王様の耳はロバの耳

たったひとりの叫びでも、そのうち風にのって広がれば・・・

「原発と戦争を推し進める愚かな国、日本」

2015-09-22 15:32:03 | 政治

(開始は3:25頃から)


去る9月19日に行なわれた小出裕章氏の上梓本、表題の「原発と戦争を推し進める愚かな国、日本」出版記念講演会の模様である。

1時間余りの講演であるが、非常に解り易く、思わず引き込まれてしまう内容だ。

《9月19日(土)19:00開演 於:毎日ホール/動画は毎日新聞より》

原発と戦争を推し進める愚かな国、日本

著者:小出 裕章
発売日2015年9月11日
ISBN:978-4-620-32326-8
定価:本体1,400円(税別)
判型:四六判
頁数:240頁
ジャンル:社会・政治・歴史

反骨の原子核工学者、京大退官後、初の書き下ろし

2011年3月11日、東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生。大量の放射性物質が環境に放出され始め、その日のうちに原子力緊急事態宣言が発せられた。事故から4年半たった今も、この緊急事態宣言は解除されていない。敷地内からは今も放射性物質が放出し続け、汚染水が増え続け、下請け、孫請け労働者の被曝も続いている。また、10万人を超える人たちの生活が根こそぎ破壊されたままである。復興への道はいまだ遠く、事故は収束していない。
しかし、安倍政権は、そうした状況であることを国民に忘れさせ、経済発展に目を向けさせようと、原発再稼働と原発輸出に躍起になっている。
さらに政府は、戦前の治安維持法の焼き直しである特定秘密保護法制定、武器輸出三原則の撤廃、集団的自衛権を認める安全保障法制の制定と、矢継ぎ早に戦争へのレールを敷いている。
本書は、著者が京都大学原子炉実験所を定年退官して初の書き下ろしとなる。45年にわたり原発の危険性を訴え続けてきた信念の科学者が、原発を推し進める巨大権力に対し、残りの人生を賭けて闘う決意を綴った覚悟の書。

第1章 原子力緊急事態は今も続いている
第2章 福島第一原子力発電所は今、どうなっているか
第3章 日本は原発廃炉の時代に突入した
第4章 不都合な事実を黙殺する日本メディア
第5章 原子力マフィアの復権を許してはいけない
第6章 原発・戦争国家へと突き進む政府の暴走を食い止める

小出 裕章
こいで ひろあき  1949年、東京生まれ。工学者(原子核工学)。元京都大学原子炉実験所助教。1968年、原子力の平和利用に夢を抱いて東北大学工学部原子核工学科に入学。1970年、女川での反原発集会への参加を機に、原発をやめさせるために原子力の研究を続けることを決意。1974年、東北大学大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学)。専門は放射線計測、原子力安全。著書に『原発のウソ』(扶桑社新書)、『原発はいらない』『この国は原発事故から何を学んだのか』『原発ゼロ』(いずれも幻冬舎ルネッサンス新書)、『騙されたあなたにも責任がある 脱原発の真実』(幻冬舎)など多数。2015年3月の定年退官を機に、信州へ移住。


で、これで思い浮かんだのは、昨年(2014年)7月に古賀茂明氏がMXTV『週刊リテラシー』に出演し、解説を行なった内容。
以前、拙ブログで取り上げているのでここに再掲載するが、併せてご覧いただければ、両人が言っていることに妙に辻褄が合うことに気付く。
改めて、安倍独裁政権が何を推し進めようとしているのか、よりはっきりと解ることだろう。

残念ながら当gooブログでは「Dailymotion」の動画が貼り付けられないので、リンク先からご覧いただきますよう。

恐ろしき陰謀と戦争への確実な歩み (2015/05/31)

興味深い動画がある。
古賀茂明「安倍さんが目指す”美しい国日本”とは?」
(MXテレビ 2014年7月19日放送/Dalymotion動画)

↓動画 & 内容書き出しテキスト
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3833.html






古賀茂明氏の話は、まぁ当たらずとも遠からず、遠からずというところであろうが、今現実に、そして確実に進行している問題として簡単に解り易く言えば・・・

その流れは―――
「PKO(国連平和維持活動)協力法」や「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」(いわゆる「特措法」)の実施で自衛隊の海外派遣の既成事実を作っておいて
 ↓
内閣総理大臣と一部の国務大臣の会合だけで物事が決められる「国家安全保障会議(2013年12月4日設置)」を内閣に置き
 ↓
国民の目と耳を塞ぐ「特定秘密保護法」を施行し
 ↓
武器の輸出入を可能にする「防衛装備移転三原則」の制定
 ↓
そして自衛隊の海外での戦闘を可能にする、まさに今回の「安全保障関連法案」へと進み ←今ココ
 ↓
憲法の改悪を目論み、同時にODA(政府開発援助)の軍事利用等をも画策し、米国追従の戦争国家、軍事国家を作り上げて行く・・・

こうした何とも恐ろしいシナリオに従って日本の軍国化が確実に、着実に進められているのである。
そしてこれは決して小説や映画のシナリオではなく、今そこにある現実だ。

また、原発推進・維持は、その裏に実は核の研究と開発を念頭に・・・という話も有るとか無いとか。
一方、日本共産党参議院議員の井上哲士氏のブログ(5月28日付)では
『今回の防衛装備庁の設置が戦争法案と一体のものであり、武器輸出や共同開発の促進は、米国のリバランス政策や武器輸出拡大路線の中で推進されている』
とも語られている。

なんとしてもこれら安倍政府の悪巧みを阻止、ストップさせなければなるまい。
こんなことが許されていいはずが無い!!



※記事内でリンクしたサイト、貼り付けた動画は時間経過と共に削除、更新される場合があります。ご了承ください。


いつまで続くお山の大将

2015-09-08 22:18:24 | 政治
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党内独裁、安倍一強をまざまざと見せつけられたかたちだ。

野田氏が良いとか悪いとか、野田氏だからどうだという訳ではない。誰が総裁だろうが大同小異、所詮自民党は自民党である。
だがこの度の自民党総裁選、結局のところ安倍の当選が確実だったにせよ、対抗馬が出て「無投票当選」にしないことにまずは意味があった。

野田氏の擁立に動いたのは岸田派(宏池会)の古賀誠名誉会長であり、それに共闘するかたちで石原派(近未来政治研究会)の山崎拓前会長が加わった。
山崎拓氏は記者会見で安保法案反対の立場を明確にしている。その会見に古賀誠氏は同席しなかったが、TBS系のテレビ番組「時事放談」で野中広務自民党元官房長官とともに安倍政権を厳しく批判している。

これは前日の記事。
「【自民党総裁選】「脱無投票」にうごめく重鎮2人、古賀氏と山崎氏 「総裁選の名を借りた安保法案つぶしか」との見方も」(Zakzak 夕刊フジ 9月7日)

>これまで古賀氏は、首相の無投票再選を避けるよう主張し、年明け以降、岸田派会長の岸田文雄外相らに出馬を促してきた。ただ、岸田氏は不出馬を決め、今や出馬を模索するのは古賀氏と師弟関係にある野田氏のみ。岸田派幹部は「古賀氏は9月に入っても親しい議員に野田氏支援を求めている」と打ち明ける。

>山崎氏も首相の対抗馬擁立を目指す一人だ。当初、石原派会長の石原伸晃元幹事長の擁立に動いたが、「派内の議員が軒並み協力を拒否した」(石原派中堅)。今は古賀氏の動きを側面支援しているという。

>古賀、山崎両氏に共通するのは安全保障関連法案の廃案を求めていることだ。総裁選が「8日告示-20日開票」で実施されれば、この間は国会審議が停滞する可能性が高い。古賀氏は周囲に「総裁選で党の多様性を示さなければ党勢は衰退する」と力説しているが、首相周辺は「総裁選の名を借りた安保法案つぶしでないか」と見ている。

>両氏とも党幹事長を務めた実力者だが、今の党内は「笛吹けど踊らぬ」のが実情だ。岸田派議員は「岸田氏が出馬するならともかく、野田氏では協力できない」と言及。古賀氏らの影響力にも陰りが出ている。



ある程度揺さぶりをかけたことの効果はあったのかもしれないが、安倍陣営の結束は固い。


「野田氏出馬画策のなぜ? 総裁選、絶大な宣伝効果」(産経新聞 9月8日)

>安倍晋三首相(自民党総裁)の無投票再選が確実となった党総裁選は、告示前日になっても水面下の駆け引きが続いた。野田聖子前総務会長は7日深夜まで、20人の推薦人集めに奔走。一方、安倍晋三首相を支持する派閥領袖(りょうしゅう)らは、身内の「造反」を防ごうと引き締めに躍起となった。

>「わがグループは結束して首相を支えていく」
>岸田派(宏池会)会長の岸田文雄外相は7日、都内で緊急総会を開き、派閥所属議員に野田氏の推薦人にならないよう厳命した。しかし総会に集まったのは、所属議員の半分にも満たない20人弱。このころ、派閥の名誉会長も務める古賀誠元幹事長の元秘書ら複数の議員が、野田氏の推薦人になることを了承したという一報も駆け巡った。

>このため岸田氏は、この日は夜も都内の日本料理店に急遽(きゅうきょ)、派閥のメンバーを招集。古賀氏に近い2人を除く若手議員全員が出席した会合は3時間以上に及び、岸田氏が「ここは一致結束していこう」と重ねて引き締め、深夜まで造反阻止に追われた。関係者によると、野田氏は6日の段階で、推薦人となる尾辻秀久元参院副議長に電話で「現在(推薦人を)18人集めた」と伝えた。尾辻氏はこの情報を九州地方の議員に伝え、野田氏の推薦人になるよう求めたという。

>推薦人を了承した議員は「安全保障関連法案は成立させなければならないが、官邸側のやり方が稚拙だ」と指摘。野田氏は党内の一部に渦巻く「首相への不満」のはけ口として、一定の役割を果たした格好だ。

>ただ実際に野田氏が出馬して総裁選となれば、首相交代の可能性を理由に、野党が安全保障関連法案の審議拒否に転じる可能性が高い。首相サイドは「出馬は無理だと見込んでいたが、見通しが甘かった」(側近)として、今月以降、推薦人に浮上した人物と個別に接触。うち数人は野田氏への支援をやめさせた。

>自ら党三役に抜擢(ばってき)した野田氏の謀反だけに首相は、側近にこう漏らしていたという。「野田氏と一緒に選挙カーには乗りたくない…」



周囲は結局結局のところ旗色を窺い、顔色を窺い、長いものには巻かれろとばかりに、多勢に無勢には敵わぬと、我が身可愛さで安倍側に付き、徒党を組んで野田潰しに奔走したという次第だ。


「安倍首相「結果出し責任果たす」総裁選再選」(日本テレビ NNN 9月8日)

>自民党総裁選挙が8日告示され、安倍首相が無投票で再選された。野田前総務会長は立候補に必要な推薦人20人を確保することができず、出馬を断念した。

>立候補の届け出に先立って、8日朝、都内のホテルで行われた安倍陣営の出陣式には、党所属の国会議員402人のうち、代理を含め約300人が出席するなど、党内の幅広い支持を印象づけた形。

>野田氏の出馬をめぐっては、議員OBの古賀元幹事長が、岸田派の若手議員を説得し、一時、野田氏の推薦人を積み増していた。しかし、現在の派閥会長である岸田外相や、安倍陣営の幹部が推薦人に回る動きを見せている議員の支持団体などにも働きかけるなど、徹底した切り崩し工作を行った。

>こうした動きの理由について、自民党幹部の一人は「20人に届かなくても、いいところまで集まったとなれば、今後も党内の不満の受け皿になってしまう」と解説する。

>安倍首相は今後、まずは安全保障関連法案の成立に全力を挙げることになる。政府・与党は来週前半の採決を目指していて、与野党の攻防は山場を迎える。



我が物顔のガキ大将、意気揚々の安倍である。相変わらずテレビの画面を通して見る安倍の顔色は良いとは言えないようだが、どこかで妙に自信があるのか、これ以前、先日は国会審議の最中であるのにもかかわらず、大阪に出向いてテレビ番組に出演していた。


「【安保法案】安倍首相、国会審議中の「ミヤネ屋」出演が波紋」(The Huffington Post 9月7日)

>安倍晋三首相が9月4日、大阪を訪れ、バラエティー番組2本に出演した。いずれも安全保障関連法案についての解説が主な内容だったが、参院の特別委員会で法案審議がある日に、大阪まで出向いてテレビ番組に出演したことで、波紋が広がっている。

>首相はこの日午後、閣議を終えたあと、大阪市中央区で読売テレビの情報番組「そこまで言って委員会NP」の収録(6日放送)と、「情報ライブ ミヤネ屋」の生放送に出演、安保法案や政局について、学者やタレント、ジャーナリストらの質問に答えた。

>この日は参院の安保法案に関する特別委員会が開催されていた。自民党側は、安倍首相の出席要求は出ていなかったと説明しているが、日本経済新聞によると、4日の理事懇談会で鴻池祥肇委員長(自民)は「一国の首相としてどういったものか」と不快感を示した。

>野党は攻勢を強める構えだ。特別委員会の福山哲郎理事(民主)は4日の記者会見で「中谷大臣の答弁が二転三転している中、安倍総理には安保特委員会に出て説明するよう再三再四要求をしているが、委員会質疑に出てこない。そのような中、わざわざ大阪まで出向いてテレビの生中継に出演し、他の番組の収録も行っていた」と批判した。



「首相のテレビ出演、参院委員長が不快感 安保法案の審議中」(日本経済新聞 9月4日)

>理事懇談会では民主党の北沢俊美氏が「そんなに暇なら、毎日でも特別委に出てきて一生懸命に答弁すべきだ。真剣度が足りない」と抗議。自民党は「政府に説明を求めている」と応じた。

>民主党幹部は「首相は国会を軽視している。明確な説明と謝罪がなければ、今後の審議にも影響する」と批判した。



鴻池委員長に訝しがられるほどだが、そう目くじらを立てるほどではないにせよ、ある意味で安倍のちゃらんぽらんさは否めない。

ちゃらんぽらんと言えば、今回の自民党総裁選で野田氏側を徹底的に切り崩したことからも解るように、「輝く女性の・・・」なんたらかんたら言いながら、結局は口先だけ。女性軽視の「男尊女卑」志向がここでも露呈した形だ。

「野田氏と一緒に選挙カーには乗りたくない…」もその現れであるし、振り返れば、社民党の福島みずほ議員の「戦争法案」という言葉に噛みついたのをはじめ、民主党の辻元議員に、次いで同、蓮舫議員にヤジを飛ばしたのも記憶に新しい。相手は全員女性である。こればかりは本当にどうかと思う。一国の首相にあるまじき最低な輩だ。
まぁ特に女性の支持率が低いのも頷ける。

例えば、世の中の流行がそうであるように、女性に支持されないものはやがて廃れるのである。一方でかみさんのスキャンダル記事が出るのも当然か。

さておき、そんなことは馬耳東風、総裁の座はこれで当面は安泰。「戦争法案」の採決にしろ、詰まるところ国会内の「数の力」は揺るぎないとして国民が何と言おうとも安倍はひたすら強引にこれを推し進める意向だ。


「安保法案 与党側15日の中央公聴会提案 民主応じず」(NHK 9月8日)

