腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

MOTHER(Wii U VC版)

2016年10月26日 02時40分59秒 | ファミコンゲーム感想文
【ハード】ファミコン(Wii U VC版)
【メーカー】任天堂
【発売日】1989/7/27(ファミコン版)2015/6/15(Wii U VC版)
【定価】617円(税込)(VC版)
【購入価格】444円(税込)(VC版)
【プレー時間】25時間

先日プレーした「クインティ」は、俺の「今年のファミコンゲーム」とするつもりだった。やっぱ年一本くらいはやらんとね。
……が、結果はあまりにも無残だった。それはまぁ仕方ないにしても、このままではちょっとファミ魂が濁るような気がした。
なので急遽、今年2本目のファミコンゲーム発進。セール時に確保しておいた比類なき「MOTHER」を抜擢した次第である。

正直、このタイトルにも不安はある。俺はシリーズで「2」のみプレー済みだが、世間の評価ほどの名作とは思っていない。
ゲームの空気は良好だが、バランス面の不満が残る作品だった。その前作である。「もっと荒っぽいもの」を想像してしまう。
けど、2だけやってる状態の座りが悪かったのも事実。購入したんだから当然いつかやるつもりだった。今がその時だ。
少々ビクつきながら、プレー開始。……タイトルデモ、いいね。雰囲気出てる。ファミコンでこれは……やるなぁ。うん。

ぬぅ。まず俺の、今作のオリジナルが発売された1989年に対するイメージを語ると「RPG成熟期」て感じだ。
83年に発売されたファミコンはこの頃、大ヒットソフトの数々を生み栄華を謳歌する一方、次世代機の影がチラつく中盤戦だった。
その中でRPGは、86年の比類なき「ドラゴンクエスト」後、幾つもの後追いを生み進化を続け、88年「ドラクエ3」で頂点を極める。
と言うと大袈裟だが、粗い黎明期を終え、現代でも通じる高品質作品を生み出せる時代に入ったということだ。ドラクエ3、最高。
88年は他にも「マリオ3」や「ロックマン2」があり、ほんとファミコン文化がノリに乗ってたなぁ。テキトー言うが。
ちなみに90年は、「DQ4」「FF3」「女神転生2」「ウィズ3」「魍魎戦記MADARA」等が跋扈する、非常にRPGレベルの高い年だった。
89年はその間にある、RPG的には目立たない年だった。つってもドラクエ3後である。テキトーな作品では許されない成熟期だ。
よって今回、その時代を見据えてプレーした。古いゲームだが、全てを「しゃーない」で済ますほど俺は甘くない。アホか。
そういや、売上はどうだったんかな。ハーフ程度とどっかで聞いたかな。だとするとこの成熟期の任天堂作としては寂しい数字だ。
当時の俺の周囲に所持者はいなかった、と思う。いたら絶対借りてた。あの頃の俺はPRG大好きっ子で、何でもやってたからな。
今作、出回りが悪かった記憶があるんだよな。中古購入も考えたが、値段が高めで断念した。あの頃は金で諦めたゲームも多い。
まぁ、いい。今がその時だ。魂を半分だけあの頃に戻し、いざ、MOTHER。Mを取ったら他人です。……古っ。

取り敢えず、開始してすぐ「品質は高いなぁ」と思った。グラフィックが美しい。美麗ではないが、センスを感じる。
変な言い方になるが、2の雰囲気、MOTHERな手触りが十分に感じられる絵作りだった。ファミコンでこれは大したもんだと思う。
そして斜め移動が可能なことにも驚いた。縦横交互にカクカク動くのではなく、ナチュラル斜め。ファミコンで唯一ではなかろうか。
それを活かすべく、ゲームのカメラ視点も普通の斜め見下ろしではなく、大きく角度が付いている。2と同様だ。
システムはオーソドックスなドラクエ型だが、見せ方は非常に独特である。これだけでも当時結構なインパクトがあったことだろう。
第一印象は上々。不安は残るが、俺……いや「ぼく」の不思議な旅路が始まったのだった。はぁ。あの頃。

