけないのかもしれないけれど、したくないことはしない贅沢をしてきた。きっとそれでいいと思っている。