>安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会の理事会で、与党側が来週15日に中央公聴会を行いたいと提案したのに対し、民主党は応じられないとして、引き続き協議することになりました。

>この中で、与党側は、安全保障関連法案の採決に向けた環境を整えたいとして、来週14日に安倍総理大臣に出席を求めて集中審議を行ったうえで、翌15日に中央公聴会を行いたいと提案しました。
>これに対し、民主党は「2回目の参考人質疑や地方公聴会を行わないまま中央公聴会を行うことには、到底、応じられない」と反発し、引き続き協議することになりました。
>これに先立って開かれた理事懇談会では、先に共産党が示した自衛隊の統合幕僚長とアメリカ軍幹部との会談内容を記したとする文書について、防衛省が「省内で調査した結果、同一の文書は確認できなかった」と回答しました。しかし、野党側は納得せず、今後の審議で引き続き追及する考えを示しました。
>一方、先週、安倍総理大臣が民放のテレビ番組に出演するため大阪を訪れたことについて、世耕官房副長官が「安倍総理大臣が出席を求められている国会日程がないことを確認したうえで出演を決めた」と述べ、理解を求めましたが、民主党は「誠意が感じられない」などと重ねて批判しました。



「戦争法案」の攻防は山場である。
野党議員には国民の声を一身に受けて何が何でも一致団結して法案の廃案、成立阻止に向けて頑張ってほしい。同時に、国民運動もなお一層の高まりを見せることだろう。
何としても成立阻止。「戦争法案」は絶対に廃案あるのみ。そしてちゃらんぽらんなガキ大将とその一味を退陣に追い込むまでである。


《関連・参考記事》
「暴走止まらぬ安倍晋三と仲間たち」8/22
「安倍の自信と執念・その異常性」7/26
「政府論理の崩壊」6/12
「安保法制「国民の合意必要」 古賀氏がけん制」5/31


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政界の香ばしき人々・スキャンダラスな日々

2015-08-27 18:55:22 | 政治
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今回は、ここらでちょっと寄り道。w

それにしても、あの武藤お坊ちゃま、今更ながらに呆れる。

「武藤貴也議員の“未成年買春”を相手男性が告白」(週刊文春 8月26日)

>「週刊文春」が報じた“議員枠未公開株”にかかわる金銭トラブルで、自民党を離党した武藤貴也衆院議員(36)が、19歳の男性を“買春”していたことがわかった。

>取材に応じた相手男性によれば、ゲイ向けの出会い系サイトで知り合い、昨年11月、武藤議員と1回2万円で性交渉を行った。会ったのは約20回に及び、議員宿舎でも関係を持ったという。

>武藤議員は、「週刊文春」の取材に事実関係を否定し、相手男性との面識も否定した。しかし取材翌日、相手男性に武藤氏から、取材に応じないよう要求する電話が入り、LINEも送られた。

>売買春が法律で禁止されているのは異性間のみであり、同性間は違法とならない。ただ、未成年の身体を金で買うという武藤氏の利己的な振る舞いに、国会議員としての資質を問う声がさらに高まりそうだ。



彼が男色だったとは・・・。
思えばそんな雰囲気を感じさせなくはないが、いや、LGBTは人間の個性であり多様性でもあるので、決して忌避するものではない。だが、こと関して金銭がらみでしかも「議員宿舎」となれば、これは捨て置ける話しではないだろう。
またそれ以前、「議員枠未公開株」をネタにしたカネ集めは、場合によったら詐欺罪にも相当するものである。


「武藤貴也議員「釈明会見」で怒号――金銭トラブル報じた「週刊文春記者」を閉め出し」(弁護士ドットコム 8月26日)

>安保法案反対の若者たちを「極端な利己的考え」と批判して注目を浴び、週刊文春に「金銭トラブル」を報じられて、自民党を離党した武藤貴也衆院議員が8月26日、東京都内で記者会見を開き、謝罪の言葉を述べるとともに、週刊誌の報道について釈明した。

>だが、この会見に出席できたのは、自民党の記者クラブと武藤議員の地元である滋賀県の県政記者クラブに所属している記者だけ。どちらのクラブにも所属していない雑誌記者やカメラマン、ネットニュースの記者たちは会見から閉め出され、「なぜ入れないんだ」と抗議した。

>会見が始まる直前、武藤議員が5人の警備員に伴われて会場前にやってくると、「武藤さん、どうして雑誌は入れないんだ!」「あんたこそ利己的だ!」と、会場から締め出された約20人のカメラマンや雑誌記者たちからの怒号が飛び交った。武藤議員は、前を向いて一言も発しないまま、一目散に会場に入っていった。

>こうして閉め出された記者たちの中には、武藤議員の「金銭トラブル」をスクープした週刊文春の記者たちも含まれていた。

>なお、武藤議員は自らのフェイスブックで、記事について「一方的かつ事実と異なる」と批判していたが、いまのところ週刊文春の編集部に対して、武藤議員からの抗議は来ていないという。



自民党は速やかに武藤議員の離党届けを受理し、これにて幕引きとした。いわゆる「トカゲの尻尾切り」というやつなのだろう。磯崎補佐官のときとは大違いである。
まぁそれにしても、自民党はこうした輩が懲りもせず、飽きもせず次々に出てくるものだ。もう周囲も慣れっこなのかもしれない。だがこれが政権を担う与党自民党だ。

武藤議員に関しては既にこんな記事もある。
「SEALDs中傷ツイッターの武藤貴也議員に“社会人失格”の過去」(日刊ゲンダイ 8月9日)

>安保法制反対デモの学生団体「SEALDs(シールズ)」に対し、「戦争に行きたくないだけ」などと中傷ツイッターを書き込んだ自民党の武藤貴也衆院議員(36、滋賀4区)のとんでもない過去が次々に暴かれている。なんと、国会議員になる前は反原発、脱ダム路線の嘉田由紀子前県知事のところにいて、脱ダム運動のペーパーを作ったりしていたというのである。

>当初は京都の民主党に「国会議員候補者にしてくれ」と頼み込み、それがかなわぬと、2009年に自民党の滋賀県第4区の公募に手を挙げた。なんでも自民党の滋賀県議会の大ボス2人が武藤に目をつけ、「応募しないか」と呼びかけたという。

>「2009年4月10日あたりを境に武藤氏は一晩で『僕は自民党の候補者になります』と言って、ダム反対からダム推進に変わりました。ビックリしました。節度がなくて、何をやりたいのか分からない。1回だけじかに『それでいいの』と聞くと、『自民党と嘉田知事を調整する役をやります』と生意気なことを言っていた。みんなが呆れたといえば、遅刻の常習でした。1時間遅れるのは普通。下手をすると、2時間遅れる。遅れてきても、詫びもしない。1期目で当選してから知事と国会議員の意見交換会が年2回あるのですけれども、その時も1時間も遅れてきて『すみません』もなかった。石破幹事長(当時)に地元の国会議員が会いに行った時も遅れて、この話は有名になっています。朝、起きられないようです。とにかく子供っぽいというか、社会人としての基礎が出来ていません」

>そんな武藤は核保有論者でもある。過去に月刊誌で「日本は自力で国を守れるように自主核武装を急ぐべきなのです。日本の核武装反対論は、論理ではなく感情的なものです。中国の台頭、アメリカの衰退という国際情勢の変化に対応して、いまこそ日本の核武装について、政治家が冷静な議論を開始する必要がある」などと言っている。

>こんな議員がいる政権に核を持たせたら、それこそ、何とかに凶器である。



ただただ呆れるばかりだ。

一方、ウソかまことか・・・

「安倍昭恵さん 深夜2時に布袋寅泰呼び出し酔って首筋にキス」(NEWポストセブン 8月27日)



>8月下旬のある日の夜11時、南青山の会員制バーに、安倍昭恵・首相夫人(53才)の姿があった。紺色のワンピースに黒のジャケットという出で立ちの彼女は、6人がけの円卓テーブルで、熱心に話し込んでいた。

>「昭恵さんはこのバーの常連で、お忍びの会合に使ったり、1人でふらりと飲みに来たりしているようです。この日は仕事関係の人と一緒で、熱心に教育関係の話をしていました。ただ、だんだんと飲むペースが速くなって…」(店の常連客)

>日付が変わった0時過ぎ。昭恵さんは誰かに電話をかけ、満面の笑みで話し始めた。ものの数分で通話を終えると、店内に響く声で嬉しそうにこう告げた。

>「呼んじゃった! 今からカレ、来るって。うふふ」

>そのわずか10分後。黒のジャケットにジーンズ姿の長身男性が颯爽と店に現れた。布袋寅泰(53才)だった。

>電話一本で駆けつけた布袋を前にして、昭恵さんのテンションは一気に上がった。彼の隣の席へすぐさま移動し、途切れる間もなく話していた。他の人が布袋に声をかけると上目遣いで睨む素振り。まるで普段会えない恋人から片時も離れたくないといった様子だ。しかし──。

>「布袋さんにしなだれかかるように寄りかかっていたところまでは、正直まだよかった。そのうち彼の首に腕を絡ませて、肩に頭を乗せたり、彼の首筋にキスをしたりと、すごい状況になってしまって…。テーブルに同席していた人たちは“マズいな…”という表情でしたが、昭恵さんは周囲の視線なんて一切気にならない様子でした。布袋さんはほとんどお酒を飲んでいなかったので、どこか気まずそうに見えました。昭恵さんの唇が彼の顔に徐々に近づいていった時は、さすがに見ていられませんでしたね」(別の常連客)



如何とも破廉恥な内容だ。
どれだけ誇張があるのか、果たしてその真偽は定かではないが、一部には「女性セブン」の記事にはガセが多いとの見方も?(笑)
しかし本当だとしたら、これは立派なスキャンダルだ。安倍総理もいい面の皮である。体調不良に加え、こんな噂を撒かれたらたまらない。安倍晋三も泣きっ面に蜂か。

さて、安倍サイドはこれに抗議するのかどうか、単なるゴシップとして放っておくのだろうか。下手に騒がないほうが得策と見るのかもしれない。


一方、こちらはガキの喧嘩か、という何とも次元の低い話し。

「維新顧問の松井氏、橋下氏と辞表提出へ 「わがままなお子ちゃまだ」と続投表明の柿沢氏に愛想尽かす」(産経新聞 8月26日)

>山形市長選の対応をめぐり、維新の党の松井一郎顧問(大阪府知事)が同党の柿沢未途幹事長の辞任を要求している問題で、柿沢氏が辞任しない意向を表明したことを受け、松井氏は26日、大阪市内で記者団に対し、27日に顧問の辞表を提出すると明らかにした。合わせて、橋下徹最高顧問(大阪市長)も一緒に辞表を提出することになるとの認識を示した。

>このままなら…「党を割る…」

>松井氏は、柿沢氏が26日の党会合で「辞任しない。こんなことで辞めるわけにはいかない」などと述べたことに対し、「責任を取らない、けじめをつけないのは、わがままなお子ちゃまだ」と批判したうえで、「明日、事務局に顧問の辞表を届ける」などと述べた。


維新・柿沢幹事長応援問題 柿沢氏の処遇、26日夜中に決定へ(FNN 15/08/26)



「橋下・松井氏離党:各党警戒「茶番だ」 有権者は混乱懸念」(毎日新聞 8月27日)

>橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事が27日、維新の党から離党することになった。新しい府知事・大阪市長を選ぶ11月22日投開票のダブル選挙をにらみ、各党から厳しい見方や警戒の声が上がった。一方、有権者からは大阪の政治の混乱を心配する意見が出ている。

>自民のベテラン市議は「敵を作り、のし上がっていくやり方は維新の常とう手段で、茶番劇に過ぎない。ダブル選をにらみ、今後も何らかの話題作りをする可能性はある。維新の動きを注視したい」と警戒感をあらわにした。大阪選出の自民の国会議員も「ダブル選にどう影響するのか予想がつかない」と戸惑っていた。

>共産党大阪市議団の山中智子幹事長は「国会議員は人気の橋下氏の名前がほしくて野合していただけ。橋下氏の政界引退表明で利用する必要がなくなったということではないか」と語った。

>大阪府知事・大阪市長のダブル選で、大阪維新の会代表の橋下徹市長が27日、国会議員らに送ったメールで二つの選挙に独自候補を擁立する方針を明らかにした。自民党も候補擁立に向けた準備を進めており、選挙戦に突入する公算が大きくなった。

>橋下市長はこれまで、「『大阪都構想』に反対した自民や公明には市政に責任を持ってもらいたい」と候補擁立を見送る可能性も示唆していた。しかし、この日のメールで「知事・市長選で候補者を擁立する方針として、これから党内プロセスを踏む」と明言。維新は9月15日に政治資金パーティーを開く予定で、候補者が発表されるか注目が集まる。



まずはどっちが「お子ちゃま」なのか。「気に入らないから出て行く」方がお子ちゃまな気がしなくもないのだが。いや、格好の口実なのか。

もっとも、もともと松野率いる維新の党と、橋下、松井の維新の会は別物のようなもの。
例えば、かの『大阪都構想』で、当時江田憲司は常にどこか他人事のようだった。結果、むしろ反りが合わないが故の代表辞任のパフォーマンスだったような気がする。

この分裂騒ぎ。なるべくしてなったというところだろうが、はて、橋下は政界引退を表明したのではなかったのか。これも“2万パーセント”の内なのだろうか。

だが真面目な話し、松野組と大阪組。今後はどういう動きを見せるのか、それはそれで注目である。「戦争法案」の行方にも無関係だとは言えないだろう。


以上、まぁ何ともスキャンダラスで香ばしい日々。ある意味、人間味が溢れていると言っていいのかもしれない。人それぞれ、事情はいろいろだ。


※記事内でリンクしたサイト、貼り付けた動画は時間経過と共に削除、更新される場合があります。ご了承ください。


終戦記念の日:うまく言い逃れた『70年談話』

2015-08-15 21:14:55 | 政治
今日、終戦記念の日を迎えるにあたって、昨日発表された総理大臣『戦後70年談話』。

以下全文

 終戦七十年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、二十世紀という時代を、私たちは、心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならないと考えます。

 百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。

 世界を巻き込んだ第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。人々は「平和」を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。

 当初は、日本も足並みを揃えました。しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。

 満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。

 そして七十年前。日本は、敗戦しました。

 戦後七十年にあたり、国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

 先の大戦では、三百万余の同胞の命が失われました。祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦陣に散った方々。終戦後、酷寒の、あるいは灼熱の、遠い異郷の地にあって、飢えや病に苦しみ、亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などによって、たくさんの市井の人々が、無残にも犠牲となりました。

 戦火を交えた国々でも、将来ある若者たちの命が、数知れず失われました。中国、東南アジア、太平洋の島々など、戦場となった地域では、戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲となりました。戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。

 何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。一人ひとりに、それぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があった。この当然の事実をかみしめる時、今なお、言葉を失い、ただただ、断腸の念を禁じ得ません。

 これほどまでの尊い犠牲の上に、現在の平和がある。これが、戦後日本の原点であります。

 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

 事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。

 先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

 我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

 こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

 ただ、私たちがいかなる努力を尽くそうとも、家族を失った方々の悲しみ、戦禍によって塗炭の苦しみを味わった人々の辛い記憶は、これからも、決して癒えることはないでしょう。

