フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2017年08月

2017年08月01日 | しゃちょ日記

06雄二.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月28日(月)その2959◆知恵と限界

21105849_1428182730592415_8420239065613388978_n.jpg

年寄りの知恵と限界。

──────────────────────────────────
2017年8月27日(日)その2958◆おつかれ会

地元・中野のイケてる呑み屋、その1。

季節料理「第二力酒蔵」。
JR中野北口から歩いて三分。
近くにスタジオを構える大沼由紀ちゃんに教えてもらった。
メインは新鮮な魚だが、天ぷら、煮物などなど何食っても旨い。

ふぐ刺し・アワビなんかを調子こいてポカスカ頼めば福沢先生軽くふっ飛ぶ。
ところが、高いも安いも全体に上等な鮨屋ばりの鮮度&クオリティで、
低価格帯に小粋な肴がたくさんあるから、
懐具合に応じて呑み食いできるところがありがたい。
ひとり6千円ほどで庶民なりの美味しいゴージャス気分。
まあ月いっぺんがせいぜいだが、今日も仕事終えたら連れ合い連れて、
この夏のもろもろおつかれ癒し会。

21078715_1426947017382653_8908146780281861122_n.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月26日(土)その2957◆遠足の極意

21105613_1426537850756903_6958842264570404782_n.jpg

望外の完全休養日。
     
わかってるよ、約束だからな。
午前中はこやつと家の裏手の桃園緑道めぐり。
古民家を改造したオープンカフェのチーズケーキが奴のお目当て。
わざわざジェーのために飲み水を用意してくれる親切なお店。
今日も暑そうだから日陰以外はだっこだな。
           
この一週間、五つのチョー濃厚ライヴでちょっと身体が固まり気味なので、
午後からは大江戸散策、東急・世田谷線沿線めぐり。
都電・荒川線と同じく、江戸近郊の懐かしい情緒の薫る東京散策の穴場。
ちんたら気ままにぶらつけばフシギと疲れが癒えてくる年寄りのプチ遠足。
おやつは三百円まで、ただしバナナとゆで卵はこれに含まない。
              
夕方から世田谷線の終点・三茶で、絶対スベらない
アルテイソレラの最新作『愛の果てに』。
日がなみっしり英気を養い、明日からみっちり本業復帰。

──────────────────────────────────
2017年8月25日(金)その2956◆運の育て方

「運を育てる」

日本有数の勝負師たちが同じようなニュアンスを語る。
米長邦雄さん(元将棋名人)と色川武大さん(麻雀放浪記の作者)。
敬愛するお二人の著作や棋譜・雀譜を若いころから夢中で読み漁った。

21078739_1425697604174261_3390064308573097947_n.jpg

人には機嫌よく接したらいい、役に立つなら進んで助けたらいい、
いいところを褒めたらいい、奢られるより奢ったらいい・・・
えーーーーっ、お二人とも鬼のような勝負師なのに、そこなのかっ?

運というのは万人平等だが、より良い運を掴みたいならコツコツ運を育てればいい、
それらを暮らしの習慣にしてしまえば苦もなく運気は上昇する
(助けるから助けられる)というセンス。
種も仕掛けもない単純明快ギブ&テイクな確率論だが、
実は見返りも求めない飄々玄妙なる対人ディスタンス。

──────────────────────────────────
2017年8月24日(木)その2955◆醒める間もなく

深く静かにすでに彼女は入っていて、声は掛けられない。
ライヴラストのソレア。
舞台に向かう通路からそれは始まっていた。
客席最後方から、フラメンコの化身とも云うべきその後ろ姿を見送る。
何年かぶりでみる萩原淳子は、歓ぶべき深化を遂げていた。
音と舞いと想いとが自然に溶け込み合う生理的・精神的快感。
非の打ちどころのない深い芸がしみじみ胸に沁みる。
昨晩はシリーズ初登場、満員御礼の萩原淳子ソロライヴ。
家路をたどりながら、ずっとそのディープな余韻に浸っていた。

そして、今宵はフラメンコロイド。
パセオライヴの連チャンはシリーズ開始以来初めて。
新人公演の夢から醒める間もなく、幸福な日々は続く。

21015781_1424776580933030_1370050681639465767_o.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月23日(水)その2954◆萩原淳子ソロライヴ!

20992780_1423929361017752_4660237967677529885_n.jpg

本日20時・高円寺エスペランサ、
パセオフラメンコライヴVol.065
2010年ロンダ・コンクールで外国人として初優勝した
萩原淳子がいよいよ初登場!

