フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

スーパー・フラメンコ+新日本フィル [203]

2008年02月20日 | アートな快感


 

 

スーパーフラメンコ+新日本フィル





 5月19日すみだトリフォニー「トマティート&ドランテ第二夜/+新日本フィル」。 
 
 トマティートは独奏に近いほど"フラメンコ"を発揮し、ドランテは編成が大きくなるほど"音楽"を発揮した。前者は日本初演、後者は世界初演。 
 どちらも一流オケに位負けしない"スーパー"の看板に偽りなしの貫禄を示したが、特にドランテと新日本フィルの見事なアンサンブルはたまげるほどの大収穫だったな。 
 
 限りなく透明に近いヴァイオレットの響き。 
 染み入る抒情と揺るがぬコンパス。 
 ほとんどが何百回もCDで聴いた音楽だが、ライブはやはり別物だ。 
 美と癒しを伴いながら、じんわり加速するライブならではの音楽的快感。 
 オケと溶け合いながら、大胆かつ緻密に音楽全体を構成する現場的感性が何よりすばらしい。 
 生聴き四度目となるドランテだが、彼は明らかに進化(深化か)していた。 
 
 
 
 ホセ・マジャが踊った初日の満席状態に比べ、客席は范文雀、つまり50%未満の入りだった。 
 フラメンコの顔見知りはちらほら見かけるのみで、かわりに多くの懐かしい音楽関係者たちと顔を合わせた。 
 「フラメンコの歴史的瞬間だというのに、フラメンコの人たちは無関心なんだね」 
 ビセンテ・アミーゴのフラメンコギター協奏曲初演の時と同じことを口々に云われちまった。 
 フラメンコの人たちは音楽を愛さないと、古くからの音楽仲間に刺され続けて25年。 
 そんな冷笑には慣れてるつもりだが、今回はちとこたえた。 
 要するに、これからだ……と思うことにした。



 



                       











 


スーパー・フラメンコ [202]

2008年02月16日 | パセオ周辺






        スーパー・フラメンコ


 
 
 
 「タイトルどうですかね? あくまで仮なんすよ、これ」
 「あ、そーなの」
 「何かいいタイトル付けてもらえませんか?」
 「んー、でもこれいーかも」
 「適当につけただけなんですよ」
 「でもほんとに“スーパー”だしなあ。まんま行っちゃお」
 
 
 
 
 
 
 
 
 命知らずのハイリスク&ハイクオリティなコンサート主催で、コアな音楽ファンの絶大な信頼を獲得している“すみだトリフォニー”。
 その担当プロデューサーとこんなやりとりをしたのは昨年夏ころだったか。
 家族や社員や呑み仲間に私のアドバイスを求めようとする謙虚な人間は一人もいないが、私の真の実力を知らない方々はおおむね私のアドバイスに忠実である。最初の一回だけは。(TT)
 
 
 
 トリフォニーホールは、私の青春の故郷とも云うべき錦糸町にある。
 都電車庫に江東デパートに楽天地、場外馬券所にパチンコにディスコ、キャバレーにラブホに赤提灯……。
 あの素敵にただれた想い出は戻らないが、錦糸町は夢のようなフラメンコに出逢える街になった。
 
 今週土曜はいよいよ、トマティート(ギター)とドランテ(ピアノフラメンコ)の“スーパー・フラメンコ”。
 待ちに待ったというか、以前パセオでクローズアップした若手実力者ホセ・マジャの踊りにも、明日はいよいよご対面である。うっきー



 つーことで本日夕方より、売れ行き絶好調DVDスーパーカスタネットの打ち上げ。




 




               




 


白い一日 [200]

2008年02月03日 | 四季折々




 

          白い一日



 

 



 カーテンを開く瞬間の雪の朝のよろこびは、タブラオの扉を開けカンテ・ギター・パルマが飛びこんでくる刹那に似ている。



 



 「春もそう遠くないな」。
 そうつぶやいた途端の積雪である。
 私の説の逆を行けば必ず当たる、という伝説は今日も不滅だ。



 



 昨日からうっすら風邪気味なのだが、仕事や風邪は明日でもできる。
 女心と雪の空、と云うではないか、云わねーよ。
 ま、しかし、今日は今日とて今日しか出来ないことをしようではないか。



 



 とにかく江戸っ子は理屈ぬきで雪が好きだ。
 NHK将棋トーナメントで天才羽生がまさかの大逆転で異才長沼に負かされるのを横目に、連れ合いのリクエストに応える特製鬼才カレーの仕込みを終え、積雪用耐寒タイツ、特殊戦闘用ブーツ(ふつーのももひきと長靴。TT)という完全装備でさっそうと雪野原へと繰りだす。
 水を得た魚と云うか、雪を得た豚とゆーかは微妙だ。



 



 ゆらりハナミズにさすがに遠出はあきらめ、雪化粧にときめくわが家の庭(巷では代々木公園、明治神宮などと呼ばれている)をゆっくりじっくり散歩する。
 今月末にトマティートやホセ・マジャとともにやってくるドランテのピアノフラメンコを耳に、冬の醍醐味を味わい尽くそうとする52歳・男の哀愁とささやかな幸福。



 



 遠い昔の、雪の日の想い出が走馬灯のようによみがえる。
 そのほとんどは想い出すのも恥ずかしい悲惨な記憶ばかりだが、いまとなってはそのポジティブな失敗の山々に好感さえ持てるぐらいですってほんとかよっ。
 センチメンタルな風情に、何の脈略もなく、ふと脳裏をかすめる陽水の一節。

 

   ある日、踏み切りのむこうに君がいて
   通りすぎる汽車を待つ




 


 


                        


冬のある日 [199]

2008年02月01日 | 四季折々


 


            冬のある日





 

 明るい陽の光が、わが家の庭をやさしく包む。
 ドゥケンデの最新盤を聴きながら、冬のアイレを胸いっぱいに吸い込む。


 つれづれ歩くだけでパッと気分が晴れるような風景を、毎日のように散策する。
 わが家の玄関との間に小田急線の敷いてしまった関係で、庭に出るために徒歩七分ほどかかってしまうのが唯一の難点ではある。



 


 嵐が吹き荒れよーが、夏のカンカン照りだろーが、朝寝坊をしよーが、最近はそーゆー日を除いて毎日のように散歩する。
 それだけではもったいなので、もちろん庭園は無料開放している。
 人呼んで、代々木公園!!とのことだ。(TT)









      
 
 で、久しぶりに連れ合いとツーショット。
 (ハンサムでハゲてる方が私/撮影:ⓒジェー)
 なお、写真と実物が異なる場合もありますので、あらかじめご了承ください。


 

 


         春もそう遠くないな。