 ですから、私たちは、心に留めなければなりません。

 戦後、六百万人を超える引揚者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。米国や英国、オランダ、豪州などの元捕虜の皆さんが、長年にわたり、日本を訪れ、互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている事実を。

 戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

 そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません。

 寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました。戦後七十年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。

 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

 しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。

 私たちの親、そのまた親の世代が、戦後の焼け野原、貧しさのどん底の中で、命をつなぐことができた。そして、現在の私たちの世代、さらに次の世代へと、未来をつないでいくことができる。それは、先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。

 そのことを、私たちは、未来へと語り継いでいかなければならない。歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り拓いていく、アジア、そして世界の平和と繁栄に力を尽くす。その大きな責任があります。

 私たちは、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしてまいります。

 私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

 私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります。繁栄こそ、平和の礎です。暴力の温床ともなる貧困に立ち向かい、世界のあらゆる人々に、医療と教育、自立の機会を提供するため、一層、力を尽くしてまいります。

 私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

 終戦八十年、九十年、さらには百年に向けて、そのような日本を、国民の皆様と共に創り上げていく。その決意であります。

 平成二十七年八月十四日

内閣総理大臣 安倍晋三

(産経新聞より)


当然だろうが、安倍の支持者には概ね好評。中には絶賛する声も。つまり、建前上、言葉として「侵略」も「反省」も、「お詫び」も“取り敢えず”盛り込まれている。それこそ言葉巧みに“言い逃れ”が成功したということだ。その点で、「上出来」としたのだろう。
安倍は「侵略」を認めたくなければ、「反省」も「お詫び」もしたくない。「誰かがそう(反省や謝罪)言っていたこと」にすればいい。自分自身の言葉でなければ、本意ではないが嫌々でも譲歩するかというところ。

そうしたことから一方で、文案を作成した官僚達の苦労が偲ばれる。安倍がヘソを曲げないように、機嫌を取り、取り繕い、安倍が首を縦に振るまで幾度となく推敲を重ねたことだろう。
同時に、批判をどこまでかわすことができるか、対外的になるべく穏便に収まるような内容にしなくてはならない。一言一句、神経を注ぎ、微妙なバランスの上にそれは出来上がった。
何が「侵略行為」なのか、どう「反省」しているのか、何に対して「詫びる」のか。それは語られることなく、ただ単語を落とし込んだだけの借り物の言葉で散りばめられた『70年談話』。まさに「霞ヶ関文学」たるゆえんか。

結果、客観的に見ればそこに主体たる安倍総理は居ない。それは明らかで、日本の首長たる総理大臣の言葉としてはあまりに浮ついていて偽善的であり、かつ形骸的だった。


ついて、報道各社は一斉にこれを報じた。

戦後70年談話 安倍首相、「おわび」など明記も直接謝罪はなし(FNNニュース 15/08/15)



以下、各引用。

戦後70年談話 被爆者団体「不誠実で立腹」 NHK 8月14日

戦後70年にあたっての総理大臣談話について、長崎の被爆者団体、長崎原爆被災者協議会の山田拓民事務局長は「今回の談話は、平和についての考え方が、今、国会で審議されている安全保障関連法案に関して安倍総理が言っていることと180度内容が違っていて、本心で言っていると思えない。誠実さも期待感もなく、非常に腹が立った」と述べました。また、談話の中で、唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶を目指し国際社会で責任を果たすと言及したことについては、「核兵器廃絶への具体的な方策も示さず、口先だけの表現だった」などと述べて、失望感を示しました。

日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳事務局長は、NHKの電話取材に対し、「いわゆる『村山談話』に使われた『侵略』や『お詫び』などの文言が用いられたことなど、全体としてはよく出来た内容だと感じた」と評価しました。そのうえで、「核兵器について『究極の廃絶』を目指すとしているが、『速やかに』という意志が示されなかったことは被爆者として残念だ。安倍総理大臣には談話で示した内容について言動一致となるように取り組んでいくよう求めたい」と話しています。

広島県被団協=広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長はNHKの電話取材に対し、「広島と長崎の原爆被害への言及があったが、核兵器はふつうの爆弾と違って放射線の被害が一生涯続くという、核特有の恐ろしさに全く言及されておらず残念だ。核兵器を廃絶しなければ人類が滅ぶかもしれないという危機感が感じられず、唯一の戦争被爆国として本気で核廃絶に取り組もうとしているのか疑問に感じた」と述べました。

また、もう1つの広島県被団協の大越和郎事務局長は、NHKの取材に対し、「今回の総理大臣談話は70年前の太平洋戦争をどう評価するのかを示すべきだと思うが、談話では太平洋戦争が『国際秩序の挑戦』だったとして誤った戦争であったことを認めておらず、その反省から日本国憲法ができたことにも一切触れられていない」と指摘しました。そのうえで、「過去の過ちを認めていない談話であり、『2度と戦争の惨禍を繰り返してはならない』とか『核兵器の廃絶を目指す』と言われても信用できない。むしろ、今、国会で審議されている安全保障関連法案によって、日本が憲法の下で守ってきた平和主義が変わってしまうのではないかという懸念がより強くなった」と述べました。


「村山談話、事実上投げ捨て 安倍首相が戦後70年談話」(しんぶん赤旗 8月15日)

>安倍談話では、「侵略」「植民地支配」という言葉は盛り込んだものの、日本の行為としては明示せず、戦後50年の村山富市首相談話が示した立場を事実上、投げ捨てました。安倍首相は自らの言葉としても、「反省」「お詫(わ)び」を表明しませんでした。

>安倍談話は、「侵略」について、「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」などと一般論として記述。「植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない」とするだけで、日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行った事実を認めた村山談話の立場を覆しました。

>一方、安倍談話では「『積極的平和主義』の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献する」と宣言。首相は記者会見で、国会で審議中の戦争法案について「戦争を未然に防ぐためのものだ」などと主張。「日米同盟が完全に機能する、そのことを世界に発信することによって紛争を未然に防ぐ力はさらに強くなっていく」と述べ、法案を強行する姿勢を示しました。


安倍談話うけ志位委員長が会見(日本共産党 8月14日)


「戦後70年にあたって――「安倍談話」と日本共産党の立場」(しんぶん赤旗 8月15日)


一方、注目の韓国、中国の受け取り方は・・・。

「韓国大統領、70年談話に一定の評価 「謝罪と反省、明確」」(日本経済新聞 8月15日)

>韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は15日、ソウル市内で開いた日本の植民地支配からの解放記念日「光復節」の式典で演説し、前日の安倍晋三首相の戦後70年談話について一定の評価をした。

>物足りない部分が少なくないとしながらも、「日本の侵略と植民地支配がアジアの様々な国の国民や(従軍)慰安婦の被害者らに苦痛を与えたことに謝罪と反省を根幹にした歴代内閣の立場が今後も揺るがないと国際社会にはっきり明らかにした点に注目している」と語った。

>朴大統領はさらに「歴代内閣の歴史認識を継承するという公言を一貫した誠意ある行動を支えに隣国や国際社会の信頼を得るべきだ」とした上で、「慰安婦問題を速やかに適切に解決することを望む」と従来の立場を強調した。

>一方で、日韓関係については「困難は多いが、正しい歴史認識を土台に新しい未来に共に進むべき時だ」とも訴えた。



「中国外務省「いかなるごまかしもすべきではない」と批判 韓国メディアは「過去形謝罪」と報道」(産経新聞 8月15日)

>中国外務省の華春瑩報道官は14日、安倍晋三首相の戦後70年談話について、「日本は当然、戦争責任を明確に説明し、被害国の人民に誠実に謝罪し、軍国主義の侵略の歴史を切断すべきだ。この重大な原則問題についていかなるごまかしもすべきではない」と批判する談話を出した。

>また、中国国営新華社通信(英語版)は同日、安倍首相が、日本の「侵略」「植民地支配」については直接触れず、一般論にとどめたことに不満を示し、「未来の世代は、大戦中の残虐行為について謝罪を続ける必要はないと付け加えた」と反発をにじませた。

>中国共産党系の国際情報紙、環球時報(電子版)は、安倍首相が侵略を受けた国・地域に対する「お詫び」に言及した中で、「中国」が最後に列挙されたことや、これとは別に「台湾」が個別に言及されたことにも、不快感を示した。



「70年談話:中国「真摯なおわびを」」(毎日新聞 8月14日)

>中国外務省は同日、華春瑩副報道局長の談話も合わせて発表し、「国際社会が共同で第二次世界大戦勝利70周年を記念している今日、日本の軍国主義による侵略戦争の性質と戦争責任を明確に引き継ぎ、被害国民に真摯(しんし)なおわびをすべきであり、この重大な原則を覆い隠すべきではない」と主張した。

>談話はまた「歴史問題は中日関係の政治基礎と、中国国民の感情に関係するものであり、歴史をかがみにして、未来に向かうことを主張してきた。国交正常化以来、中国が示してきた態度を日本が尊重し、侵略の歴史を反省し、実際の行動でアジアや隣国、国際社会の信頼を得るよう促す」としている。



総じて事無きを得た、というところだろうが、前に進まず退かず、安倍は記者会見で得意満面であったが、取り敢えず情勢においては現状維持か。この70年談話が安倍の点数稼ぎになったのかどうか、然程も体勢に影響は無いように思える。

 * * * * *

一方、12日に韓国を訪れていた鳩山由紀夫元首相。

「ひざまずいて謝罪 韓国で鳩山元首相」(産経新聞 8月12日)

>韓国を訪問中の鳩山由紀夫元首相は12日、ソウル市内にある西大門刑務所の跡地(西大門刑務所歴史館)を訪問した。同刑務所は、日本の朝鮮半島統治時代に独立活動家らが収監されていた場所で、韓国では“抗日”の象徴。現在は独立活動家らの「苦難の歴史」が、写真や資料で館内に展示されている。

>30分あまりにわたって館内を見学した鳩山氏は、独立活動家らをしのぶモニュメントに献花した。さらに、鳩山氏は靴を脱ぎ、膝を屈したうえ、モニュメントに向かって手を合わせ、ぬかずいた。

>この後、記者会見した鳩山氏は、「元日本の総理として、ひとりの日本人、人間としてここに来ました」と述べた。その上で、「日本が貴国(韓国)を植民統治していた時代に、独立運動家らをここに収容し、拷問というひどい刑を与え命を奪ったことを聞き、心から申し訳なく思っている。心から申し訳なく、おわびの気持ちをささげていきたい」と謝罪の言葉を繰り返した。



鳩山元首相、ひざまずき謝罪したことについて「慰霊のスタイル」(FNN 15/08/13)



「鳩山元首相の韓国での謝罪を「土下座」と勘違いした一部ネット民が大発狂、実は韓国式の最敬礼「クンジョル」でした」(Buzzap 8月13日)

>鳩山元首相のこの行為、日本人から見ると土下座のように見えるかもしれませんが、韓国では「クンジョル」と呼ばれる最上位の敬意を示す作法であり、屈服の意を示す土下座とは全く別物。

>他国で慰霊の意を示すのであればその国の作法に倣うことは特に珍しいことではありません。実際に安倍首相がイスラエルのホロコースト記念館を訪れた際に現地の作法に則って慰霊の意を表していることも指摘されています。



「相手がよいと言うまで謝罪を=鳩山氏」(時事通信 8月13日)

>訪韓中の鳩山由紀夫元首相は13日、ソウルで開かれたシンポジウムで講演し、安倍晋三首相が14日に公表する戦後70年談話で、「おわび」の表現を盛り込むべきだと述べた。
>鳩山氏は、村山富市首相談話で植民地支配に対する「反省とおわび」が明記されたことに触れ、「このような表現は、傷ついた国々の国民が『やめてもよい』と言う時期が来るまで、続けなければならない」と語った。


「傷ついた国々の国民が『やめてもよい』と言う時期が来るまで、続けなければならない」
正論である。


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『長崎・原爆の日』 それでも安倍は「戦争法案」

2015-08-10 14:56:16 | 政治

毎日新聞より

昨日、『広島原爆の日・平和記念式典』に続き、『長崎・原爆の日』において「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。

70回目の「原爆の日」 長崎の1日を追いました。(FNNニュース 15/08/09)


長崎 被爆から70年 平和宣言で安保法案に言及(ANN NEWS 15/08/09)



「長崎原爆の日:平和祈念式典で市長 国会に「慎重審議を」」(毎日新聞 8月9日)

>長崎は9日、米軍が原爆を投下してから70年を迎えた。長崎市の平和公園で平和祈念式典が開かれ、田上富久市長は平和宣言で、安全保障関連法案について「70年前に心に刻んだ誓いが、日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっている」とし、日本政府と国会に「慎重で真摯(しんし)な審議」を求めた。一方、安倍晋三首相はあいさつで、広島の式典で触れなかった非核三原則を「堅持する」とし「『核兵器のない世界』の実現に向けて、国際社会の核軍縮の取り組みを主導していく」と述べた。安保法案には触れなかった。

>式典は午前10時35分に始まり、安倍首相ら約6700人(速報)が出席。過去最多の75カ国の代表も出席した。米国からはガテマラー国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)が政府高官として初参列した。

>田上市長は、平和宣言で「日本国憲法における平和の理念は、つらく厳しい経験と戦争の反省の中から生まれ、長崎にとっても、日本にとっても、永久に変えてはならない原点」と強調。被爆体験だけでなく、空襲や沖縄戦、アジアの人々を苦しめた戦争の記憶を忘れず、語り継ぐよう訴えた。オバマ米大統領ら各国首脳に被爆地訪問を呼びかけ、日本政府には核抑止力に頼らない安全保障の検討や被爆者援護の充実、被爆者健康手帳が取得できる被爆地域の拡大を求めた。


広島市の松井一実市長が「戦争法案」に触れなかったのとは対照的に、原稿の決定までに紆余曲折があったにせよ、田上富久長崎市長が「平和宣言」でこれに言及したのは大いに評価できる点だ。


安倍総理 「非核三原則」に触れ核兵器廃絶に決意(ANN NEWS 15/08/09)


>あいさつに立った安倍総理大臣は、広島の平和記念式典では触れなかった「非核三原則」について、堅持するとしたうえで、「核兵器のない世界」を目指す決意を示しました。
>安倍総理は、6日の広島の式典ではこれまで歴代総理があいさつに入れてきた非核三原則に触れなかったため、野党などから批判が上がっていました。9日の長崎の式典では、非核三原則に触れたうえで、「秋の国連総会に新しい核兵器廃絶決議案を提出する」と強調しました。



ところが、またその後が悪い。

総理、長崎の会見で安保法案の必要性を強調(ANN NEWS 15/08/09)



>安倍総理大臣は、長崎市で記者会見し、平和祈念式典で田上市長が安保関連法案の慎重審議を求めたことに対し、「戦争を未然に防ぐためのものだ」と述べ、成立の必要性を強調しました。
>安倍総理は、「不戦の誓いや平和国家の理念はこれからも決して変わることはない」と強調しました。さらに、「日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていく」と述べ、参議院での審議を通じ、丁寧に説明を続けていく考えを示しました。



「被爆者5団体、首相に安保法案撤回を要請」(読売新聞 8月9日)