……そして、思った。「分からん」と。いや、ゲームは一応進められる。不安だった戦闘バランスも最初は寧ろ良いくらいだった。
だが、分からんのだ。何をって、例えば主人公の旅の目的とか、この人誰、とか、そもそも何が起こっているの、とか。
開始直後、主人公の家で謎のラップ現象? が発生し、電気スタンドや妹の人形が襲ってくる。それらを倒す。ここまではいい。
だがそれが片付くと、主人公はそのまま世界トラブル解決の旅に出るのだ。……いや、何でよ。お前小学生だろ? 何故だよ。
少し歩くと、家がある。女性が「ピッピちゃんが攫われたの」と言ってる。ピッピちゃんて誰? いきなりそんなこと言われても。
更に歩くと町に到着。西にカナリアの村があるよ。言ってみると鳥が歩いてる。どういう世界だよ。歌姫ローラ? カナリアの?
南の墓でゾンビが暴れてるよ。何だよそれ。女の子がそこで行方不明だよ。誰だよそれ。それを小学生に解決しろってのかよ。
ピッピちゃんは主人公と顔見知りだった。俺は知らんよ君なんて。フランクリンバッジをくれた。なんだよこれどう使うんだよ。
こんなのはごく一部だ。シナリオも、世界設定も、覚える超能力の効果も、入手するアイテムの効果も、さっぱり分からん。
異様なまでに「情報」がない。意味不明。まさか今作をプレーするにはリーディング超能力が必要なのか? マインドシーカーかよ。
それに加え、マップが無茶苦茶広い。フィールドやダンジョンはもちろん、町ですら矢鱈と広く、しかも区切りがないから超迷う。
これも強烈に「分からなさ」を喚起してくれた。歩いてる時の不安感が半端ない。こ、こっちででいいのか? 誰も答えてくれない。
これはちょっと、とんでもない。ゲームは進んでいるが、俺の頭に疑問符が絶え間なく積み重なっていった。……???

まぁ、ゲームの目的自体は分かるんだよ。「8つの音」を集めることだ。ステータス画面にそれが表示されるので、分かる。
けど「何故」音を集めるのか? は全く分からん。2ではブンブーンという旅の導き手がいたが、今作にはそれがいないのである。
んで音、3つ目までは普通に集められた。だがそこからは非常に投げっぱなし。「後は一人で生きろ」とばかりに放り出される。
いきなり謎の魔法の国に飛ばされたり、戻ってきたら世界のどこにでも行けるようなって途方に暮れたり……疑問符が止まらない。
それでも俺は頑張った。今作を開始する時、決めたことは「自力でクリアーする」だ。攻略サイトは絶対に見ない。
ただクリアーするだけなら今の時代簡単だ。いっそ誰かの動画で済ますことすら可能だ。だがそんなこと、俺のファミ魂が許さない。
今更やるからこそ自力しかあり得ない。でなきゃやらない方がマシだ。恐らくフラグ立てで非常に困るだろうが、負けちゃいかん。
そんな決意を胸に、広大な世界を少しずつ少しずつ歩き詰めていった。めっちゃ広いよこのゲームの世界。まるでOWゲーのように。
よう分からんままに町で話を聞き、よう分からんままに仲間を増やし、向かってくる敵はとことん倒し、レベルだけは順調に上がる。
だが音は3つ以降さっぱり集まらん。……うーん。さすがにこれはちょっとおかしいな。俺何か間違ってるのか? うーん……。

