昨日は、久し振りに高校時代の友人たちと飲み会をしました。
そうねぇ・・・。その中に一人、中学校時代、もっと言えば小学校からずっと交友のある友
人が一人います。
JRオタクだったんですが、それが高じてわざわざ松山から東京にまで行ってJRに就職し
たと言う、つわものです。現在も交友関係のある友人の中では、最も古い友人ということに
なるでしょうか。
考えてみれば、のんきももう云十云歳。長かったような、あっというまだったような…。
のんきの歩んできた歴史でさえ、これほどに厚みのあるものなのに、これを全世界で考えて
みると・・・
ってことで、のんきの宗教観~外伝。「仏教」と「ヒンドゥー教」・・・で書ききれなかったことヾ(;´▽`A``
の続きです。
お約束しましたね、「ガンダーラ」のお話。
いわずと知れた、「西遊記」の目的地(?)です。
こちらは英語版。
歌詞中で、ゴダイゴは、「Thay say it was in india.」と唄っていますね。
「ガンダーラはインドにあるらしいよ」みたいな意味でしょうか。
では、その「ガンダーラ」。一体どこにあるんでしょう。
(Wikiより)
左上の方に、「Gandhara」と書かれていますね。ここが、「ガンダーラ王国」のあった場所
です。
現在のパキスタンとアフガニスタンの国境あたりですね。
当事は、充分「インド」と呼ばれていた場所だったのでしょうが、「インドにあるらしい
よ」というと、ちょっと正確ではありませんよね。
西遊記は、中国の唐代僧侶、三蔵法師がお供に孫悟空、猪八戒、沙悟浄を引き連れて、天竺
までありがたい経典を取りにいくお話。
「あれ~? ガンダーラは?」
実は、のんきはTVドラマ西遊記って、完全に見たこと、ないんですよね~。
で、この「ガンダーラ」っていう歌の歌詞と、この歌が「西遊記」に使用されていた、と言
うことで、長らく勘違いいたしておりました。
ちなみに、「三蔵法師」っていう言葉も、実は正確じゃないみたいです。「三蔵」って言う
のは、「経蔵・律蔵・論蔵」という、3つの経典のこと。三蔵法師は、この「三蔵」に精通
した僧侶のこと。つまり、西遊記に登場するのは「三蔵法師」ではなく、「玄奘三蔵」。
玄奘たちが目指したのは、天竺の「ナーランダ僧院」という場所で、上記地図では右上(北
東)の端あたりになります。
中国からこのナーランダ僧院へ向かうためには、ガンダーラの地を通過しなければなりませ
んでした。ってことで、ガンダーラとは、天竺(=インド)へ向かうための通り道に存在し
た国の名前です。
ゴダイゴが唄うガンダーラには、「インドにあった理想郷」というような意味合いが持たさ
れているのだそうです。
ガンダーラ王国そのものは、紀元前6世紀ころから存在したらしく、ガンダーラが最も繁栄
するのは、イラン系遊牧民族の「月氏(がちし)」がインドに築いた王朝、「クシャーナ朝」
の時代。「月氏」が漢字表記になっていることからもわかるように、月氏とは、始皇帝の時
代の中国史にも登場する民族です。
2世紀半ばに登場したカニシカ王(カニシカ1世)は仏教に帰依し、仏教を手厚く保護しま
す。ガンダーラが発展したのもこのとき。ガンダーラには、中国からだけでなく、西方、つ
まりヨーロッパからも様々な民族が来訪し、ガンダーラの地にはインドだけでなく、ギリ
シャやイラン=ペルシャの影響を大きく受け、「ガンダーラ美術」というものが誕生しま
す。
世界で一番初めに作られた仏像は、このガンダーラで作られたものです。
カニシカ王の死後、ガンダーラはゾロアスターの王朝であるササン朝ペルシャの支配を受け
ますが、仏教美術はそのまま繁栄を続けます。しかし、450年頃、ヒンドゥー教のイラン系遊
牧民族である、エフタルの侵攻を受け、ここにガンダーラ美術は終焉を迎えることと成るの
です。
エフタルが再び息を盛り返したササン朝に駆逐され(558年)、更にササン朝がイスラム帝国
に滅ぼされ(651年)たころ、再びガンダーラでは仏教が盛んとなりますが、次第にヒンドゥー
の勢いに押され、仏教の寺院が次々と破壊され、イスラムの侵入を受け、やがてガンダーラ
は歴史から姿を消していくこととなります。
玄奘が中国を発つのが629年。ナーランダ寺院で5年間唯識(阿頼耶識も参照)を学び、各地の
仏跡を参拝した後、膨大な経典を長安に持ち帰るのが645年。
ガンダーラ美術は衰退し、その勢いが失われていた時期だったということがわかりますね。
孫悟空のモデルとなったと思しきものがハヌマーンというヒンドゥーの神。中国では、密教
は道教に押されて滅亡してしまいますが、孫悟空は道教の神様でもあります。こうしてみる
と、密教は道教に吸収されてしまった、と考えるほうが正しいのかもしれません。
西遊記は、インドの叙事詩である、「ラーマヤーナ」の影響も受けているようです。
ちなみに、孫悟空も、猪八戒も、沙悟浄も、みんな「仙人」なのだそうです。
孫悟空こそ、猿軍団のボスでしかありませんでしたが、猪八戒は摩利支天という、仏教の守
護神の一人である、バラモン教から移殖された神様の一人に使えていた仙人。
沙悟浄は天帝(=毘沙門天)に使えていた仙人。
う~ん。たかが「西遊記」。されど、奥の深い話です。
ってことで。
のんきの宗教観~外伝でした。
