ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)梅田 望夫筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
梅田望夫さんのこの本、本当に共感できる部分多いです。
今日は「群集の叡智」の話。
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群集の叡智を立ち顕せようとすること。
ひとつ間違えばブログも炎上寸前になって薄氷を踏む思いをし、そういう時には身体に悪い。私も何度か、自分のブログの内容が期せずして議論を巻き起こし、思いがけず賛否激しい反応を受け、誹謗中傷まではいかぬとも罵詈雑言を浴びせられた事がある。そういうときは、苦しくとも、その間のプロセスをすべてオープンにしたまま、反応の中からエッジの立った「群集の叡智」たる文章を集めて整理して公開したり、反応から刺激を受けて少し反省してまたブログで何か書いたりしながら乗り切る強さが必要だ。私の場合はたいてい「賛否激しい反応を受ける」「エッジのたった群集の叡智たる文章を集める」「学んだことを次のエントリーに反映させる」のサイクルを何回か繰り返すと、落ち着くべきところに落ち着いていった。
そのプロセスを経ると、自分は本当は何が言いたかったのか、それをどう伝えるべきだったのか、どういう表現が批判を受けたのかといったことが正確に理解できるようになる。理解の助けとなるような素晴らしいエントリーに出会い、「群集の叡智」を痛感する事もよくあった。
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「自分のブログの内容が期せずして議論を巻き起こし、思いがけず賛否激しい反応を受ける。」
よく耳にしますね。
ネットの怖さ。
何を言っても自分に関係ないから無責任に言える。
ちょっとしたことが予想外の反響を巻き起こす。
モラルとか思いやりとか、人に対する気遣い。
普段の生活で、それがないとギクシャクしてしまう最低限のこと。
でも、リアルでは誤解されない事も、文字になると伝わらなくて、違う意味に取られる。
曲解される。
そういう意図ではなくても、オーバーに伝わる。
ちょっとした反応が、増幅する。
イラク人質の時の今井君や、上田桃子とか、元日テレの薮本アナウンサー、など枚挙に暇がないほどのブログが、心ない人たちの書き込みで揺れた。
一時の渡辺竜王もそうだったし、自分の身近な人でもいる。
有名無名を問わず、数限りないブログが傷ついたり閉鎖したりしている。
自業自得という部分もあるだろうし、言われなき被害者という事もあると思う。
何気ない日々の日記を書いてる分にはそんな目には合わないだろうけど、
何についてでもしっかりと自分の意見を一歩踏み込んで書いたりすれば、
当然反論はあるだろうし、いくら表現に注意して書いたところで、
想定外のいろんなことが起こる。
誰しもいつそうなるかわからない。
そうなる覚悟をしておかなければ。
そして、これは、ネット上のことだけじゃない。
リアルでもある意味通用する事。
例えば、社内で、何かの情報を発信したら、
変に誤解されたり、思いもよらない取られ方をして、意外な問題に発展する。
もともとそんな意図ではなかったのに、そんな風に取られるのか、とびっくり。
こういうことを言ったらどう取られるのか、ということをいろんな角度から、緻密に、真剣に考えないといけない。
世の中、考えられないほどいろんな人がいるわけで。
えー、こんな人いるの?
って人が結構いっぱいいたりして。
そこで悲観しても遅い。
できる限りのイマジネーション。
そんな風に注意に注意を重ね、慎重かつ大胆に、ものごとを進める。
そのようにして、きちんと発信したことには、きちんと群集の叡智が集まる(はず)。
「群集の叡智を立ち顕せようとすること。」
勇気がいることだけど、ここを目指さないと、進歩がない。
成長がない。
例えば、今、話題になっている順位戦の予想のことについても然り。
賛否両論あるけど、それは当たり前。
順位戦の予想ということについて、どうあるべきなのか、どういう姿が望ましいのか、
皆で意見を出し合って議論することが貴重なこと。
叡智を集めて、今後どうしたらいいのかを考えていく。
観戦記はどうあるべきか。
(今日、梅田さん、棋聖戦第一局のリアルタイム観戦記書かれていますね。)
ネット棋戦、TV棋戦はどうあるべきか。
これからの将棋の普及はどうするべきか。
将棋の明るい未来をどう描いていくのか。
いろんな課題について、我々一般ファンも含めて、それぞれがブログに自分の意見を書く、コメントする、議論を積み重ねていく。
それぞれが影響を与え合い、
群集の叡智というものが、少しずつ形になっていき、輪郭が見えてくる。
知らないうちに新たなフェーズに突入している。
自然と、皆が成長している。
さあ、踏みとどまっていないで、素晴らしいエントリーに出会うためにも、思い切って、前に進んでいきましょう。
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