渋谷の国学院大学で折口信夫の生誕130年誕生記念、特集展示と映画および講演が行われることがわかり、参加予約していて、
本日出かけた。
以前から折口信夫には大きな関心があり、「死者の書」や万葉関係の書物を読み、関連する奈良の二上山や当麻寺を度々訪問したりしていた。映画は初めてではないが、何度観てもいい映画なので予約した。
松戸から千代田線「表参道駅」下車。
表参道、骨董通りを経て、徒歩12分
国学院大学に到着。
国学院大学博物館
特集展示 折口信夫と「死者の書」
展示入口
近藤ようこ氏の漫画「死者の書」の原画が展示されていた。この漫画はすでに購入して読んでいたが、近藤ようこは国学院大学の出身であり、難解なこの作品を解釈して、これだけの漫画に仕立てたのには、感動した。
展示内部
折口信夫が伊豆の温泉旅館の一室で「死者の書」を執筆した。
右の部屋はその一室を再現したもの。
展示を見る、小川直之教授
展示のあと、ロビーで小川直之教授の死者の書についての30分程度のトークがあった。
「死者の書」は当初、雑誌「日本評論」に3回にわたって連載したものを、ストーリーを組み直して単行本として出版したと説明していた。
「死者の書」初出誌自装本(昭和14年)
雑誌「日本評論」に掲載した「死者の書」を、自ら切り取り、紙縒りで綴じて扉と表紙をつけた自装本を作っていた。
折口は自装に凝って、いろいろ作っていたようだ。
「死者の書」青磁社版(昭和18年)
いったん、学食で昼食
映画「死者の書」(上映時間 70分)
長編アニメーション映画、人形作家である川本喜八郎が脚本・人形制作・監督したもの。
奈良の当麻寺に伝わる中将姫の蓮糸曼陀羅伝説と大津皇子の史実をモチーフにした折口信夫の小説「死者の書」を、初映像化した人形アニメーション。
映画上映のホールは予約者で満席だった。根強い人気があるのだなあと感じた。
辰巳正明名誉教授の講演「死者の書-天上楽土への道案内-」
古代、面影ひと、という考え方があり、
「玉かぎる 昨日の夕 見しものを 今日の朝に 恋ふべきものか」(万葉集)にあるように、
ちらっと見た事が大変すばらしい感動として、よく使われた。
「死者の書」に、ただひと目、ただ一度見た・・・と、死罪間際の大津皇子が耳面刀自(みみものとじ)を見た。
耳面刀自が二上山に夕日が沈む時に、ちらっと見た阿弥陀仏がそれに重なる。
また、教授は死者は生き返らず先祖のもとに帰るという中国少数民族の思想をふまえ、死者は”神上り”し、魂路を辿って、”天孫降臨”した高千穂=二上山に向う、としている。魂路とは高千穂=二上山から高千穂の宮、神武東征、橿原の宮即位、歴代天皇、という神々の道を逆に辿ることをいう、としている。
なかなか意味深い講演であった。
会場で限定販売していた「死者の書」初出誌自装本(自筆書込み有)複製本
限定200部と少なかったので、早めに購入することができた。薄い製本のわりには売価2000円とやや高めだったが、ゲットした。
巻頭ページにある、初出誌「死者の書」、青と赤鉛筆、黒インク万年筆で語句などの加筆訂正がされている。最初の章に集中していたようだ。昭和18年の「死者の書」青磁社版では全二十章構成のうちの前半の十章を大幅に組み替えているとのこと。
講演が17時に終わり、心が十分満たされた気分で、帰路は渋谷経由で松戸へ。
18時30分に帰宅。
国文学関係の雑誌の休刊などがあり、国文学が衰退してきているといわれている。
今日、このイベントで国学院大学に来てみて、学内の活気が高いのには安心した。
特に学内の博物館で考古学遺跡品や神道展示の完備されているのにはビックリした。
しかも博物館は無料、今回のイベントの映画や講演会も無料と広く紹介に力を入れている。
