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ユリノキまつり2017/5/21 にてツリーイング!

2017年04月26日 | 林冠の世界~木に登る~
森林公園くつきの森のシンボルツリー「ユリノキ」と
すこーしツリーイングして遊びましょう

●ユリノキまつり/2017年5月21日(日)10時~15時

10年ぶりに このユリノキに登ります
今回は、市内で高木剪定などをされている方が
枯れた枝を下ろす実演もされます。

彼は元々林業でスギなどの枝打ちをされていた時に
私の家の前で、ツリーイングをしてもらい、大変興味を持ってもらいました。
その後ツリーイングとは別のグループで、講習会を受け、
高木剪定のお仕事を始めておられます。

ユリノキ広場のメインツリーには、2本長い枯れ枝があります。
今回それを彼に切って下ろす実演をしてもらい、
その後、その隣で私がツリーイングを行います。

欧米で発達した高木管理を担う専門家をアーボリスト、
その技術のことをアーボリカルチャーと、言葉が作られています。
日本国内では、他に「特殊伐採」という言葉があって、
大きな木を倒さずに切ってしまう仕事が広まっていてます

またツリーイングは、その一部の技術を元に、
あくまでレクリエーションとして多くの人が高い木に登る遊びです。

同じように見えても、別の考え方からなっていて、
いずれも時間をかけて積み重ねられた専門的な技術です。

ユリノキの花咲く緑豊かな季節に
多くのお店や体験がユリノキ広場に並びます。
ぜひ森林公園くつきの森にお越し下さい。

報告・くつきの森でセンペルセコイアに登る

2016年07月03日 | 林冠の世界~木に登る~
 センペルセコイアは、北米で100メートルを越える高さになる針葉樹です。樹皮がとても厚く、山火事にも耐えて生き残るそうです。森林公園くつきの森では、森林環境研究所の近くに数本あり、ユリノキやモミジバフウのように周りの木々から突き抜けて高く育っています。

 普段のツリーカフェで登らせて頂いているユリノキは、高さ17メートルまでロープで上がることが出来、高さは25メートルくらいだと思います。そこで周りを見ると、少し離れて同じくらいの高さに、三角形のセンペルセコイアがあります。何度も見ているうちに気になり、あそこに行ってみたい、と思いを募らせていました。

 ちょうど針葉樹に登るツリーイング技術の講習会があってスタッフをしてきたのですが、参加者の方々に練習の機会があれば、という思いもあり、よい機会なので【くつきの森でセンペルセコイアに登る】を企画しました。

 当日は出来るだけ木の上の時間と練習の機会を持ってもらいたく、前日にスローラインと下見を行いました。下の枝が非常に混み合っていて、何度か目標にスローパウチを投げるも手前に当たります。出来るだけ障害物の少ないルートを探して投げ、かかった枝からパウチを揺らしたりスローラインをつないだりして、荷重を分散させる支点になるようにスローラインを通します。手の届かない高いところでラインを操作する、これが頭と技をいろいろ使えて面白いところです。

 あとはロープを掛け、講習会でお伝えした通りのボトムアンカーをとってSRTクライミング。ボトムアンカーとは、かけたロープの一方の端を固定する支点で、木の根もとに帯紐を巻いて設置します。人に教えた後はスムーズに出来るような気がします。始めて登る木は特に慎重に、慎重に。木の様子、周りの様子に感覚を研ぎ澄ませて登っていきます。やはり樹皮がとても厚く、ふかふかしています。細い枯れ枝がいろいろな形で突き出していて、しばらく暗い環境です。両側は低めのモミの木で、その枯れ枝はずっと太く様々に折れています。

 生きた枝が出てきて、よいしょよいしょと枝をかわしながら登っていきます。枝を握るとじわっとへこんで柔らかく、緑の葉っぱもさらさらと柔らかです。枝は水平より僅かに下がって横に伸びています。ロープを掛けるときは気をつけなければいけません。適度に太さがあり、丈夫そうに感じますが、ところどころに枯れ枝があります。まっすぐ伸びている枝もあれば、途中で折れて急に伸びる向きが変わっていたり、他の枝と絡んだりしている枝もあります。

 いよいよロープがかかっている支点、トップアンカーに着きました。枝は健康か、しっかり幹についているか、ロープの位置は適切かなどと、慎重にチェックします。下から見上げているだけでは分からないことが多いのです。珍しく下から見ていたより安心感があります。ロープを少し持ち上げてみると、枝が少し凹んでいます。本当に柔らかい樹皮です。どれくらいで回復するのでしょう。

