London徒然草

「ばく」のロンドン日記

なり損ないのフライと娘の涙

2009-05-08 | 子供達




フレンチラベンダーが開花。
我が家では、うさぎラベンダーと呼ばれております。
てっぺんに、2枚の花びらが,うさぎの耳の様に見えませんか?

ライラックも咲き乱れ,い~い香り。



今週、No2こと、息子は連休明けに学校に戻ったと思ったら,
初日の午前中で学校終了。

もともとの予定では,木曜日まで学校で、そのあと、
「Study leave」
といって,2週間後から始まる,義務教育終了検定試験(GCSE)に備えて
自宅で勉強しなさい、ということになるはずでしたが....

いきなり火曜日半日で、
「これで学校はおわりにするので、もう帰ってよし」
と言い渡されちゃいました。

卒業式もなし、証書もなし、何もなく,いきなり義務教育修了です。
これで学校生活を終える子どもたちもいるのにねえ。

まあ、卒業式がないのは,この国の常で,入学式もないし、
驚くのは、日本人だけかもしれませんが。

なぜ、いきなり学校が終わったかと言うと.....

最終日、卒業生の皆さん、これで最後と、「悪さ」するので,
学校サイドも,生徒たちの裏をかき誰もが終わると思わない日に,
いきなり授業を終了させ、子どもたちの計画阻止のために
動いたのでありました。

もちろん、誰もこの展開は予想していなかったので......
当日はすごすごと退散。

そして、木曜日、もう,着なくていい制服をきてでかけたな、とおもっていたら



2時集合で,お礼参り? 卒業生が集まり、小麦粉やら、生卵やら,
タマネギやら,あらゆる物を、学校中で飛び交わせて来たようです。
先生方との追いかけっこも、生徒サイドの圧勝。

話によれば、巨大パチンコを用意し、学校のゲートの外から,
「タバスコ入り瓶」やら、いろいろ学校内へ飛ばして来た様子。

本人,小麦粉に生卵、ベリーの入ったジュースなどを頭からかぶり、凄まじい姿。
家に帰ろうとしたら、バスの運転手に乗車拒否をされたので、
「迎えに来い」
との仰せ。

まったくもう

あと,パン粉をまぶせば,あとは,揚げるだけですね。



そして、家にもどると、No1こと,大学生の娘から電話。

泣いています。

ボーイフレンドと、別れる事になってしまったとか。

先日、休みに大学のある町から戻って来た時はとっても幸せそうに
話していたのに、突然です。

しゃくり上げながら、ぽつり、ぽつり。
そばに行ってあげる事もできず、様子も見えないし。
こんなとき,親は無力ですね。

昔は、子どもたちにしょっちゅう泣かれていましたが,
すっかり大きくなって,こんな風に泣かれると,参るなあ。

何とかなだめて、帰ってこられるなら,戻って来なさいと言い渡しましたが
試験もあるので,無理だしなあ。

夕飯の支度をしていても、一人、部屋で膝を抱えて泣いているのではと
思うと,こちらも、いてもたってもいられません。

何か,できる事....

あわてて、手元にあった、少しばかりの現金と、手紙を書いて、
ポストに走りました。

「これで、おいしい物でも食べて,元気をだしてね」

現金が封筒の外から見えるといけないので、お金はティッシュに包みました。

今日の郵便の収集にまにあって、ほっとして、
そういえば、おいしい物でも食べて元気をだしなさい、
って、母がいつも私が,へこんだ時に、言ってくれた言葉だった....