若い学生よりも中高年の参加者が特に目立ったようだ。
本日出かけた。
以前から折口信夫には大きな関心があり、「死者の書」や万葉関係の書物を読み、関連する奈良の二上山や当麻寺を度々訪問したりしていた。映画は初めてではないが、何度観てもいい映画なので予約した。
松戸から千代田線「表参道駅」下車。
表参道、骨董通りを経て、徒歩12分
国学院大学に到着。
国学院大学博物館
特集展示 折口信夫と「死者の書」
展示入口
近藤ようこ氏の漫画「死者の書」の原画が展示されていた。この漫画はすでに購入して読んでいたが、近藤ようこは国学院大学の出身であり、難解なこの作品を解釈して、これだけの漫画に仕立てたのには、感動した。
展示内部
折口信夫が伊豆の温泉旅館の一室で「死者の書」を執筆した。
右の部屋はその一室を再現したもの。
展示を見る、小川直之教授
展示のあと、ロビーで小川直之教授の死者の書についての30分程度のトークがあった。
「死者の書」は当初、雑誌「日本評論」に3回にわたって連載したものを、ストーリーを組み直して単行本として出版したと説明していた。
「死者の書」初出誌自装本(昭和14年)
雑誌「日本評論」に掲載した「死者の書」を、自ら切り取り、紙縒りで綴じて扉と表紙をつけた自装本を作っていた。
折口は自装に凝って、いろいろ作っていたようだ。
「死者の書」青磁社版(昭和18年)
いったん、学食で昼食
映画「死者の書」(上映時間 70分)
長編アニメーション映画、人形作家である川本喜八郎が脚本・人形制作・監督したもの。
奈良の当麻寺に伝わる中将姫の蓮糸曼陀羅伝説と大津皇子の史実をモチーフにした折口信夫の小説「死者の書」を、初映像化した人形アニメーション。
映画上映のホールは予約者で満席だった。根強い人気があるのだなあと感じた。
辰巳正明名誉教授の講演「死者の書-天上楽土への道案内-」
古代、面影ひと、という考え方があり、
「玉かぎる 昨日の夕 見しものを 今日の朝に 恋ふべきものか」(万葉集)にあるように、
ちらっと見た事が大変すばらしい感動として、よく使われた。
「死者の書」に、ただひと目、ただ一度見た・・・と、死罪間際の大津皇子が耳面刀自(みみものとじ)を見た。
耳面刀自が二上山に夕日が沈む時に、ちらっと見た阿弥陀仏がそれに重なる。
また、教授は死者は生き返らず先祖のもとに帰るという中国少数民族の思想をふまえ、死者は”神上り”し、魂路を辿って、”天孫降臨”した高千穂=二上山に向う、としている。魂路とは高千穂=二上山から高千穂の宮、神武東征、橿原の宮即位、歴代天皇、という神々の道を逆に辿ることをいう、としている。
なかなか意味深い講演であった。
会場で限定販売していた「死者の書」初出誌自装本(自筆書込み有)複製本
限定200部と少なかったので、早めに購入することができた。薄い製本のわりには売価2000円とやや高めだったが、ゲットした。
巻頭ページにある、初出誌「死者の書」、青と赤鉛筆、黒インク万年筆で語句などの加筆訂正がされている。最初の章に集中していたようだ。昭和18年の「死者の書」青磁社版では全二十章構成のうちの前半の十章を大幅に組み替えているとのこと。
講演が17時に終わり、心が十分満たされた気分で、帰路は渋谷経由で松戸へ。
18時30分に帰宅。
国文学関係の雑誌の休刊などがあり、国文学が衰退してきているといわれている。
今日、このイベントで国学院大学に来てみて、学内の活気が高いのには安心した。
特に学内の博物館で考古学遺跡品や神道展示の完備されているのにはビックリした。
しかも博物館は無料、今回のイベントの映画や講演会も無料と広く紹介に力を入れている。
若い学生よりも中高年の参加者が特に目立ったようだ。