フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2017年03月②

2017年03月01日 | しゃちょ日記


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2017年3月30日(木)その2793◆若干の余裕

次回パセオフラメンコライヴは、あの屋良有子!
その天才性と突出する実力はご存じの通り。
いまその瞬間生まれる天衣無縫のフラメンコに期待は募るばかりだ。

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4月13日(木)20時スタート。
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/04/2.php#005972
なお、この日は私の誕生日前日である。
おそらく私のバッグには、若干の余裕がある。

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2017年3月25日(土)その2792◆こんなことなら

朝も早よから今日は一日、だいぶくたびれてきた身体の総検診。
                    
むかしの映画でよく観た陸軍中野学校の跡地にある、
ご近所の東京警察病院で半日暮らし、薬を売るほど持ち帰り、
遠近両用コンタクトも新調した。
つい先ほどジェーとパセオに出て来たとこだが、
こんなことなら仕事のほうがよっぽど楽だって、
身に染みてわかったよ(苦笑)

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2017年3月25日(土)その2791◆信心効果

自分の中身の空っぽさに唖然とすることが稀にある。
まあ、少ない時でショージキ週一回はある。

そんな折には、おもむろにパコ・デ・ルシアのフラメンコや
グレン・グールドのバッハを聴く。
気休めとはまさしくこのことだが、何となく身体中の分子が
ひとつに統合されるような好ましい感触を得る。
錯覚とは云えども、さあ今日は、残り少ない人生の最初の日じゃないかと、
お気に入りの原点を取り戻すことも多い。
その意味でパコやグールドは、宗教を持たない私にとって、
念仏やお祈りのような信心効果があるのかもしれない。

そして今宵は、そうした気分のリアルな延長線上にある森田志保パセオライヴ。
ステージの規模に関わらず、全身全霊で常に
より深くクリエイトする彼女のチャレンジ姿勢は、
毎回毎回心の余分なウロコを剥がしてくれる。
心の空っぽさに問題のある私であっても、定期的な心の洗濯は必要なのである。

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2017年3月22日(水)その2790◆萩原淳子初登場

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スペインで活躍するバイラオーラ萩原淳子さん。

一時帰国中の彼女の舞台リハを観て、こりゃ本物だ!と確信したのが五年ほど前。
パセオライヴ出演について、ずっと前からラヴコールを送っていたのだが、ついさっきメールが届いて、
ようやくこの夏実現の運びとなった。
人間あきらめが肝心だが、あきらめないのもまた肝心だな。

2017年8月23日(水)20時
パセオフラメンコライヴ Vol.65
萩原淳子ソロライヴ
会場◆高円寺エスペランサ
開演◆20時ジャスト開演(19時半開場 ※終演は21時10分頃)
料金◆4,500円1ドリンク付(税込)
【2017年6月1日予約受付開始!】
昼(セルバ)☎03-3383-0246/
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
selva@tablaoesperanza.com

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2017年3月21日(火)その2789◆50回目

100回は続ける。
そんなつもりで二年前に始めたパセオフラメンコライヴ。
33年来の戦友エスペランサ・オーナー田代淳の
全面バックアップがなければ実現不可能なシリーズ企画だったが、
よくぞ私のわがまま放題に懲りることなく
付き合ってくれたものだとしみじみ感嘆している(汗)。

その第50回目となるのが、あさって木曜晩の森田志保ライヴ。
志保さんはその第一回目にご登場願った。
「普段着で来て、そのままステージで2曲踊ったら帰っていいから」
実際そう私は頼んだのだが、本番ではあの深く輝かしい森田ワールドを
存分に炸裂させてくれたものである。

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パセオフラメンコライヴVol.50
森田志保 ソロライヴ
2017年3月23日(木)20時開演
於:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
【出演】      
森田 志保(バイレ)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
エミリオ・マジャ(ギター)
【演目】
Malagueña
Abandolao
Alegrías
Tango de Granada
Bulerías
Romance
※プログラムは変更になることがあります
※このライヴのレヴュー記事(執筆/若林作絵 撮影/小倉泉弥)は、
月刊パセオフラメンコ5/20発売号の「フラメンコ公演忘備録」に掲載。
座席指定は数席残っています。問い合わせは、
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/03/1.php#005969

