マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

マレーシアマイセカンドホームプログラムにおける 2016年の年間新規参加者数を分析

2017年04月25日 | 参加者数の統計と解説

観光省翼下にあるマレーシアマイセカンドホーム当局は2017年4月になって、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を認められた2016年1年間の新規参加者数と国別トップ10など及びこれまでの累計から成る、プログラム参加者数統計を発表しました。

注記:当記事で用いる数字は全て、観光省翼下のマレーシアマイセカンドホーム当局が公式サイトで発表する公式統計からの出典です。
また当ブログで詳細に説明しているプログラム参加の条件と規則は、全てマレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトの基準ページである英語ページまたはプログラム当局が発行している英語文書類またはマレーシアマイセカンドホームセンター職員によるマレーシア語口頭説明を基にしています。他の言語による翻訳ページ、日本語の二次情報などは一切関知しません。

マレーシアマイセカンドホームプログラムにおける2016年の特徴 

・今回発表された2016年統計を見ると、申請者の国の如何に関わらず共通にみられる次のような点がある:全ての国で9月分の新規参加者数が零計上されている、一方10月分と11月分と12月分の新規参加者数が2016年第1四半期、第2四半期及び第3四半期に比べて異常にといえるほど多い。
年度最後の3カ月間の新規参加者数がこれほど多く計上された理由は、当局内部での申請に対する審査上の都合または審査のやりなおしが主たる理由ではないだろうか? それとも実際に参加申請者が2016年後半に急増したのかもしれない、またはこの2つの要因が複合したためかもしれない。いずれにしろ、当局はその理由を明らかにしませんので、部外者としては推測するしかありません。

注:月毎のプログラム参加申請者数が即その月の申請承認数ということにはならない。当然時間差が生まれる。例えばある月に申請してその承認が翌翌月にずれ込むことはあり得る。
従って個々の月の申請承認数に注目するのではなく、あるまとまった期間で何人承認されたかに注目すべきです。

・日本人の年間新規参加者数は対前年(2015年)比で6%減とわずかに減少した。その結果2014年の人数を基にすると、2015年、2016年と2年連続して減少したことになる。日本からのマレーシアマイセカンドホームプログラム参加潮流は”低調な状況”に引き続きあると見なしてもいいでしょう。

・世界中からのプログラム年間新規参加者数は対前年(2014年)比で約50%増という大きな増加を記録した。というより1年間(2015年)の落ち込み後復活したみるべきでしょう。

【2016年のマレーシアマイセカンドホームプログラム新規参加者数】
新規参加者とは、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局に参加の申請をして、承認が下りた人のことをいう。

A. 日本の新規参加者数 -月別統計
1月 8人、2月 6人、3月 24人、4月 12人、5月 14人、6月 20人
7月 17人、8月 15人、9月 0人、10月 46人、11月 53人、12月 66人、
年間合計:281人

参考までに過去2年間の新規参加者数を月別に示します:
2015年:1月 12人、2月 13人、3月 18人、4月 47人、5月 23人、6月 34人、
    7月 10人、8月 18人、9月 34人、10月 40人、11月 11人、12月 40人、
    年間合計:300人

2014年:1月 47人、2月 51人、3月 29人、4月 26人、5月 41人、6月 16人
    7月 15人、8月 15人、9月 57人、10月 20人、11月 34人、12月 77人、
    年間合計:428人

従って2016年の新規参加者数は、2015年のそれより 19人少なく、減少率 6%である。2014年と比べれば 147人も減った、つまり3分の1減である。

B. 世界中からの新規参加者数
世界各国からの 2016年の年間新規参加者総数 3,347人、 

比較として 2015年の年間参加者総数は 2,211人です。従って2016年は前年に比べて 51% も増加したわけです。次に示したように、この5年間の世界中からの新規参加者数は3千人台で増えたり減ったりしており、2015年だけが2千人台に落ち込んだ。

2010年以降の年間新規参加者総数
2015年 2211人、2014年 3074人、2013年 3675人、2012年 3227人、2011年 2387人、2010年 1499人、