 ここで高さ約10メートルです。さらに上に登るために、短いロープで体を確保し、交互に架け替えて登っていきます。枝の間をくぐり抜けて慎重に、そしてロープのルートを意識しながら適切な支点となる枝を探していきます。徐々に視界が開けてきて、明るくなってきます。隣のモミの木は先端が近づいてきました。生き生きとした枝がたっぷり日差しを受けています。

 7メートルほど登って、隣のモミの木の頂上と同じ高さのところに新しいトップアンカーを決めました。スローラインにパウチをつけて下に下ろしていきます。出来るだけボトムアンカーや登るルートに枝などが干渉しないようにルートを微調整します。

 遠くを見ると、これまで登っていたユリノキが見えます。そして隣にある針葉樹のコウヨウザンや、ひときわ高いモミジバフウが見えます。今登っているセコイアも含めて、これらの木々は、この地に植えられてから40年程度しか経っていません。自分より少々年上な生きものたちが、なんと巨大になっていることか、そしてまだまだ成長初期に過ぎず、これからますます大きくなって、たくさんの生きものたちを育んでいくことに思いを馳せて、木を下りました。

 いよいよ企画当日。はるばる兵庫県から、先月のT-2講習会と、3ヶ月前のT-1講習会の参加者がお越しになりました。お一人は早速SRTの器具も購入されて、初使用です!用具をお貸しして、基本を復習しつつ、昨日かけたスローラインでSRTのセッティングを行いました。ロープを上げたり、ボトムアンカー用のミュールノットをお互いに見て作ったり。時間を十分とってセッティングを行います。

 T-1講習会のみの受講者が登れるように、私がDRTシステムのトップアンカーを設置しに上がります。昨日はDRT用の13mmロープで登りましたが、今はSRT兼用の11mmハイブリットロープを使います。器具の通りが良くてスムーズにアセンダーが動きます。色も黄緑でいい感じです。昨日よりだいぶ高いのですが、ガチャガチャあっという間にトップアンカーまで登ってしまいました。

 その下にDRT用のアンカーを設置してスローラインを下ろし、声をかけながら協力してロープに架け替えてます。樹下ではDRTシステムを組んで登り始め、同時に私は別の短いロープをかけて、それに移ります。4月以来のツリーイングとなる参加者は、楽しい、楽しいと笑顔で登ってきました。さすがに体力は使うので途中で休み休み、枝が出てくるところまで来ると、こうやって座ると落ち着くよー、と実演します。登ったことがないツリーカフェのお客様と違って、自分でシステムを操作して下がることが出来るので、好きな場所を自分で探して休めました。

 そして空いているSRT兼用ロープも使って、もう一人上がってきました。隣のモミの木を見ながら、これも登れる?と興味を示しながら少しずつ。もう一つかけた短いロープに移ってもらってから、一度私は下に下りました。

 参加者お二人は、持って上がったお弁当でお昼ご飯。前の講習会でも樹上でお昼を食べた強者です!私は地上で食後のコーヒーの用意をしてから登ります。高島市内で焙煎された新鮮な豆を挽いて淹れ、ポットに入れて樹上へ運びました。木の上のランチとコーヒーで長時間過ごせば、違った感覚になれると思っています。

 双眼鏡をお渡ししたら、「すごく見える!見ているところはどこだ?」と驚きながら、見えている木の実は何だろうと話したり、普段よく登るユリノキにかけていたスローラインを紹介したりしました。森の一点に留まりながら、さらに森を広く深く楽しめるツールだと思います。

 20mのメジャーの先にスローパウチをつけて、下ろして高さを測ると、3名でご飯を食べた腰の高さで17m。ロープ自体は20m以上の高さになっていました。木の先端は25mくらいでしょうか。これからまだまだ伸びるでしょう。

 アメリカで木登りに取り憑かれた人たちを描いた「世界一高い木」(リチャード・プレストン著 渡会圭子 訳 http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P83630.html )という本があります。高さ世界一の木を探したり、木の上の豊かな生態系に魅了されたりした人たちが出会い、縁を深めていく物語です。そして、そこに登場するセンペルセコイアに名前がつけられて、木々の巨大さ、豊かさ、生きてきた時間の長さを様々に描かれています。私は以前この本を読んで、この木はどんな木なのだろうと心に残っていました。くつきの森のセコイアはまだ40年余りしか伸びていない若い木ですが、ふかふかの樹皮や柔らかな針葉、爽やかな香りなど、海の向こうのセコイアの森に思いを馳せることが出来ました。