萩原淳子(バイレ)
エミリオ・マジャ(ギター)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
マヌエル・タニェ(カンテ)
写真Ⓒアントニオ・ペレス

発売同時に座席指定ソールドアウト、立ち見席(←座れる)若干あり、
17時までに☎03-3383-0246までお問い合わせを!

パセオ忘備録担当は新田陽子、フロントは吉野理子、
バックと撮影は小倉編集長、ヒマそーな老いぼれ雑用係がおれ、
それではのちほどエスペランサでお会いしましょう!

──────────────────────────────────
2017年8月22日(火)その2953◆ファンダンゴ・デ・ウェルバ

だんご愛好家のことをファン団子と呼ぶことにしますた。
なので腹がへったらファン団子飢えるば、となりまふ。

──────────────────────────────────
2017年8月22日(火)その2952◆愛の果てに

20992679_1422935084450513_8493245943323759926_n.jpg

世界に誇る国際レベルのクオリティ。
天まで届かんばかりの鍵田真由美の舞踊性、
そして佐藤浩希の構成演出力。
その新作はオルフェウス神話に題材をとる『愛の果てに』。
映画『黒いオルフェ』が典型だが、その解釈は無限である。
果たして天才ヒロキはどんな行方を選ぶのだろう?

完全休暇をとって土曜初演に出掛ける。
開演は18時なので、午後から都電の次に好きな東急世田谷線
(終点に公演会場キャロットタワー!)を満喫する段取り。

──────────────────────────────────
2017年8月21日(月)その2951◆ウソップその3

イソップ物語はバリエーションが豊富で奥が深い。
 働き者のアリが近ごろの暮らし向きを尋ねると、
    道楽者のキリギリスはこう答えた。
      「わりとギリギリっす」

──────────────────────────────────
2017年8月21日(月)その2950◆実話

びっくりしたお相撲さんが
  ドヒョーと叫んだ。
おおっ、見上げたプロ根性
  土俵に懸ける執念!

20882574_1421278491282839_5121754989257778051_n.jpg
(↑ 38年前の実話の事件現場)

──────────────────────────────────
2017年8月20日(日)その2949◆祭りのあと

三日間の新人公演も先ほど無事終了。
みなさま、ほんとうにおつかれさまでした。
例年同様、実にファンタスティックな三日間だったね。

会場からエッチラ歩き(15分)、いま家に到着したところ。
連れ合いは選考委員で遅くなるので、ジェーの当番は私。
これから散歩に出掛け、遅い晩めしをいっしょに食う。
選考委員会はこれからまたひと勝負、あともうちょい頑張ってね!

20915444_1421652307912124_8541502193500720207_n.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月20日(日)その2948◆受ける青春

「受ける青春」

23歳でビッグタイトル〝王将〟を獲得した中村修九段。
こんなキャッチフレーズで一世を風靡した。
あれからもう三十年経つのか。

久々にのんびりする日曜朝はNHK将棋トーナメント。
強豪・行方尚史(なめかた・ひさし)八段を相手に、
精緻かつ文学的なギリギリ受け将棋で、手に汗握る波乱万丈の勝利。

受けるだけでは、あるいは攻めるだけでも、
勝利することが出来ないのは将棋も人生も一緒。
攻めと受けのバランス、そしてメリハリこそが真の個性と云うべきものだろう。
攻めが強くなければ受け将棋は成立しないのだ。

無理くり云うならフラメンコもまた同様だろう。
押したり引いたり協演者・裏方・観客との一期一会のライヴ・コミュニケーション。
稽古不足を幕は待たない、フラメンコはいつでも初舞台。

20935042_1421386381272050_5570081802006508307_o.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月20日(日)その2947◆永続の理由

20914312_1421262757951079_2911162553274672340_n.jpg

夏の甲子園に例えられるフラメンコ界最大のお祭り、今日はその最終日。

二日間観てびっくりするのは全体水準の高さ。
この人に賞をあげたい!!!
そんな出演者が、私の中ですでに20組を超えている。
うれし過ぎる悲鳴の中、奨励賞選考委員の皆さんのプレッシャーを想うと
冷や汗が吹き出す。
試されるのは己自身なのである。

迎えて26回目となる日本フラメンコ協会新人公演。
パセオライヴ出演者の多くもこの新人公演出身者であり、
出演者のファイアーをどれだけ記憶に叩き込めるかが私にとっての勝負となる。
近年では徳永兄弟、本間静香、土方健人などがここから生まれたお宝だった。