C. 国別の2016年の年間新規参加者数
1位:中国 1512人、2位:バングラデシュ:283人、3位:日本 281人、4位:韓国 183人、5位:英国 110人、
6位 シンガポール 93人、7位 米国 80人、8位:台湾 77人、9位:オーストラリア 76人、10位 インド 68人、以下はその他として国別表示なし。

参考:2015年の年間新規参加者数 - 3桁人数であるトップ4か国
1位:中国 719人、2位:日本 300人、3位:バングラデシュ:205人、4位:韓国 120人
トップ3か国はこれまで何年もの間、中国、日本、バングラデシュの順序でいわば固定された状態であったが、2016年はバングラデシュが日本を僅差で抜いた。参加者の出身国間で順位を争っているわけではないので、2位でも3位でもいいのだが、11月までの統計が公表された時点では日本の2位は固そうに思えた。バングラデシュは2016年12月の参加承認者数が94人という多人数であったことから、最後の月で日本を上回ったのです。

ここにもみられるように、マレーシアマイセカンドホーム当局は12月という年度最後の月の承認ではかなりの”操作”をしているかのように感じられるが、これは邪推ではないはずです。その年度の申請者の内で未だ承認されていない者、及び一度は未承認となった者たちを再審査することでまとめて12月に承認計上するというあり方が当局内で行われているようだ、と推測されます。


【イントラアジアの分析とコメント】

1.まず日本の年間新規参加者数の推移をあげておきましょう。
2002年:49人、2003年:99人、2004年:42人、2005年:87人、2006年:157人、
2007年:198人、2008年:210人、2009年:169人、2010年:195人、2011年:423人、
2012年:816人、2013年:739人、2014年:428人、2015年:300人、2016年:281人、

2012年をピークに4年連続してかなりの割合で減少している。しかし既に何回も言及したように、2012年と2013年の2年間は日本として異常に多人数の新規参加者数を記録した年と言えるので、その2年間は比較の対象外とします。

Intraasia は2015年度を評した講評の中で、「年間3百人台から4百人台が日本として適度な年間参加者数の数字だと見なしています。」と書きました。2016年の新規参加者数はそれよりやや少ないとはいえ、300人から400人程度の範囲にかなり近い人数と見なせるでしょう。
とはいえ、日本からの新規参加者数は2014年基準で、2015年、2016年と2年連続して減少したことになるため、日本からのプログラム参加潮流は”低調な状況”に引き続きあると言える。2017年度は300人から400人の範囲に収まって欲しいものです。

また日本の新規参加者数が世界各国からの新規参加者総数に占める割合は、2014年が約14%、2015年も約14%です。ところが2016年は 8.4%に下がりました。このように全体に占める割合からみても、日本からのマレーシアマイセカンドホームプログラム参加潮流は”低調な状況”にあると言えそうです。

なお強調しておきますと、1つの国から年間3百人から4百人の新規参加者がいるのは、世界各国の参加者数統計を見れば明らかなように、かなり多い参加者数です。このプログラムを寡占している中国だけが異常に多い参加者数なのです。

2. 2016年に世界中からの新規参加者数が対前年比で人数で1136人増、率で5割増という大幅な増加を記録したのは、中国からの参加者数が前年比 793人増、110%増、という驚異的な増加をしたことが最大の要因です。

3. 2016年の世界中からの新規参加者総数に占める中国1か国の比率は45%になる。世界中からの新規参加者総数における中国からの新規参加者数が占める比率は 2013年が 36%、2014年が 42.5%、2015年が 32.5%であった。

マレーシアマイセカンドホームプログラムにおいて、近年中国による寡占状態が続いていることは当ブログで何回も指摘したことです。それが2016年はさらに強まって、全体数の2分の1に近づく状況を生みだした。
もっとも国別比率には全く言及することなく参加者総数だけに注目するマレーシア当局にとっては、中国によるマレーシアマイセカンドホームプログラム寡占化状況はあまり問題にすべきことではないのでしょう。

ところで当ブログにまだ馴染みのない方は、この記事をお読みになった後、画面左に表示されているカテゴリー欄からカテゴリー別に数編程度の記事に目を通されることをお勧めします。





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