連休後半は沖縄にいた。
一年に一度くらいは沖縄に行きたい、とは思っているのだけれどもなかなか果たせないでいる。しかし、長く沖縄に行かないと僕の中の「沖縄病」が疼き出して始末に負えなくなるので症状が悪化する前に行かねばならない。…というわけで行ってきた。
しかし、20歳で初めて沖縄に上陸して以来(そのときは2ヶ月居た)、かれこれ20年も経って、何度も足を運び特に新しく観光しに行くところなどはあまりない。今年はそれでも、初めて浜比嘉島という小さな島へ行った。ここには、沖縄開闢の祖アマミキヨの墓をはじめとして様々な聖地がある。沖縄の神話が好きな僕にはとても有意義な時間だった。あとは…御嶽と言われる聖地をあちこち廻り拝み、また裏道を選んで歩き(細道をすーじ小と言う)、なんとなしにブラブラして過ごしたに過ぎない。
よく言われる。「なんのために沖縄に行くの?」
僕はここ10年は沖縄に行っても泳いでいない。それどころか海を近くで見ないときすらある。リゾートホテルなどは行った事がない。では沖縄のどこが好きかと言われれば、それは文化であり歴史であり風習であり空気なのだが、具体的に「何をしに」沖縄に行っているのかと聞かれれば、端的に言えば「酒を呑みに行っている」と言うのが正解だろうと思う。
とにかく沖縄の食べ物と「泡盛」が大好きなのだ。
泡盛。沖縄が産んだ世界に冠たるスピリッツ。
泡盛とは何か。定義は、「米麹(黒麹菌を用いたものに限る)及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの」とある。こう書いてもなんのこっちゃわからない。蒸留酒であるから、つまりウイスキーや焼酎と同じ仲間である。
最近は第何次沖縄ブームかなにかは知らないが、泡盛を知らない人は少なくなった。全国どこでも売っている。昔は「泡盛って何? 」と言う人が多く、米焼酎と勘違いしている人も多かった。いいご時世になったものだ。
初めて沖縄に旅して、泡盛を最初に口にしたときの衝撃は忘れられない。強烈で魅惑的な芳香。南国のけだるい暑さの中で思わず迷宮に入り込んでしまいそうな味わいだった。まだ若く酒の味を云々するほどの経験もなかった当事の僕だったが(今でも云々出来るほどではないが)、これほどに高貴な酒は存在しないのではないかと思い、チャンピオンベルトを贈呈したくなった。
その旅行の最中、ずっと泡盛を呑み続けた。さまざまな島を巡り、それぞれの島で呑んだ。日本最南端の島で醸される、手作り数量限定で島の外にはなかなか出ない泡盛の旨さ。ちょっとこれはたまらない。
また、酒税法上の特例で、アルコール度数60度の酒を造る蔵が日本最西端に在る。この蔵を訪れたら、出来立ての原酒があった。ご好意で嘗めさせていただくと、それはもっと強い70度オーバーの原酒だった。口の中が燃えて、そのあとアルコール消毒をしたようにひんやりしたような気がした。しかしそれでも旨いとはどういうことだろう。
その旅を終えるとき、僕は3合瓶を12本背中に背負って地元に帰った。実に重かったが、その頃は泡盛を扱っている酒屋など地元には本当に見当たらなかったからだ。
帰って、家族や友人に惜しみ惜しみ呑ませた。しかし感想は「匂いがキツすぎる」「鼻に抜ける匂いに慣れない」ヒドいヤツは「臭い」とまで言う輩もいて、もう誰にも分けてやんないと拗ねたものだ。そうして大事に呑んでいたがしばらくすると尽きてしまい、町中の酒屋を探した。20年前は本当に無かったのだ。デパートにもなく、京都駅八条口の「アバンティ」でついに見つけたときは思わず買い占めそうになったほどだ。ディスカウントストアでも何銘柄も揃う今とは隔世の感がある。
何度も沖縄に行くうちに、最初の泡盛との衝撃的な出逢いから進んで、もっと深遠な世界も知ることになる。古酒もその一つ。
ブランデーなどと違って、日本の焼酎はあまり長期熟成はしない。しているところもあるが数少ない。しかし泡盛は長期熟成を行う。甕に入れて、戦前は100年ものもあったという。だが戦争で全て失われてしまった。しかし、戦後から数えても、50年オーバーのものはもう存在するのではないか。
そんな貴重品は口にしたことはないが、10年ものくらいは呑んだ。まろやかで刺々しくない、でもすっきりとした旨み。艶やかで美しく、ちょっと例えようがない馥郁とした味わい。文化の極みがそこにはあった。
この旅でもよく呑んだ。居酒屋に入ってまずオリオンビールの生を。それをぐぐっと飲み干し、そして泡盛の出番となる。この地元産ビールと泡盛のタッグは最強だ。
