武蔵野美術大学新宿サテライト公開講座の最終回に行ってきました。
前に嵐山光三郎さんの回に行って、《住みたい町とは・・・》の記事書きました。
今回は、『老人力』で有名な赤瀬川原平さんのトークです。
<アート>
とりあえず無防備な視点から
歩く、見る。
路上の観察から、
さまざまな考えが駆けめぐる。
そこで得られた知見は
思わぬ場所に飛び火する。
赤瀬川さんと言えば、画家であり、芥川賞作家でもあるけど、有名なのは路上観察学会です。
(線路人立ち入り研究会、よりはメジャーのようです。)
「路上観察学会とは、路上に隠れる建物(もしくはその一部)・看板・張り紙など、通常は景観とは見做されないものを採取・鑑賞する団体。
学会という名前ではあるが実際には出版や講演を目的とした出版社(筑摩書房)による文化人のブッキング、マネジメントであり学会的な運営がされていたわけではない。」
学会員は、
藤森照信(建築探偵団会員、東京大学教授、建築史家)
赤瀬川原平(画家、作家、「超芸術トマソン」著者)
南伸坊(「イラストライター」≒イラストレイター兼エッセイスト)
松田哲夫(編集者、現・筑摩書房専務取締役)
林丈二(マンホールの蓋観察家、路上観察家、デザイナー、作家)
他。
「1986年、赤瀬川さん、藤森照信さん、南伸坊さん、林丈二さんらにより「路上観察学会」が結成されました。トマソン、古い洋館、ハリガミ、マンホールなど、それぞれの得意分野の観察で路上を流れていた方々が合流。さらにパワーアップされた視点で、日常からずれているモノたちを採集し始めました。」
こういうのって好きです。
何の役にも立っていないことを一生懸命に取り組んでいるおじさんたち。
役に立たないからこそ面白いということもあります。
それぞれが、勝手に街を歩き、個々の基準で面白いと思ったものを写真に撮り、その晩旅館とかに集まって、皆で飲みながら品評会をする。
楽しそうですよね、こういうの。
超芸術トマソンとは、赤瀬川原平さんにより、
「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」
と定義されています。
トマソンの由来:
「路上観察の世界では「トマソン」という言葉がよく出てきます。昔、
読売巨人軍にゲーリートマソンという腕っぷしの強い、バットをぶん
ぶん振り回す助っ人がいて、この人は当たれば場外まで飛ぶんですが
なかなか当たらなかった。ここから、無用の長物だがどこか憎めない
物を「トマソン」と呼ぶようになったとさ。路上観察の世界では古典
的な名品の、登って降りるだけの「純粋階段」がいまでも最高のトマ
ソン物件だと思います。が、今や、トマソンを見つけるのが路上観察
であるとは言いません。街を歩くとほかにもいろいろ面白いものが見
つかって、トマソンだけでは説明できなくなっているからです。」
「1972年のある日、赤瀬川原平・南伸坊・松田哲夫の3氏は四谷にある祥平館という旅館の裏を歩いていて、奇妙な階段があることに気づきました。普通階段には上がったところに入口がある。ところがこの階段には上がったところに入口がない。上がって下りるだけで、何の用事も足せない階段なのです。
彼らは一旦は「入口を塞いで窓にした結果、本来なら要らない物だけど、『壊すのも大変だし、このままとっておこう』というので残ったのだろうな」と納得はしたのですが、手すりの補修の跡を見つけ、その結論は揺らぎました。本当にゴミであれば補修などしないはずです。この階段について考えをめぐらすうちに、彼らはこの階段に「機能上から見ると何も役に立たないけれど、ゴミじゃなくて、逆転するとものすごく崇高な物になる」そういった芸術作品に似た位置を見いだしたのでした。」
路上観察の心得 十カ条なんていうものもあります。
何かを見つけて、ピンとくる自分の感性。
遊び心。好奇心。
究極の拘り。
第1感。
想像力。
時代感覚。
ユーモアの心。
赤瀬川さんたちのみずみずしい感性、うらやましくもあり、見習いたいです。
前に嵐山光三郎さんの回に行って、《住みたい町とは・・・》の記事書きました。
