不正なるブッシュの戦に現役の日系中尉の加担拒みぬ
憲法を愛するがゆゑそを侵す戦拒まむWatada中尉の
(060610 日々歌う)
昨日ぼくがこう歌ったように、アメリカで28歳の日系の陸軍中尉が、6月7日、イラクへの派遣を現役の将校として初めて拒否しました。
9・11のあと、「反テロ戦争」の名の下にアフガニスタン、イラクと、ブッシュ政権は次々にこれまでの国際法を蹂躙して、侵略戦争を拡大してきました。
イラクでは不法な戦争と占領とによって、すでに数万の無辜のイラク市民と2500人を越えるアメリカ兵のいのちが奪われ、暴力の連鎖によってさらに泥沼化の一途の様相を示しています。
当初、9・11テロのあまりの衝撃から、こうしたブッシュ政権の不法な戦争政策に熱狂的な支持を与えていたアメリカの市民も、いまやそれが深刻な誤りだったことに気づき始めました。
ブッシュに対する支持率はわずか30%にまで落ち込み、ザカルウィ殺害などによってもその回復の見込みはまずありえません。
Ehren Watada中尉は、28歳の日系市民です。
日本の報道やインターネットでは<エレン・ワタダ>と表記されて来ましたが、どうやら発音は<エーレン・ワタダ>に近いようです。
<エレン>は通常<Ellen>で女性名ですから、ぼくも最初は女性兵士かと思ってしまいました。
したがって、以下では<エーレン>と表記することにします。
ホノルルで生まれ育ったエーレンさんは、9・11のあと、アメリカ憲法に象徴される自由の国アメリカとそのpeopleを守ろうと決意し、3年前に志願して陸軍に入隊したといいます。
ドイツでは近年、偏狭なナショナリズムに基づく<愛国主義>に代わって、ハーバーマスの提唱する<憲法愛国主義>がいわれていますが、このエーレンさんの立場はまさに<constitutional patriotism>そのものです。
わが日本で声高にいわれるようになった<愛国心>が、<憲法を否定する愛国主義>であるのとなんという違いでしょうか。
日本では、日本国憲法の示す民主主義と平和の<日本>ではなく、日本国憲法を事実上否定して数千年の悠久の歴史をもつとされる<日本><日本国>なるものを愛せよというのです。
教育基本法<改悪>案を見る限り、与党も民主党もこの点では変わりません。
しかし、ブッシュ政権がありもしない<大量破壊兵器>の脅威をでっちあげて、国連決議もなしに、国連憲章によって明白に禁止されているイラクへの先制攻撃と、それに続く不法な占領によって、アメリカ兵と罪もないイラク市民のいのちを大量に奪い続けることは、エーレンさんの愛するアメリカ憲法と国際法を公然と踏みにじるものでした。
自分の指揮する部隊のイラク派遣の近いことを知って、エーレンさんは今年のはじめに除隊を申し出ました。
部下の兵士と無辜のイラク市民の命を奪うことになる、不法な戦争と占領という戦争犯罪に加担することはできないと決意したのです。しかし、軍はエーレンさんの除隊を認めませんでした。
そして、ついに近々のイラク派遣命令が出されたのです。
エーレンさんは、入隊するときに軍の規則に従ってアメリカ憲法に忠誠を誓うことを宣誓しました。
この派遣命令に従うことは、エーレンさんにとってその厳粛な宣誓を破ることなのです。
不法な戦争に加担する不法な命令を拒否して、アメリカ憲法に対する忠誠をあくまでも守り抜く。
これが若きアメリカの陸軍将校の決断でした。
エーレンさん自身は、非暴力主義者ではありません。
良心的兵役拒否者<conscientious objector>でもありません。
アメリカ憲法とアメリカ市民を守るための戦争なら、義務を率先して果たすという<憲法愛国主義>者です。
あくまで、イラク戦争は100%不法な戦争である故に、それに加担しないことこそがアメリカ市民としての義務だ、という立場です。
しかし、その実際の行動は非暴力主義と良心的兵役拒否の思想・行動と深くつながっています。
ぼくの敬愛する歴史家ハワード・ジンをはじめ、多くの平和と正義を愛するアメリカ市民がエーレンさんの勇気と決断に感謝し、連帯と支援に立ち上がり始めているのは、そのためでしょう。
軍はその波紋が広がることを恐れ、エーレンさんの発言を抑えようと躍起になっているようです。
おそらくエーレンさんは、軍法会議にかけられることになるでしょう。
<戦争と暴力のアメリカ>に抗する<もうひとつのアメリカ>のために立ち上ったエーレンさんの勇気と見識に、心から敬意を払い、そのたたかいに注目し、成功を祈ります。
*主な情報は下のサイトに基づいています。みなさんもぜひご覧になってください。
<Thank You―1st Lt. Ehren Watada for resisting an illegal war>
http://www.thankyoult.org/
憲法を愛するがゆゑそを侵す戦拒まむWatada中尉の
(060610 日々歌う)
昨日ぼくがこう歌ったように、アメリカで28歳の日系の陸軍中尉が、6月7日、イラクへの派遣を現役の将校として初めて拒否しました。
9・11のあと、「反テロ戦争」の名の下にアフガニスタン、イラクと、ブッシュ政権は次々にこれまでの国際法を蹂躙して、侵略戦争を拡大してきました。
イラクでは不法な戦争と占領とによって、すでに数万の無辜のイラク市民と2500人を越えるアメリカ兵のいのちが奪われ、暴力の連鎖によってさらに泥沼化の一途の様相を示しています。
当初、9・11テロのあまりの衝撃から、こうしたブッシュ政権の不法な戦争政策に熱狂的な支持を与えていたアメリカの市民も、いまやそれが深刻な誤りだったことに気づき始めました。
ブッシュに対する支持率はわずか30%にまで落ち込み、ザカルウィ殺害などによってもその回復の見込みはまずありえません。
