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森羅万象 ~ 歩く印象派

<書店>新潟の老舗「北光社」 190年の歴史にピリオド

2010年02月01日 18時02分51秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
2月1日15時55分配信 毎日新聞

 新潟市の古町十字路にある老舗書店「北光社」(同市中央区古町通6)が1月31日、190年の歴史に幕を閉じた。古町の看板書店として親しまれ、待ち合わせの名所にもなっていた同店。最終営業日となったこの日、思い出の場所の最後を見届けようと多くの市民が詰めかけ、閉店を惜しんだ。【畠山哲郎】

 ◇思い出の場所

 午前9時半の開店後、最後の記念にと来店する客が徐々に増え、昼前にはレジ前に列も。混雑は夜遅くまで続いた。

 40年前から同店を利用していた新潟市中央区の主婦、佐藤りつ子さん(80)。長男が高校生のころ、一緒に古町に出かけた時の待ち合わせた場所だったといい、「楽しい思い出があり、閉店は残念です」と話した。

 中学時代に同店で坂口安吾の「堕落論」を買ったのが思い出という同市東区の会社員、古屋公章さん(32)は、この日、本を7冊買った。「本好きになったのも北光社のおかげ。古町が古町でなくなってしまうようだ」と無念の表情を見せた。

 店内には、古くから使われてきた店の判子を利用したスタンプコーナーも設けられた。購入した本にスタンプを押した新潟中央高1年の藤波詩織さん(16)は「店員さんの雰囲気が良く、来るだけでわくわくしました。ここにあったことをずっと忘れたくないです」と語った。

 閉店後の跡地利用を巡っては、地元の商店街組合などが江戸後期の禅僧、良寛の資料や文献を展示する施設をつくる構想を検討している。「新潟良寛会」の柳本雄司会長によると、計画案を既に新潟市や地権者に提出したという。

 ◇メッセージ

 <私は80才、いま癌(がん)と闘病中です。北光社から母が買ってくれた英語の辞書を今も保存しております>

 店内の記入スペースや郵送、電子メールで募った市民からのメッセージ。ショーウインドーや店内の壁に飾られた中の一つに病床からつづられたとみられるものもあった。

 <貴店の閉店を聞いて涙が出ました。青春、壮年、老年を通じて北光社の書籍でどれほど知識を深めたことでしょう。私は間もなく消えゆく運命にありますが、北光社の再びの開店を祈念しております>

 集まったメッセージは500通以上。斎藤幸成社長(50)は「店を閉めることになり申し訳ない気持ちでいっぱい。今まで利用してくれたお客さんに心から感謝したい」と最後に語った。

 ■ことば

 ◇北光社

 江戸後期の1820(文政3)年、旧水原町(現阿賀野市)で「紅屋潤身堂」として創業。1898(明治31)年に古町へ移転し、社名も「北国に文化の光をともす」という意味の現在のものに変えた。一時は市内に6店舗を展開していたが、75年の大型書店進出の対抗策として行った店舗の増床が裏目となり、負債を抱えることに。売り場の縮小や店舗数の削減などで8年前から黒字に転換したものの、昨年12月に取引先の企業から支援打ち切りを告げられ、閉店が決まった。

聖域なき店舗閉鎖で問われるセブン流の百貨店経営の真価

2010年02月01日 07時04分43秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
ダイヤモンド・オンライン2月 1日(月) 5時30分配信 / 経済 - 経済総合

「次は、どの店舗が閉まるんだ?」。セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武の百貨店、西武有楽町店が年末に閉店することになり、ブランド関係者は動揺を隠さない。同社の都心店の閉鎖は、昨年のそごう心斎橋店に続くもの。店舗閉鎖に聖域のないことをあらためて示した。

 そごう・西武が全国に28店(2008年時点)展開する百貨店のうち、赤字額だけでいえば、最大だったのがそごう心斎橋店。次いで大きいのが西武有楽町店である。数字だけ見れば、心斎橋、有楽町と閉鎖する順番は妥当といえる。

 だが、西武百貨店にとって、有楽町店は数字だけでは測れない役割を果たしてきた。

「ファッションの最先端を走るという西武百貨店のイメージを支えてきたのが、池袋、渋谷、有楽町という東京都心の3店舗。ブランド誘致のうえで、この“三位一体”が武器になっていた」(西武百貨店OB)という。

 西武百貨店の旗艦店は、言うまでもなく池袋店で、売上高で1389億円(08年度)、グループ百貨店の利益の大半を稼いでいる。しかし、池袋は市場規模こそ大きいが、地域性からファッションイメージを打ち出すには弱い。それを補完してきたのが、渋谷、有楽町という好立地店だった。

 西武有楽町店がこの10年間、赤字を垂れ流してきたのは高い固定費ゆえだ。隣の阪急百貨店有楽町店と比較してみよう。

 08年度の売上高では、西武有楽町店の160億円に対して、阪急有楽町店は120億円。にもかかわらず、阪急有楽町店は、2000~07年度と黒字を維持してきた。建物のオーナーが同じ阪急グループの東宝なので、経費コントロールができていたためだ。

 一方、西武有楽町店は、建物のオーナーが朝日新聞社などで、バブル期の契約を引きずり、賃料が高いままだ。

 さらに3年前の改装投資が裏目に出た。百貨店にとって歩率(取引条件)が悪いからとセレクトショップとの契約を打ち切り、B館に化粧品を集積した。赤字幅は縮小したが、ファッション性の強みが薄れてしまった。

 西武百貨店は、「東京に3店舗」という看板で、海外の有力ブランドをいち早く取り入れたり、取引先が近隣の競合百貨店に重複出店しないよう強く迫ることができた。有楽町という顔を失い、今後、取引先の競合店への流出は、歯止めがきかなくなりそうだ。

 セブン&アイは、百貨店市場の縮小を見越して、旗艦店に集中する戦略を打ち出している。今後も経営効率を重視した店舗閉鎖は続くだろう。

 しかし、採算性を優先して、このまま百貨店の独自カラーが弱くなる経営戦略に走ると、営業力低下を招く危険性がある。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)

<日中歴史共同研究>内容報道のNHK放送 中国国内で遮断

2010年02月01日 06時50分47秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
1月31日22時59分配信 毎日新聞
 【北京・浦松丈二】中国国内で31日夜、日中歴史共同研究について報道したNHKの海外向け放送の画面が真っ黒になり、数秒にわたって視聴できなくなった。公表が見送られた戦後史に関連する天安門事件(89年)の映像を中国当局が遮断したためとみられる。

 中国メディアは同日夜、「日中歴史共同研究委員会」が報告書を初めて発表したとのニュースを簡単に報じているが、詳しい内容は一切伝えていない。研究内容が国内に波紋を広げ、中国政府批判につながることを警戒している模様だ。