一方、今回ほとんど二階席から観ているのだが、
改めて感じ入るのは多彩でファンタスティックな照明の美しさである。
「コンクール」ならば等しく平板なベタ照明なのだが、
「公演」だからこそ満員の観客を楽しませる視点を重視できる。
「新人公演って何?」という問いには、
「新人公演は新人公演」と答えたい。
そのブレないアイデンティティこそが永続する理由であるだろう。

──────────────────────────────────
2017年8月19日(土)その2946◆相合傘

新人公演の中日土曜の終演後は、中野五差路で
恒例のパセオライター有志(総勢八人)呑み会。
会場を出ると雨降りの最中だったので、
べっぴんライターさんと相合傘でいちゃいちゃ移動。
こーゆーこともあるからして、
私の中で傘を持ち歩かない主義が無意識に確立されたことに気づく。

20914312_1421262757951079_2911162553274672340_n.jpg

みんなまあ快活に、よく呑みよく喋る。
書けないこともたくさんあるからなあ。
いつもいつもおつかれさん。
今宵もまた、みんなの本音が聞けて超ラッキー!

──────────────────────────────────
2017年8月19日(土)その2945◆ウソップその2

  まじめな働き者かと思いきや、
案外そうでもなかった男の悲哀が身に
  つまされるイソップ人気作。

   『わりとキリギリス』

──────────────────────────────────
2017年8月18日(金)その2944◆ウソップ

  どこか日本風で、
   イソップでは
 このお話がイチバン好き。

    金の斧
    銀の斧
    ふつーの小野

──────────────────────────────────
2017年8月18日(金)その2943◆今日から新人公演!

「何やってんだー、金払ってるんだぞー!」
「この野郎、いつまで待たせるんだっ!」
「ばかやろー、早くしろおっ!」
          
1991年夏にスタートしたフラメンコ協会新人公演。
あの頃は開催会場を転々としていた。
当時の運営主要メンバーは四人で、みな血気盛んで若かった。
60代/赤木知雅(元国会議員秘書の大物舞台監督/現場の大将)
50代/佐伯泰英(いまや超売れっ子人気作家/チーフディレクター)
40代/田代淳(ご存知、協会事務局長/総仕切りプロデューサー)
30代/おれ(鼻たれ小僧/事件解決係と広報・渉外担当)

何度か目の新人公演、会場は都市センターホールだったか。
炎天下の混乱を避けるために行列整理に乗り出す。
開場前の入口付近はすでに数百名の来場者で芋洗い状態。
リハが長引き開場10分押しとの伝令を受け、
炎天下の行列の両脇を平謝りしながら独り走り回るが、
若きトムタルーズめがけ冒頭の如き強烈な怒号罵倒が飛び交う。
まあ、あの狂うような暑さじゃ無理もねえ。
詫びる一手の1時間マラソンで3キロは痩せたな。
ズボンがずり落ちそうになったのを覚えてる。

現在の会場・中野ZEROは、行列を建物内に吸収できるのがうれしい。   
てなわけで、今日から丸々三日間、フラメンコ界夏の風物詩『新人公演』!
では皆さま、のちほど会場パセオブースでお会いしましょう!

20799934_1419301648147190_6624228960437225807_n.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月17日(木)その2942◆フラメンコロイドの夏

 ここ最近、僕は今一番観るべきライヴバンドとして、フラメンコロイドをいち押ししている。
 ギターがうまい、歌がうまい、個性がある。フラメンコロイドを結成する前から、すでに業界では一目置かれていた3人のアーティストのことだ。そんな人たちが、足掛け5年以上も全国行脚をやり続けている。1年続けるのだって大変なのに、なんというアーティスト魂!!
 フラメンコロイドは新しい。ファッショナブルで都会的かつ現代的な感性は見た目からも伝わってくるが、楽曲がとにかく爽やかな新鮮さを放っている。松村さんのギターが、とにかく巧い! 観るたびに、聴くたびに、いつも感激している。またロイドは、気がついたら素晴らしいパーカッションまで駆使したサウンドになっている。叩くのはあべさんだ。あれ、歌い手じゃなかったっけ?? そう、あの歌い手のあべさんが叩いているのだ。裏返せば、歌い手にもこれほどのリズム感、ひいてはコンパス感が宿ることを教えてくれる。そしていよいよその個性が花ひらき始めた愛夜さんのカンテ。愛夜さんのカンテは、ぜひ近くで聴いてほしい。じわじわとその良さが身体に入ってくることだろう。
 この5年を超えるツアー生活がロイドに与えた深みはゆるぎないものだ。どっしりと腰を据え、観客と真っ向から対峙し、人を楽しませ続ける気迫がある。明るく朗らかな雰囲気の向こう側には、そんな芸事の厚みを感じずにはいられないのだ。