そこで、ふと思いついた。説明書だ。今作にももちろん腐れ電子説明書とやらはある。それは読んださ。じっくりとな。
だが、もう一つあるだろう。そう、オリジナル版の説明書だ。操作説明やらはともかく、それには何か情報が載ってるのではないか?
自力に拘るとは言ったが、公的に与えられる情報を貰うことに躊躇いはない。寧ろ貰わなきゃ不公平というものだ。
そして、ネットにはFCゲームの説明書を文字起こしで再現しているサイトがある。「げーむのせつめいしょ(仮)」様だ。
マザーで検索したら、あった。これを読ませてもらおう。本当にオリジナルのままなのかは……信用する。で、じっくり読んだ。
……もうね、愕然としたよ。「ぼく」が12歳なことやら、各町のトラブルの状況やら、アイテムや魔法の効果やら……
俺が不足してると感じていた情報がこれでもかと載っていた。何なん、これ。これを読まずにここまでゲームやった俺は何なん!?
もちろん、直接的な謎解きが載ってるわけではない。説明書を読んでも尚かなり自分で歩き回る必要があるゲームである。
しかし、今作は明らかに説明書情報ありきで作られている。この情報をユーザーに提供しないのは、ハッキリ言ってあり得ない。
それを、このVC版ではやっている。VC説明書は無味乾燥な操作説明だけで、オリジナル版説明書の豊富な情報は何一つ載ってない。
これは今作に限らず、VC共通の仕様であろう。それどころか腐れ電子説明書は全部こうかもしれん。あり得ん、あり得んよ。
今まではそれで困ることはなかったが、今回は情報格差のせいで思い切り足を引っ張られた。非常に腹が立つ。
ファミコン版の説明書を電子再現することが、そんな大変か? この程度のことも出来んのか? VCなんて儲からんからテキトーか?
普通の感覚持ってたらやるだろ。またしても任天堂の無能さに激しく落胆した。いや、分かってるけど面倒だからやってないんかな。
あんまいないと思うが、未プレーで今作をやる人がいたら、素直にネットで元祖説明書を読むよう強くお勧めする。
プレーする前の正当な情報だし、何よりこれがないとゲームが面白くないだろうから。マジ分からんからね。はぁ……。

てわけで、説明書によりゲームの世界が劇的に明るくなった。……が、それで進行が楽になったわけではなかった。
途中からの投げっぱなし状況に変わりはない。音の在り処を、仲間の集め方を、自分なりに考えて試行錯誤していった。
ここまで手探りでRPGやったのも久々だ。そのせいで効率という面では最悪だった。回り道に回り道を重ねた。

・メガネ君の同行が必要なロケット工場に単身で挑み、結果二度手間に。ここは非常に広大なダンジョンで非常に時間を食った。
・地図上の「・」に何かあることに長く気付かず、徒歩でほぼ世界を踏破した。「広大な世界」は必ずしも嬉しくない。
・不良君脱落後、いつか再加入するもんだと何度も何度も話しかけに行った。永久離脱ならそう言えやボケ!
・その不良君が「山で~」と口にしてたからここを終えれば再加入だろうと、仲間集め優先のためまず山攻略に。ラスダンなのに。
・顔サボテンの位置は砂漠をマジで虱潰しにして探した。上下端から端まで移動→1画面ずらす→繰り返し。

などなど。こんな風にRPGをプレーしたのは、ファミコン時代でもなかったかもしれん。おかげで「冒険感」は非常に強かった。
そう、実は、面白かったんだよ。プレーは十日間で25時間ほど。1日2時間ちょい、自分でも驚くくらい毎日楽しく遊んだ。
広すぎ分からなすぎ状態にウンザリすることもあったが、その分発見の喜びがあったし、ジワジワとゲームを埋める快感もあった。
これは偏に、「戦闘が苦でなかったから」だ。広いマップを歩き回り、エンカウント率も高い。当然戦闘回数は非常に多い。
だが、戦闘自体はそんなに苦でなかった。これが本当に大きかった。この点が2と大違いで、今作の方がずっと良かった。
何故か。「攻撃ミスが少ない」のだ。ホントに。攻撃が当たってくれる。戦闘に戦略を立てられる。こんな嬉しいことはない。
2の攻撃ミスの多さは、マジで異常なレベルだった。今作の後、戯れに2序盤を再プレーしてみたんだが、それだけでミスりまくり。
あんだ外されたらまともに戦えないし、何より戦意喪失が激しい。今作もそうなのではないか、とビクビクしていた。
完全に杞憂だった。当たる、当たる。おまけに主人公がかなり強い。一人旅期間が長いこともあり、ほぼワンマンな強さだった。
戦闘が苦でないから、多くこなす。そうすると自然にレベルが上っていく。となれば戦闘が楽になり、ますます数をこなせる。
古き良きRPGの実に理想的な流れに乗れた。別に戦闘バランスが良いわけじゃないが、「当たる」、これだけで面白さ爆上げ。
ある意味2の悪印象が助けになってたな。何が幸いするか分からんもんだ。てわけで、分からん尽くしの旅も、面白かったのである。

