ま菅よし 宗我(そが)の川原に 鳴く千鳥
間なし我が背子 我が恋ふらくは
巻12-3087 作者未詳=
曽我川の川原でいつまでも鳴いている千鳥のように、いつも私が恋い焦がれるのは、ほかでもない、あなたなのです、という意味。
宗我の河原は曽我川のこと。御所市重坂峠に発し、橿原市中曽司町で桧隈川を合わせ、東の飛鳥川、西の葛城川と並んで北流し、大和川に注ぐ。 曽我町は蘇我氏の本拠ともいわれる。
この万葉歌碑は、橿原市中曽司町 磐余神社に建つ。
曽我川の右岸に鎮座する磐余神社。平成に入って随所が改修新築されたため境内は真新しく、すがすがしい雰囲気に満ちている。鳥居をくぐってすぐ左手に、柿本人麻呂の万葉歌碑が建つ。
橿原市の旧真菅(ますが)村は、元々「宗我村」と呼ばれており、蘇我氏と縁の深い地域。菅(すが)は須賀、蘇我のことだろう。