 (月刊パセオフラメンコ2017年8月号より/小倉泉弥)

20841906_1419318891478799_6124359244925296253_n.jpg

2017年8月24日(木)
パセオフラメンコライヴVol.66
フラメンコロイド ライヴ
松村哲志(ギター)
あべ まこと(カンテ)
高橋愛夜(カンテ)
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/08/_2017824.php#005983
(座席指定、予約受付中!)

──────────────────────────────────
2017年8月17日(木)その2941◆萩原淳子ソロライヴ

「普遍的な怒りを一手に引き受け、それを光ある歓びに浄化して行くダイナミズム」
 5年前、初めて観た萩原淳子のソレアの強烈な印象。努力と信念の人だ。15歳でフラメンコギターに衝撃を受け、学生時代からフラメンコを始めた。2010年ロンダのコンクールで外国人として初優勝した遅咲きの華はどっしりと地下に根を張っていくタイプ。
「重要なことは歌やギターが聴こえてくる時に、自分自身の心も身体も感性もそれらを受け入れる状態に100%なっていること。踊る前のある時間で、その状態になるように集中する。例えるならラジオの局をチューニングする感じ。その〝チューニング〟さえできれば、あとは舞台の上で聴くだけ。そこから出た踊りだからこそ、お客様に伝わるものがあるのだと思います」
 セビージャに住み、現地の薫りを濃厚に纏う。教授活動やライヴのための日本との往復、また写真家であり夫君であるアントニオ・ペレス氏との撮影旅行等、超ハードスケジュールを割いてようやく実現したパセオソロライヴ。
「彼の地にはお金では買えないフラメンコというものが確実にあり、それを肌で感じながら吸収することによって、目と耳・感受性・フラメンコ独特の呼吸・キャッチするアンテナみたいなものが自分の中に培われています。それが自分のフラメンコの土台」
 迷いの無い骨太のフラメンコは風格を増し、吹っ飛ばされそうになる。フラメンコはこうでなければ!
      (月刊パセオフラメンコ2017年8月号より/井口由美子)

20840849_1418685944875427_2029671454377869283_n.jpg

2017年8月23日(水)
パセオフラメンコライヴVol.65
萩原淳子ソロライヴ

萩原淳子(バイレ)
エミリオ・マジャ(ギター)
マヌエル・タニェ(カンテ)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
写真Ⓒアントニオ・ペレス
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/08/post_117.php#006009
※予約開始日に座席指定ソールドアウト、立ち見席(←座れる)若干あり

──────────────────────────────────
2017年8月16日(水)その2940◆秘密の仕組み

「スペイン人の体内リズム」って一体どうなってんの?
 そのあんまりの違いに愕然と泣く。

 お前さんにはコンパスが無いと、スペイン人アーティストから馬鹿にされ続けた日本人が、その屈辱とコンプレックスをバネに開発したフラメンコ専用メトロノーム。発明者であるギタリスト原田和彦の鬼の執念は実り、いまではあのベレン・マジャやロシオ・モリーナ、そしてトマティートたちも日常的に愛用するに至り、世界初の特許も取得した。

20840881_1417813431629345_2175574547522190748_n.jpg

「スペイン人にこれは作れない、ハラダだから出来たのよ」とベレンは絶賛するが、外国人だからこそ出来ることがある。フラメンコ特有の神秘的なうねりを発生させるコンパス。その仕組みを科学的に解明し、日常的なリズム上達のために実用化したのがこのメトロノーム。いまフラメンコ界でいちばん売れているCD『聞くだけフラメンコ』(8/22にその第六弾リリース!)もその延長線上に生まれた。

 原田博士の快挙に注目したこのパセオ講座の目的は(パセオ本誌でもいよいよ連載スタート)、その理論をシンプルに現場的に理解すること。あとはメトロノームと聞くだけCD併用で、迷わずコンパス強化のトレーニングに集中するだけ。ほんの少しのインスピレーションと飽くなき反復練習が理解上達を推進する。てなわけで来週金曜は、原田博士直伝のおひとり様歓迎のボーダーレス講座を開催。難解そうな部分は、すかさずMCパセオ小倉編集長と私(雑用係)が鋭く突っ込み平たく理解する。百聞は一見に如かず!