今回は、『老人力』で有名な赤瀬川原平さんのトークです。
<アート>
とりあえず無防備な視点から
歩く、見る。
路上の観察から、
さまざまな考えが駆けめぐる。
そこで得られた知見は
思わぬ場所に飛び火する。
赤瀬川さんと言えば、画家であり、芥川賞作家でもあるけど、有名なのは路上観察学会です。
(線路人立ち入り研究会、よりはメジャーのようです。)
路上観察学入門 (ちくま文庫) | |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
「路上観察学会とは、路上に隠れる建物(もしくはその一部)・看板・張り紙など、通常は景観とは見做されないものを採取・鑑賞する団体。
学会という名前ではあるが実際には出版や講演を目的とした出版社(筑摩書房)による文化人のブッキング、マネジメントであり学会的な運営がされていたわけではない。」
学会員は、
藤森照信(建築探偵団会員、東京大学教授、建築史家)
赤瀬川原平(画家、作家、「超芸術トマソン」著者)
南伸坊(「イラストライター」≒イラストレイター兼エッセイスト)
松田哲夫(編集者、現・筑摩書房専務取締役)
林丈二(マンホールの蓋観察家、路上観察家、デザイナー、作家)
他。
「1986年、赤瀬川さん、藤森照信さん、南伸坊さん、林丈二さんらにより「路上観察学会」が結成されました。トマソン、古い洋館、ハリガミ、マンホールなど、それぞれの得意分野の観察で路上を流れていた方々が合流。さらにパワーアップされた視点で、日常からずれているモノたちを採集し始めました。」
こういうのって好きです。
何の役にも立っていないことを一生懸命に取り組んでいるおじさんたち。
役に立たないからこそ面白いということもあります。
それぞれが、勝手に街を歩き、個々の基準で面白いと思ったものを写真に撮り、その晩旅館とかに集まって、皆で飲みながら品評会をする。
楽しそうですよね、こういうの。
超芸術トマソンとは、赤瀬川原平さんにより、
「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」
と定義されています。
トマソンの由来:
「路上観察の世界では「トマソン」という言葉がよく出てきます。昔、
読売巨人軍にゲーリートマソンという腕っぷしの強い、バットをぶん
ぶん振り回す助っ人がいて、この人は当たれば場外まで飛ぶんですが
なかなか当たらなかった。ここから、無用の長物だがどこか憎めない
物を「トマソン」と呼ぶようになったとさ。路上観察の世界では古典
的な名品の、登って降りるだけの「純粋階段」がいまでも最高のトマ
ソン物件だと思います。が、今や、トマソンを見つけるのが路上観察
であるとは言いません。街を歩くとほかにもいろいろ面白いものが見
つかって、トマソンだけでは説明できなくなっているからです。」
「1972年のある日、赤瀬川原平・南伸坊・松田哲夫の3氏は四谷にある祥平館という旅館の裏を歩いていて、奇妙な階段があることに気づきました。普通階段には上がったところに入口がある。ところがこの階段には上がったところに入口がない。上がって下りるだけで、何の用事も足せない階段なのです。
彼らは一旦は「入口を塞いで窓にした結果、本来なら要らない物だけど、『壊すのも大変だし、このままとっておこう』というので残ったのだろうな」と納得はしたのですが、手すりの補修の跡を見つけ、その結論は揺らぎました。本当にゴミであれば補修などしないはずです。この階段について考えをめぐらすうちに、彼らはこの階段に「機能上から見ると何も役に立たないけれど、ゴミじゃなくて、逆転するとものすごく崇高な物になる」そういった芸術作品に似た位置を見いだしたのでした。」
路上観察の心得 十カ条なんていうものもあります。
何かを見つけて、ピンとくる自分の感性。
遊び心。好奇心。
究極の拘り。
第1感。
想像力。
時代感覚。
ユーモアの心。
赤瀬川さんたちのみずみずしい感性、うらやましくもあり、見習いたいです。
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