 参加者お二人に感想を伺うと、木がとてもよかった・木の上で昼食とコーヒーブレイク!・ロケーションが良かった・少人数でじっくり技術を確認出来た等が好評でした。道案内など課題もありましたが事前の情報提供を十分行えば解決出来ることでした。今後は確実に行います。
 くつきの森には他にも様々な種類の木があります。同じ木に何度も登ると新たな発見もあります。ぜひ一緒に木の上で過ごしましょう。

ツリーイングにとって良い木

2016年03月25日 | 林冠の世界~木に登る~
ツリーイングにとって良い木の条件とは、例えて言えば、あなたにとって良い結婚相手の条件と似ています。

いろいろと理想の条件や大事な条件はあるかと思いますが、実際の人間というのは条件通りにはいきません。複雑で混じりあっていて同じものは一つとしてなく、時間と共に移り変わっていきます。出会える相手にも限りがあります。樹木も同じ生き物、そしてツリーイングする人間も一人ひとり条件が異なります。その相性が合う木と人の組み合わせが、ツリーイングにとって良い木となると思います。

そういったことを頭に入れた上で、いろいろな条件を見ていきましょう。

ツリーイングの特徴は、枝分かれしている部分にロープをかけて、ぶら下がって登ることで、同じ木に同時に何人も一緒に登れたり、地面近くに枝がなくても登れたり、高くても危険が少ないことです。それを生かす木の形は、太い枝が大きく横に張り出し、その途中で何箇所も枝分かれしている形です。平らな土地の真ん中に孤立して大きくなったクスノキやトチノキ、エノキ等がこのような樹形になります。身近なドングリの木で多いコナラも、適度に斜め上に広がり、途中の枝分かれも多くて良い樹形になります。逆に真っ直ぐ垂直な幹から、枝分かれしない細めの枝しか伸びない、スギやポプラのような樹形だと、基本のツリーイング法では登れなかったり、登れても人数が限られたりします。

大切な人間の命を預ける木ですから、枯れていたり腐っていたり病気で弱っていたりする木は危険です。葉や枝のつき具合、枯れ枝の割合、幹に変わったところはないか、地面が踏み固められたり土を被せられたりして根が傷んでいないか、日光を十分受けているかなどを確認します。自然に育った木は必ずそれまでの生涯に何らかのダメージを受けています。たくさんの木を見て、傷んだところや元気なところを見る目を養いましょう。

ツリーイングの危険で最も注意しないといけないのは、落下物による事故です。高いところにあるものは大きなエネルギーを持ちます。「枯れ枝や、かかり枝」に一番の注意を払いましょう。技術があれば地上から取り除いたり、ルートを選んで立ち入り禁止エリアを設定したりすることで危険を避けることもが出来ます。ちなみに実際にツリーイングしている時も物を落とさないよう細心の注意を払い、落下防止策をとりましょう。

また木はたくさんの生物の棲み家でもあります。人が近づいても迷惑でなく楽しい植物や動物もいますが、スズメバチや毒のあるツタウルシ、登ると攻撃されることもある鳥の巣などがないか、十分に探して下さい。樹液が出ているところは虫が集まっていることがあります。幹の後ろにいるかもしれません。木を見る時は必ず木の周りを一周して見るようにして下さい。

木の近くに電線があったり、屋根の上に枝が張り出していたり、木の下に歩道があったりするような危険もチェックします。ツリーイング中は少なくとも木が枝を広げている下から人の立ち入りを制限する必要があります。照明器具や道標など壊してはいけないものはありませんか。水際や斜面の上など、歩き回っている時に危険なところはありませんか。ツリーイングしている人と共に周りの安全にも責任を持って下さい。

ツリーイングは、継続的なお付き合いです。一回きりということは余りありません。その土地の管理者と交渉したり、枯れ枝や「かかり枝」を下ろしたり、登った後に健康状態を確認したりと、何年にも渡って付き合いを続けることが多いです。それが出来る条件を満たす必要があります。あなたにとって継続的にアクセスしやすいか、困った時に助けてくれる仲間がいるか、トイレが近いか、車はどこまで入れるかなどです。誰かが使わせてくれる木の場合は、その人や施設などに十分に敬意を払いましょう。

ツリーイングは身近な大自然にアクセスできる素晴らしい遊びです。たくさんの木を改めて見直して、人間の生き方と、時間も大きさも感じ方も全く異なる生き物の魅力を、多くの方が再発見出来ればと願っております。

新年を迎えて

2015年01月01日 | 林冠の世界~木に登る~
自然も人々の暮らしも大きく変化しているこの時代、
昨年も地球の各地で自然災害や様々な災難、困難があり、
それが続いていることを思い返します。
そんな中で、森のチカラを存分に楽しむツリーカフェを続けられた感謝を
改めてご縁ある皆様に申し上げます。