Ehren Watada中尉は、28歳の日系市民です。
日本の報道やインターネットでは<エレン・ワタダ>と表記されて来ましたが、どうやら発音は<エーレン・ワタダ>に近いようです。
<エレン>は通常<Ellen>で女性名ですから、ぼくも最初は女性兵士かと思ってしまいました。
したがって、以下では<エーレン>と表記することにします。
ホノルルで生まれ育ったエーレンさんは、9・11のあと、アメリカ憲法に象徴される自由の国アメリカとそのpeopleを守ろうと決意し、3年前に志願して陸軍に入隊したといいます。
ドイツでは近年、偏狭なナショナリズムに基づく<愛国主義>に代わって、ハーバーマスの提唱する<憲法愛国主義>がいわれていますが、このエーレンさんの立場はまさに<constitutional patriotism>そのものです。
わが日本で声高にいわれるようになった<愛国心>が、<憲法を否定する愛国主義>であるのとなんという違いでしょうか。
日本では、日本国憲法の示す民主主義と平和の<日本>ではなく、日本国憲法を事実上否定して数千年の悠久の歴史をもつとされる<日本><日本国>なるものを愛せよというのです。
教育基本法<改悪>案を見る限り、与党も民主党もこの点では変わりません。
しかし、ブッシュ政権がありもしない<大量破壊兵器>の脅威をでっちあげて、国連決議もなしに、国連憲章によって明白に禁止されているイラクへの先制攻撃と、それに続く不法な占領によって、アメリカ兵と罪もないイラク市民のいのちを大量に奪い続けることは、エーレンさんの愛するアメリカ憲法と国際法を公然と踏みにじるものでした。
自分の指揮する部隊のイラク派遣の近いことを知って、エーレンさんは今年のはじめに除隊を申し出ました。
部下の兵士と無辜のイラク市民の命を奪うことになる、不法な戦争と占領という戦争犯罪に加担することはできないと決意したのです。しかし、軍はエーレンさんの除隊を認めませんでした。
そして、ついに近々のイラク派遣命令が出されたのです。
エーレンさんは、入隊するときに軍の規則に従ってアメリカ憲法に忠誠を誓うことを宣誓しました。
この派遣命令に従うことは、エーレンさんにとってその厳粛な宣誓を破ることなのです。
不法な戦争に加担する不法な命令を拒否して、アメリカ憲法に対する忠誠をあくまでも守り抜く。
これが若きアメリカの陸軍将校の決断でした。
エーレンさん自身は、非暴力主義者ではありません。
良心的兵役拒否者<conscientious objector>でもありません。
アメリカ憲法とアメリカ市民を守るための戦争なら、義務を率先して果たすという<憲法愛国主義>者です。
あくまで、イラク戦争は100%不法な戦争である故に、それに加担しないことこそがアメリカ市民としての義務だ、という立場です。
しかし、その実際の行動は非暴力主義と良心的兵役拒否の思想・行動と深くつながっています。
ぼくの敬愛する歴史家ハワード・ジンをはじめ、多くの平和と正義を愛するアメリカ市民がエーレンさんの勇気と決断に感謝し、連帯と支援に立ち上がり始めているのは、そのためでしょう。
軍はその波紋が広がることを恐れ、エーレンさんの発言を抑えようと躍起になっているようです。
おそらくエーレンさんは、軍法会議にかけられることになるでしょう。
<戦争と暴力のアメリカ>に抗する<もうひとつのアメリカ>のために立ち上ったエーレンさんの勇気と見識に、心から敬意を払い、そのたたかいに注目し、成功を祈ります。
*主な情報は下のサイトに基づいています。みなさんもぜひご覧になってください。
<Thank You―1st Lt. Ehren Watada for resisting an illegal war>
http://www.thankyoult.org/
果敢にイラクは件拒否をしたワタダ中尉に声援をおくりたいですね。
不条理な戦争に行く必要はないのですもの。
ワタダ中尉の見識・勇気に共感する人たちがたくさんいらっしゃることに、ほっとします。
しかも国境を越えて。
ブログがなければわかりませんね。
これからもよろしくお願いします。
昨日TBしてくださった髭彦さんの文章、そしてエーレンさんの声明を、今朝あらためて読み返しております。深く共感します。
理系の研究者でいらっしゃるのでしょうか。
Watada中尉の行為に対する一般の反応などがお分かりでしたら、お教えいただければありがいですね。
こちらもリンクさせていただきます。
よろしくお願いします。
私にはこういう文才はないので羨ましい限りです。ワタダ中尉が日系人だというのも、なんだか感慨深いですね。平和と正義と憲法を重んじる本来なるはずだった戦後の日本人の姿だと思います。我々、日本にすむ日本人は....どうでしょうかね。
ていねいに読んでくださって、ありがたいです。
アメリカのcivil disobedience(市民的不服従)の伝統の強さを信じましょう。
http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/50320933.html
<平和と正義と憲法を重んじる本来なるはずだった戦後の日本人の姿>がこうだったらと、わが身をも振り返りながらぼくもそう思いました。
お互いに少しでもWatada中尉の思想と行動から学びたいものです。
読ませてもらいました。
とてもうれしい内容です。
ついでに、最近の作品も読ませてもらいました。
面白かったです。
どうやらそれほど違わない世代で、
もしかしたらどこかで世界が重なっているような気もしました。
それにしても、サイトのタイトルがとてもいいですね。
私はまだ、歌いたくなっていませんが、
嘆きよりも歌うほうがいいですね。
私のブログは嘆きが多いのを少し反省しました。
ありがとうございました。