戦闘が苦にならなかったのは、2と同様(と言うのも変か)、「戦闘報酬が振込式」で、全滅があまり怖くないというのもある。
今作でも戦闘報酬は「パパ」が銀行に振り込んでくれる。「お前の口座に2000ドル振り込んでおいたよ。大事に遣いなさい」。
……12のガキを諸国漫遊の一人旅に出させたり、千や万ドルを平気で与えたり……この家、子育て的には相当問題あると思う。
まぁそんなわけで、戦闘報酬は後払いなのだ。逆に言うと冒険中は手元にない。だから全滅して所持金半分になっても、報酬は残る。
つまり全滅が怖くない。蘇生費用もそんなに高くないし。……ちなみにHP0になると「意識不明」になる。ある意味死よりヤバいな。
全滅が怖くないから思い切った遠出をガンガンやれた。広いマップと好相性のシステムだと思う。そこまでは考えてないだろうけど。
主人公が強くて助かったけど、仲間の女の子とメガネは弱いわすぐ死ぬわで概ね足手まといだった。LV1加入は酷いよ。
それでも女の子はPK充実により使えるようになったが、メガネは売りの特殊アイテムが役立たずで、ダメっ子のままだった。はぁ。
不良男は主人公以上に強くて最高だったが、途中離脱が痛すぎた。それも全く予期出来んタイミングだし。やっぱDQN嫌い。はぁ。
そうそう、今作でも「持てるアイテム数」には散々困らされたよ。ここは2以上。たった8個しか持てん。イベントアイテム含めて。
デフォで「キャッシュカード」「ちず」が必須な上、その後もどんどん捨てられないアイテムが手に入る。嫌がらせかという程に。
序盤なのに不良男の武器を拾えて意味あるんかよ! 闇のライトとか、売れないのに全然役に立たんし!!
おまけに預かり所や売却所が矢鱈少なく、整理するのも大変。糸井氏のバランス感覚はどうなってんだ。理解できん。ったく。

苦戦しながらゲームを進めたが、一番の難所はやはりラストダンジョン「ホーリーローリーマウンテン」だったな。
この名は以前から知っていた。と言うのも、2の感想のコメ欄で「お前は絶対1のホリロリ山でブチ切れるわww」と煽られたからだ。
ごめん言い過ぎ。だが俺は密かに「あ? 我がファミ魂を舐めてもらっちゃ困りますぜ?」と対抗心を燃やしていたのだ。
ここを「確かに難しすぎ、というか理不尽過ぎでした。俺には合いません。はぁ」とか言ったら男がすたる。負けるわけにはいかん。
で、気合い入れて挑んでみたが……こ、これは確かにキツい。序盤の洞窟はややこしく、中盤からの山道は非常に長い。
だからまず、洞窟のマッピングを実行した。RPGでマッピングなんていつ以来だろう。21世紀になってからは初めてだと思う。
そのおかげで完璧な地図が出来た。フフン。これで序盤はOK、あとは山道の踏破だ。全滅を繰り返しつつ、道を覚えていった。
……ここでは「イヴ」という超強力助っ人キャラを仲間にできるのだが、俺はそれに気付かず、3人で必死に攻略した。
今思えば馬鹿なことをしたが、これもまたゲーム。無駄だったわけではない。ちゃんと「馬鹿だったw」という思い出になったさ。
ホリロリ山道はイヴあり前提のバランスなのか、ちょっと敵の強さが異常だった。ラスボスより強いやつがゴロゴロいるやん。
そんなイヴも結局途中離脱。まぁ気付くのが遅かった分、その頃にはパーティレベルは十分上がっていたが。
イヴよりも主人公以上に強くて頼りになる不良男の途中離脱が痛かった。メガネの勇気はあんまし役立ちません。
まぁメガネも鍛えると主人公の半分くらいの攻撃力は身に付いたので、最終的に打撃要員にはなれたかな。男は腕力なんだよ。チッ。
んで頑張った末ホリロリ山頂まで辿り着いたのだが……道が塞がってた。音を全部集めなきゃならんのね。勇み足だった。
結果的に無意味だったが、ホリロリ山をキッチリ攻略出来たことの意義は大きい。俺のファミ魂、見て頂けましたか? フッ。はぁ。