20840693_1417813304962691_3549978105283135317_n.jpg

★原田和彦レクチャー「もうコンパスが無いなんて言わせない!」
日時◆8月25日(金)19時30分~21時(19時開場)
対象◆バイレ・カンテ・ギター・観る聴く専門の初級者からプロまで
講師◆原田和彦(ギター)/ほか
受講料◆90分/3,000円(当日受付にて)
定員◆20名程度 ※独習のための録音可
会場◆スタジオ・アルソル(中野区と杉並区の境界線上にある 笑)
※丸の内線「東高円寺」徒歩6分、JR・東西線「中野駅」徒歩10分。
 2階フラメンコ協会で3階パセオ編集部、その1階がスタジオ。
予約◆ ☎03-6382-4611 paseshop@paseo-flamenco.com(お名前・お電話番号を明記)。
 なお次回講座は11月24日(金) 

──────────────────────────────────
2017年8月15日(火)その2939◆青い鳥

四六時中とまではゆかぬまでも
そこはかとなく機嫌のいい人
男も女もそこじゃないかと想う

「まったくの偶然」.JPG

──────────────────────────────────
2017年8月14日(月)その2938◆トリスな気分

金曜の協会新人公演を皮切りに、
九日間で七イベント(10月号締切のおまけ付)という濃厚な熱風を前に、
今宵はこんな気分で寛ぎたい。

20729623_1416317808445574_7653599529969175217_n.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月13日(日)その2937◆マイブーム

田口久人さん(=© hisatotaguchi)の詩にふんふん感心しながら、
目覚めの朝湯なんかで彼の作品と語らい合うのが近ごろのマイブーム(←不気味)。
机上ではなく現場でひと通りやってきたアクション派に共通する
リアリティと決断が深く鋭くおもしろい。

20770038_1415296528547702_9152467441978179939_n.jpg
           
コレ(信じればいい)なんか、ラストの「すべてを可能にする」には若干引くけど、
納得ずくで死んでゆくためには、このスタンスは相当に有力だと想うな。
グチや云い訳とは無縁に、何が起きても因果応報・自業自得と笑える、
案外と涼しい世渡り戦略。

──────────────────────────────────
2017年8月13日(日)その2936◆鬼が笑う

来年夏には当初目標の100本に達することに気づいてびっくり。
その先どうするか?
年内にはしっかり結論を出すつもり。

2018年パセオフラメンコライヴ
077 01/11(木)藤井かおる&ブラシェ小夜音(踊り)
078 01/17(水)稲田進(踊り)
079 01/25(木)エル・プラテアオ(歌)
080 02/08(木)小林伴子(踊り/カスタネット)
081 02/14(水)青木愛子&ヴォダルツ・クララ(踊り)
082 03/08(木)大渕博光(歌)
083 03/21(水)松下幸恵(踊り)
084 03/22(木)高野美智子(踊り)
085 04/12(木)石塚隆充(歌)
086 04/18(水)屋良有子(踊り)
087 04/26(木)渡部純子(踊り)
088 05/10(木)鈴木眞澄(踊り/歌)
089 05/16(水)森田志保(踊り)
090 05/24(木)川島桂子(歌)
091 05/30(水)未定
092 06/14(木)大沼由紀(踊り)
093 06/20(水)鈴木舞(踊り)
094 06/28(木)エンリケ坂井(ギター/歌)
095 07/12(木)鈴木敬子(踊り)
096 07/18(水)未定
097 07/26(木)野口杏梨(ピアノ)
098 08/09(木)井上圭子(踊り)

20747961_1414895061921182_3244793919943689707_o.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月12日(土)その2935◆すれ違い惹かれ合う

ああ、なるほどねえ。
分かったところで手遅れなことばかりだが、
知らないままでいるよりはいいのは、
相手に対するマイナスイメージが多少は緩和されるから。
けれども、分かったところで互いにそうは変わらないだろう。
そのすれ違いこそが惹かれ合う理由のひとつでもあるわけだから。

男女.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月12日(土)その2934◆時間旅行

きのうもそうだが、タイムトラベルする夢を最近よく見る。
過去に遡ることが多いが、稀に未来ものも見る。
とんだ騒動に巻き込まれたり、あるいは自ら騒動を巻き起こすドタバタものが多い。
なので、ジャンル的には〝タイムトラブル〟と呼ぶべきかもしれない。

