王様の耳はロバの耳

たったひとりの叫びでも、そのうち風にのって広がれば・・・

積もり積もって20兆円!!

2015-07-09 18:42:32 | 政治
案の定、頭の弱い日本の総理大臣は、たとえにならないたとえ話、イミフでワケワカメなたとえ話を続けているようだ。(苦笑)
政治記者や議員の皆さんはよくご覧になっているようで、視聴率が上がって良いのではないだろうか。だが当のご本人、薮蛇なのも構わずにひたすらイタい。
「安保関連法案、安倍首相の“たとえ話”に野党が批判」(TBSニュース 7月8日)
「菅氏「私は見捨てられた…」 安保関連法案めぐる首相の「例え話」でポツリ」(産経新聞 7月8日)
《参考記事》⇒「たとえにならないたとえ話」

さておき、昨日の拙記事 ⇒「お願いだからここに居て」の関連で、タイミング良く、更に裏付けるような内容の記事が上がった。

以下、全文引用
米軍に20兆円! ― 安保法案で問われる在日米軍関係経費
ニュースサイト・ハンター 2015年7月9日 07:40


 衆議院で審議中の安全保障関連法案が、来週にも衆議院で採決される見通しとなってきた。与党単独での強行採決を避けるため、橋下維新を取り込む構えだが、国民の7割以上が反対もしくは慎重審議を求めているなか、民意を踏みにじる行為が許されるとは思えない。
 「国民より米国」――安倍首相の基本姿勢は揺るぎそうもないが、米軍を守るために日本が戦争に巻き込まれる必要は、断じてない。安倍首相をはじめとする右翼陣営は「日米安保は片務条約」と主張するが、果たして本当にそうなのか?米軍関連予算の推移を確認したところ、途方もない金額を積み上げてきた実態が明らかになった。

在日米軍関係経費とは
 現在、米軍のために支出される予算は、三つの流れで区別されている。まず一番大きいものが「在日米軍駐留関係経費」。これは「地域協定に基づく支出」と「特別協定に基づく支出」、提供国有財産借り上げ費など4つの支出費目を足したものである。このうち「地域協定に基づく支出」と「特別協定に基づく支出」の合計が、いわゆる『思いやり予算』と呼ばれるものだ。思いやり予算は、米軍基地で働く日本人従業員の給与などを日本側が受け持ち、米軍の負担を軽くするために1978年から始められた支出で、年々その額が肥大化してきた。

 次に、1997年から支出されているのが「SACO関連経費」。「SACO」とはSpecial Action Committee on Okinawaの略。「沖縄に関する特別行動委員会」のことで、普天間飛行場(宜野湾市)を含む沖縄の米軍基地の整理・縮小等を協議した日米両国政府によって1995年に設置され、96年12月に最終報告を取りまとめた。 当時の首相は故・橋本龍太郎氏。97年から土地返還や訓練改善、騒音軽減のための事業が実施されており、それにかかるのがSACO関連経費である。

 3つ目が「米軍再編関係費」。沖縄に駐留している海兵隊のグアムへの移転費や基地周辺自治体への再編交付金、新たな基地建設を含む移転に関する費用などで構成されるものだ。支出が始まったのは2007年。安倍内閣の時であることに注目したい。2014年度に890億円だった米軍再編関係費は、今年度になって1426億円に――。米国に媚を売る安倍首相の姿勢は、国民の気付かないところでしっかりと発揮されていた。

まとめてみれば「20兆円」 
 1978年度から垂れ流されてきた「在日米軍関係経費」を以上の3つに分類し、年度別にまとめたものが下の表である。



 1978年度から2015年度までの38年間に、米軍のために費消された税金は約20兆円。現在の国家予算(一般会計)の5分の1にあたる血税が、日米安保の代償として支払われてきたのである。これに加え、自衛隊を使って米軍の軍事行動を補完するというのが安倍の集団的自衛権だ。

日米安保は「片務条約」ではない
 米国は、「日米安全保障条約」によって日本を防衛する義務を負っている。これに対し、日本側は“米国を守る義務を負っていない”として、この条約を「片務協定」だとするのが安倍首相の主張。首相はかねがね、不平等な条約だから日本も相応の義務や責任を負うべきだと公言してきたが、この考えが集団的自衛権の行使を推し進める根拠の一つになっていることは明らかだ。だが、そうなると20兆円もの米軍関係予算は何のための支出だったのか、という素朴な疑問が提起されることになる。

 日本が負担してきたのは在日米軍関係経費だけではあるまい。わずか10条からなる「日米安全保障条約」(正式名称:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)の第6条には、次のような規定がある。
 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。

