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島は一昼夜をかけて隅から隅まで焼き付きして、真っ黒な炭の塊の島と化した。
この島に生存者などいるわけもない状態であるが、一応海兵達は、現場の確認の為に上陸していた。
その海兵達は、驚くべきものを目にする。
『全知の樹』があった地点の横にある湖に、湖を埋め尽くす膨大な量の書籍が投げ込まれていたのだ。
水に浸った書物は、あの業火にも燃えることなく、残っていたのだった。
海兵達には、その”意味”がわからなかった。
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海軍本部に戻ったスバンダム長官は、8歳の考古学者の事を上層部に伝えていた。
炎に包まれる「オハラ」から子供が一人小舟で脱出するのを目撃して、その後を追っていたのだが、突然軍艦の舵が凍り付いたように動かなくなり、ロビンを見失っていた。
ただちにロビンは、『歴史の本文ポーネグリフ』を読む「オハラ」の生き残りとして、『世界政府』を揺るがす脅威として世界に指名手配された。
この後ロビンは、「オハラ」に向けられた敵意をその小さな身体に一身に集めて、僅か8歳で7900万ベリーの賞金首として生きる事を余儀なくされる。
罪は世界転覆を謀った「オハラの悪魔達」の生き残りであること。
悪魔の思想を受け継いだ悪魔の子であること・・・。
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小さな子供が一人で生きていく為に、ロビンは働いた。よく働く事でその家に住まわせてもらうのだが、どんなに優しくしてくれる人も、ロビンの正体を、またはその首にかかった賞金額を知ると簡単に裏切った。
ロビンに対して優しくする人の中で、裏切らない人間などいなかった。
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ロビンは次第に海軍から遠い海賊に身を隠すようになるが、ロビンを匿う海賊は、「世界政府」と「海軍本部」という世界の中枢直々の格違いの追跡と攻撃を受けて、次々と壊滅していった。
世界政府から追われる身は、次第に「疫病神」として、「生きている事が罪」となっていく。
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海賊すらもロビンを嫌悪するようになっていた16歳の時、海軍本部をものともしない「王下七武海」のクロコダイルと「ポーネグリフの捜索」の利害が一致して、彼の元に身を隠すこととなっていた。
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裏切られ続け、裏切り続け、人間を信じる事など出来なくなっていたロビンが出会ったのが、”麦わらの一味”だった。
ロビンは訴える。
「20年前、私から全てを奪い、大勢の人達の人生を狂わせたたった一度の攻撃が『バスターコール』・・!!!
その攻撃が、やっと見つけた気を許せる仲間達に向けられた・・・。
私があなた達と一緒にいたいと望めば望む程、私の運命があなた達に牙をむく!!!
私には海をどこまで進んでも、振り払えない巨大な敵がいる!!!私の敵は「世界」とその「闇」だから!!!
青キジの時も・・・今回も、もう二度もあなた達を巻き込んだ・・。これが永遠に続けば、どんなに気のいいあなた達だって、いつか私を重荷に思う!!!
いつか私を裏切って捨てるに決まってる!!それが一番怖いの!!!・・・だから助けに来て欲しくもなかった!!!
いつか落とす命なら、私は今、ここで死にたい!!!!」
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”麦わらの一味”は、ロビンの一連の行動をやっと理解した。想像を絶する十字架を背負って傷ついていたのだ。
ロビンの話を聞いていたスバンダムが大笑いして、「司法の塔」の屋上にはためく旗を指さして言った。
「ワハハハハ!!そりゃそーだ!お前を抱えて邪魔だと思わんバカはいねーよ!!
あの象徴(バッジ)を見ろ、海賊共!!!あのマークは、4つの海と170か国以上の加盟国の”結束”を示すもの!!!
これが世界だ!!!!この女がどれほど巨大な組織に追われてきたかわかったか!!!」
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ルフィが言う。
「ロビンの敵はよくわかった。そげキング、あの旗を撃ち抜け」
そげキングは「了解」の一言で、【火の鳥星(ファイアバードスター)】を撃ち放つと、「世界政府」の旗を撃ち抜いて燃やした。
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”麦わらの一味”を除くエニエス・ロビーにいた全ての人々は、その行動に驚愕し、スバンダムが吠えた。
「海賊達がーーー!!!!『世界政府』に宣戦布告しやがったーーー!!!!正気か貴様ら!!!『世界政府』を敵に回して、生きてられると思うなよォ!!!!!」
ルフィも力の限りに叫んだ。
「望むところだーーーーーーーーっ!!!!!」
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ルフィの行動に唖然としているロビンに、ルフィが言う。
「ロビン!!まだお前の口から聞いてねェ!!!『生きたい』と言えェ!!!!」
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ロビンはその言葉に、「生きる」という言葉に実感が持てないでいた。
生きる・・・?望んではいけない事だと思っていた。誰もそれを許してはくれなかった。
世界の為に死ね、存在そのものが罪だと言われ続けて生きてきた・・・。
生きる・・・、生きて・・・。
その時やっと、ロビンの脳裏に母の声が、サウロの声が響く。
(生きて!!!)(いつか必ずお前を守ってくれる仲間が現れる!!!)
長鼻君が言っていたっけ・・・。(ルフィを信じろ)と。
もし本当に、少しだけ・・・望みを言っていいのなら・・・私は・・・「生きたいっ!!!!」
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ルフィにその声が届いた。
ルフィだけじゃない、”麦わらの一味”にその声はしっかりと届いていた。
ルフィの顔つきが変わった。
「行くぞ!!!!」
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