20664707_1413796642031024_8566039640224239685_n.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月11日(金)その2933◆自分でレイアウト

ジタバタする青春、懐かしい感触。
人も仕事も遊びも、誰だって相性というのはある。
自分の居場所を自分でレイアウトできる時代。

20664071_1412576455486376_8381139197638948586_n.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月10日(木)その2932◆舞姫

「現在は過去と未来との間に画した一線である。
 この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである」(森鷗外)

ヴィジョンがどうあれ、眼前の現実、
つまりプロセスそのものを重視しない暮らしは着実に心身を腐らせる。
鷗外は医師だったから、身体生理学には殊に敏感だったのだろう。
マエストロのこんなバランス感覚にピンと来たころから、
開き直りの世渡りが板につき、あまり肩が凝らなくなった。

パセオフラメンコ創刊のちょうど百年前の1884年、
現・東大医学部を卒業した鷗外は、陸軍の派遣留学生としてドイツに赴任する。
有名な『舞姫』(映画は郷ひろみ主演)はこの頃の実体験に基づく。
19世紀後半はカフェ・カンタンテも盛んだったから、
もしも鷗外がスペインに渡っていたなら、
舞姫のヒロインはバイラオーラだった可能性もある(!)。
鷗外ならばフラメンコの本質的魅力を、きっと一発で見抜いたに違いない。
惜しいなあ、ホント惜しい。

20663681_1411692172241471_4903724120029039331_n.jpg
     
──────────────────────────────────
2017年8月9日(水)その2931◆ケント初登場!

明日木曜20時、ウワサのケント初登場!
ちょっとワクワクするよねえ。
忘備録(&本誌用撮影)は小倉編集長、
フロントは最近めっきり艶っぽくなったライター若林作絵、
バックと火の用心と用心棒はおれ。

20638872_1411343625609659_8815917761732935149_n.jpg

パセオフラメンコライヴVol.064
土方 憲人 ソロライヴ
2017年8月10日(木)20時開演
会場:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
出演:        
土方 憲人(バイレ)
松田 知也(バイレ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
織田 洋美(カンテ)
斎藤 誠(ギター)

演目:
1. Martinete
2. Malagueña
3. Caña
4. Alegrías
5. Guajira
6. Tarantos
7. Fin de fiesta

座席指定、若干あり
予約:(セルバ)☎03-3383-0246/(エスペランサ)☎03-3316-9493

──────────────────────────────────
2017年8月8日(火)その2930◆云うまでもなく

わずか三ヶ月でシンプルでわかり易いパセオ向きの経理システムを創り上げた、
この春入社したばかりの経理担当マリちゃん。
今宵はこれから新宿KOプラザにて、彼女の歓迎会だ。

20663750_1411081815635840_4843850007877646871_n.jpg

総勢七名で出掛けるが、パセオ会長(田代の淳ちゃん)のおごりなので、
今宵は各員存分にハメを外すべし!
尚、云うまでもないが、おれのおごりの場合は、
各員慎みと奥ゆかしさと忖度などなどを肝に銘ずべし!

──────────────────────────────────
2017年8月8日(火)その2929◆世間的価値
        
いろいろやったがバイトの稼ぎはよかった。

現場の意図を掴み、第一に正確さ、第二にスピードを心掛ければ、
高校大学の授業や将棋麻雀なんかよりずっと簡単で、
しかもそのライヴな手応えや充実感が妙にうれしかった。
自主練(作業技術の予習復習)もバリバリやって、
時給も面白いように上がってゆく。
毎日機嫌よく働きさえすれば、そこそこ食えて、
そこそこ仲間と楽しくやってける。
机上の学びより現場の学びが性に合ってた。
将来に対する不安がなかったのはそのせいだろう。
ゆえに世渡りをナメてたフシもある。

絶対受かると思っていたレコード会社(ソニーとビクター)に
一次試験(論文と集団面接)ですんなり落っこちて、
井の中の蛙、そこで初めて世間的な自分の価値を思い知った。
そこから自分の居場所(フラメンコの出版)を見つけるまでの五年間
(無謀な独立や駆け落ち婚含む)のドタバタ喜劇は鮮明に覚えていて、
その記憶が案外、今でも暮らしのテコになってくれる。

20622005_1410826072328081_7549743771924123414_n.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月7日(月)その2928◆精神年齢

久しぶりに遺言を書き直すので、葬儀の写真を選んでる。
これなんか、いいんじゃねーの、行年62だけど気分は17だし。

20622043_1410322262378462_6715793627025599956_n.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月7日(月)その2927◆今週木曜は土方憲人!