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2017年3月20日(月)その2788◆自主練

今日もいい天気。
いよいよ春だなあ。
他にすることもないのでパセオに来て実務。
まあ、ボケないための自主練みたいなもんだろう。
山ほどの仕事をこなしたあとの一杯は格別に旨いし。

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2017年3月18日(土)その2787◆ありがとう

いいこと、そうでないこと、
いろいろあったね今週も。
そんな一週間の残務整理でジェーとパセオ出社。
通勤路の桃園遊歩道をさっそうと闊歩するジェー。
天気のいい日は、彼も元気だと気づく。
曇りや雨嵐の日があるから、
その有り難み(ありがたみ)も分かる。

有り難いから、「ありがとう」・・か。
寄る年波からか、近ごろはそれが
ひょいと心からあふれ出る回数が増えている。
シンプルでいい言葉だと想うよ。

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2017年3月17日(金)その2786◆森田ワールド

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「それは誰の中にもすでにあるはずなんです。絶対に」

以前、感性を身に付けるには? という問い掛けをしたとき、
森田志保は静かな声でそう答えてくれた。

「自分の内なるものを信じて、それを開拓していくだけ。
 それは簡単なことじゃない。忍耐もエネルギーも要る。
 けれど自分が本当に大事だと思っていることがそこにあるから、
 それをおろそかには扱えない」
 
森田志保のフラメンコには自由な解放感がある。
けれどそれは奔放とは違う。
自分の内側から湧き上がっているものの正体を徹底して深く探り、
畏れることなくそれを掘り起こすからこそ、彼女のアートは誰にも、
何にも捉われていない鮮明な独創性を有する。
私も含め、きっと多くの人たちは、
自分ならではの美しいものを探し求めながらも、
それを追求する厳しさを持続できずに、いつのまにか流されてしまい、
それゆえ、いつまでも不安定さから逃れられないのではないだろうか。
だからこそ、自身の内側に秘められた光を求めて踏み込んでいく
意思と勇気を思い出させてくれる、森田のストイックでしなやかなアートを
私たちは欲して止まないのかも知れない。
 
パセオライヴ初回の先陣を切り、第50回の節目となる今回、
3回目の登場となる森田志保の、
一度として同じもののない透明で鮮烈なフラメンコは、
観る人それぞれの自問自答を引き出すだろう。

(パセオフラメンコ3月号より~井口由美子)

2017年3月23日(木)
パセオフラメンコライヴVol.50
森田志保ソロライヴ
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/03/1.php#005969
【出演】
森田志保(バイレ)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
デォエゴ・ゴメス(カンテ)
エミリオ・マジャ(ギター)

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2017年3月16日(木)その2785◆鈴木尚の底力

来週その第50回目(初回にも登場してくれた森田志保さん)
を迎えるパセオフラメンコライヴ。
バイレソロライヴ観客席の80人超えや、
カンテソロの60人超えは珍しくないが、
ギターソロの50人超えは今回初めてで、なんかホッとした気分だ。

尚さんのギターソロライヴは観客席の大きな期待にみごと応えていた。
国際レベルの大儀見さんのパーカッション、
目映い華が胸打つチャチャさんのルンバヒターナも忘れ難い記憶となった。

パセオフラメンコライヴVol.049
鈴木尚 フラメンコギターソロライヴ
2017年3月15日(水)20時開演
於:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
【出演】
鈴木 尚(ギター)
大儀見 元(パーカッション)
チャチャ 手塚(ルンバヒターナ)
【プログラム】
1. Siguirilla 「フラメンコの香り」
2. Soleá  「フラメンコの源泉」
3. Taranto 「哀愁」
4. Bulería 「ワルツ」
5. Rondeña 「藤野」
6. Bulería con GEN OGIMI 「improvisacíon」
7. Rumba de CHACHA               