そして、大好きだった母方のおばあちゃんは,おこづかいをくれるとき、
ポチ袋が見当たらないと、ティッシュじゃなくて、「ちり紙」に
包んでくれたっけ。

はからずも、自分も似たような事をしたり,言ったり。

祖母、母、私,そして,娘。

こんな風に,家族は続いていくのかもしれません。




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10 Comments

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美味しいもの (kiyomi)
2009-05-08 10:49:04
読んでいて、思わず目頭が熱くなったお嬢さん(No.1ちゃん いや、もう さん かな?)の事。
離れていて、直接抱きしめて上げられないもどかしさ。
でも、そうそう、こんな時は美味しいものに限るよね。
私も、長男がガールフレンドと上手く行かず、涙目で話をされた時には、彼の好物の「刺し身」を買いに走りました。
今頃は、ばくさんからの手紙を受け取って、美味しいものを食べているかな?
泣くだけ泣いて、お腹を満たして、少しずつでも立ち直ってくれるといいですね。

No.2君の学校は、まぁ!いきなり終わり?
そんなそっけない。
先生達、子供達のお礼参りを どーん と受け止めるくらいの心意気が欲しい所。
こうなったら、お礼参りは派手にしなくっちゃ 

以前日本に居た時に、曾おばあちゃんの家に行った息子たち。
曾おばあちゃんが「ちり紙」に包んだお金を、ささっと 彼らの手に握らせた時。
「ゴミ渡されちゃった」と思って、「うわぁっ!」と叫んでおりました。
「中を開けたら ひゃくまんえん 入っててビックリした」そうです。
(正解は いちまんえん )(千円でも充分すぎる)
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そんな習慣 (tenchan)
2009-05-08 14:15:48
卒業の時にそんな習慣があったんですね。
小学校の時はシャツにサインするだけだったので
大人しいものでした。

他の学校でもそうなんでしょうか?

私もね、子供達がへこんでいるときは
温かいミルクココアをつくって差し入れてやります。
No.1ちゃんにばくさんの気持ちは
ちゃんと伝わりますよ。

うちのおばあちゃんも
お駄賃をくれるときは「ティシュ」ではなく
「懐紙」で包んでくれましたね~。
懐かしく思い出しました。

それから、ばくさん、
ちょっと教えてもらいたいことがあるので
プライベートメールのほうに送りました。
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美味しいもの、食べたかな... (erima)
2009-05-08 16:30:39
No1さんの涙。
切ないですね。
恋のことばかりは、本人同士のことになってしまうから...
純粋な想いが伝わってくるほど、どうしてあげればいいのか、迷ってしまいますね。
(読んでいる私も、胸の奥がつーんと痛い...)

でもきっと、No1さん。
お母さんに電話して、優しく話を聞いてもらって、少し落ち着かれたのではないでしょうか。
今の痛みがいい『思い出』になるまでにはまだ少し時間がかかるかもしれないけれど。
そのときにはきっと、お母さんがくれた手紙のことを、とても温かい気持ちで思い出されるのではないでしょうか。

大きなフライさんは(笑)
とてもいい思い出が出来ましたね。
学生時代というのは、「悪さ」ほど楽しいものですが(笑)
恋の痛みも、青少年時代の「悪さ」も。
大人になって、かけがえがないと気付く、きらめく宝ものですね、きっと。
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つながり (そらもも)
2009-05-08 21:26:17
私の祖母も、「美味しいもん、お食べ」とお小遣いをくれました。
レストランに置いてある紙ナフキンやティッシュに包まれていることも多かったです。
あ、過去形じゃないですね。今もです(笑)

娘さんとボーイフレンドのこと、素直にお話しできる親子関係が羨ましいです。私はできなかったなーー。
子どもとは、どんな関係になるかしら?!男の子だし、なーーーんにも話してくれない可能性大ですね^^;

そしてばくさんちの男の子、ご卒業おめでとうございます!
卒業のあっけなさはビックリです~。
けど、学校側の小細工は、結局通用せず、ですね(笑)
卒業式はなくても、この面白い卒業の「儀式」がないと、卒業した気にならないってことでしょうか
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すごいいい (ままみあ)
2009-05-08 23:24:10
いろんな家庭環境があり、いろんな親子関係があるこの世の中ですが、、、

ばくさんのところは子育て大成功なのではないでしょうか?