 思い起こすと2年前の新人公演、必死にメモをとりながら見ていた私の手を止めた踊り、それが土方憲人さんでした。数少ない男性というだけでなく、彼が放つ光や熱はハッとするだけではなく叫び出したくなる衝動に突き動かされる何かを感じました。

 終わると同時にメモしたものを今読み返すと、当時感じた衝撃と混乱も蘇ります。「優雅さ、粗暴さ、叫びたい衝動、静と動の対比、なんだ こりゃ。」最後には「切れている」と殴り書き(笑)。
女性陣がほとんどの中で数少ない男性踊り手というだけでも注目に値するのに、彼の放った鮮烈なエネルギーは確かに会場の空気をかき乱し温度を上げ、そこかしこでため息をつかせたのは確かです。一言で言い切れない多様性を持っている踊り手でしょう。

 奨励賞受賞に際しての言葉の中に「刺激を受けるのは"目指しているものが見える人"です。それがフラメンコ性の追究でも、モデルノでも、関係ありません。アートは虚栄心で歌ったり踊ったりするものではないですから。自分のよいところを知り、目指すものに向かう人は、魅力的です。」とあります。この時点で既にプロとしての高い意識とご自身の中にぶれない芯を持っていられます。それ故その後の怪我とそこからの復帰を経て、どう進化してきたのか、この1時間のリサイタルの中で見てみたいのです。 

 パセオライヴにあって、きらりと光る男性踊り手の回は大いに注目したいところ。その目で、五感で、熱と光と土方さんの目指す地平の先を感じようではありませんか。

       (月刊パセオフラメンコ2017年8月号~石井拓人)

20620930_1409979215746100_275381557046268812_n.jpg

パセオフラメンコライヴVol.064
土方 憲人 ソロライヴ
2017年8月10日(木)20時開演
於:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
出演:
土方 憲人(バイレ)
松田 知也(バイレ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
織田 洋美(カンテ)
斎藤 誠(ギター)
予約:
昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

──────────────────────────────────
2017年8月6日(日)その2926◆祭りと冷や水

タイム・イズ・アレグリア。
前倒しで時を稼ぐ。
これからパセオで10月号デザイン入稿。
15時終了目標で、そのあとは自由時間。
八月後半は主催・取材が七本あるので、体力は温存気味に。
とか何とか云いつつ、つまりは全開しちまうのが
フラメンコの性とゆーか宿命とゆーか。
今宵もそーゆーお仲間たちとわいわい呑む。
人生は祭りだ(リルケ)という一面の真実を無理くり拡大する年寄りの冷や水。

20617049_1408834995860522_2584437296567275034_o.jpg

──────────────────────────────────
2017年8月6日(日)その2925◆斬り合い

20638672_1409906452420043_7254205983894618772_n.jpg

ダガンダダカダンッ ダガンダダカダンッ
ターミネーターのような不気味さで、執拗に攻めてくる。

ネット上に無料公開されている、
総合力的にアマ四段程度のコンピュータ将棋ソフト。
人間的な美学は皆無であり、勝利することだけに目的を絞り込み、
容赦なく鋭い狙いを貫通させようとする。
作戦的にこちらが優位を築いても、
表面的にはちょっとトボけたような、実際には絶え間なく逆転を狙う
一連の指し手のその強烈極まりない意図に気づかないでいると、
いとも簡単にひっくり返される。

コンピュータを上回るスピードで攻め潰すか、
あるいは徹底的に受け潰すか。
私程度の実力ではその二択しかなく、
どっちつかずの対応をしていると必ず逆転を許すことになる。
なりふり構わぬ凶暴なその攻撃に対し、
先手を取りながら徹底的に受け潰す方が勝率は高いのだが、
リスク承知で攻め合い一手勝ちを見切る(たいへん疲れる)ほうが、
遥か本筋のように感じるし、勝っても負けてもそれこそが
老境の私が将棋を指す意味(ボケ防止)なんじゃないかと、
ヘボなりに斬り合いギリギリ勝ちの一手を探す。

──────────────────────────────────
2017年8月5日(土)その2924◆ギブ&テイク

 