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そうねぇ・・・。その中に一人、中学校時代、もっと言えば小学校からずっと交友のある友
人が一人います。
JRオタクだったんですが、それが高じてわざわざ松山から東京にまで行ってJRに就職し
たと言う、つわものです。現在も交友関係のある友人の中では、最も古い友人ということに
なるでしょうか。
考えてみれば、のんきももう云十云歳。長かったような、あっというまだったような…。
のんきの歩んできた歴史でさえ、これほどに厚みのあるものなのに、これを全世界で考えて
みると・・・
ってことで、のんきの宗教観~外伝。「仏教」と「ヒンドゥー教」・・・で書ききれなかったことヾ(;´▽`A``
の続きです。
お約束しましたね、「ガンダーラ」のお話。
いわずと知れた、「西遊記」の目的地(?)です。
こちらは英語版。
歌詞中で、ゴダイゴは、「Thay say it was in india.」と唄っていますね。
「ガンダーラはインドにあるらしいよ」みたいな意味でしょうか。
では、その「ガンダーラ」。一体どこにあるんでしょう。
(Wikiより)
左上の方に、「Gandhara」と書かれていますね。ここが、「ガンダーラ王国」のあった場所
です。
現在のパキスタンとアフガニスタンの国境あたりですね。
当事は、充分「インド」と呼ばれていた場所だったのでしょうが、「インドにあるらしい
よ」というと、ちょっと正確ではありませんよね。
西遊記は、中国の唐代僧侶、三蔵法師がお供に孫悟空、猪八戒、沙悟浄を引き連れて、天竺
までありがたい経典を取りにいくお話。
「あれ~? ガンダーラは?」
実は、のんきはTVドラマ西遊記って、完全に見たこと、ないんですよね~。
で、この「ガンダーラ」っていう歌の歌詞と、この歌が「西遊記」に使用されていた、と言
うことで、長らく勘違いいたしておりました。
ちなみに、「三蔵法師」っていう言葉も、実は正確じゃないみたいです。「三蔵」って言う
のは、「経蔵・律蔵・論蔵」という、3つの経典のこと。三蔵法師は、この「三蔵」に精通
した僧侶のこと。つまり、西遊記に登場するのは「三蔵法師」ではなく、「玄奘三蔵」。
玄奘たちが目指したのは、天竺の「ナーランダ僧院」という場所で、上記地図では右上(北
東)の端あたりになります。
中国からこのナーランダ僧院へ向かうためには、ガンダーラの地を通過しなければなりませ
んでした。ってことで、ガンダーラとは、天竺(=インド)へ向かうための通り道に存在し
た国の名前です。
ゴダイゴが唄うガンダーラには、「インドにあった理想郷」というような意味合いが持たさ
れているのだそうです。
ガンダーラ王国そのものは、紀元前6世紀ころから存在したらしく、ガンダーラが最も繁栄
するのは、イラン系遊牧民族の「月氏(がちし)」がインドに築いた王朝、「クシャーナ朝」
の時代。「月氏」が漢字表記になっていることからもわかるように、月氏とは、始皇帝の時
代の中国史にも登場する民族です。
2世紀半ばに登場したカニシカ王(カニシカ1世)は仏教に帰依し、仏教を手厚く保護しま
す。ガンダーラが発展したのもこのとき。ガンダーラには、中国からだけでなく、西方、つ
まりヨーロッパからも様々な民族が来訪し、ガンダーラの地にはインドだけでなく、ギリ
シャやイラン=ペルシャの影響を大きく受け、「ガンダーラ美術」というものが誕生しま
す。
世界で一番初めに作られた仏像は、このガンダーラで作られたものです。
カニシカ王の死後、ガンダーラはゾロアスターの王朝であるササン朝ペルシャの支配を受け
ますが、仏教美術はそのまま繁栄を続けます。しかし、450年頃、ヒンドゥー教のイラン系遊
牧民族である、エフタルの侵攻を受け、ここにガンダーラ美術は終焉を迎えることと成るの
です。
エフタルが再び息を盛り返したササン朝に駆逐され(558年)、更にササン朝がイスラム帝国
に滅ぼされ(651年)たころ、再びガンダーラでは仏教が盛んとなりますが、次第にヒンドゥー
の勢いに押され、仏教の寺院が次々と破壊され、イスラムの侵入を受け、やがてガンダーラ
は歴史から姿を消していくこととなります。
玄奘が中国を発つのが629年。ナーランダ寺院で5年間唯識(阿頼耶識も参照)を学び、各地の
仏跡を参拝した後、膨大な経典を長安に持ち帰るのが645年。
ガンダーラ美術は衰退し、その勢いが失われていた時期だったということがわかりますね。
孫悟空のモデルとなったと思しきものがハヌマーンというヒンドゥーの神。中国では、密教
は道教に押されて滅亡してしまいますが、孫悟空は道教の神様でもあります。こうしてみる
と、密教は道教に吸収されてしまった、と考えるほうが正しいのかもしれません。
西遊記は、インドの叙事詩である、「ラーマヤーナ」の影響も受けているようです。
ちなみに、孫悟空も、猪八戒も、沙悟浄も、みんな「仙人」なのだそうです。
孫悟空こそ、猿軍団のボスでしかありませんでしたが、猪八戒は摩利支天という、仏教の守
護神の一人である、バラモン教から移殖された神様の一人に使えていた仙人。
沙悟浄は天帝(=毘沙門天)に使えていた仙人。
う~ん。たかが「西遊記」。されど、奥の深い話です。
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