 この一文があったがゆえに、米軍は国内の主要な土地を軍事基地として接収し、好き勝手に使ってきた。最大の犠牲を強いられたのが県土の1割、本島に限れば2割を米軍に取り上げられた沖縄であることは周知の通りだ。巨額な在日米軍関係経費支出に広大な基地用地の提供――日米安保が片務条約であろうはずがない。

 安全保障関連法案が成立し、集団的自衛権の行使に踏みきった場合に流されるのは、日本人の「血」。血税の垂れ流しだけでは済まなくなる。本当にそれでいいのか?声を上げる方法は、いくらでもあるはずだ。

※印とアンダーラインは筆者


以上は大凡の事実であるが、私なりに注釈を。
「片務条約」について。
>米国は、「日米安全保障条約」によって日本を防衛する義務を負っている。これに対し、日本側は“米国を守る義務を負っていない”として、この条約を「片務協定」だとするのが安倍首相の主張。

ここだけは逆で、正確には、「日米安全保障条約」が「片務条約」であるという主張は、むしろアメリカ側から出されている。「こっち(米国)が守ってやるのに、何故日本は米軍を守らないのか」というもので、日本政府が言ったというのは話のすり替えである。
事実、昨日の記事で引用したように、1960年に安保条約が改定された際に、「日本と極東の平和と安全」のために米軍が基地を使用するという「第6条」が付け加えられていて、それを受けて後から米側が疑義を唱えているものだ。
日本政府は、「だからその代わりに費用負担をしているのだ」という言い訳にうまく利用しているに過ぎない。
そして更に今度は、こともあろうに「金も出すが兵も出す」と、「戦争法案」を成立させようとしているのである。

それにしても、さていかがなものだろうか。
まさに、「金は出すから居てくれ」と言わんばかりではないだろうか。超厚遇の“お・も・て・な・し”である。
政府側に立てば、一国で軍隊を維持するよりも安上がりだということにもなるが、そもそもが根本的な部分として、これだけの金額を、単純に福祉に割り当てたらどれだけのことができるだろう。改めて考えるまでもないことである。念のため、この20兆円は我々の税金から支払われている。

さて現状、実際には日本の米軍基地において、今のところ目だった撤退の動きはない。
昨日の記事で私が書き漏らした点を言えば、記事内で引用したしんぶん赤旗の記事

>ただ、米海軍省、空軍省などは激しく抵抗し、削減計画の多くは撤回されました。また、立川や大和は閉鎖されましたが、機能は横田に統合され、その費用は日本政府が負担しました。

とあるように、米政府の計画や意向とは裏腹に、米軍部が削減や撤退に反対しているのも一方の事実である。
金を出してくれて「居てくれ」となれば、それなりに居心地が良い。米国内において米政府と軍部にはそうした温度差は依然としてあるようである。

《関連記事》
「在日米軍関係経費 日本負担6739億円 14年度 米兵・家族1人あたり1240万円」(しんぶん赤旗 2014年12月22日)
>在日米軍の関係経費総額のうち2014年度の日本側負担分は6739億円であることが、外務省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料をもとにした本紙計算で判明しました。
>在日米軍の兵士や家族1人あたり約1240万円に達します。国民には消費税増税などの負担増を押し付けておきながら、米軍にはひたすら奉仕する―。誰のための政治なのか、鋭く問われます。


「米軍関係経費負担「思いやり」もうやめるべきだ」(しんぶん赤旗 2015年1月20日)
>米国防総省は今月上旬、英国やドイツなど欧州6カ国で計15カ所の米軍基地・施設を閉鎖し、返還すると発表しました。国防予算の大幅削減に伴う措置で、年間約5億ドル(約580億円)の節約になるとしています。一方で、在日米軍基地については、国防予算削減に伴う閉鎖・返還の動きは一切ありません。
>その大きな理由の一つは、在日米軍に対し日本政府が巨額の財政負担を行っているからです。
>15年度予算案の軍事費に含まれる在日米軍「思いやり予算」は、総額で1899億円に上ります。
>日米安保条約に基づき日本に駐留する米軍の法的地位などを定めた米軍地位協定は、「日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費」について「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」と定めています(24条)。「思いやり予算」はこの規定に反して支出されているものであり、廃止が当然です。

>来年3月に期限が切れる米軍「思いやり予算」特別協定の延長に向けた協議も日米で合意されています。
(しんぶん赤旗 別の記事より)
※「ニュースサイト・ハンター」の記事と「しんぶん赤旗」の記事にある金額の差異は、おそらく算定の基準となるデータの違いによるものとみられるので、ご了承くださいますよう。


さて、皆さんはどう思われるだろうか。
つい、「信じるも信じないもあなた次第」というセリフを言ってしまいたくなるが、これらは事実である。
安倍にしてみれば、米軍に居座ってもらってナンボ。「お願いだからここに居て」は決してジョークでも何でもないのである。


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