即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

名人戦は最終局へ

2011年06月10日 00時16分24秒 | 将棋
名人戦第六局、大盤解説会。
山口からわざわざこのために(違う?)出てきたDanchoさんと一緒に行ってきました。
連盟のと迷ったけど、結局毎日新聞に藤井九段の名調子を味わいに。
自虐ネタも含め、最初から最後まで腹をかかえて笑う場面も含め楽しませてくれました。

本局、羽生名人は終始負けない感じが漂ってました。
一方の森内九段は、ここで絶対に勝ってやるぞっていう執念とか気迫が感じられなかった。
後手番でうまくいかなかった第四局と同じ戦型を選んで、一方的に好きに攻めさせて、何をどうやるつもりの構想だったのか、ちょっとわからないことが多い。

そして、4局目以降すっかり充実している羽生名人。
どっしりと安定してました。
絶対にフルセットにするぞ、と決めてかかっていたかのように。

今期の名人戦。
第三局までは森内九段の充実ぶりが目立ったのに比べ羽生名人はなんかいまいちの調子。
ふがいない戦いぶりで、あらっ、これはどうしちゃったの?って思わせる変調ぶり。
羽生名人らしさのかけらも出ない。
マジックが出るような気配もない。
そしてもしかしてストレートかと思われた第四局を境に、すっかり入れ替わったその立ち位置。
全局、終盤多少長引いたりはしたものの、ほぼ一方が序盤のリードを守りきっての押し切り勝ち。


以下藤井九段のファンタスティックトークより印象的な部分をほんの一部だけ抜粋。

4局目以降の森内九段。
4局目は、2ストライク取ったら、まあとりあえずボールを投げるでしょ、そんな感じですね。4連勝で勝ってもしょうがないし。
ここだけの話、3連勝してからずっと甘い感じです。
本局も先手が勝ちやすい定跡通りに指してる。
4局目ならまだしも第6局でこの戦型をやるのはすごい。

わかんないところはスルーしていきましょう。(笑)
(羽生名人の指し手について)僕の予想が当たるようになってきましたね。これはもう森内九段苦しいです。

早めに投了するのはまだ時間がかなりある時。
1分将棋になった方が投げる機会がなくなるので、変に時間を残しているのであれば、いっそのこと使い切って1分将棋にしてしまった方がいい。
相手も釣られて(1分将棋の雰囲気で)指しちゃうと、時にはいいこともある。

今までの名人戦史上、3連敗3連勝はないはず。
世の中も沈んでる状況の中、これは盛り上がってきました。
羽生さんは、相手は違うものの、3連敗4連勝をやろうとしてますね。
すべての記録を作ろうとしてます。
あとは永世竜王だけですね。

これはもう先手必勝の気分。
先手良しで片づけられてしまう形。
なぜ森内九段はこれをやっているのか。余裕と言うか、横綱相撲と言わざるを得ない。
どうぞ穴熊に組んでください。そして攻めてきてください。
過去に自分は先手持ってやったのだけど、結局うまくいかなかったので、さあ、羽生さん、やってみてください。お手並み拝見。そんな感じ。

4連勝しても仕方ない。
3連勝から3連敗して、ここまで自分を追いつめてから勝つことに意味があると言ってるようだ。
森内九段は若い頃から自分をとことん追い詰めて強くなってきた。

今までもそうだったけど、名人は春先、あまり対局がついてないことが多いので、調子が出ないことが多い。
特に羽生さんは忙しい方が調子いい。
明日天童から帰って来て、10日は棋聖戦第一局の移動。
11日に棋聖戦対局。
12日は千葉からそのまま仙台に講演の仕事で行く。
そしてその日のうちに帰ってきて、
13日は、王位戦の挑決で、僕との対局なんです。
ずっと休みなし。
こんなスケジュールじゃ、普通は疲れはててますよね?
でも、『相手が藤井君だから、まっいっか。』って感じでしょうか。
疲れてるはずと思うけど、あの人は忙しい方が強いんですよ。(笑)
--------------------------------------------------------
堪能させていただきました。
この人の自然に惹き込んでしまう、乗せてしまう話術は一級品です。

さあ、いよいよ羽生名人の3連敗のち3連勝。逆王手です。
主催社としては願ってもこの上ない最終局まで来てしまいました。
七番勝負を最後まで見られるとは、ファンとしても最高です。

再来週は大変です。
振り駒。どちらが先手なのか。
どういう戦型で行くのか。
出来れば一方的な展開ではなく、最後まで競り合っての手に汗握る勝負を観たいです。

棋聖戦も始まるし、注目の王位戦挑決もあるし、王座戦トーナメントは大詰めを迎えてるし、竜王戦本戦出場もどんどん決まりつつあるし、そして順位戦も始まったし、6月はすっかり忙しくなりました。
梅雨だし、日に日に暑くもなってるし、仕事も忙しいし、まだまだ震災復興のことも気にはなりつつも、将棋に熱くなっている今日この頃です。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お世話になりました。 (Dancho)
2011-06-14 08:03:02
nanaponさん、おはようございます。

8日は、お世話になりました。

私のところでも書こうかと思ったのですが、ほぼ全てかぶっていますね。
でも、良いかこの際…二番煎じでも(笑)。

正直、将棋がさえないので「どうした、藤井!」という感じでこの日まで評価していましたが、解説会で、評価がガラリ一変しました。
伊達に竜王3連覇している棋士ではないです。なんなのでしょう、このプレゼンテーション力。
これは、将棋も最高位の九段だけど、普及という意味においても欠かせない棋士だと思います。

そんなことを私のところで書いてみたいと思います。

私も、忙しさは、今度の週末まで続きます。

しかし、非常に充実感を感じている6月です。

ジメジメして季節としては晴れないですが、毎年6月は、こうでなきゃいけませんね(笑)。
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楽しかったですね。 (nanapon)
2011-06-28 11:06:57
Danchoさん、こんにちは。

>8日は、お世話になりました。

こちらこそありがとうございました。


>正直、将棋がさえないので「どうした、藤井!」という感じでこの日まで評価していましたが、解説会で、評価がガラリ一変しました。

解説者としての実力は、木村、渡辺、藤井がTOP3だと勝手に思っています。
面白かったですね。
そして、名人戦も終わってしまいました。
もともと竜王ブログつながりということもあるし、またDanchoさんと将棋ネタでご一緒できるのを楽しみにしています。
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