> 被爆者5団体の代表は9日、長崎市内のホテルで安倍首相、塩崎厚生労働相と懇談し、国会で審議されている安全保障関連法案の撤回を要請した。
>長崎県被爆者手帳友の会の井原東洋一とよいち会長(79)は「安保法案には憲法に反する数多くの問題点や危険性がある」と批判。これに対し、安倍首相は「国民の命、平和な暮らしを守り抜くために必要不可欠なもの」と理解を求めた。


それでも執拗に言い続ける安倍。結局広島のときと同じだ。もう完全に「戦争法案」の虜となり呪縛にかかっている。


1945年8月9日、午前11時02分にアメリカ軍により投下、長崎市上空で爆発した原子爆弾は、プルトニウム239を使用する原子爆弾である。このプルトニウム原爆はインプロージョン方式で起爆する。長崎原爆「ファットマン」はTNT火薬換算で22,000t(22kt)相当の規模にのぼる。この規模は、広島に投下されたウラン235の原爆「リトルボーイ」(TNT火薬15,000t相当)の1.5倍の威力であった。

長崎市は周りが山で囲まれた特徴ある地形であったため、熱線や爆風が山によって遮断された結果、広島よりも被害は軽減されたが、周りが平坦な土地であった場合の被害想定は、広島に落とされた原爆「リトルボーイ」の威力を超えたとも言われている。

これは、実戦で使われた人類史上二発目の核兵器である。この一発の兵器により当時の長崎市の人口24万人(推定)のうち1945年12月までに73,884人が死没。74,909人が負傷し、建物は約36%が全焼または全半壊した。

広島および長崎への原爆投下は、第二次世界大戦後の世界覇権を狙うアメリカが、原子爆弾を実戦使用することによりその国力・軍事力を世界に誇示する戦略であり、併せてその放射線障害の人体実験を行うためであったとされる。(Wikipediaほかより)


原爆投下から15分後に香焼島から撮影されたキノコ雲(Wikipediaより)


一方この日、とんだ“やらかし”があった。

「ディズニー“不適切ツイート”謝罪 長崎原爆の日に「なんでもない日」」(スポニチ 8月9日)

>ウォルト・ディズニー・ジャパンは9日、公式ツイッターが「長崎原爆の日」の同日に「なんでもない日おめでとう。」と投稿し、物議を醸した問題について謝罪した。
>公式ツイッターを更新。「【お詫び】8月9日のディズニーTwitterアカウントからのツイートについて、皆様にご不快な思いをさせてしまう不適切な表現がありましたことを深くお詫び申し上げます。今後につきましては細心の注意を払ってアカウント運営を行ってまいります」と謝罪した。
>問題のツイートは9日午前9時に投稿。「なんでもない日おめでとう。」と日本語でつぶやかれた。「ふしぎの国のアリス」のアリスがケーキを手に「A VERY MERRY UNBIRTHDAY TO YOU!」と書かれたイラストが付いていた。
>「誕生日以外の残り364日」を祝うものだが、この日が長崎原爆の日だったことから「きょうじゃない」「日本の公式がするツイートじゃない」などとインターネット上には批判の声が殺到。公式ツイッターは炎上し、騒動となった。
>9日午後3時には当該ツイートを削除。午後7時すぎに謝罪文を掲載した。




この無神経さは自民党議員に通じるものがある?(笑)
イヴェントを商売にしているなら、きちんと『今日は何の日』くらいNetで確認して仕事に取り掛かったらどうだろうか。
何ともお粗末な顛末だった。




《関連記事》
「『広島・原爆の日』 冒涜された平和祈念」


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政府与党:尋常ならざる事態

2015-08-08 07:20:02 | 政治
三日前、全国調査ではないが、北海道新聞が行なった北海道内における「内閣と集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案に関する全道世論調査」の結果が発表された。

「内閣不支持58% 全道世論調査 強行採決が影響」(北海道新聞 8月5日)

それによると、
●安倍内閣を「支持しない」:58% 「支持する」:40
●安保法案について「反対」:47% 「賛成」:18
●政党支持率では
自民党:31.4%・民主党:10.1%・共産党:6.2%・新党大地:3.7%・公明党2.9%・社民党1.2%・維新の党0.5%・生活の党0.5%・支持政党はない:42.6%
だった。

政党支持率で共産党が公明党の倍に伸びているのは驚きだが、それでも自民党は依然として30%台を保っている。
だが、内閣の不支持率は最早60%に届く勢いだ。これはおそらく道内に限ったことではなく、今後また随時発表されるであろう全国調査の結果を暗示していると思われる。

自民党の支持率はさておいても、政府としてはいよいよ尋常ならざる事態となってきた。
それでも「戦争法案」の成立を狙う安倍。それを固持した上で何とか支持率を回復しようと、一方ではかなり躍起になっている。
しかし、あっちを立てればこっちが立たず状態にて右往左往。党内で混乱が続いているのは明らかだ。

さて、支持率回復、あるいはせめて下落ストップの方策はないものかと考えを巡らす。
以下、効果があるのかどうか、中には却って事態を悪くするのではと思われるものもあるが、ここのところの政府与党の動きをいくつか。


①沖縄・辺野古基地建設問題

先月10日、米軍普天間飛行場移設をめぐり仲井真弘多前知事が下した名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認について、県が設置した有識者の第三者委員会が、当時の審査に法的な不備があったと指摘する内容の報告書作成を検討していることが分かった。
次いで16日、県の第三者委員会(大城浩委員長)は「法の要件を充たしておらず、法律的瑕疵が認められる」とした報告書を翁長雄志知事に提出した。

「「埋め立て承認に不備」=沖縄第三者委が指摘へ」(時事ドットコム 7月10日)
「沖縄・基地建設 辺野古承認に瑕疵 第三者委が報告書 知事「取り消しも」」(しんぶん赤旗 7月17日)

これを受けて、翁長知事は埋め立て承認の取り消しを検討、その考えを示唆していた。

ついては今月になり、8月4日に突然、菅官房長官が辺野古移設に関する作業を10日から9月9日まで1ヶ月間中断すると発表。これは、反対姿勢を強める沖縄県の翁長知事との対立激化を回避するための対応とみられた。言い換えれば、「点数稼ぎ」とも捉えられるが、菅官房長官は「集中的に協議する」とするものの、その後の工事再開、辺野古移設についてはあくまでもそれを堅持している。
一方、翁長知事は、協議の期間中は名護市辺野古沖の埋め立て承認の取り消しを含めた判断をしないという考えを示した。しかし、翁長知事は翁長知事で「辺野古に基地を作らせない」姿勢を崩してはいない。

「辺野古移設作業を1カ月中断 政府「沖縄と集中協議」」(沖縄タイムス 8月4日)
「普天間移設 工事中断し沖縄県側と協議へ」(NHK 8月4日)
「辺野古作業1カ月中断 翁長沖縄県知事会見の全文」(沖縄タイムス 8月4日)

ただ、国民には“突然”ではあったが、これには多少のウラがあった。

「政府と沖縄県2カ月前から極秘裏調整 下地幹郎議員が仲介」(沖縄タイムス 8月5日)

>4日、菅義偉官房長官により電撃的に発表された辺野古新基地建設作業の「一時中断」だが、交渉は約2カ月前から政府、沖縄県の間で極秘裏で進められた。
>5月下旬、菅氏と当選同期で親しい下地幹郎氏(維新)の呼び掛けで菅氏、安慶田光男副知事、外務、防衛幹部の計5氏が都内で顔をそろえた。
>席上、下地氏が「普天間基地移設交渉プラン」と書かれた紙を菅氏へ差し出し、一時中断を切り出した。プランには(1)工事を停止した上で交渉期間を設置(2)政府側の窓口は菅氏とする-などが盛り込まれていた。
>菅氏は県との決定的な対立を回避するため、外務省に米側との水面下での交渉を命じた。
>関係者によると、7月4日、翁長雄志知事と菅氏が都内のホテルで会談した際に、工事を停止する時期や期間について協議。同31日、翁長氏と菅氏が首相官邸で会談し、8月10日からの一時停止で正式に合意したという。


維新の党が絡んでいるとなると、どうしても何か目論見があるのではないかと考えてしまうが、いずれ政府側は極力国民の反発を抑える方向にもって行き、柔軟姿勢を見せることで支持下落にストップをかけたいのだろう。ここは駆け引き。
政府にしてみれば菅官房長官の腕の見せ所なのだろう。だがプレッシャーも相当大きいはずだ。
一方の翁長知事はこれを受けてどう判断するのか。
この1ヶ月の間に、翁長知事側で潜水調査を行なうとしている。その結果、珊瑚への影響など、更なる環境破壊がみられれば、それを根拠に埋め立承認の取り消しに拍車がかかることにもなるだろう。


②「戦後70年談話」

注目を浴びている安倍首相の「戦後70年談話」であるが、一方で天皇が戦後70年の節目の終戦記念日である8月15日に「天皇の談話」を発表するという話がある。正式な発表はまだないが、可能性は大きいとされる。
前記事で書いたように、安倍の談話に「お詫び」が盛り込まれるかどうかは不確定的だ。また、天皇が「政治的な発言」を行うことは「厳に慎むこと」にはなってはいるが、だがもし「天皇の談話」に「お詫び」が盛り込まれていたとするなら、「お詫び」のない安倍の談話はどうなるのか。場合によっては全否定されかねない。それを見据え、官邸はかなり神経質になっていると思われる。ここでまた下手をすると、更に支持を失いかねない大事な局面だ。

ところが、7日になってまた今度は、⇒「「侵略」踏襲しない方向で調整 首相談話」(日テレNEWS24 8月7日)とのニュース。果たしてどういうつもりなのか。

>来週発表する戦後70年の首相談話について、安倍首相が過去の村山談話などに盛り込まれた「侵略」との表現を踏襲しない方向で調整していることがわかった。

余程認めたくないのだろう。こうしたことは従来から対韓国、対中国において、時に歩み寄り、時に牽制するなどして推移し、どうにも定まらないところがある。
それにしてもである。またこれでますます支持を失うことを覚悟の上で、「戦争法案」ありき、ということなのか、そうであれば到底理解が出来ない。
果たしてそれを懸念してか、昨日、公明党の山口代表が安倍首相との会談で、「戦後70年談話」に近隣諸国への「お詫び」を盛り込むよう求めたという。

「公明、70年談話おわび明記要求 首相「歴史認識継承」調整」(共同通信 8月7日)

>安倍晋三首相は7日、戦後70年談話に歴代内閣の歴史認識を全体として継承すると明記する方向で調整に入った。政府関係者が明らかにした。首相は7日夜、公明党の山口那津男代表と会談し、談話の原案を説明。山口氏は、1995年の村山富市首相談話に盛り込まれた先の大戦に関する「おわび」や「植民地支配と侵略」を70年談話に明記するよう求めた。首相は「おわび」の記述には慎重とされる。公明党の要求を受け入れるか最終判断し、14日午後の臨時閣議で決定する。
>会談には自民党の谷垣禎一幹事長、公明党の井上義久幹事長、菅義偉官房長官も出席。


昨今の事態において、公明党も兢々としている様子が窺える。


③岸田外相のマレーシア訪問

「米中韓 70年談話に関心 岸田外相歴史認識の説明に注力」(産経新聞 8月6日)

>岸田文雄外相は6日(日本時間同日)、クアラルンプール市内で米中韓3カ国とそれぞれ外相会談を行った。3カ国からは、安倍晋三首相が14日にも発表する戦後70年談話への関心が示され、日本側は、歴代内閣の歴史認識を全体として引き継いでいることを改めて説明し、理解を求めた。
>また、米国と70年談話の内容に警戒感を強める中国と韓国に対し、日本政府として今後も歴代内閣の歴史認識を全体として引き継ぐことを伝え、先の大戦の反省に基づく未来志向の関係構築に向けたメッセージになることを訴えた。


こうなると、政府内でどの程度疎通が図れているのかやや疑わしくも思うが、もとより官邸と岸田外相の間に多少の温度差があると見て取れなくはない。


④北朝鮮による拉致被害者の早期帰国

岸田外相の大きな目的はここにある。

「岸田外相、北朝鮮に速やかな報告求める」(日テレNEWS24 8月7日)

>岸田外相は6日、訪問先のマレーシアで北朝鮮の李洙ヨン(土へんに庸)外相と会談し、拉致被害者らに関する調査結果を速やかに報告するよう求めた。
>会談で北朝鮮の李外相は、拉致被害者らに関する全面的な調査について、「誠実に履行している」と説明した。これに対し岸田外相は、「調査開始から1年以上たった時点で具体的な見通しが立っていないのは、誠に遺憾だ」として、速やかに調査結果を報告するよう求めた。


出来得れば事態を急進展させて、内閣支持率の持ち直しに寄与させたい考えだ。実現すれば今最大の切り札となる。


⑤岩手県知事選

「平野達男元復興相、岩手県知事選の立候補取りやめへ」(朝日新聞 8月7日)

>岩手県知事選(9月6日投開票)に立候補を表明していた元復興相の平野達男参院議員(61、無所属)が7日、立候補を取りやめる意向を固めた。午後に岩手県庁で記者会見を開いて表明する。安全保障関連法案を進める安倍政権の支持率が下がるなか、苦戦を強いられている埼玉県知事選に続き、岩手県と平野氏辞任に伴う参院補選で3連敗しかねない事態を避けるべきだという自民党本部の意向が働いたとみられる。

負け戦に挑まないとするのも、ある意味、支持下落防止策だろう。


⑥安倍首相、9月訪中を断念か

「安倍首相が9月訪中を断念か、「敗戦国として謝罪」で支持率低下の恐れ―米メディア」(Record China 8月6日)

>4日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版は、日本の安倍晋三首相が9月訪中を取りやめる可能性が高いと報じた。中国を訪問すれば、「敗戦国として謝罪した」ことに怒った右派の支持者が離反し支持率低下につながる可能性があるとしている。

>9月上旬の訪中が取り沙汰されていた安倍首相だが、計画を中止する可能性が高い。安保法制の議論において、安倍首相は当初、脅威の対象として中国の名前を挙げていなかったが、7月28日の国家答弁で、尖閣近海の領海侵犯と南シナ海での活動活発化と突然中国の脅威に言及した。訪中計画を捨て、安保法制に専念する方針転換を示すものとみられる。


先頃、中国を名指しで「脅威認定」したのは確かだ。差し当たって「戦後70年談話」の問題もあり、それとの兼ね合いは大きい。もとより安倍は中国の意向に沿うような談話を出すはずも、出すつもりもない。次いでとにかく「戦争法案」の成立の行方を見定めるのが先決だとし、いずれ下手に訪中を決め、支持率を左右するより現状維持とする方が賢明だとしたのだろう。


⑦新国立競技場建設問題

「自民党の関係部会、新しい国立競技場を建設しない案も提示」(フジTV FNNニュース 8月6日)



>新しい国立競技場は建設しない案も提示している。
>建設計画が白紙となった新国立競技場について、自民党の関係部会は、既存の施設の活用や、民間の活力を生かすなどの見直しプランをまとめた。
>開会式・閉会式とサッカーなどのために、6万人規模の球技場を造り、陸上競技は駒沢競技場を改修して行う案や、新しいスタジアムの建設はせずに費用を抑える案など、いくつかの案を提示していて、民間の活力を生かすことなども盛り込まれている。
>自民党は、党内手続きを経たうえで、7日、首相に提出する予定。