物語は……うーん。繰り返すが、説明書を読むのが前提。ゲーム内では肝心なことがちっとも語られないから。
要は地球に攻めてきた宇宙人との戦いだった。まず主人公の曽祖父・祖母が連中に拉致され、祖母はそのまま帰ってこず。
宇宙人の技術を奪って何とか帰還した祖父は、その技術でオーバーテクノロジーロボを作り、未来の子孫に戦いを託して果てた。
……迷惑な爺さんだな。俺関係ないやん。実際、今作はこの曾祖父母とギーグの因縁の話で、主人公らはある意味蚊帳の外だった。
もう少し動機付けを頑張ってほしかった。せめて祖父母にして、存命中の思い出があるなら大分印象が違ったと思うのだが。
また2と同じく仲間達との繋がりも希薄。「決まってるから仲間になる」て感じで、ゲーム中に絆を感じられない。うーん。
2もそうだったけど、今作も雰囲気ゲーであって、シナリオに魅せられはせんかったな。マジカント国の真相も「は?」だった。
ギーグと曾祖母の関係がよう分からんかった。いつ何をもって憎むようになったんだろ。……ご想像にお任せします、か。
ギーグを倒せば「私はまた戻ってくる!」と宣言し、宇宙船で去っていく。やはり2は純粋な続編だったんだな。……多分。
2はギーグを細かく描くどころか、もっとわけ分からん存在にしてたからなぁ。糸井さんこれでいいんですか。はぁ。

シナリオとしてはイマイチだが、人々の台詞に「糸井節」がふんだんに込められており、そこは大いに楽しめる。
この独特の面白さは他では味わえまい。結局マザーの良さはこれだな。2でもそうだった。俺も普通に浸れた。ありがとう糸井さん。
……が、俺はかなりビビりつつ今作に臨んだので、おふざけ台詞や小イベントを「大事かも!?」と真剣に受け取り、少々損した。
馬鹿なアダ名つける奴や不良警官を重要人物と思い込み、何度も話しかけたりしたなぁ。あははは。……畜生め。
まぁいい。このゲームを当時やってたら、強く印象に残ったことだろう。それだけの独創性がある。見事なもんだ。
でも「エンディングまで、泣くんじゃない」は、ハッタリだったな。だってただスタッフロールがあるだけやん。つまらんかった。
ちなみにこのキャッチコピー、実は糸井氏のものではない。これは未だに謎なんだが、一体どういう事情があったんだろう。
コピーライターが作ったゲームのキャッチコピーが、当人のものではないって。うーん。コピー自体は良いのが何ともなぁ……。

