私は高校時代に放送研究会というクラブ活動に熱を入れていて、主に学校で「レコード鑑賞会」を主催していた。全てクラシック音楽だったため、それが私のクラシック音楽趣味の始めであった。先輩や同級生に詳しいのがいて、交響曲のメロディやオペラのアリアを口ずさんだりして、それが新鮮な刺激になった。
私は未だクラシック音楽の扉を開けたばかりの状態だったが、親にねだって4畳半の自室になんとか収まる山水のセパレート・プレーヤーを買ってもらった。今思うと馬鹿でかかったように思う。
さっそく小遣いで買った最初のLPレコードがウインナワルツの名曲を収めたものだった。当時のLPは3000円程したと思う。昭和34年で国家公務員初任給が10,200円、定食が150円だったから、LPレコードは相当高価だった。
私はこのウインナワルツのLPを針を取り替えながら何回も聴いた。未だステレオレコードでなかったのであるが、オーケストラの濃厚な響きやワルツのメロディに虜になったものだ。
この記念すべきLPレコードは、ブルノー・ワルター指揮コロムビア交響楽団の
「ヨハン・シュトラウス」(コロムビアレコード、WL-5212)である。
A面第1曲が「皇帝円舞曲」だったので、それ以来ウインナワルツの中でも「皇帝円舞曲」が一番印象深いものとなった。
他に「こうもり序曲」「ウィーン気質」「ウィーンの森の物語」「ジプシー男爵序曲」「美しく青きドナウ」の合計6曲が入っていた。今ひさしぶりに聴いて見るとレコードのかすれた音と音質面で決して良い音ではない。しかし聴いていると当時が懐かしく蘇ってくるのである。
その30年後にCD「ウィンナ・ワルツ大全集」を入手した。CD13枚組でシュトラウス一家の音楽が述べ166曲も収納されている。もちろんステレオで音質も最高。ウィンナワルツの名指揮者ボスコフスキー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるウィーン情緒あふれる歴史的名アルバムである。
この2つを並べて思うに、LPからCDへと移り変わった時代の大きな変化と多様化で、現代はさまざまな優れたものが安価に手に入る、なんという恵まれた時代だが何か満たされないものも感じる。沢山のものが手に入りすぎて、ひとつのものに集中できない不安がある。昔同じLPを針を替えながら何回も聴いたような集中力を取り戻さなければならないような気がするのである。
ウィンナワルツとオペレッタ(喜歌劇)を総称して「ウィーン音楽」と呼ぶ。
私はウィンナワルツでクラシックに目覚め、その後オペレッタの魅力に次第に惹かれてきた。それを引き金ににモーツァルトを中心とするクラシック音楽が好きになっていったのである。その基盤となる「ウィーン音楽」について述べてみようと思う。
私は未だクラシック音楽の扉を開けたばかりの状態だったが、親にねだって4畳半の自室になんとか収まる山水のセパレート・プレーヤーを買ってもらった。今思うと馬鹿でかかったように思う。
さっそく小遣いで買った最初のLPレコードがウインナワルツの名曲を収めたものだった。当時のLPは3000円程したと思う。昭和34年で国家公務員初任給が10,200円、定食が150円だったから、LPレコードは相当高価だった。
私はこのウインナワルツのLPを針を取り替えながら何回も聴いた。未だステレオレコードでなかったのであるが、オーケストラの濃厚な響きやワルツのメロディに虜になったものだ。
この記念すべきLPレコードは、ブルノー・ワルター指揮コロムビア交響楽団の
「ヨハン・シュトラウス」(コロムビアレコード、WL-5212)である。
A面第1曲が「皇帝円舞曲」だったので、それ以来ウインナワルツの中でも「皇帝円舞曲」が一番印象深いものとなった。
他に「こうもり序曲」「ウィーン気質」「ウィーンの森の物語」「ジプシー男爵序曲」「美しく青きドナウ」の合計6曲が入っていた。今ひさしぶりに聴いて見るとレコードのかすれた音と音質面で決して良い音ではない。しかし聴いていると当時が懐かしく蘇ってくるのである。
その30年後にCD「ウィンナ・ワルツ大全集」を入手した。CD13枚組でシュトラウス一家の音楽が述べ166曲も収納されている。もちろんステレオで音質も最高。ウィンナワルツの名指揮者ボスコフスキー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるウィーン情緒あふれる歴史的名アルバムである。
この2つを並べて思うに、LPからCDへと移り変わった時代の大きな変化と多様化で、現代はさまざまな優れたものが安価に手に入る、なんという恵まれた時代だが何か満たされないものも感じる。沢山のものが手に入りすぎて、ひとつのものに集中できない不安がある。昔同じLPを針を替えながら何回も聴いたような集中力を取り戻さなければならないような気がするのである。
ウィンナワルツとオペレッタ(喜歌劇)を総称して「ウィーン音楽」と呼ぶ。
私はウィンナワルツでクラシックに目覚め、その後オペレッタの魅力に次第に惹かれてきた。それを引き金ににモーツァルトを中心とするクラシック音楽が好きになっていったのである。その基盤となる「ウィーン音楽」について述べてみようと思う。