「新国立競技場 民間活用で国民負担軽減を」(NHK 8月7日)

>新しい国立競技場の整備計画について、自民党は、新たな競技場を建設せず、既存の施設を改修して活用することも検討したうえで、仮に建設する場合は、費用を抑えると同時に、東京オリンピック・パラリンピックのあとの運営は、民間事業者に任せることなどを求める提言をまとめました。そして7日、自民党の稲田政務調査会長らが、総理大臣官邸を訪れ、安倍総理大臣と遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣に提言を提出しました。
>これに対し安倍総理大臣は、「民間の力を活用するのは重要なことだ。東京オリンピック・パラリンピックの開催に間に合わせなければならないという時間的な制約があるなかで、国民の負担が最終的に少なくなるよう努力をしなければならない」と述べました。


うまくすればかなりの点数稼ぎにはなりそうだが、一方でまた、改めて杜撰な管理体制が発覚した。

「900億円違う2つの見積もり 文科省資料で判明 情報共有も杜撰、第三者委での徹底調査困難」(産経新聞 8月7日)

>白紙に戻った新国立競技場の整備計画策定の経緯を検証する第三者委員会の初会合で7日、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が設計側と施工側の間で総工費が900億円も異なる2つの見積もりを文部科学省に報告していたことが分かった。一方、見積もりが大幅に乖離(かいり)する異常事態の解決に向け、共同歩調をとるべき文科省とJSCとのずさんな情報共有も判明、対応の鈍さが改めて浮き彫りになった。


とにかくこの期に及んで安倍も政府内もやることがグダグダ、バラバラ。
いよいよ追い詰められ、慌てるあまりに身動きが取れなくなっているとも思えるが、これで支持率回復、起死回生はどう見ても至難の業ではないだろうか。

ほか、自民党総裁選も混沌として不透明な状態であるし、また一方の与党、公明党においては、いよいよ痺れを切らせた支持母体の創価学会が反旗を翻す傾向にあり、既に数字に表れているように公明党はその支持を失いつつある。党内においても離反、造反の動きも出てきている。


さて、彼らに支持率を持ち直す方法はあるのか。

その特効薬がひとつだけある。

それは、即時「戦争法案」を自民党政府自らが撤回、廃案にすることだ。それしかもう生き延びる道はないだろう。

厚顔無恥、心臓に毛が生えている安倍の、テレビの画面の向こう側に見る顔色は、さすがに最近はどうも芳しくない。

だが何があろうともしがみつく「戦争法案」。そんな安倍晋三はどこへ行くのか・・・。


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『広島・原爆の日』 冒涜された平和祈念

2015-08-07 17:32:40 | 政治
昨日8月6日は、戦後70年目の『広島・原爆の日』であった。

「平和祈念式典」の様子を伝えるニュース動画に映った安倍の、顕花する姿に酷く違和感と、そしてえも言われぬ嫌悪感を抱いた。

「為政者」とはそのまま「政治を行う人。政治上の責任者」という意味だが、安倍の場合、「為」に人偏をつけた、まさに『偽政者』ではないのか。
式典は本来、純粋に原爆犠牲者の冥福を祈り、改めて戦争の放棄を誓い、核兵器の廃絶を訴えるものであるはずだ。それが、あの安倍が居ることによって途端に形式だけのものに成り下がってしまったようで、惜しんでも惜しみきれない。

こうした重要な式典に日本の首長が列席することは至極当然のことである。だがまさに、今回それに最も相応しくない日本の首長。厳かな式典がこのことにより汚されたと思うのは私だけではないだろう。


「広島原爆の日:首相「非核三原則」に触れず 平和記念式典」(毎日新聞 8月6日)

>広島は6日、米国による原爆投下から70回目の「原爆の日」を迎えた。松井一実・広島市長は平和宣言で、いまだに遠い核兵器廃絶に対し「そのための行動を始めるのは今だ」と呼びかけ、平均年齢が80歳を超えた被爆者の支援策充実も求めた。国会で議論が進む安全保障関連法案には直接の言及はしなかった。また、安倍晋三首相はあいさつで「核兵器のない世界を実現する重要な使命がある」と述べた一方、歴代首相が触れてきた「非核三原則」の文言は盛り込まなかった。

>広島市中区の平和記念公園には夜明け前から多くの人が訪れ、「過ちは繰(くり)返しませぬから」と刻まれた原爆慰霊碑などの前で手を合わせた。午前8時から始まった平和記念式典には被爆者や遺族ら約5万5000人が参列し、海外からも過去最多の100カ国と欧州連合(EU)代表部が参列した。核保有5大国では米英仏露の代表が出席。米政府高官として初めてガテマラー国務次官が参列した。中国は欠席した。

>式典では、松井市長と遺族代表の2人が、この1年に亡くなった5359人の名前を記した原爆死没者名簿2冊を原爆慰霊碑下の奉安箱に収めた。名簿に記された人数は29万7684人、名簿は計109冊になった。



広島原爆投下から70年、平和記念式典営まれる(TBS JNN)


「広島をまどうてくれ」70年、平和のバトン次世代へ(テレビ朝日 ANN 15/08/06)



沖縄のときと同様、当然のように安倍の演説の最中に複数のヤジが飛び交った。
また、松井一実広島市長の平和宣言において、大変まっとうなことを述べたのには違いないが、決して「戦争法案」に言及することもなかった。そもそもこの松井一実氏、自民党・公明党の推薦を受けて当選した市長である。私はどうしてもその先入観が拭えず、相まって何だか尚更偽善的で薄っぺらい、形だけの式典だったように思えて仕方がなかった。これを以って、被爆者が、広島市民があまりに不憫だと言ってしまえば、「お前何様だ!」と叱られてしまうだろうか。

折りしもこの前日の参院安保法制特別委員会の審議において、中谷元防衛相が「核兵器の運搬も法文上は排除していない」との見解を示したばかりである。


>菅義偉官房長官は同日の記者会見で「非核三原則はある意味当然のことであり、全く揺るぎない」と強調したが、三原則を盛り込まなかった理由について直接の言及はしなかった。野党からは「三原則を変えるのではとの懸念が生じる」など批判の声が上がった。

>民主党の蓮舫代表代行は6日の会見で「戦後70年の節目に三原則に触れないのは『もしかしたらこれを変えるんじゃないか』との懸念が生じる」と批判した。
毎日新聞 8月6日)

非核三原則
1967年12月、衆議院予算委員会で佐藤栄作首相は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」というのが政府の政策である、と述べた。その後71年11月、沖縄返還協定に関連して衆議院本会議で「政府は核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずの非核三原則を順守すると共に、沖縄返還時に核が沖縄に存在しないことを明らかにする措置をとるべきである」との決議が行われた。一方、政府は憲法解釈としては、自衛の必要最小限度を超えない実力を持つことは禁止されていない、とし、核兵器もその限度を超えない限り合憲、と国会で答弁しており、非核三原則は、政府の「政策的な選択」にすぎないが、核不拡散条約により核兵器の製造、保有はできない。 (田岡俊次 軍事ジャーナリスト / 2007年)
(コトバンクより)

核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」ではあるが「運ばない」とはしていない。
また、上述引用にもあるが、更に自民党は「核保有」を否定してはいないのだ。
例えばあの洟垂れおバカ議員の武藤貴也は、昨年こんなことを言っている。

「武藤貴也 わが国は核武装するしかない」(月刊日本編集部 2014年4月22日)

「日本は自力で国を守れるように自主核武装を急ぐべきなのです。日本の核武装反対論は、論理ではなく感情的なものです。かつて広島、長崎に原爆を落とされた国として核兵器を許さないという心情的レベルで反核運動が展開されてきたのです。しかし、中国の台頭、アメリカの衰退という国際情勢の変化に対応して、いまこそ日本の核武装について、政治家が冷静な議論を開始する必要があると思っています。
核武装のコストについては様々な試算がありますが、私は安上がりな兵器だと考えています。何より、核の抑止力によって戦争を抑止することができます。核武装国家同士は戦争できないからです。」


言語道断! とんでもない話である。だが安倍はこれを嗜めるわけではない。
かくして、これが安倍率いる自民党だ。


「広島被爆者7団体の代表、安倍首相に安保法案の撤回要望」(朝日新聞 8月6日)
>安倍晋三首相は6日に広島市で開かれた平和記念式典のあと、広島の被爆者7団体の代表と面会した。国会で審議中の安全保障関連法案について、7団体側は「憲法違反は明白で、国民の多数が反対、あるいは疑問を持っている」と指摘。首相に法案撤回を求める要望書を渡した。
>面会は式典後の開催が恒例になっている「被爆者代表から要望を聞く会」。7団体は要望書で「最近の政府の施策には被爆者の願いに反するものがあり、危惧と懸念を禁じえない。その最たるものが安保法案だ」としている。これに対し、安倍首相は「日米同盟が完全に機能すると発信することで、紛争を未然に防ぐ」と理解を求めた。


「戦争法案撤回を 被爆者、首相に迫る」(しんぶん赤旗 8月7日)
>被爆者団体の代表は6日、広島市主催の「被爆者代表から要望を聞く会」に出席し、核兵器廃絶と戦争法案反対の思いを安倍晋三首相に突きつけました。
>各団体の代表が首相に提出した要望書では、「最近の政府の施策には長年の被爆者の願いに反するものがあり、危惧と懸念を禁じえません」と批判。「その最たるもの」として戦争法案をあげ、「違憲立法であることは明白になりました」「被爆者の願いに背く法案の撤回を求めます」としています。
>安倍首相は「不戦の誓いを守り抜き、戦争を未然に防ぐためのもの」だと正当化しました。



更に今、物議を醸しているのが首相の「70年談話」である。

「「戦後70年談話」、安倍首相に報告書」(TBS JNNニュース 8月6日/動画あり)

>戦後70年の節目に、安倍総理が出す談話はどうあるべきなのか、総理の諮問機関が報告書を出しました。安倍総理はこれを参考にして、来週の14日に談話を発表する方向ですが、先の大戦での侵略や、お詫びを盛り込むかどうかが焦点となっています。

>Q.今後、この報告書は談話にどの程度反映されることになるのでしょうか?

>安倍総理談話は、来週14日に閣議決定される方向ですが、この報告書をベースにして作成されるわけではなく、どの程度参考にするのかは安倍総理自身が判断することになります。今後は、報告書が指摘した「侵略」や「反省」などの表現をどこまで談話に反映させるのかが、国の内外から注目されることになります。



「「侵略」明記、「おわび」求めず 70年談話 有識者会議が報告書」(しんぶん赤旗 8月7日)

>報告書は、最大の焦点となる歴史認識について「先の大戦への痛切な反省」を明記。「植民地支配」や「侵略」という表現も記載する一方、戦後50年の村山富市首相談話(1995年)にある「おわび」の踏襲は求めませんでした。

>報告書は、「日本は満州事変以降、大陸への侵略を拡大し、世界の大勢を見失い、無謀な戦争でアジアを中心とする諸国に多くの被害を与えた」「民族自決の大勢に逆行し、1930年代後半からは植民地支配が過酷化した」としました。こうした「植民地支配」と「侵略」について「国策として日本がアジア解放のために戦ったと主張することは正確ではない」と述べ、過去の日本の侵略戦争を肯定・美化する「靖国」史観をしりぞける姿勢を示しています。

>今後の日本のとりくみでは、「安全保障分野で日本が今後、世界規模で従来以上の役割を担うことが期待されている」として安倍政権が「積極的平和主義」の名で進める軍事的対応も提言。戦後70年にあたってとるべき具体的施策では、近現代史教育の強化や多国間の歴史共同研究の実施などを列挙しました。



便宜上、「侵略」「反省」は言葉の上で並べても、絶対に「お詫び」だけはしたくない安倍晋三。
まして「非核三原則」を語らないどころか、むしろ、あわよくばの「核保有」さえ念頭に入れているとなれば、国民からのそしりはどうにも免れようがない。どの口が「平和」と言うのか、安倍がやろうとしていることは真っ向から平和に反し戦争を肯定するものであり、まさに時代に逆行して国民の願いを裏切る暴挙そのものである。


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社会派アイドルと呼ばないで!

2015-07-29 15:07:16 | 政治
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「社会派アイドル」。そう言った途端、何だか薄っぺらい響きに聞こえる。

「アイドルが安保法案批判 「制服向上委員会」特派員協会で」(共同通信 7月28日)

>原発再稼働反対など政治的なメッセージを発信することで知られる少女アイドルグループ「制服向上委員会」が28日、東京都内の日本外国特派員協会で会見した。メンバーの斎藤優里彩さん(18)は、安全保障関連法案をめぐり「他人のけんかに首を突っ込むことを美しいと思っている人が、政治を動かしている」と批判し「悪いことを悪いと言うのに大人も子どももアイドルも関係ない」と訴えた。

おそらく、1ヶ月前の6月23日、神奈川県大和市で行なわれたイヴェントで、「制服向上委員会」が自民党を批判する歌を唄ったことにより、大和市から後援を取り消された、というニュースで彼女らの存在をご存知の方も多いのではないかと思う。

さて、誰が仕掛け人かはわからないが、そのアイドルグループ「制服向上委員会」が日本外国特派員協会で記者会見を行なった。

出席したメンバーは5人。
記者団に挨拶した後、まずメンバー4人で『ダッ!ダッ!脱・原発の歌』を唄い、次いで元メンバーで「名誉会長」の橋本美香さんがギターを抱えてソロの弾き語りを披露した。
その後、各メンバーがそれぞれスピーチを行ない、記者の質問に答えた。

アイドルといえば普通、何をしても何を言っても、やらされている感、言わされている感が拭えない。
だが、「制服向上委員会」の彼女達は、少なくとも“コンセプト”を踏襲した上で、それぞれの自分の思いを自分の言葉で語っていた。

そもそも、「制服向上委員会」って何?
詳しくはこちら
「制服向上委員会」(Wikipedia)

「制服向上委員会オフィシャルサイト」

テレビには、出ない。アイドルフェスティバルにも、出ない。出るのは、所属会社主催のイベントか、もしくは反原発系や反安保法案などのイベントに限られている。
だが、むしろその特異性から、「3.11」以降は各方面での稼働率はかなり高いという。

「反安倍陣営がもてはやす「制服向上委員会」って結局なに?」(Asagei(朝日芸能) 7月28日)

>「アイドル業界ではもはや、制服向上委員会をアイドルとして捉えている人はいないでしょうね。むしろ、同じ“アイドル”という括りで語られるのは迷惑だと感じている人も少なくないはずです」(アイドル誌ライター)

>「結局、アイドルだと思って見るから異様に感じるだけで、似たような活動をしているバンドや劇団は珍しくありません。市民活動家が運営する“歌う女の子劇団”だと思えばシックリくるんじゃないでしょうか」(前出・アイドル誌ライター)


いわゆる「アイドル枠」に納まらない「アイドル」ということか。


そこでやはり気になるのは、このアイドルグループのプロデューサー。

つんく♂ではない、秋元康ではない、市民活動家?
それは、高橋廣行さんという方。「制服向上委員会」所属のアイドルジャパンレコード社長である。
この高橋廣行氏、そのプロフィールは
《不登校、中卒(高校2カ所退学)後、コルトレーンとディランに出会いグレイトフル・デッドに学びイベント・プロデューサーとなる。 数々のロック・コンサートや日本初のPA使用の音楽映画の配給・上映、ライブハウス DOORSの開設、ロック・アーカイブスのレーベルマネジメント他を手掛ける。》
知る人ぞ知る音楽・イヴェントプロデューサー。御歳63である。