最初に書いた通り、グラフィックは良好。独特の味はファミコンでもしっかり出ている。モンスターデザインもそこそこ。
そういや、今作の後に少し2を再プレーしたら、「グラフィック超綺麗ぇえええ!!!」と感動した。マジで。
今作のレベルに目が慣れていたが故のことなんだろうが、2がそれだけ理想的なグラ強化続編だった証拠でもある。素晴らしい。
1をやった後にあの2を見せられたら、そら買うわ。これもこのシリーズに強固なファンがいる理由の一つなのかもしれない。
逆に、まず2からやった俺がのめり込めなかった理由の一つでもあるのかもな。やはりシリーズものは基本、段階を踏まなきゃなぁ。
音楽もなかなか。通常戦闘曲が複数あったり、頑張っている。2よりも今作のサントラが欲しいと思った。安ぅなってくれんかな。
途中2回、主人公が歌ったり踊ったりする(もちろん声は出ないが)シーンがある。糸井氏はああいうの好きなのかな。
主人公と女の子が寝室で二人きりになる→女の子「踊りましょうよ」→二人、ダンスを始める …………アホか! ガキが!!!
糸井氏の感性が強く出てるだけに、合わんとこもやっぱ出てくるわな。ま、それはしゃーない。寧ろいいことだ。
作品は作家性があってこそ。合う合わんは別問題、良し悪しの話ではない。本来作品とは、これくらい尖っていてこそだ。
……ま、あんまし俺様に走ると、往々にして売れないんだけどね。だから作り手は作家性を抑え、普遍性に向かう。それもまた大事。
作家性を出して支持されるゲームってのは凄いもんである。やっぱこのシリーズ、並じゃないわ。うーん。多分……。

ふぅ。目標通り、自力クリアーを達成できた。散々迷って歩き回ったが、それ故に「冒険した」満足感が残る。うむ、満足。
さて、これで1と2をプレーした。残るはシリーズ最終作「MOTHER3」である。既にVC版を購入済みだ。そのうち、プレーする。
3はGBAてことで、色々とやり易くなっていることだろう。それがMOTHERとして正しいのかは分からんが、気分的に手を出しやすい。
シリーズ終了は明言されているから、続編が出ることはない。が、それはそれでいい。3本だけで十分、ゲーム史に名を残している。
ゲームのシリーズは、続いていくことで良くも悪くも変わってしまう。時にそれはファンとして受け入れ難いものだったりする。
だがMOTHERにそれはないだろう。3本だけ、作者は一貫して糸井重里。ハードがバラバラなのもいいアクセントになってる。
なんかとても「幸せ」なシリーズに思えてくるな。俺も濃いファンではないが、今後薄く緩いMOTHERファンを名乗っていこう。
大人も子供もおねーさんも。MOTHERシリーズの未来……はちょっと望めないが、この比類なきRPGシリーズに乾杯し、了。

……そういや、初代でも結局「MOTHER」というタイトルの意味は分からんかったな。ママ、好物のカツ丼作ってくれるけど。
何もわからないまま広い世界に放り出されるのは、母性的どころか超スパルタなライオンの子育てのようだったし。
まぁ俺が気付かんだけで、それでも「母」はどこかで見守っていてくれたんだろう。そうに違いない。そう信じよう。
現実だってそうさ。君も俺も一人じゃない。大いなる愛が、地球が、俺達を見守ってくれている。だから辛い時も、負けるな!
……とか。まぁ。頑張ろ。テキトーに。ダメな子でごめん母ちゃん。はぁ。





web拍手

コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クインティ(Wii U VC版) | トップ | 雑1610 »

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (サク)
2016-10-26 09:11:05
あれま、VCってそんな酷い仕様なんですね
実はVC買ったことないんですが(3DSのアンバサダーソフトは貰いましたが)、PSアーカイブスはきちんと当時の説明書を読めるようになってますよね
任天堂のVCはPSアーカイブスに比べて高いけどその分そういうところには力を入れてるのかと思っていましたが、まさか逆とは…
そういえば今度ファミコンクラシックミニが出ますが、これもやっぱり説明書読めないんですかね
読めないんでしょうね、VC詰め込むだけでしょうし