テーブルに沖縄伝統の料理が並ぶ。僕が愛してやまないてびち、らふてぇ、すーちかー、みみがー等々の豚肉料理。イラブチャーなどの刺身。ぐるくんの唐揚げ。各種チャンプルー。それらをワシワシと食べつつ、泡盛を呑む。最初は水割りだ。ピッチが上がってもしっかり食べているのでさほど急に酔う事はない。
徐々に食事は進み、腹も満たされてくる。そうなるとロックで呑みだす。テーブルの上は、ジーマーミ豆腐、スクガラス、島らっきょう、そして山羊刺し。だんだん陶然としてくる。酒を呑む喜びここに極まれりである。そして最後はストレートとなる。上等の豆腐窯(豆腐を麹に漬けて醗酵させたもの)をちびちびと食べながら、だ。本当に幸せである。
妻に呑みすぎと怒られながら店を出て、最後に沖縄そばを屋台で食べて宿に戻る。こんな暮らしがずっと続いたらパラダイスなのだが。
しかし、この旅でも沖縄の食材をたくさん買いこんできた。泡盛はうちでは欠かした事はないし、しばらくは家でも旅の続きが出来そうである。やめられないんですよねぇ。
一年に一度くらいは沖縄に行きたい、とは思っているのだけれどもなかなか果たせないでいる。しかし、長く沖縄に行かないと僕の中の「沖縄病」が疼き出して始末に負えなくなるので症状が悪化する前に行かねばならない。…というわけで行ってきた。
しかし、20歳で初めて沖縄に上陸して以来(そのときは2ヶ月居た)、かれこれ20年も経って、何度も足を運び特に新しく観光しに行くところなどはあまりない。今年はそれでも、初めて浜比嘉島という小さな島へ行った。ここには、沖縄開闢の祖アマミキヨの墓をはじめとして様々な聖地がある。沖縄の神話が好きな僕にはとても有意義な時間だった。あとは…御嶽と言われる聖地をあちこち廻り拝み、また裏道を選んで歩き(細道をすーじ小と言う)、なんとなしにブラブラして過ごしたに過ぎない。
よく言われる。「なんのために沖縄に行くの?」
僕はここ10年は沖縄に行っても泳いでいない。それどころか海を近くで見ないときすらある。リゾートホテルなどは行った事がない。では沖縄のどこが好きかと言われれば、それは文化であり歴史であり風習であり空気なのだが、具体的に「何をしに」沖縄に行っているのかと聞かれれば、端的に言えば「酒を呑みに行っている」と言うのが正解だろうと思う。
とにかく沖縄の食べ物と「泡盛」が大好きなのだ。
泡盛。沖縄が産んだ世界に冠たるスピリッツ。
泡盛とは何か。定義は、「米麹(黒麹菌を用いたものに限る)及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの」とある。こう書いてもなんのこっちゃわからない。蒸留酒であるから、つまりウイスキーや焼酎と同じ仲間である。
最近は第何次沖縄ブームかなにかは知らないが、泡盛を知らない人は少なくなった。全国どこでも売っている。昔は「泡盛って何? 」と言う人が多く、米焼酎と勘違いしている人も多かった。いいご時世になったものだ。
初めて沖縄に旅して、泡盛を最初に口にしたときの衝撃は忘れられない。強烈で魅惑的な芳香。南国のけだるい暑さの中で思わず迷宮に入り込んでしまいそうな味わいだった。まだ若く酒の味を云々するほどの経験もなかった当事の僕だったが(今でも云々出来るほどではないが)、これほどに高貴な酒は存在しないのではないかと思い、チャンピオンベルトを贈呈したくなった。
その旅行の最中、ずっと泡盛を呑み続けた。さまざまな島を巡り、それぞれの島で呑んだ。日本最南端の島で醸される、手作り数量限定で島の外にはなかなか出ない泡盛の旨さ。ちょっとこれはたまらない。
また、酒税法上の特例で、アルコール度数60度の酒を造る蔵が日本最西端に在る。この蔵を訪れたら、出来立ての原酒があった。ご好意で嘗めさせていただくと、それはもっと強い70度オーバーの原酒だった。口の中が燃えて、そのあとアルコール消毒をしたようにひんやりしたような気がした。しかしそれでも旨いとはどういうことだろう。
その旅を終えるとき、僕は3合瓶を12本背中に背負って地元に帰った。実に重かったが、その頃は泡盛を扱っている酒屋など地元には本当に見当たらなかったからだ。
帰って、家族や友人に惜しみ惜しみ呑ませた。しかし感想は「匂いがキツすぎる」「鼻に抜ける匂いに慣れない」ヒドいヤツは「臭い」とまで言う輩もいて、もう誰にも分けてやんないと拗ねたものだ。そうして大事に呑んでいたがしばらくすると尽きてしまい、町中の酒屋を探した。20年前は本当に無かったのだ。デパートにもなく、京都駅八条口の「アバンティ」でついに見つけたときは思わず買い占めそうになったほどだ。ディスカウントストアでも何銘柄も揃う今とは隔世の感がある。