一時は会社も閉じて店(ライブハウス)も売り払おうと考えていた時期もあったというが、社会に向けてのメッセージをアイドルに託して、という思い入れゆえに継続の決断をしたということらしい。

ま、ともかく、つべこべ言ってないで(笑)、記者会見の動画を。ご興味があればぜひどうぞ。

制服向上委員会(橋本美香、齋藤優里彩、齋藤乃愛、木梨夏菜、西野莉奈)


ご覧のように、メンバーは歯に衣着せず、ズバズバ発言しているところがまた痛快である。コアなファンはけっこう多いのではないだろうか。

「制服向上委員会が安保法案批判「平和の持続を」」(日刊スポーツ 7月28日)

>「他人のけんかに首を突っ込むことを美しいと思う人が、国を動かしている」斎藤優里彩(18)
>「日本政府は、原発を再稼働しようとしている。戦争法案も(衆院で)強行採決された。平和な日本を持続させるため、アクティブに行動したい」斎藤優里彩(18)
>「よく『子どものくせに』と批判を受けるが、何も言わないことは賛成意見と同じ。戦争経験のない私たちでも、意見は言える。積極的に意見を言っていきたい」斎藤乃愛(15)
>「日本のアイドルといえば、かわいい歌を歌って、皆にあこがれられる存在。でも、私たちはいろんなことを発信することの大切さを感じながら、アイドルをしている」橋本美香(35)


また、先に「安倍政権NO! 実行委員会」に、以下のメッセージを寄稿している。

作った当の本人、 吉國長官が「憲法9条で他国の防衛までをするということは、いくら読んでも読みきれない」と言っているにもかかわらず昭和47年政府見解に解釈変更の余地 があると言い出す安倍政権。異常なことを笑顔で発言する安倍さん、ある意味、尊敬致します。(笑)売られてもいない他人の喧嘩に、こちらから飛び込んでいく。これが安倍さんの考える「日本を取り戻す」ですか? これをできる国は「美しい国」ですか? 憲法9条があるから70年間戦争が無かった。これは他には変 えられない大切な事実。「日本を取り戻す」、この言葉、そっくりそのまま安倍さんにお返し致します。私達が民主主義とは何か、平和とは何かを考え安倍さん から「日本を取り戻す」。きっと安倍さんは歴史に名を残したいのだろうなぁと思います。平和をぶち壊した人として。もう他人事とは言っていられません。歴史に名を残すのは私達です。安倍政権の暴走を止めた素敵な国民だと!
制服向上委員会 齋藤優里彩(アイドルグループ)


上の動画では、4人で唄った『ダッ!ダッ!脱・原発の歌』が、マイク音源しか拾っておらず、なかなか滑稽な状態になっているので、その部分のみこちら。↓

「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」(制服向上委員会)


既に動画中で語られているが、インターネット放送局「ニコニコ生放送」の公式中継では、楽曲の部分だけ音声がカットされ、「諸事情により、パフォーマンス中は音声を切っております」とのテロップが表示されていた。

「制服向上委員会の脱原発ソング、ニコニコ生放送は音声流さず」(ハフィントンポスト 7月28日)

>メッセージ性の強い歌詞のため「自主規制か?」との観測も流れたが、ニコニコ生放送の中継担当者は「今回の会見で、歌を披露するという情報が入ったのが直前だった。そのため、生放送で音声を流すことが著作権的にOKかどうかの確認ができなかった」と説明している。

アイドルのイメージは大概中身のない操り人形だが、「制服向上委員会」の彼女等は自ら考えて行動する「アーティスト」に近いのかもしれない。
確かに頼もしく、たくましく、彼女達を単に「社会派アイドル」と呼ぶのもまた相応しくない、一味も二味も違う唯一無二の「制服向上委員会」というところだろうか。ここに来て、更に彼女達の活躍の場は広がりそうだ。

なお、ちなみに、名誉会長の橋本美香さんは高橋廣行社長の奥さんである。2013年12月に結婚の発表をし、既にお子さんも儲けている。

 * * * * *

さて、参議院で実質審議が始まった「戦争法案」であるが、おバカな自民党はのっけからグダグダである。
礒崎陽輔首相補佐官が「法的安定性は関係ない」と言い物議を醸し、とうとう「中国」は名指しだ。彼らは自らの墓穴を掘り、どんどん“本音”が暴露されていく。

そんな自民党のPR動画、今話題の「あかりちゃん」“ご本家”第二弾、『教えて!ヒゲの隊長 Part2』がYouTubeにUPされた。こちらも相変わらずグダグダ。ww

教えて!ヒゲの隊長 Part2(2015.07.28)


私は今から『ヒゲの隊長に教えてあげてみた! Part2』が楽しみであるけれど(笑)。
UP主の「Akari chan」さん、プレッシャーすごいだろうな~。ww
でも、みんなの期待に応えて、頑張ってくれることだろう。(←無責任、笑)


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安倍の自信と執念・その異常性

2015-07-26 17:13:46 | 政治
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しかし、これだけ批判を浴び、内閣の支持率が急落し、不支持率が5割にも達したというのに、依然として民意を無視して強引に「戦争法案」を、のみならず、沖縄の辺野古基地建設、川内原発の再稼動、TPPの推進等々を平然と推し進めようとする安倍晋三。
もはや狂気の沙汰としか思えぬあの自信、あの執念、あの神経はどこから来るのだろうか。

その安倍の人物像なり性格なりを探りたく、Netを物色していたら、昨年9月にあの精神科医、香山リカ氏が日刊ゲンダイのインタビューに答えている記事に当たった。

以下、全文引用。
精神科医・香山リカ氏が安倍首相の「言動」を一刀両断 日刊ゲンダイ 2014年9月1日

 安倍首相は果たして、マトモなのか。多くの人が漠然と抱いている不安ではないか。国民が頼みもしない解釈改憲に突き進み、野党に突っ込まれるとブチ切れ、暇さえあればゴルフをし、しかし、広島の土砂災害では、のんきに別荘に戻っていた。仰々しい言動、独善的な振る舞い、その裏に見え隠れする不安。得体の知れない最高権力者をリベラルな言論活動で知られる専門家が一刀両断――。

■自分への批判は聞こえない

――香山さんは安倍首相が集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、記者会見を開いたとき、欺瞞的と切り捨てましたね。

 情緒的な部分に訴えたでしょう。邦人の保護とかNGOの駆け付け警護だとか。誰もが「それは救うべきだ」と反応する事例を持ち出し、しかも子供やおばあさんが描かれている絵を見せて、「助けなくていいのか」と。あの瞬間、集団的自衛権の議論は、次元の違う話にすり替わってしまったんです。

――安全保障や平和憲法の話ではなく情緒論に?

 そうです。国民は踏み絵を踏まされたような感覚です。特に絵を使ったことが欺瞞的だったと思います。小泉政権のときにワンフレーズポリティクスの是非が問われた。ワンフレーズでも言葉があった分、マシだったと思います。死刑廃止論者にあなたの家族が殺されていいんですか、と問いかけ、そういう映像を見せるのと一緒です。誰でもそれは困る、と言うでしょう。

――狡猾な心理学的手法、トリックですね。

 ただ、私は安倍首相がそこまで意識、計算していたか、というと違うと思います。

――というと?

 こういう絵を見せれば、国民をだませるということでもなく、自分自身も「こうなったら困るな」と、この程度の理解じゃないのかなって。

――そう見えますか?

 安倍さんて、フェイスブックなどSNSを利用して、「いいね」が何万件もあると、それだけで支持されていると単純にうのみにしちゃうようなところがある。ストレートにそう思える精神構造っていうんですか。

――えらく単細胞というか、アバウトですね。

 国会答弁でもこういう場合はこういうことが起こって、だからこうするんだということを論理的にきちんと説明するのではなく、私には国民を守る責任があるんだ、という大きな話にして、すり替えてしまうでしょう。

――野党がそれでも突っ込むと、感情的になってブチ切れる。

 聞かれたことに答えるのはコミュニケーションの基本だと思いますが、それをしない。なんだか、自分に都合のいい声ばかりを聞いて、批判的な声には耳をふさいでしまう、見なかったことにしてしまう。そういうところがありますね。

――子供じゃないですか?

 2世3世の政治家は多いけど、批判的なことを言う人がいない環境で育ったのではないか。そんなふうにも見えますね。確かに、第1次政権では政権を投げ出し、大きな挫折を味わったとは思います。でも、その後、本当の意味で苦汁をなめて、あらゆる批判も全部受け入れて、這い上がってきたというより、「安倍さん、あなたしかいないよ」という人々が周りにいっぱいいたわけですよね。批判を受け止めるというより、そういう人の慰めの声だけを聞いて、励みにしてきたんじゃないでしょうか。

――いわゆるお友達ですね。

 安倍さんって、奥さんが家庭内野党とかいわれていますよね。昭恵さんは原発再稼働にも批判的だし、社会的弱者にも寄り添っています。ここまで考え方が違う夫婦は珍しい。本来であれば、徹底的に論じ合うか、あるいは一緒にいられなくなるか、だと思いますが、あの夫婦はお互いの自由を認めているというか、外遊の時には何事もなかったかのように仲良く手をつないでいる。信頼関係があるというより、安倍さんは会話をしていないのだと思います。自分に批判的な言動は見たくないし、考えたくない。だから、たとえ昭恵さんが話しかけても遮ってしまうのではないか。ゴルフとか外遊とか楽しいことだけ、一緒にやる。

■広島への対応で分かったお友達優先

――なるほど。野党に対する態度もそうですね。批判には聞く耳を持たない。説明する気もない。そんな感じを強く受けます。こういう人を精神分析すると、どうなるんですか?

 一般論ですが不安が強い人です。気弱な方です。バリアーを広げ、虚勢を張って、痛いところを突かれても、聞かなかったことにしてしまう。ただし、国会答弁では聞かなかったことにはできませんから、感情的に反発する。

――となると、安倍さんも相当、不安なんですかね?

 だと思いますよ。今度の改造でも、石破幹事長を外すといわれていますよね。切り捨てて、いなかったことにしたいんですよね。自分と考え方が違う人も取り込むことができない。抱き込み、取り込めば、強力な政権ができるのに、そうしない。半ば恐怖だと思いますね。

――これをやりたいという信念があれば、取り込めるんでしょうが、それがないような気もします。ところで、安倍さんは、そういう不安が見え隠れする一方で、えらく強気というか、自信があるように見えるときがありますね。

 特殊な家柄じゃないですか、安倍さんは。おそらく、総理をやったことで、父親、晋太郎氏は超えたという自負があるのでしょう。安倍さんの中では祖父を乗り越え、新しい憲法を作った総理大臣として、歴史に名を刻みたい。そういう野心はあると思います。オイディプスコンプレックスですね。

――それで改憲にシャカリキなんでしょうね。まずは解釈改憲と。

 そうでしょうね。でも、これって政治的テーマというより、安倍さんの家庭内のテーマですよね。母親の洋子さんからの刷り込みも大きいような気がします。

 国民の命は守る。こういう大きな話はするけど、土砂崩れの実情や、自衛隊の人がいかに大変かとか、そういう細かい想像力が欠けているのだと思う。だから、目の前にいる人の関係を優先してしまう。一緒にゴルフをやっていた森元首相だったり、翌日、会う予定だったJR東海の葛西名誉会長だったり。

――弱者への想像力が欠落し、エスタブリッシュメントの仲間のことばかりを優先するわけですね?

 そうです。逆にそういう鈍感力があるからこそ、リアリティーのない大きな話ができるところもある。それが一部の支持者にはビジョンに映っているのかもしれません。

――気のせいかもしれませんが、安倍政権になって、世の中、凄惨な事件が増えたように思うんですが、どう見ていますか?

 隣の人に対する想像力、ちょっとした多様性、自分とは違う考えを受け入れる寛容さがなくなっているような気がします。SNSで「いいね」と言ってくれる人しか受け付けない。100%の「いいね」はないのに、100%だと勘違いする。そんな人が増えていて「いいね」じゃない人を排除する。

――1億総安倍化?

 そうですね。安倍さんが言う美しい国とは何なのでしょうか? 謙虚さ、人を立てる心、勝ち組負け組にしない社会。そういうものが日本的美徳であるとすれば、安倍さんがやっていること、安倍さんの周囲が叫んでいることは、それとはずいぶん矛盾しているように思います。

▽かやま・りか 1960年生まれ。東京医科大卒。立大教授。「劣化する日本人」(KKベストセラーズ)、「弱者はもう救われないのか」(幻冬舎)など著書多数。

なるほど、香山リカ氏は、安倍を「単純」で「身勝手」で「不安が強く」、その実「気弱」だとし、坊ちゃん育ちの「オイディプスコンプレックス」の持ち主だと結論付けた。また、その安倍は、「鈍感力があるからこそ、リアリティーのない大きな話ができる」としている。
オイディプスコンプレックス(エディプスコンプレックス)
エディプスコンプレックスとは、母親を手に入れようと思い、また父親に対して強い対抗心を抱くという、幼児期においておこる現実の状況に対するアンビバレント※な心理の抑圧のことをいう。
フロイトは、この心理状況の中にみられる母親に対する近親相姦的欲望をギリシア悲劇の一つ『オイディプス』(エディプス王)になぞらえ、エディプスコンプレックスと呼んだ(『オイディプス』は知らなかったとはいえ、父王を殺し自分の母親と結婚(親子婚)したという物語である)。
※アンビバレント:ある対象に対して、相反する感情を同時に持ったり、相反する態度を同時に示すことである。 例えば、ある人に対して、愛情と憎悪を同時に持つこと(「愛憎こもごも」)。あるいは尊敬と軽蔑の感情を同時にもつこと。
(Wikipedia より)


また、以前にこんな記事があった。
「安保法案答弁でも嘘とヤジ…安倍晋三は小学生時代から嘘つきだったという新証言が…」(リテラ 2015年5月29日)

以下、その一節。

・・・政治学者の山口二郎氏が、ツイッターでこうつぶやいていた。〈安倍の頭は、安保法制の審議に耐えられるだろうか。だが考えようによっては、何も考えないからこそ、論理の破綻や矛盾に苦痛を感じず、一定時間をかみ合わない答弁で過ごして平気だともいえる〉。平然とウソをつき、罪悪感が皆無で、自分の行動の責任をとる気がいっさいない。以前、本サイトが指摘したサイコパス(反社会的人格)がまた証明されてしまったようだ。

 このサイコパス的性格は、どうやら安倍の生育過程で培われたようなのだ。そのヒントになるのが元共同通信記者で政治ジャーナリストの野上忠興が「週刊ポスト」(小学館)に連載している「深層ノンフィクション 安倍晋三『沈黙の仮面』」だ。安倍家取材40年の野上が安倍の幼少期からの生い立ちを追い、その人格形成の過程を描いている。