マザーは結構説明書が凝ってて、読み物としても面白いように作ってる感じがあるので、説明書が読めないのは特に痛いですよね…
1は確かに迷いやすい・分かりにくいところがかなりありましたね
2やるとだいぶ親切になっているので、私は2の方がだいぶ好きなんですが、ファミコンの時代ならあの手探り感はそこまで悪いものでもないのかなと思ったりもしますね
マザー1の広大な世界を冒険してる感はファミコン屈指かなと思いますし
Unknown (グレイ)
2016-10-26 21:57:00
煽った記憶があるようなないような……イヤイヤ、煽ったつもりはないんですょ…と。しかし2がダメで1が合うのわ結構珍しいような。逆は自分の周りによく居たんですけどね。自分はよくやるのが2、好きなのが1って感じです。3は良くも悪くもかなり違ったゲームなのでこれもまたotaさんがハマるか分からないところですね。タネヒネリ島とかは結構好きなんですけどね。

斜め移動の登場自体はスーパーモンキー大冒険が先の記憶もありますが、斜めに歩きたくなるマップデザインが良く出来てました。MOTHERのマップは素敵です。
あと自分がもっぱらプレイしていたのは海外FC版の移植のGBA版でしたがそっちだとエンディングが追加されてたりします。んでも、自分はスタッフロールだけのが風情があるように思えましたね。

あとクインティの時の余談ですが、新作ファミコンソフトの「キラキラスターナイトDX」は既にプレイ済みだったりします。ファミコンを過去のものにした人には超技術とノスタルジックが混在した複雑な感情を抱ける素敵ゲーかと思いましたが、いつも古いゲームばっかやってる人には超技術こそあったもののノスタルジックが有りませんでした……。いやもう音楽だけでも買いなレベルなので満足なんですけどねw
Unknown (ケンシロウ)
2016-10-26 22:16:12
なんか凄いペースで更新されてますやんw

MOTHERシリーズは2しかやった事ないんですけどめちゃくちゃ面白かった記憶がありますね!、、、でも、よくよく考えたら本当攻撃が当たらんし、プーの王者の剣がドロップしないおかげでそのダンジョンでLevel90になってラスダンがお散歩状態になったりと苦労の数々が記憶の片隅から蘇ってきましたよw
スリーの感想マジでまってますよw
Unknown (ota)
2016-10-27 00:50:36
>>サクさん
今まで何本もVCはやりましたし、中にはオリジナルの説明書を既読のタイトルもあるので、こういう仕様なのは知ってました。
考えてみたら非常にサービスが悪いですね。旧作の説明書には凝ったものも多いから、読み物としての価値も十分あるのに。
これまではさほど気にならなかったんですが、今作は影響が大きすぎてマジで腹が立ちました。必読レベルの内容でしたから。
別に無理な要求してるわけじゃない。ただ画像取り込むだけでもいい。その程度のことも出来んのかと。
クラシックミニも「単に詰めただけ」の商品になりそうですな。面白くない会社だ……。

>マザー1の広大な世界を冒険してる感はファミコン屈指かなと思いますし
これは本当にそうでした。今の視点で見ればダルくて不親切極まりないんですが、逆に今では出来ないバランスでした。
ただ、ファミコン中期に出すには荒っぽいとも思います。売上が今ひとつだった(と俺は思ってます)ことにもプレーして納得出来ましたね。んー。
Unknown (ota)
2016-10-27 01:00:14
>>グレイさん
煽られたってのは冗談ですよw 一応。しかし評判通りのガチダンジョンでした。ロンダルキアへの洞窟に匹敵しますな。
本文にも書きましたが、とにかく「攻撃が当たる」のが良かったです。2もそれさえあれば大好きになれたかもしれません。それさえ……っ。

>あと自分がもっぱらプレイしていたのは海外FC版の移植のGBA版でしたがそっちだとエンディングが追加されてたりします。
音を集めきった後の展開も少し違うらしいですね。俺もやるならGBA版と思ってたんですが、VCがこっちしか出なかったんでw
まぁでもオリジナルをやれて良かったかな。歩きは遅いですが、そのため世界をより広く感じましたし。ホントよく歩いた……。

