かなり衝撃的な内容でした・・・
アカデミー賞の発表前後、英会話教室で話題になっていた作品。先生のPCで、みんなと予告編を観て盛り上がってました。愛らしい子ども達の映像。クラスの誰もが、逆境に負けない健気な子ども達を描いた作品だと信じてました。ところが・・・
観るまでは、どうしてこの作品が、インドで激しい論争を起こしたのか理解できませんでした。
IT大国となったインドに未だ貧富の差があり、スラムと呼ばれる地区があるのは周知の事実。必要以上に隠すことに違和感を感じたのでした。しかし観終わって思ったことは・・・
確かにインドの人達に不愉快な思いをさせる作品かもしれません。
スラム街のストリートチルドレンに食べ物を恵む大人。餓えた子ども達は何も疑わずに彼らについて行きます。そこで子ども達に待ち受けるあまりに残酷な出来事。食べ物を与えてくれた優しいはずの大人はギャングで、少女達は売春婦に、少年達は物乞いに・・・しかも、物乞いをさせる時に障害があった方が、人々が小銭を恵んでくれるからと故意に目をつぶしたりするのです。
この映画を観て数日経った後、インド出身の人達とこの映画について話す機会があり、自分が受けた衝撃について語ったところ、こんな答えが返って来ました。
映画と同様のことが全くないとは言えない。しかし、それが日常的に行われていると思われると、それはまた違う。
ドラマや映画では、実に色々な国が描かれており、中には「おいおい・・・」と突っ込みをいれたくなるものも少なくありません。しかし、この突込みを入れると言うのも、その国について、それなりの知識があるから出来ることですよね?例えば、アメリカや韓国・中国といったように、私達が情報を得やすい国、メディアで頻繁に紹介されている国というのは、多少、行き過ぎた描写があっても、それが全くのフィクションであると理解できます。
韓国の人がみんな韓流スターのようにイケメンだとは思わないし、ロサンゼルスで毎日テロが起きて、ジャック・バウアーが大活躍しているなんて思っている人もいないでしょう。
しかし、日本についてあまりよく知らない人は、時代劇のまんまの日本が未だにあると思っていると聞いたことがあります。「高層ビルが立ち並ぶ日本の映像が、CNNやBBCにも流れているじゃん!」と思うんですけどね・・・そう言えば、外国人に真顔で「忍者とオタクの間の日本は知らないんだよね・・・」と言われて驚いたことがありましたっけ。(笑)
私達が学校で習ったインドと言えばカースト制度くらいだったような・・・特に意識をしなければ、インドについて詳しく正確な情報を得る機会は多くありません。また、ボリウッドと言う言葉が生まれ、幾多ものインド映画が作られても、日本では、それらの作品を観る機会も多くありません。そんな中で、こんな極端な描写の作品を観てしまうと、その国に対して、複雑な感情を持つことを否めませんね・・・
ところで、10日ほど前に見つけたこの記事。紀元前13世紀頃に作られたカースト制度による差別が未だ続いていることに憤りを感じるとともに、そんなにも長く人々の暮らしを縛ってきた制度が、最先端の技術で無くせることに感動を覚えます。もちろん・・・容易いことではないのでしょうけど。
スラムドッグ$ミリオネア - goo 映画
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