 問題の平気でウソがつける性格は、実は小学校時代からのものだったようだ。安倍には2歳年上の兄がいる。この兄弟の性格が対照的で、夏休みの最終日、兄は宿題の日記ができていないと涙顔になっていたが、安倍は「宿題みんな済んだね?」と聞かれると、まったく手をつけていないにもかかわらず、「うん、済んだ」と平然と答えたという。ウソがバレて、学校側から1週間でさらに別のノート1冊を埋めて提出するようにと罰が出ても、本人がやらず、安倍の養育係だった女性が代わりにやってあげていたというのだ。一般人の子どもはウソをついたら必ず代償があると教育されるのが普通だ。ところが、安倍にはその経験がなかった。罪悪感が皆無で、自分のウソに責任をとらないまま、大人になってしまったようなのだ。


我侭放題、世間知らずに育った頭の弱いボンボン。こうして更に、ウソつきの「サイコパス」と来れば、もう救いようが無いが、これはむしろ周知の事実。
香山リカ氏の言う「エディプスコンプレックス」もそうだが、私は安倍の「誇大妄想的」「自己中心的」「独裁者的」なところから見て、明らかに「パラノイヤ(偏執狂)」ではないかとも思うのだがいかがだろうか。
だが、そもそもそんな奴に政治が任せられるのか。ましてや、日本の首長を任せて良いものなのか。これこそ日本の、日本国民の“恥”というべきものであろう。


一方、そんな安倍がのうのうと政権を維持し、内閣総理大臣という座に就いていられるのも、それなりの理由がある。

昨今、世論調査で安倍内閣が軒並み支持率を落とし、国民の半数が不支持とする中、その数字だけが目立ち、意外に見えにくいところで「自民党の支持」がそれほど落ちていないということに気付く。

【自民党支持率調査】
・テレビ朝日 7月20日 41.3%
・朝日新聞 7月19日 31%
・毎日新聞 7月13日 31%
・日本テレビ 7月13日 39.4 %

ちなみに、民主党は7%~10%前後で推移している。内閣支持率が落ちても、自民党の支持は比例して落ちているとは言えず、また、他の野党の支持率が思うほど上がっていないというのが実情だ。まず、安倍はこれを拠り所とし、これに支えられている。

昨年の総選挙の「絶対得票率」でみれば、自民党は比例代表選挙で16.99%、 小選挙区で24.49%を得たに過ぎない。にもかかわらず、今の選挙制度の恩恵により、291もの議席を獲得している。得票率と支持率はイコールではないが、目安として、これを以って、支持率30%でもまだ行ける、としているのだ。
仮に内閣の支持率が20%になっても、自民党の支持率が30%台を保っていれば安倍はそう慌てない。そこに安倍がまだ強気で居られる理由がある。

そして今、安倍は党内で一人天下である。

「石破氏、総裁選不出馬示唆…無投票3選強まる?」(読売新聞 7月25日)
>石破地方創生相は24日、TBSの番組収録で、9月の自民党総裁選への出馬について問われ、「安倍内閣として、ものすごい大きな課題を負っている時に、閣僚の一人がそんなことを言えますか。内閣支持率を上げるのは閣僚たる我々の責任だ」と述べ、出馬を見送る考えを示唆した。

ここまで政府の支持を落としてどうなのかと言われていた自民党の総裁選挙であるが、こうして依然と「無風」状態にて安倍の3選が確実かというところ。

更に、ここ数年、自民党内で互いに影響し合うはずの「派閥」が鳴りを潜めてきているというのがある。安倍に対抗するグループが居ない状態だ。加えて、目立って力のある「族議員」も不在。谷垣幹事長も、高村副総裁も安倍を持ち上げ、菅官房長官も麻生副総理も口出しはしない。党内は総アイヒマン化して、そうなれば安倍はやりたい放題の独裁である。

※現在の自民党派閥:町村派(92)、額賀派(51)、岸田派(41)、麻生派(34)、二階派(31)、石原派(13)、大島派(13)(括弧内は国会議員数)。党所属国会議員は衆参で 409人なので、今は無派閥(134)が最大の勢力。
※族議員(ぞくぎいん):日本の特定の省庁についての政策知識に明るかったり、人脈を築いたりする中で政策の決定権を握ったり、業界団体や利益団体の利益保護に影響力を持ったりする国会議員およびその集団のこと。


言わば、ヒトラーがそうであったように、バカだろうが狂ってようが、一たび政権を握ったものは強いということだ。
誰もが異常さをわかっていても、なかなか立ち向かえない壁と手強さがある。

その辺のところ、些か不甲斐なく、残念ながら核心は外しているが、嘆きながら村上誠一郎議員が語っている。

自民党・村上誠一郎議員が涙を流して独白 安倍政権の安保法制を批判 2015/06/16



だがいずれ、昔から言われるように、政治の世界、特に自民党の世襲議員や閣僚達はそもそも庶民とはほとんど接点を持たない特異な社会に住んでいるものである。
今でもそれはそう変らないはずだ。独特な世界観を持ち、何でもありで、基本的に好きなようにやっているし、やってきた。
もういい加減それが許されなくなっては来ているが、「自民党」である以上、それは根強い。もとより国民からは遥か遠いところに居るのだろう。

とは言え、そうしたことを含めても、どれだけ異常なのか、どれだけマトモではないのか、改めてはっきりとしたが、しかし、だからどうだと言うよりも、そうであるなら尚更「戦争法案」を廃案にし、安倍政治を絶たねばならない。それにはとにかく国民の声を尚一層盛り立てること。正面から「NO!」を突きつけ、国民が一丸となって鉄槌を喰らわせる、それしかないということだ。更に安倍政府の暴挙を徹底糾弾して周知させ、自民党の支持率も下げること。「戦争法案」もろとも葬るには、ある意味今が絶好の機会だ。

狂気の安部政権を倒すためには、継続的な、それこそ“スキマのない”ドラスティックな抗議活動や運動が大事である。
そして国会内では何より野党が結束すること。その点、何だかイマイチな民主党はもっとしっかりとして欲しいと、切に願うばかりだが、その野党と国民が一致団結すること。そしてまさにSEALDsの若者達がやっているように、国民同士、様々な団体同士が連携を取りそれぞれが出来ることから始め、反対・抗議運動を更に広げに広げて行くこと。それに尽きるだろう。

異常な政治は 本当に止める!!

本当にそれしかない。


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積もり積もって20兆円!!

2015-07-09 18:42:32 | 政治
案の定、頭の弱い日本の総理大臣は、たとえにならないたとえ話、イミフでワケワカメなたとえ話を続けているようだ。(苦笑)
政治記者や議員の皆さんはよくご覧になっているようで、視聴率が上がって良いのではないだろうか。だが当のご本人、薮蛇なのも構わずにひたすらイタい。
「安保関連法案、安倍首相の“たとえ話”に野党が批判」(TBSニュース 7月8日)
「菅氏「私は見捨てられた…」 安保関連法案めぐる首相の「例え話」でポツリ」(産経新聞 7月8日)
《参考記事》⇒「たとえにならないたとえ話」

さておき、昨日の拙記事 ⇒「お願いだからここに居て」の関連で、タイミング良く、更に裏付けるような内容の記事が上がった。

以下、全文引用
米軍に20兆円! ― 安保法案で問われる在日米軍関係経費
ニュースサイト・ハンター 2015年7月9日 07:40


 衆議院で審議中の安全保障関連法案が、来週にも衆議院で採決される見通しとなってきた。与党単独での強行採決を避けるため、橋下維新を取り込む構えだが、国民の7割以上が反対もしくは慎重審議を求めているなか、民意を踏みにじる行為が許されるとは思えない。
 「国民より米国」――安倍首相の基本姿勢は揺るぎそうもないが、米軍を守るために日本が戦争に巻き込まれる必要は、断じてない。安倍首相をはじめとする右翼陣営は「日米安保は片務条約」と主張するが、果たして本当にそうなのか?米軍関連予算の推移を確認したところ、途方もない金額を積み上げてきた実態が明らかになった。

在日米軍関係経費とは
 現在、米軍のために支出される予算は、三つの流れで区別されている。まず一番大きいものが「在日米軍駐留関係経費」。これは「地域協定に基づく支出」と「特別協定に基づく支出」、提供国有財産借り上げ費など4つの支出費目を足したものである。このうち「地域協定に基づく支出」と「特別協定に基づく支出」の合計が、いわゆる『思いやり予算』と呼ばれるものだ。思いやり予算は、米軍基地で働く日本人従業員の給与などを日本側が受け持ち、米軍の負担を軽くするために1978年から始められた支出で、年々その額が肥大化してきた。

 次に、1997年から支出されているのが「SACO関連経費」。「SACO」とはSpecial Action Committee on Okinawaの略。「沖縄に関する特別行動委員会」のことで、普天間飛行場(宜野湾市)を含む沖縄の米軍基地の整理・縮小等を協議した日米両国政府によって1995年に設置され、96年12月に最終報告を取りまとめた。 当時の首相は故・橋本龍太郎氏。97年から土地返還や訓練改善、騒音軽減のための事業が実施されており、それにかかるのがSACO関連経費である。

 3つ目が「米軍再編関係費」。沖縄に駐留している海兵隊のグアムへの移転費や基地周辺自治体への再編交付金、新たな基地建設を含む移転に関する費用などで構成されるものだ。支出が始まったのは2007年。安倍内閣の時であることに注目したい。2014年度に890億円だった米軍再編関係費は、今年度になって1426億円に――。米国に媚を売る安倍首相の姿勢は、国民の気付かないところでしっかりと発揮されていた。

まとめてみれば「20兆円」 
 1978年度から垂れ流されてきた「在日米軍関係経費」を以上の3つに分類し、年度別にまとめたものが下の表である。



 1978年度から2015年度までの38年間に、米軍のために費消された税金は約20兆円。現在の国家予算(一般会計)の5分の1にあたる血税が、日米安保の代償として支払われてきたのである。これに加え、自衛隊を使って米軍の軍事行動を補完するというのが安倍の集団的自衛権だ。

日米安保は「片務条約」ではない
 米国は、「日米安全保障条約」によって日本を防衛する義務を負っている。これに対し、日本側は“米国を守る義務を負っていない”として、この条約を「片務協定」だとするのが安倍首相の主張。首相はかねがね、不平等な条約だから日本も相応の義務や責任を負うべきだと公言してきたが、この考えが集団的自衛権の行使を推し進める根拠の一つになっていることは明らかだ。だが、そうなると20兆円もの米軍関係予算は何のための支出だったのか、という素朴な疑問が提起されることになる。

 日本が負担してきたのは在日米軍関係経費だけではあるまい。わずか10条からなる「日米安全保障条約」(正式名称:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)の第6条には、次のような規定がある。
 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。

 この一文があったがゆえに、米軍は国内の主要な土地を軍事基地として接収し、好き勝手に使ってきた。最大の犠牲を強いられたのが県土の1割、本島に限れば2割を米軍に取り上げられた沖縄であることは周知の通りだ。巨額な在日米軍関係経費支出に広大な基地用地の提供――日米安保が片務条約であろうはずがない。

 安全保障関連法案が成立し、集団的自衛権の行使に踏みきった場合に流されるのは、日本人の「血」。血税の垂れ流しだけでは済まなくなる。本当にそれでいいのか?声を上げる方法は、いくらでもあるはずだ。

※印とアンダーラインは筆者


以上は大凡の事実であるが、私なりに注釈を。
「片務条約」について。
>米国は、「日米安全保障条約」によって日本を防衛する義務を負っている。これに対し、日本側は“米国を守る義務を負っていない”として、この条約を「片務協定」だとするのが安倍首相の主張。

ここだけは逆で、正確には、「日米安全保障条約」が「片務条約」であるという主張は、むしろアメリカ側から出されている。「こっち(米国)が守ってやるのに、何故日本は米軍を守らないのか」というもので、日本政府が言ったというのは話のすり替えである。
事実、昨日の記事で引用したように、1960年に安保条約が改定された際に、「日本と極東の平和と安全」のために米軍が基地を使用するという「第6条」が付け加えられていて、それを受けて後から米側が疑義を唱えているものだ。
日本政府は、「だからその代わりに費用負担をしているのだ」という言い訳にうまく利用しているに過ぎない。
そして更に今度は、こともあろうに「金も出すが兵も出す」と、「戦争法案」を成立させようとしているのである。

それにしても、さていかがなものだろうか。
まさに、「金は出すから居てくれ」と言わんばかりではないだろうか。超厚遇の“お・も・て・な・し”である。
政府側に立てば、一国で軍隊を維持するよりも安上がりだということにもなるが、そもそもが根本的な部分として、これだけの金額を、単純に福祉に割り当てたらどれだけのことができるだろう。改めて考えるまでもないことである。念のため、この20兆円は我々の税金から支払われている。

さて現状、実際には日本の米軍基地において、今のところ目だった撤退の動きはない。
昨日の記事で私が書き漏らした点を言えば、記事内で引用したしんぶん赤旗の記事

>ただ、米海軍省、空軍省などは激しく抵抗し、削減計画の多くは撤回されました。また、立川や大和は閉鎖されましたが、機能は横田に統合され、その費用は日本政府が負担しました。

とあるように、米政府の計画や意向とは裏腹に、米軍部が削減や撤退に反対しているのも一方の事実である。
金を出してくれて「居てくれ」となれば、それなりに居心地が良い。米国内において米政府と軍部にはそうした温度差は依然としてあるようである。

《関連記事》
「在日米軍関係経費 日本負担6739億円 14年度 米兵・家族1人あたり1240万円」(しんぶん赤旗 2014年12月22日)
>在日米軍の関係経費総額のうち2014年度の日本側負担分は6739億円であることが、外務省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料をもとにした本紙計算で判明しました。
>在日米軍の兵士や家族1人あたり約1240万円に達します。国民には消費税増税などの負担増を押し付けておきながら、米軍にはひたすら奉仕する―。誰のための政治なのか、鋭く問われます。


「米軍関係経費負担「思いやり」もうやめるべきだ」(しんぶん赤旗 2015年1月20日)
>米国防総省は今月上旬、英国やドイツなど欧州6カ国で計15カ所の米軍基地・施設を閉鎖し、返還すると発表しました。国防予算の大幅削減に伴う措置で、年間約5億ドル(約580億円)の節約になるとしています。一方で、在日米軍基地については、国防予算削減に伴う閉鎖・返還の動きは一切ありません。
>その大きな理由の一つは、在日米軍に対し日本政府が巨額の財政負担を行っているからです。
>15年度予算案の軍事費に含まれる在日米軍「思いやり予算」は、総額で1899億円に上ります。
>日米安保条約に基づき日本に駐留する米軍の法的地位などを定めた米軍地位協定は、「日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費」について「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」と定めています(24条)。「思いやり予算」はこの規定に反して支出されているものであり、廃止が当然です。

>来年3月に期限が切れる米軍「思いやり予算」特別協定の延長に向けた協議も日米で合意されています。
(しんぶん赤旗 別の記事より)
※「ニュースサイト・ハンター」の記事と「しんぶん赤旗」の記事にある金額の差異は、おそらく算定の基準となるデータの違いによるものとみられるので、ご了承くださいますよう。


さて、皆さんはどう思われるだろうか。
つい、「信じるも信じないもあなた次第」というセリフを言ってしまいたくなるが、これらは事実である。
安倍にしてみれば、米軍に居座ってもらってナンボ。「お願いだからここに居て」は決してジョークでも何でもないのである。


