ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

521話 天駆ける竜の蹄   (女ヶ島編-8)

2016年12月12日 | 頂上戦争編






ソニアとマリーが戦いに負け、ハンコックは勝負の終焉を告げた。

ルフィはマーガレット達を元に戻してくれるようハンコックに頼んだが、ハンコックは少し意地悪を仕掛けた。"男"の意地汚い本性を曝け出させようとしたのだ。
「聞ける望みは1つじゃ。その者達の石化を解くか、そなたが島から出る事をとるか、どちらか1つを選び、1つを切り捨てよ!!」

するとルフィは即座に満面の笑みで「そうか!!ありがとう!!じゃこいつら助けてくれるんだな!!どうもありがとう!!」と地面に頭をぶつける程の深い礼をした。アラバスタのビビに教えてもらった通り、義を尽くした。


その姿に、ハンコック、ソニア、マリー、そしてニョ婆は目を見開いて驚いた。
「一切の迷いなしに、あれ程の覇気を有する男が、恩人の為に頭を下げるのか・・・」



ハンコックは、"男"を九蛇城へと招待した。九蛇の歴史の中でこんなことがあっただろうか。
さらにルフィはハンコックに呼ばれてカーテンで仕切られた蛇姫の居間に入ると、ハンコックは上半身裸になってルフィを待っていた。
普通の・・というか世界中の全ての男は、ここでハンコックの魅力にやられてしまうものだが、ルフィは「おめー裸になってどうした!」と相変らずの無礼な反応だった。

そんな事はどうでもいい・・、ハンコックは、自分で決めたこの決断にいまだ震えを覚えるほどに怯えていた。
死んでも人に見られたくない"背にあるもの"を、男に見せるのだから、相当な覚悟であった。
「・・・・このマークを・・・・・!!そなたどこかで見たと言ったな・・・・、どこで見た・・・この印の意味がわかるか?」


その美しい背には、中途半端な太陽のようなマークが大きく入っていた。
マークをじっーと見ていたルフィは「おれが知ってるのとは少し違うみてぇだ!おれの友達の魚人のやつのおでこに、そいつに似たマークがあったから勘違いした。そのマークはしらねぇや!」と答えた。


そこにニョン婆が現われて、口を挟んだ。
「知らニュのなら、話してやるがよい!!その男の懐の深さしかと見たはずじゃ、安心して全てを吐き出せ。おぬし、モンキー・D・ルフィで間違いニャイな?
新聞に載っておるわい、つい先日"中枢"のすぐ側のシャボンディ諸島にて『天竜人』を殴り飛ばすという・・!!神をも恐れぬ大事件を引き起こした張本人じゃ!!!
そんニャ事をしでかして、中枢の"最高戦力"から逃げ切れている奇跡!!事件からたった2日で、こんな遠い土地へ到達している事実!!いろいろ理解しかねるがな・・・・。」


ルフィは責められていると思って「おれは『天竜人』の事は後悔してねェぞ!!」と反論すると、ハンコックはガクリと腰を落として体を震わせて泣き出した。
「・・・まだそんな大バカ者が・・・・・この世界におったのか!!!命を顧みず・・・"天"に挑んだ彼のような者が・・・!!」




ハンコックは、"死んでも知られたくないこと"の全てをルフィに打ち明けることを決意した。

ハンコックは、再度自分の背にあるマークをルフィに見せて「これは・・・"天駆ける竜の蹄"、『天竜人』の紋章じゃ。


『世界貴族』に"飼われた者"に焼き付けられる・・・一生消えることのない"人間以下の証明"・・・!!!
わらわ三姉妹は・・・・その昔・・・『世界貴族』の奴隷だった・・・・!!!



わらわが12歳の頃、九蛇の海賊船からわらわ達3人は"人さらい"の手にかかり、売り飛ばされた・・。
その先は・・・・・・・思い出したくもない忌まわしき過去!!生まれて初めて見る男も恐怖の対象でしかなかった・・!!」


ハンコックはその体を震わせ、必死で涙を堪え、顔面蒼白になりつつも辛い記憶を必死で口にした。
だが横で聞いていたソニアが、過去の記憶を強烈にフラッシュバックさせてしまい、発狂寸前に苦しみもがきだし、ルフィは
「無理すんな!!いいよ、話さなくてっ!!!」と止めようとしたが、ハンコックは全てをルフィに聞いてほしかった。


「記憶は始終蘇る・・・非道いものだった、何の希望も見い出せず、死ぬ事ばかり考えていた・・・!!!だが4年経ったある日、世界政府が青ざめる事件が起きた。
『天竜人』には誰も逆らわない、それが世界の鉄則だったが、あの『赤い土の大陸(レッドライン)』を素手でよじ登り、天竜人の住む『マリージョア』へ一人乗り込んだ男がいたのじゃ。
彼こそが、後に『魚人海賊団』を率いる『冒険家フィッシャー・タイガー』。
魚人達を虐げるその町の"奴隷解放"の為・・・彼は力の限り暴れまわった。種族として人間を嫌っていても、奴隷達を区別せず、何千人もの、あらゆる種族を解放してくれたのじゃ。わらわ達も必死で逃げた。彼には計り知れない恩がある。」




それから、魚人とハンコックのマークが似ている理由を説明を続けた。
「奴隷は解放されたが、奴隷だった者達の烙印が消えることはない。
『世界政府』を敵にまわしたタイガーは、開放された魚人達と『タイヨウの海賊団』を結成し、外海へと飛び出した。
まるで呪いをかき消すように、奴隷だった者の体に刻まれた『天竜人』の紋章を太陽のシンボルに変えて。
太陽のシンボルは、奴隷だった者、そうでない者皆の体に刻まれたのじゃ。

そなたが、わらわの烙印と見間違えたのは、『魚人海賊団』の太陽のシンボルであろう。
フィッシャー・タイガーはもう死んで、『魚人海賊団』はいつくかに分裂したようじゃ」



話はまだ終わらなかった。
「くしくも、わらわ達は奴隷であった時の余興で口にさせられた【悪魔の実】の能力のおかげで、国をだまし・・・秘密を守る事ができている。もし、あの時そなたがソニアの背中を庇ってくれなければ・・・わらわ達はもう、この島にはおれぬ所であった。
・・・・誰にも過去を知られとうない・・・!!!
たとえ国中を欺こうとも!!!わらわ達は一切のスキも見せぬ!!!もう誰からも支配されとうないっ!!!!
誰かに気を許すことが恐ろしい!!おそろしうて・・・かなわぬのじゃ・・・・!!!!」



そこまで言うと、ハンコックは涙を止めることができなくなり、言葉に詰まり、泣きじゃくった。
ニョン婆は、ここ最近のハンコックの心が冷え切っていた事を心配していたが、まだ人間的な心を持っている事に安堵した。


ニョン婆と言い争って少し元気を取り戻したハンコックは、ルフィに「そなたは・・・奴隷であったわらわを蔑むか?」と聞いたが、ルフィは即答で「だからおれ『天竜人』嫌いなんだって!!」と答えた。

その答えを聞いたハンコックは涙をぐいとぬぐって「ふふふっそなたを気に入ったぞ!!目的地を言え!!船を貸そう」と言ったその頬はピンクに染まっていた。





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