スマホのカメラではちゃんと写らない。昨日の新聞記事ではヤブランやジャノヒゲぐらいの大きさかと想像していたがもっとずっと小さくて10センチにも満たなかった。
記事では落松羽の谷にあるということだったので、そこまで車を進めた。さすが土曜日で天辺のバードセンターあたりは駐車スペースはほぼ埋まっていた。そこからさらに北側に下りて行くと、昨冬サンコウチョウの営巣していた辺りが目的の場所だ。広くなった路肩に車を停めた。横に停まっている車から高齢のカップルが出てきて、花を見に来たかと話しかけてくれた。そうだと言うと、私たちも探していたが、今見てきた人から場所を聞いたからついて来いと言う。ついて行くと、ラクショウの谷からさらに下に降りた場所の斜面を登り始めた。しかし記事の内容からそんな谷から離れたところではないのだろうと思って、失礼だけども先ず他を探してみると断って、谷筋に戻った。上下を探してみるがそれらしい所はない。またさっきの斜面に戻ると、先ほどのカップルが下りてきた。あったよという。奥さんがそれでは場所まで案内するとUターンして歩き出した。上にあるなら勝手に行くからいいですよというと、歩くためにここへきているから、歩く距離が伸びて好都合だという。旦那さんは相当くたびれている様で黙って降りて行った。少し上ると、確かに小さな看板が立てられて場所が明示されていた。花の咲いていない株はいくつかあったが、咲いていたのは2株だけだった。教えてもらわないと見つけられない状況だった。先着の別のカップルが写真を撮っていた。その奥さんがまた話しかけてくれた。自然好きで近くの万葉の森にも行って古代の食事を摂ってきたと話してくれた。高齢の女性の社交性の高さに舌を巻く。どのカップルも親父たちは黙って一言も発しないのに奥さんたちは社交的だ。
ルビーのようなキチジョウソウの実。
エリーが我慢できなくなって、いつもの第7駐車場へ移動する。沢沿いのベンチで買って来たおにぎりとお好み焼きで昼食。その後沢に沿って登る。一回りしてダム湖で妻がカモを撮っていると、此岸から彼岸に鮮やかな羽色が空をかすめた。カワセミだ。ここで見るのは初めただ。対岸のデッキの柵に止まっている。肉眼では見つけられないほどの距離だ。50メートルぐらいはあるだろうか。妻のカメラでは上手く写らなかった。
妻にとってカワセミとの二度目の遭遇、かなり感動していた。吉祥草にお眼にかかったおかげで幸運に恵まれたと喜んでいる。
キチジョウソウは滅多に花が咲かないことで、その花を見ることが出来るとは、おめでたいと名付けられたらしい。