>新作ファミコンソフトの「キラキラスターナイトDX」は既にプレイ済みだったりします。
おお。製作者のやってることはカッコ良いと思いますが、金を払ってまでプレーしたいかというと……ですね。個人的には。
デモ動画見ただけで技術にはビックリしましたが、「ファミコンの味」はちょっと足りませんでしたか。うーむ。
Unknown (ota)
2016-10-27 01:07:13
>>ケンシロウさん
たまにはねw いつもこんな感じでスムーズにゲームをこなせればいいんですけどね。はー。

>MOTHERシリーズは2しかやった事ないんですけどめちゃくちゃ面白かった記憶がありますね!
世間的認知度が一番高いのは確実に2ですね。俺も雰囲気やイベントは凄くよく出来ていると思います。
……攻撃ミスさえなければなぁ。「ポコリ」というミス音はトラウマですわw 実に惜しい。
王者の剣は最強武器だけどコレクションアイテムのようですね。ギーグ弱いからクリアーに強化とか必要ないですしw
Unknown (サク)
2016-10-27 21:08:24
なんとなく2の記事を見返してみたんですが、コメント欄で
>「あのエンディングでなにが泣けるのかわからなかった誇大広告だ」とかも言いそうですね。

と書かれていて笑いました。
見抜かれてますねw
Unknown (ota)
2016-10-28 00:35:05
あれは泣けるようなEDじゃないですからね……と言うか内容何もないですし。
達成感で泣けるというなら分かる気もしますがそれならそれで、町巡りや不良君の見舞いといったシーンくらい入れてほしかったですね。
Unknown (正月マニア)
2019-01-27 22:54:32
otagame さん、明けましておめでとうございます。
「『あのエンディングでなにが泣けるのかわからなかった誇大広告だ』とかも言いそう」というコメントをしたのは、多分私だと思います(昔の事なので記憶が曖昧)。
ちなみにこの当時は「正月マニア」とは違うネームで何度かコメントさせて頂いていましたw

リメイク版になりますが、不良くんの見舞いシーンやイースターの大人達のその後を描いたシーンはあります。
制作側も、アレじゃ描写不足だと思ったのでしょう。
オリジナル版は、容量の都合であんなEDになっちゃったのかな?

ところで、『MOTHER3』はプレイされましたか?
賛否両論激しい作品ですが、私は好きです。
ただ、やっぱりこちらも描写不足なところはありますね。
終盤になって世界の秘密を語られるのですが、唐突というか何というか……ネタバレになるのでこれ以上は書けないですが。
Unknown (ota)
2019-01-28 21:04:44
まさか正マニさんから普通にゲーム絡みのコメント貰える日が来るとは……w
>otagame さん、明けましておめでとうございます。
でも取り敢えず、あけましておめでとうございます。

>「『あのエンディングでなにが泣けるのかわからなかった誇大広告だ』とかも言いそう」というコメントをしたのは、多分私だと思います(昔の事なので記憶が曖昧)。
はは、そうなんですね。あのキャッチコピーは達成感や安堵感で泣くという意味なのでしょうね。それなら分かる気がします。

>リメイク版になりますが、不良くんの見舞いシーンやイースターの大人達のその後を描いたシーンはあります。
リメイク版というとGBA版でしょうか。基本ベタ移植だと思ってましたが、ある程度追加要素もあるんですね。
オリジナルは確かに描写不足ですね。容量不足はもちろんあったでしょうが、ファミコン中期なんだからもうちょい頑張るべきだったとも思います。

>ところで、『MOTHER3』はプレイされましたか?
Wii UのVC版を持ってますが、まだです。今年中にはと思ってます。いや……今決めました! 今年中にやります。
MOTHERは1も2も色々と荒っぽいゲームだったと感じてますが、3は21世紀の作品、その辺も改善されていることでしょう。
それでいて糸井氏の世界観がより先鋭的になっていればと期待します。前2作も空気は嫌いじゃないですからね。

コメントを投稿

ファミコンゲーム感想文」カテゴリの最新記事