私たち人間が寄って立つところは
何より、森や海、全て地球の生きものたちの元にあります。
日本の自然はひときわ豊かです。
一人ひとりが自分に縁のある土地に
耳を澄まして目を遣り、手をかけていくことが大切なことだと思います。

今年は阪神淡路大震災から20年。
大事なものは何なのか、生きるとは何なのかを高校生の私に問うてきた、あの地震。

今の地球の豊かさを体感し、生きる歓びに輝ける一年の姿を強く願い、
心の中に大きく広く刻み続けたいと思います。

テレビ放送のお知らせ

2013年10月28日 | 林冠の世界~木に登る~
今週末11月2日(土)朝7時半~8時のNHK総合テレビ
「ウィークエンド関西」の中で放送されます!

「西日本の旅」という数分間のコーナーがあり、
「琵琶湖の守り人集うまち~滋賀県高島市~」として
水鳥センターやツリーカフェ、漁師さんが放送されます。

関西圏に放送されますが、短縮編集版が全国でも放送されるようです。
わかりましたらお知らせいたします。
ぜひご覧下さい!

ツリーカフェ @ビラデスト今津 ブナの葉みどり濃く 虫たちが賑やかに

2013年05月26日 | 林冠の世界~木に登る~
ひと月前に展葉したところのブナの木
柔らかく薄緑の葉っぱが, 今はしっかり厚く固く,みどり濃くなりました

今日のツリーカフェは ご家族。木の上で持ち込みランチでした
高い所でどきどきしてた方,楽しんでた方いろいろでしたね。
いい時間を高い木の上のアリや、大きなナメクジを熱心に見て下さいました
後者の方,見たい方だけどうぞ

ブナの葉には 何かの幼虫たちが もりもり食べてました
その幼虫を アリが木の上の方に運んで行きました
近くをニホンザルの群れが通り過ぎました

生きものたちが賑やかな季節です

ツリーカフェ@近江今津 湖岸

2013年05月23日 | 林冠の世界~木に登る~
風の気持ちいい樹上でした


日向は陽射しで暑いのに
琵琶湖に白波立つ強い風で、木陰に入るとひんやり


ハンモックに入ると 風除けにもなって ほっとします


5年ぶりに上がったアカメヤナギの木
さわさわコケが かわいくついていました


これが今の木。


これが5年前。少し角度が違いますが
なんだか ふっくら、少し大きくなった気がします

木登り体験!ちょっとお試し @アースデイびわ湖/高島市新旭水鳥観察センター

2013年05月06日 | 林冠の世界~木に登る~
高島市新旭水鳥観察センターで開催されたアースデイびわ湖で、
ツリーイング/木登りの面白さ/気持ちよさを 来場者の方に体験して頂けました!

登るエノキの下には、白くて房状のウワミズザクラが咲き誇っています


この、小さな白い花びらのある花が いっぱいに咲いて房状になっています


登っていくと 周りが花盛り。ふんわり 香っています

誘われて 虫たちも 蜜を吸いに来ていました

ウワミズザクラの上に上がり 登ったエノキの枝をよく見ると…


小さな葉っぱと 小さな ちいさな花


大きな木いっぱいに咲いていています


宙に浮かぶと なぜか笑顔に。おもっしろ~い


しっかり力を使うけど、ちゃんと みんな登れます


枝につかまると安心。そして手足を使って 行きたいところにいく!


枝に寝っ転がると なんて気持ちいいんでしょう


幹に幼虫が。蝶のオオムラサキかな?


アースデイびわ湖 みなさまありがとうございました!



早春のツリーカフェ!賑やかに 穏やかに…

2013年04月28日 | 林冠の世界~木に登る~
早春のツリーカフェ!第2段でした。

高い木の上は別世界です


遠く 山笑う 早春の山並み
種類ごとに色が違って いろんな種類の木が ぽつぽつ生えてることが よく分かります


気持ちよくって うとうと。至福の時間です


ハンモックから見上げる景色。




伸びる!ブナの冬芽


もう少し開いた、かわいいブナの葉


地上から約10m。そして その上に緑の世界が広がっています


なんて大きな木…



なんか 隠れてます。左上の 「目」のあたり…。


いた!

木の上でお馴染み ヤスデさん。
枯れ枝の菌類や溜まった落ち葉なんかを食べてるそうです


樹の下、森あるきも 楽しい季節

足元に ちいさなスミレの花。スミレサイシンかな?
色がすごく濃いです。


少し散歩してたら、前にでっかい先客が…



別の場所、ビラデスト今津の入り口より
遠く琵琶湖や竹生島を望みます