☆このライヴのレヴュー記事(執筆/石井拓人 撮影/小倉泉弥)は、
 月刊パセオフラメンコ5/20発売号の「フラメンコ公演忘備録」に掲載。


しゃちょ日記バックナンバー/2017年03月①

2017年03月01日 | しゃちょ日記

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2017年3月13日(月)その2784◆炎

私を愛してるのか 捨てるのか
それとも私があなたを忘れないといけないの? 
私の気持ちは分かっているのに
遊びならばもうあなたとは別れるわ 
あなたの気まぐれにはうんざり 本当のことが知りたい 
私は愛人なの それともただの友達?
今まであなたは私に真心をくれたのかどうか
はっきりして欲しい
偽りの気持ちで私を抱いていたのなら
あなたの気まぐれに死ぬほど嫉妬する
浮気なあなたはもう私のことなんてどうでもいいのね
後悔したり移り気に振り回されたり信じてみたり
私はなんて惨めで馬鹿なのでしょう
はっきりしてくれないと幸せになんかなれない
あなたを忘れられるように どれだけ思って過ごしたか
これが熱い思いなのか馬鹿げたことか
分からないともう続けられない
あなたに求めても もう何も始まらない
諦めるか わたし一人のものになるかはっきりして
もう私に飽きたのなら あなたとの遊びは終わらせるわ 
Ay lo lailo la ay lo lailo la
       (『O me quieres o me dejas』より)

往く先の視えぬ恋に揺れ惑う切ない真情。
ルンバフラメンカにはストレートな共感がある。
歌い踊るは女王チャチャ手塚。
ソロライヴの主役・ギタリスト鈴木尚のたっての希望でゲスト出演する。
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/03/1_1.php#005970


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鈴木尚(ギター)大儀見元(パーカッション)と、
チャチャ手塚(ルンベーラ)がラストに歌い踊るのは『Moriré de pena』。

あなたのキス あなたの愛なしで過ごすのは、
なんと辛いことでしょう!
夜明けの暗がりで恋しいあなたを思い
離れていると思い出しては死ぬほど苦しい
秋に花が枯れるように私も枯れて 静寂が私の心を燃やす
テ・キエロ
いつ帰って来てもいいようにドアーは開けたままにして
心細い思いであなたの帰りを待っている
だってあなたの目は遥か遠くを見つめている
テ・キエロ

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2017年3月13日(月)その2783◆突き抜けた!

どーよ、この突き抜けた表情!!!

3/9容昌フラメンコパーカッション・ソロライヴ。
世界初の試み。
確かな実力と愛される人間性がひとつになった熱狂ライヴ。
(撮影:パセオ/小倉泉弥)

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2017年3月12日(日)その2782◆そうは問屋が

きのう土曜、ジェーが少し具合を悪くした。
今朝起きると元気になっていたのでひと安心。
一年半ほど前に生死の境をさまよった彼なので、
ベーシックな覚悟は出来てるつもりだが、
いざとなりゃそんな強がりなんぞアテにならないことも分かっている。

私たち人間にとって死は大問題だが、犬自身にはそうした認識はない。
行く瞬間でさえ、明日もまた共に暮らす家族と会えることを疑うことすらないだろう。
人間もそんなふうにシンプルに行けたらいいと想ったりもするが、
良かれ悪しかれ誰しもいろんなことを抱えているから、そうは問屋が卸さない。
そういう複雑な起伏こそが人生の醍醐味だったりするから、
犬をうらやむのもお門違いとわかる。
ただ、人間なりのシンプルな行き方というのはどこかにありそうな気もする。

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2017年3月9日(木)その2781◆誰やねんっ!?

夕方からは高円寺エスペランサ。
容昌の世界初!フラメンコパーカッション・ソロライヴの設営。
20時開演、本番で初めて判明するナゾの協演者とは、いったい誰やねんっ!?