平日は連れ合いのスタジオで番犬を務める。
基本週末は家で留守番だが、土日どちらかは
パコ・デ・ルシアのがんがん響くパセオ編集部で過ごす。

20525814_1407857772624911_2366836970476416163_n.jpg

すでに十五年あまり毎日フラメンコな環境に暮らすジェー。
今日もこのあとパセオに出勤し私の仕事を手伝う。
彼の仕事内容は、訪問者に吠えまくる、昼寝、屋上に行こうとせがむ、
昼寝、おやつをくれとせがむ、昼寝、散歩に行こうとせがむ、
昼寝、訪問者を撃退すべく入口あたりで待ち構える、
昼寝、早く仕事をすませて例の桃園緑道オープンカフェ
(チーズケーキ狙い)に行こうとせがむ等々、
なかなかバリエーション(ロンド形式)に富んでいる。

──────────────────────────────────
2017年8月4日(金)その2923◆どちらでもいい

驚いたな、どんぴしゃだよ。
凄い人がいるもんだ。

20597396_1406500082760680_9130437438273936340_n.jpg          

──────────────────────────────────
2017年8月3日(木)その2922◆自我自賛

「自我自賛」。
リビドー(快感を求めるエネルギーの源)や
超自我(良心の源)をバランスするのが自我(人格)。
表題は自我を自画自賛することで、
それが老齢男性の場合は「自我爺さん」と呼ぶ。

──────────────────────────────────
2017年8月3日(木)その2921◆刻む幸運

昨晩の内藤信ギターソロライヴの美しい余韻が、
静寂の朝湯に響く。            
それにしてもラストスパートの二曲、ソレアとタランタは絶品だったな。
ソレアは十年前の新人公演ぶっち切り奨励賞受賞曲。
ハートを骨折することも多いパセオライヴだが、
こういう快感を全身に刻める幸運が本線に在る。
清濁すべてをセットで捉えるセンスは、
もっともっと鍛えていいのじゃないか。

20525587_1406022062808482_4317642857327642481_n.jpg

さて、ついでに楽屋オチをひとつ。
配布するプログラムには「曲目未定」。
パセオ11月号忘備録の執筆係なので、
リハを終えた内藤に演目を確認しメモをとる。
しばらくして、二階の楽屋から降りてきた凄腕ギタリストは、
開場を準備する私にこう尋ねた。
「すいません小山さん、曲順忘れちゃったんで、さっきのメモ見せてもらえます?」

──────────────────────────────────
2017年8月2日(水)その2920◆サタディ内藤フィーバー

20479762_1405107252899963_5005041458322607332_n.jpg

水曜だとゆーのに、サタディ内藤フィーバー!である。
           
七時間フル睡眠、体調万全、
今宵は内藤信(まこと)のフラメンコギターソロライヴ。
座席指定はまだオッケー。フロントは御子柴明子、バックと撮影は小倉編集長、
ドアボーイと忘備録担当(パセオ11月号)はおれ。

──────────────────────────────────
2017年8月1日(火)その2919◆ESTE AMOR

君が 見えなくなる
僕は 息できない

  (ESTE AMOR/OHBUCHI Hiromitsu『蒼い予感』より)

視界がかすむ、息ができない。
大好きな女性と別れることになって、呼吸困難となった遠い昔の記憶。
その瞬間をもろに想起させる歌に出逢ったのが11年前。
強烈な魅力のシンガーソングライターは、フラメンコの歌い手でもあった。
2006年キングレコードからメジャーCDデビュー。
この歌が大ヒットしなかったら日本の音楽シーンはだめだと思ったが、
ヒットしなかった。案の定、日本の音楽シーンはだめになってる。
時の運には抗し難し。
だが、感傷はやがて芯のあるバネと成る。
つまりは今、そしてこれからだ。

熱狂の平松加奈ソロライヴの打ち上げで、
協演者である彼と初めて話らしい話をした。
と云ってもほんの三分くらいだったと思うが、
へべれけの私の本音をぶつけた。
ヌメロにこだわる必要はないよ、
ギター一本でやりたいようにやって欲しいんだ、
あんたの歌そのものがフラメンコなんだから。
ダメ元の依頼だったが、その五日後に届いた返信は吉だった。

2018年3月8日(木)20時 於:高円寺エスペランサ
パセオフラメンコライヴVol.82『大渕博光ソロライヴ』

20543620_1404427652967923_4724344137029230909_o.jpg


20525210_1404428179634537_71830616875024624_n.jpg

何年経っても色褪せない。あらゆる部分、あらゆる細部が核そのものであるという、寄せ集めではない広がり。アルバムはかく在りたい。

──────────────────────────────────


最新の画像もっと見る

コメントを投稿