おしゃべりな猫

英語・音楽・演劇・絵画etc
大好きなものが、たくさんありすぎて・・・
そんなミーハー猫のdiaryです。

コローの森・・・なんてね(照)

2013年08月31日 | ボランティアガイド

今日も暑かったです@金沢

そんな日は、ついつい木陰を選んでのご案内になります

本日ご案内したのは、受付終了直後、帰ろうとしたところに飛び込んでいらっしゃったオーストラリア人女性。

先に兼六園を訪れていて、コンビネーションチケットを購入済み。そして、五十間長屋の最終入館時間が迫っているということで、まずは五十間長屋へ。歴史について簡単にお話しさせていただいた後、菱櫓に登っていただきました。(例によって・・・vertigoを理由に私はパス

そして、金沢城のミニチュアを見ながら、お城の役割について説明。その後、発掘された火事で溶けた瓦や工事の安全を祈って埋められた刀や鏡を見ていただきました。

タイトルは、この写真。本丸園地です。

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菱櫓からの景色の感想を嬉しそうに話すお客様に、「では、お時間をいただけるなら・・・」と辰巳櫓跡にご案内させていただいたのですが、その途中にあるのが、本丸園地です。ここは、金沢城公園が整備されるまでは、金沢大学理学部の植物園だったそうです。

深い緑の木々が生い茂るこの園地を、私は密かにコローの森と呼んでいます。そう。大好きな画家の1人、カミーユ・コローが描くあの独特の色彩の森です。

金沢のど真ん中に位置する金沢城ですが、この森には静かで涼やかな時間が流れています。まだまだ残暑は続きそうですが、暑さに負けそうな日は、ぜひ訪れてみてください。

ところで、こんなに暑いのに、金沢城公園ではもう秋の花が咲き始めているんですよ

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石川門近くに咲いている秋明菊

秋用のジャケットを色違いで2枚も買っちゃったので、秋が来るのがいつにも増して待ち遠しい私です


シンポジウム―いのちと空間―

2013年08月18日 | アート・文化

大好きなエッセイスト岸本葉子さんが金沢にいらっしゃるということで、シンポジウムに行って参りました。

岸本さんは、同じ1960年代生まれ、シングル。
勝手に親近感を感じちゃって、エッセイをよく読んでいるのですが、いくつか意識的に避けているものがあります。

それは、彼女自身の癌体験を書いたものです。

伯父2人をここ数年の間に続けて癌で失いました。
読むと、あの時の痛みを思い出してしまいそうで・・・

が、その伯父の三回忌を終え、今ならもう落ち着いて聞くこともできるかなと・・・

シンポジウムでの発言者は3名。
癌患者からの立場で岸本さん。
建築家としての立場で21世紀美術館を設計した妹島和世さん。
そして、前金沢市長の山出保さん。

それぞれの立場から語られたマギーズセンターの話。

イギリスで生まれたそのセンターは、癌に罹った人が集う場所です。

語る場所と相手がある心強さ。
これを金沢でも作ることができないか?というのが今日のテーマでした。

これまで読んだ岸本さんのエッセイは、どれも穏やかで明るく、時に茶目っ気も感じられて、発病後に書かれたものでも、そうとは知らずに読めば闘病したことなど微塵も感じないのですが、今日のシンポジウムの中では、病への怖れも率直に語られ、そこから岸本さんのしなやかさと芯の強さを感じました。

そして、意外に(あわわ)印象に強く残ったのが、山出さんのお話でした。

緑と水に恵まれた街金沢。
何気なく目にしているその街並みを守るために作られたいくつもの条例の話。
行政に携わっていた人だからこそ語れる熱い想いは、これまで目にしていた風景の色をより一層鮮やかにしてくれるように思います。

写真は、シンポジウムの後に行ったカフェで撮影したものです。

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窓から見える緑の街並み

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石川らしい工芸品をあしらった店内

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和菓子の美味しい金沢ならではの超美味な餡子

百聞は一見に如かずって、こういうことかな
山出さんの話を実感できる空間です。


五十になるって、あんがい、ふつう~岸本葉子(著)

2013年08月17日 | 本と雑誌

20代後半。今で言うところのアラサーだった頃。

私は、本当にジタバタしていました

女性の年齢がクリスマスケーキや年越しそばに例えられていた頃。

自分が三十路に突入するのが、本当に本当に怖くてどうしようもなかったのです

それから10年後。

不惑を前に、私は意外にも冷静でした。

そして、あと1年半で50になる今。

これまた、何の違和感もないんですよね

あたり前だけど、三十路よりずっと年を取るのに・・・なんで

そんなタイミングで出会ったのが、この本でした。

「あんがい、ふつう」って、どういうことなんだろう

著者が50になる少し前。ちょうど今の私と同じ年の頃から書き始めたこの本。

あたり前の日常を、淡々と綴り、そして、その間に50歳の誕生日を迎え、そして、また淡々と日常を綴って行く。

「あんがい、ふつう」って、こういうことかぁ・・・

と読み終えて、ストンと何かが心に収まるのを感じました。

今の自分の延長線上に、未来の自分がある。

ある日突然その年齢を迎えるんじゃないんだなぁ

気負わずに、流れに逆らわずに、でも、自分らしく・・・

丁寧に自分にあったものを選び、それに囲まれる生活。

その「あんがい、ふつう」な時が楽しみになる1冊でした。


悪戦苦闘

2013年08月10日 | ボランティアガイド

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炎天下の中、百日紅が見頃を迎えています。

今日は、ちょっとイレギュラーなガイドでした

イタリアからのご家族4名のご案内を始めようとたところ、イギリスからのお客様と一緒に金沢城に来ていた日本人の方から、「ご一緒させてもらえませんか?」とお願いされました。

「う~ん。ちょっとやりにくいかな」と悩んでいたら、雰囲気を察したご一家から、「どうぞ。どうぞ。ご一緒に」と言っていただけたので、8名のお客様をご案内することに・・・

しかし、留学帰りの日本人の前で英語を話すって、ホント緊張。

ドキドキするから、よけいに言葉に詰まってしまい、最初の10分ほどはパニック状態。

が、途中から、アクティブな娘さんがイギリスからのお客様とアジア文化の話で意気投合。

フレンドリーな息子さんも、日本人のお客様とおしゃべり。

案ずるより産むが易しな1時間でした。

ところで、最近、高所恐怖症を言い訳に逃げている菱櫓の階段。

いつも恐怖症=phobiaを使っていたのですが、イギリス人男性から"vertigo"という言葉を教えていただきました。

ってか・・・本当は高い所よりも、息が上がってしまうのが怖いんだよね

加齢を認めたくなくって、誤魔化しているけども


エミール・クラウスとベルギーの印象派@石川県立美術館

2013年08月04日 | アート・文化

お恥ずかしながら、ベルギーに印象派の画家がいたことを初めて知りました

石川県立美術館で開催中のこの展覧会。

エミール・クラウスのことも、実は、今回の展覧会まで何も知りませんでした。

しかし、行って来て大正解。

月や陽の柔らかな光に包まれた優しい色。

電気の光に照らされた強い明るさとは違った穏やかな明るさの中に浮かぶ風景の数々は、どれも心にすーっと溶け込むようでした。

特に心に残ったのは、ロンドンの風景を描いた「ウォータールー橋、黄昏」

とても優しい光に囲まれたその風景は、遠い昔、友人と行ったイギリス旅行を思い出させてくれました。

会場には、同じ風景を描いたモネの作品も展示されていたのですが、2つの作品を見比べるのも楽しいかもしれません。