何度も沖縄に行くうちに、最初の泡盛との衝撃的な出逢いから進んで、もっと深遠な世界も知ることになる。古酒もその一つ。
ブランデーなどと違って、日本の焼酎はあまり長期熟成はしない。しているところもあるが数少ない。しかし泡盛は長期熟成を行う。甕に入れて、戦前は100年ものもあったという。だが戦争で全て失われてしまった。しかし、戦後から数えても、50年オーバーのものはもう存在するのではないか。
そんな貴重品は口にしたことはないが、10年ものくらいは呑んだ。まろやかで刺々しくない、でもすっきりとした旨み。艶やかで美しく、ちょっと例えようがない馥郁とした味わい。文化の極みがそこにはあった。
この旅でもよく呑んだ。居酒屋に入ってまずオリオンビールの生を。それをぐぐっと飲み干し、そして泡盛の出番となる。この地元産ビールと泡盛のタッグは最強だ。
テーブルに沖縄伝統の料理が並ぶ。僕が愛してやまないてびち、らふてぇ、すーちかー、みみがー等々の豚肉料理。イラブチャーなどの刺身。ぐるくんの唐揚げ。各種チャンプルー。それらをワシワシと食べつつ、泡盛を呑む。最初は水割りだ。ピッチが上がってもしっかり食べているのでさほど急に酔う事はない。
徐々に食事は進み、腹も満たされてくる。そうなるとロックで呑みだす。テーブルの上は、ジーマーミ豆腐、スクガラス、島らっきょう、そして山羊刺し。だんだん陶然としてくる。酒を呑む喜びここに極まれりである。そして最後はストレートとなる。上等の豆腐窯(豆腐を麹に漬けて醗酵させたもの)をちびちびと食べながら、だ。本当に幸せである。
妻に呑みすぎと怒られながら店を出て、最後に沖縄そばを屋台で食べて宿に戻る。こんな暮らしがずっと続いたらパラダイスなのだが。
しかし、この旅でも沖縄の食材をたくさん買いこんできた。泡盛はうちでは欠かした事はないし、しばらくは家でも旅の続きが出来そうである。やめられないんですよねぇ。
こっちはパチ屋ばかりでしたけどw
お酒好きにはたまらない旅をしてきましたね。
奥さんに怒られながらも飲むお酒もこれまた
おつですなw
壬申\の乱凛太郎版楽しみにしていまぁす(^^)v
パチ屋も結構ですが、「いいなぁw」とおっしゃるなら(*・・)σアナタも行きなさい((爆))たまに旅行もいいもんでっせ♪
沖縄かぶれのご友人がいらっしゃるとは重畳です(笑)。仲間だ。(* ̄m ̄)プッ
なお、泡盛は臭くはないです(←まだこだわってる 笑)。強めの香り、くらいにおっしゃっていただければ。o(^▽^)oキャハハハ
沖縄には何度も行かれてるんですね。いいな~
私は1度だけ「ハテルマ島」に渡った事があります。
沖縄は日本じゃない…なんて思ってしまいました。
でも泡盛は頂いた事がありません。
私には飲めないって勝手に決めてました。
酒を呑みながら島を渡る…なんてロマンですよね。
波照間島。南の果ての島で、本文中に書いた「手作り数量限定で島の外にはなかなか出ない泡盛」とはここ産の「泡波」のことです。旨いんですよね。波照間には僕も行きました。正月を過ごしたこともあります。近いうちに思い出話が書きたいなぁ…。
>酒を呑みながら島を渡る…なんてロマンですよね。
そんなこと言って下さった人は初めてです(T-T) ウルウル みんなそんな話を聞いたら「アル中じゃないの?」と冷たい視線が来ます(笑)。
お気遣いありがとうございました。
沖縄に行かれていたのですね。いいなあ・・・
私も一度は行ってみたいと思ってるのですが、なかなか・・
沖縄専門の「わしたショップ」をのぞいては、思いを馳せております。
ところで、泡盛とテキーラはどちらが強いのですか?お酒の弱い私だったら、きっとぶっ倒れるでしょうね。(笑)
「わしたショップ」は楽しいですね。僕も時間を忘れます。北海道のアンテナショップも常設でどこかにあるといいんですが…。
といいつつ、現在大阪うめだ阪急百貨店では北海道物産展が開幕~♪ 僕は行けないかもですが配偶者は張り切っております(笑)。
テキーラは度数は最高50度強くらいでしょうか。泡盛は、最南端与那国島産に限って60度まで許可が出てますので、最高度数比べなら泡盛の勝ち(笑)。しかし、普通の泡盛は30度くらい、テキーラも30~40度程度でしょう。それに泡盛は水で割って呑みますので、薄めればぶっ倒れる事はないかと。(^-^)
でも、もし同じ度数のものを呑み比べたとしたら、あくまで僕の感覚ですが、テキーラの方が強烈な感じはします。何故かテキーラは酔いが早いんですよね。^^;