読書感想日記

最近読んだ本の感想

「水神 上・下」帚木 蓬生 著 新潮社

2011-07-17 23:38:01 | 歴史物
 大きな河が目の前を流れているにもかかわらず、常に水不足に悩み、細々と暮らしてきた農民たち…
 一方で、藩の体面や財政ばかりを重んじ、年貢を取り立てる手を緩めない侍たち…
 代々にわたる農民の窮状を救わんと、数十人いる庄屋のうち、たった数人の庄屋が身代を掛けて立ち上がるが、果たして藩は、彼らの声にどう応えるのか…
 人の上に立つ者が負うべき責任、さらには身の処し方とは…
 農民と庄屋、藩、商人たち…人と人とが出会い、信頼を築き、そして奇跡を生み出す。

 まさに、大震災や原発問題に苦しむ現在と重なる部分の多い物語だが、この物語の要人たちと、現在の政府与党との資質のあまりの違いには、悲しくなるばかりである。
 大震災の発生以来4ヶ月…全く資質のない者がトップに居座り、国民や国力を守るべき政府は、まともな対策を進めず、安全や節電を隠れ蓑に国力を弱体化し、特定の国へ我が国の権益を献上しようとする…そんな彼らに、ぜひ、この物語を一読して、何をすべきか決断していただきたいものだ。
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「天才と発達障害」岡 南 著 講談社

2011-07-08 19:12:10 | 専門書
 人は、それぞれみな違う。
 それは、性別であり、年齢であり、人生経験であり、理論派か行動派か…
 実は、もっと根本的な思考回路自体が、人はみな違っていて、その程度によって、一般大衆に埋もれるのか、あるいは特異な人としてされてしまうか、分かれてしまうようである。
つまり、何かしら才能がある人は、ある意味で特異な人であり、周囲からの理解が得られた人のみが、その類い希な才能を伸ばし、その分野の発展に寄与する人へと育つことができるのです。
 中でも、天才と称されるべき才能について、欧米では、それぞれの才能を伸ばす教育が確立し、社会の理解も進んでいるのに対し、日本では、なかなか進んでない。
 それが、世界における現在の日本の低迷につながっているのであろう。

 話しは逸れるが、今の我が国の与党、内閣、そして総理の思考回路はどうか。
 あらゆる面で、日本の弱体化に全力を尽くす姿は、一種の特異な思考なのか…
 頼るべき国から離れる一方で、日本を馬鹿にして侵略を企む国に擦り寄る思考は正しいのか…
 例えば、尖閣諸島問題であり、漁船と名乗る船と巡視船との衝突事件であり、北方領土問題であり、あるいは拉致問題であり…拉致容疑に関係する団体へ献金する思考の持ち主たち…日本の政治家は、日本のため、日本国民のために働くのではないのか。
原発停止に絡めた節電による日本経済の徹底的な弱体化、そして太陽光発電での経済的侵略をも、国民は黙って見ているしかないのか…
 いや、もはや、国土も経済も文化もスポーツでも、すべてにおいて日本は侵略されつつあるのだ。
 それは、国家権力を監視し、国民に正しい情報を提供すべきマスコミ…特に、国会中継もロクに見ない人達へ影響の大きいテレビが、既に存在意義を放棄していること…報道内容を支配されてしまっていること…で明らかだろう。
 未だに現与党を庇う報道を続ける姿勢は、自民党が政権を担っていたときの誇張した報道とは、あまりにも異なっているではないか。
 このままでは、日本国民全体の思考回路が支配される日も、そう遠くはない。
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