お姉ちゃんの涙はこちらもつらいけど、、、、こういう話がちゃんとできる親子関係って憧れます。。。お姉ちゃん、今頃は母の暖かさをしっかり受け止めているのだろうな、、、おいしいものを食べる!!!万国共通ですよね。

NO.2君の卒業の仕方は、、、ここまでやるか!!って感じで頼もしいです。こういうイギリス、、、、好きだなあ、、、たくましく育ちますなあ!!!
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kiyomiさま (ばく)
2009-05-09 07:11:18
なんだかねえ~。こればかりは親の出る幕はありませんので、見守るしかないですね。オトコノコも、いろいろ悩むのですね。涙目の長男君。お刺身が大好物って,いけてます。

なんと息子も、彼女と別れてしまったそうで、我が家,どうしちゃったのでしょうか。同じ学校に通う、次女の話だと、もと彼女?「典型的なブロンド、みんなにあまり好かれていない」という話だったので,私の胸中は複雑なのですが....

で、卒業式のない学校。やっとなれましたが,物足りなさはぬぐえません。アメリカンスクールはどうなのでしょうかね?

チリ紙に包んだ,ゴミかと思ったひゃくまんえん。泣き笑いです。じ~ん。
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tenchanさま (ばく)
2009-05-09 07:21:39
はい,昔からありました。No1も、凄かったですよ。息子よりひどい姿で,でも,ちゃんとバスに乗って帰ってきました。髪の毛とかドロドロでしたから。
他の学校も、似たり寄ったりらしいですよ。ラティマでも、おしり出しちゃったみたいです。

ミルクココアかあ、いいですね。まねしよう。

懐紙におこづかい。あの年代の人たちは,皆、そういう風にするのですね。tenchanさんのおばあさまも凄い人生でしたね。私の祖母も、満州から引き上げ、長男を亡くし、苦労して、苦労して、働き続けた人生でした。あの頃の女性は強かったのかな。
今でも、四つ折りのお札をちり紙で包んであるのを見ると,祖母をおもいだしてしまって、鼻の奥がつーんとしてしまいます。
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erimaさま (ばく)
2009-05-09 07:27:54
この件に限っては、親の出る幕はまったくないので、手も足も出せません。あれから毎日電話やメールをしていますが、少し元気を出したようで、少しほっとしています。
今は辛いけど、辛いという事は人を真剣に好きになった証拠だから、きっと何年かたったらいい思いでになってくれることでしょう。

大きなフライさんも、やはり、つい最近、彼女と別れた模様。悪さも上等、失恋も上等。青春まっただ中ですね。
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そらももさま (ばく)
2009-05-09 07:36:52
いいなあ、おばあちゃま、健在で。自分の事をそんな風に甘やかしてくれる人が、どんどんへっていくのだ、とちょっとしんみりしちゃいました。

祖父母の年代は、やはり、「ちり紙包みのおこずかい」なのだな、と再度実感しました。戦争で満州から幼子を連れて引き上げ、長男は病死、苦労の連続で、働き続け、夫を早くなくした、祖母の人生を,ちり紙につつまれた四つ折りのお札を見ると思い出して、鼻の奥がツーンとします。

こっちの卒業、ほんとうに驚くでしょ。入学式もないのですよ。反対に我が家の子どもたち、補習校の入学式、卒業式に、仰天していました。

そらとんは、きっと、彼女の話を、そらももさんにしてくれるでしょう。私が予言しますっ!
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ままみあさま (ばく)
2009-05-09 07:45:55
私たちの年代は、こういう話は親とはできませんでしたよねえ。私もあまり正直に話せませんでしたよ。イギリスに住んでいるから、と言う部分もあるのでしょうか?きっとままみあさんのお嬢さんもきっと。

ままみあさん、子育てに、成功とか失敗って、ないのではないでしょうか。親になる事も、初めは全員初心者マーク。親も子どもと一緒に育つのが一番なのでしょうね。

娘に送ったお金。おいしい物を食べる前に、飲み代として消える気がします。
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