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2017年3月8日(水)その2780◆しゅわっち!

超早朝出勤でそろそろエネルギー切れの時間だ。
こころのカラータイマーが鳴り響く。
ガソリン補給は急務とみた。
急げ、やきとり大吉はすぐそこだ。
しゅわっち!

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2017年3月7日(火)その2779◆容昌のメッセージ

おそらくは世界初となるフラメンコパーカション・ソロライヴ。
いよいよ今週木曜晩は人気者容昌のパセオライヴ。
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/03/per1.php#005971
例によって、当日配布プログラムの断片をフライング紹介するが、
協演者の面々はシークレットのままで、なんと私も知らない。
以下は容昌のメッセージ。

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 本日は、おそらく世界初の!?フラメンコ・パーカッション・ソロライヴにようこそお越し頂きました。
 こんなシュールでディープ(になるのではと予想します)な世界を、お時間かけて来て頂ける皆様に深くお礼申し上げます。
 フラメンコに出会ってちょうど10年になりました。
 これもタイミングなんでしょうか、今年、月刊パセオフラメンコさんにこのライヴのお声がけを頂き、自分なりのフラメンコ道の新たな一歩とするべく決心致しました。
 果たしてどのようなライブになるのか、全く予測出来ません。しかし、この「予測できない」という事実を、自分も、そしてお客様にも楽しんで頂けたらと思っております。短い時間ではありますが、心を込めてお送り致します。(容昌)
               
1,Solea por Buleria
2,Guajira
3,Tangos
4,Siguiriya
5,Juego
6,Ida y vuelta (Solea por Buleria)

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2017年3月5日(日)その2778◆いざ失えば

ふだんは当たり前に享受していて、
いざ失えば真っ先に困るのは酸素や水だが、
その次に困るものたちが何であるのか、
常に自覚しておく必要は大いにありそうだと、
もの想ふ日曜夕暮れ。

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2017年3月3日(金)その2777◆ソリスタの気合い

五月に迫る本間静香ソロライヴ。
きのう予約受付をスタートした。
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/03/3.php#005975

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今朝PCメールを開くと、そのフライヤー画像が送られている。
ほんとうはこちらで手配すべきところなんだが、
現状は企画全体のフライヤー制作で手一杯。
なので気分はやや複雑だが、
ライヴに懸けるソリスタの気合いはシンプルにうれしい。
それにしてもこの写真(阿部和史氏撮影)、これまでの静香のベストショットかも。

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2017年3月2日(木)その2776◆相棒

難曲中の難曲、シャコンヌを楽々と弾いている。
抜群の音程と技術で弾けもしないヴァイオリンを弾いている。
会心のおバカ笑いを浮かべながら、小躍りするかのように。

おそらくは今朝未明に観た夢。
心の片隅にまだこんなスーパーな欲求が潜んでいたとはねえ。

どこまでも得体の知れない潜在意識だけれども、
年齢とともに大まかに整理を進めてきたつもりだった。
無意識と意識とを一本化したほうが、
本音と建前のギャップが小さくなって何かと楽に動けるから。

だがやはり、いつまでたっても無意識という奴は
逸脱と爆笑の宝庫であり、切っても切れぬ心の相棒なのだろう。
てことはつまり、無意識のほうでも同じように苦笑しているのかもしれない。
   
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2017年3月1日(水)その2775◆割れた茶碗に

「梅原猛はけっこういいぞ」

二十歳のころ、四つ上の兄に云われた。
十八で家を出て我がまま放題な暮らしを続けていた私への、
せめてものアドバイスだったかと今にして想う。
身内の助言は案外的を得ているものだ。

茶の間のちっちゃな本棚に入れてある文庫に時おり目を通す。
小一時間読んで、わかっちゃいるけどねえと、毎度苦笑しながら棚に戻す。
粉々に割れた茶碗をご飯つぶで貼っつける程の効果はあると思いたい。

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