※記事内でリンクしたサイト、貼り付けた動画は時間経過と共に削除、更新される場合があります。ご了承ください。

お願いだからここに居て

2015-07-08 21:54:25 | 政治
まずはいきなり記事のリンクから。

「米陸軍、兵士4万人を削減へ 国防総省筋」(AFP=時事 7月8日)
>米陸軍が今後2年間で兵士4万人を削減する計画であることが分かった。さらに陸軍に勤務する民間人のうち1万7000人も削減されるという。米国防総省筋が7日、米紙USAトゥデー(USA Today)の報道を認めるかたちでAFPに明らかにした。
>同紙が入手、掲載した文書によると削減は経費を節減するためだという。この国防総省筋は、削減について陸軍が間もなく正式に発表すると述べた。USAトゥデーは、発表は今週行われると報じている。


「「日本防衛の基地なし」米国防総省、極秘文書(1968年)に明記 普天間など閉鎖候補」(しんぶん赤旗 7月3日)
>ベトナム戦争からの撤退や沖縄返還を想定し、在日・在沖縄米軍基地の大幅な再編が検討されていた1968年、米国防総省が、当時未返還だった沖縄を含む日本には「日本防衛のための基地は一つもない。いくつかの部隊が副次的に、そのような任務を持っているだけだ」との認識を示し、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)などの大幅な基地削減を検討していたことが分かりました。

「米軍基地 どこが「抑止力」 国防総省の文書で明らかに」(しんぶん赤旗 7月3日)
>51年9月に署名された旧日米安保条約は第1条で米軍の「駐留権」だけを明記。「日本防衛」は一言も入っていませんでした。その後、60年1月に改定された安保条約は「日本と極東の平和と安全」のために米軍が基地を使用する(第6条)としました。全国での反基地闘争の高揚を受けてのものです。
>ところが、そのまやかしが、「日本防衛のための基地は一つもない」という米国防総省の文書(↑上のリンク記事)で明らかになりました。同様の認識は、70年1月26日の米上院外交軍事委員会の秘密会(サイミントン委員会)でジョンソン国務副次官が「われわれには、日本の通常型防衛に関するいかなる地上・航空戦力もない。それ(防衛)は完全に日本の責任である」と発言したことにも示されています。


「米陸軍を大幅縮小、1940年以来の水準に 国防長官が方針」(AFP 2014年2月25日)
>チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官は24日、米陸軍の兵力を8分の1以上削減し、第2次世界大戦(World War II)以前の規模に縮小する方針を発表した。
>ヘーゲル長官は国防予算案の概要を説明する中で、米国は10年以上にわたってイラクとアフガニスタンで地上戦を展開してきたが、米国防総省にはもはや「長期間大規模な安定化作戦を実施する」計画はないとして、陸軍の兵力を現在の52万人から44万~45万人に縮小することを提案した。



つまり、米国は「日本の基地」=「極東基地」を、もうそれほどの価値がないとしているのである。
「世界の警察」を気取り、戦争を仕掛け、結果、採算が取れずに帳尻が合わなくなってきた。それは上記、2番目の赤旗の記事にあるように、既にベトナム戦争時から米国は採算割れの懸念を抱いていた。

湾岸戦争はやや事情が異なるが、ごく簡単に言えば、ベトナム戦争を含め先のイラク戦争やアフガニスタン戦争において、大義名分はさておき、アメリカは正当な理由(もしくは正当とされる理由)のもとに勝利し、それらの国を手中に収め、広大な市場を手に入れることを目論み、実際にそうなるはずだった。だが、筋書き通りには上手くコトが運ばなかったのである。
資本主義の基本原理は、破壊と消費、そして生産を繰り返すことにある。そしてそのバランスの上に成り立つ。しかし、これらの戦争を経る中においては戦費(投資)が嵩むばかりで回収の目処が立たずに採算割れを起こし、米国の財政をただ圧迫するに至った。ついでに言えば、ケンカを仕掛ければ大概の場合、仕掛けた方が負ける。それが世の常だ。

確かに、アジア圏を睨む上で日本は格好の地の利であった。ハワイやグアムからよりも、日本は中国、ロシアに近い。だが、言わばそれだけの理由である。中継基地としての価値はあっても決して中枢的戦略基地ではなく、上記3番目の赤旗の記事にあるように、そもそもが「日本を守ろう」などという気がさらさらなかったのである。

1960年当時、時の首相は安倍の爺さん、岸信介である。さて、(太平洋戦争に)負けて悔しい岸首相。大日本帝国の起死回生のために様々な模索をしていた。
そうした中で、「米軍が日本を守る」という口実を作って結んだのが、新安保条約、いわゆる60年安保だ。米国との同盟を足掛かりにしようとしたのである。
そして今、それがそっくりスライドしたような形になっているのが安倍の「戦争法案」だという次第だ。

以前も書いたが、アメリカは今、オーストラリアとの同盟強化を念頭に、むしろ太平洋にその目が向いている。
もう既にロシアの脅威はなく、中国と喧嘩する気もない。中国とは取引関係にあったほうが利があると考えている。北朝鮮は、韓国ともめない限り今のところはアメリカにとって問題外だ。
そうなると、日本に基地を置くことにあまり魅力を感じなくなる。
一方、ちょいと南シナ海の中国が目に付く鼻に付くで鬱陶しいが、ここはフィリピンとの関係において解決策を探ればいい。であれば、余程太平洋にウエイトを置いたほうが良いということになる。


さて、わが日本の総理大臣・安倍晋三はといえば、爺ちゃんの意志を継いで日本を「強い国にしたい!」と考えている。
だが、この「強くしたい」の方向は、腕力(武力)に訴えるということであって、人に例えれば、「精神的に心の強い人」ではなく「物理的に力の強い人」のことである。
とにかく安倍はそのために軍隊を作りたい。軍需産業を成長させたい。グローバル企業をたくさん誘致して、アジアへの影響力を強めたい。そうして爺ちゃんの岸信介が成し得なかった大東亜共栄圏の再構築すら夢見ているのだ。
しかしそうするためには今の日本の憲法下ではできない。憲法を変えなければならない。だがおいそれとは行かない。だったらまずはちょいとチョンボして「安保法案」からやろうかと。今アジア諸国に一生懸命カネをバラ撒いていたりもするのも、いわゆるそのための一環でもあって、そうして既成事実を積み上げること。国民を騙して感覚を麻痺させ、やがては改憲。それを狙っている。



今は軍隊を作れない。作れたとしても相当な金も掛かる。だったら米国に擦り寄って今ある条件を有効に利用しようではないかというのが当面の発想だ。
「もうカネがねぇんだよ」というアメリカに、これ幸い、「わかりました、いいですよ。その分は何とか頑張りますから」と言う。今アメリカに引かれたらまずい。少なくとも先が見えるようになるまでは何とか繋ぎとめておかなければならない。
その上で、日米同盟が「抑止力になっている」と言い、北朝鮮や中国が脅威だと煽り、安全保障環境が変化したと言いくるめ、そうすれば国民も納得するだろうと。
しかし、その「抑止力」は見せかけであり、「今、一国で平和は守れない」というのも単なる詭弁だということが、これらの流れを考えればお解かりいただけると思う。
実は、米軍に出て行って欲しくないと一番願っているのは安倍自身なのである。米軍に居てもらわないと困る事情がここにある。

米国の軍備縮小、撤退の計画の動きは勿論政府として承知しているはずだ。だがそれを公に言ってしまっては計画が進まない。
そうしたことを正面から認めたくなくて誤魔化して逃げているのは安倍政府であり、安保条約に固執し、それを盾にしているのも安倍政府だ。もちろん辺野古基地建設を進めているのも安倍政府であって、そうして米軍に居てくれと頼んでいるのはほかでもない、安倍政府なのである。


5月末から先月頭にかけて沖縄の翁長知事が渡米した。新基地反対をはじめ沖縄の民意を説明するするためにアメリカに向かった。
止むを得ないことだが、あいにく米政府の上層部には会えず、対応した担当官からはことごとく「国同士が決めることだ」と体よくあしらわれた。
だがどうだろう。全く意味がなかったかと言えばそうではないだろう。日本の官邸は、既に根回しは済んでいるとばかりにのんびりと構えてはいたが、決して快くは思っておらず、翁長知事の行動には逐一注意していたはずだ。
米国政府もまともに取り合うことこそなかったが、翁長知事の訪米を「知らなかった」とは言わないだろう。
沖縄の基地問題が、すぐにどうこうなることではないにせよ、今後は徐々に変化が現れてくるのではないかと思う。むしろそれに期待できる要素はあるだろう。
米軍基地撤退への闘いは、対米軍ではなく、対日本政府がまず先だ。



《参考記事》⇒「わかりにくい政治 2 《安保法案ってなに?》」
以前、中学生向け(?)に「戦争法案」を書いた記事である。日米関係を含め判り易く書いたつもりだが、よろしければご参考に。


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国会 テロ対策合同訓練

2015-07-01 17:43:30 | 政治
おそらく、随分以前から組まれていた予定なのだろう。
だが、絶妙なタイミングというか、いや、タイミングが悪過ぎる。

来る7月5日(日)に、警察主導による『テロ対策合同訓練』が国会議事堂で行なわれる予定だという。

この合同訓練とは、
>銃器や爆発物を所持する3人のテロリストが衆議院本館に侵入し、銃を発砲のうえ立てこもる事態を想定。
>衆・参警務部と警察が連携してテロリストを制圧するもので、衆・参警務部と警視庁で400人以上が参加する。
>訓練では警察車両10数台を伴って国会外周を包囲し出入り口を封鎖、ヘリで上空から監視を行うとともに、銃器部隊がガス銃(空砲)を発砲し、テロを制圧する筋書。




かなり大掛かりでなかなか物騒なものだ。
訓練は両院の議運理事会が決めたもの。シナリオは警視庁の手によるものらしい。
「テロ対策で警察の国会包囲は抗議拒否に見える?」(エキサイトニュース/エコノミックニュース 6月29日)

これに対し、日本共産党の穀田恵二国対委員長、井上哲士参院国対委員長ら同党の国会議員団は、このテロ対策合同訓練を中止するよう28日までに衆参それぞれの議長に申し入れた。

折りしも、「戦争法案反対」で国会周辺では国民の抗議行動が行なわれている最中である。
日曜日、その1日だけのことではあるが、国会周辺は一斉に立ち入り禁止規制が敷かれ、一般人は一歩も国会に近づけなくなるだろう。

共産党は、訓練中止申し入れの理由として、
>「国会外周を警察官が包囲することになり、国会が国民の要請・抗議活動を拒否しているようにしかみえず、国民の請願権を事実上制約することとなる」とテロ対策で警察が国会を包囲する光景は国民の抗議活動の拒否にしか見えない
と危惧し、また、
>「一般警察権の行使を前提として警察部隊が国会構内に立ち入ったことは過去一度もない」ことや「国会内の秩序維持は議院の自律権にかかわる問題で、一般警察権との関係は慎重に検討すべきものだ」と訴えている。

更に、
>「国会会期中で、戦争法案に対し国民多数が反対し、毎週末、戦争法案反対の集会、行動が国会周辺で行われている。警察官が国会包囲するような大規模訓練を行うことは、60年安保改定の際に議長警察権の名のもとに警官部隊が国会に導入され、議会制民主主義が踏みにじられた歴史を想起させるもので、断じて容認できない」としている。

おそらく当日は、かなり物々しい警備となり、知らなければ一体何事が起こったのかと思うだろう。そしてまさに、「60年安保闘争」を彷彿とする情景が展開されるのかもしれない。この時期にこうした類の訓練は国民感情を尚一層逆撫ですることにもなりそうだ。
いや、まさか国会騒動が起こったときの予行演習ということではあるまいな!?

もとより共産党は以前から訓練そのものに反対していて、今回の申し入れは初めてのことではない。
訓練の具体的規模、申し入れ文書については ⇒井上哲士参院議員オフィシャルサイト「国会での大規模訓練中止を参院議長に申し入れ」(活動日誌 6月26日)に詳しい。

おそらくは例によって聞く耳持たずでそのまま訓練は行なわれてしまうのだろうが、しかし、こうしたこともなかなか一般には報道されない事柄だ。
今、この時期、国会を取り巻く状況において、少なくとも訓練の告知やこうした話題は多くのマスメディアが積極的に行なうべきことなのではないだろうか。



【続報】

維新の党、初鹿明博衆院議員のその後。
「維新、安保法案反対で街頭活動の議員に厳重注意」(読売新聞 7月1日)

>維新の党は30日、東京・渋谷で27日行われた安全保障関連法案に反対する街頭活動に参加した初鹿明博衆院議員に対し、党方針に関する誤解を与えかねない行動だったとして、幹事長名で厳重注意とした。
>街頭活動には共産党の志位委員長らも参加していた。初鹿氏は副幹事長の辞任を申し出て、了承された。


取り敢えず維新の党の立ち位置がわかるというもの。初鹿氏は今後表立った行動はできないだろう。
(元関連記事 ⇒「是々非々寝返り取引ゆらゆらバラバラ集団」


「自民、早期幕引きに苦慮 大西氏発言で再び厳重注意へ」(朝日新聞 6月30日)
(元関連記事 ⇒「自民党、またやらかした」

>「どれだけ党に迷惑をかけたと思ってるんだ!」。30日午後、大西氏の発言内容を聞いた自民党の谷垣禎一幹事長の怒鳴り声が、国会内に響いた。

のかどうか、本当のところはさておき、それにしてもここまで度重なれば、本来、「除名処分」ぐらいにしないと示しがつかないのではないだろうか。
それをしない自民党。実のところ、「マスコミを懲らしめなければならない」と思っているのは自民党幹部の本心だからだと言われても仕方がないだろう。


さて、一歩遅れて産経新聞が「社説」を出したが・・・(元関連記事 ⇒「自民党、またやらかした」
「自民勉強会発言 与党議員の自覚に欠ける」(産経新聞 6月30日)

それを読むと、(以下抜粋引用)

>勉強会では議員から「マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番だ」といった発言があり、講師役の作家、百田尚樹氏からも「それはだめだ」と、たしなめられたのだという。 ※アンダーラインは筆者
> 百田氏にも「沖縄の2つの新聞社はつぶさなあかん」といった発言があったとされるが、民間人と国会議員の言葉の重さは分けて考えるべきだろう。

>安保関連法案をめぐっては「徴兵制につながる」といった国民をミスリードするおかしな報道は確かにある。これに対しても丁寧な説明で反論し、誤解を解くことが求められる。

>発言問題はお粗末の限りだが、安保関連法案の是非とは本来、まったく関係がない。
>この問題を、法案に反対する陣営が廃案に追い込むためのキャンペーンに利用するのは、お門違いである。


結局はそこかい。(苦笑)
いやいや、関係がないわけがないだろ。いわゆる「報道威圧問題」としてその審議も安保法案の特別委員会で行われていることをみれば、関係は大有りだ。含めて自民党の姿勢を問うているのではないか。根本からこれではやってられない。
やはり産経は所詮産経でしかないのだろう。取って付けたような前後の文章。仕方がないから(社説を)出そうかという、投げやり感と嫌々感が透けて見えるまことに薄っぺらい内容だ。一見まともだと思わせる論調の中にそっと駁説を滑り込ませるあたり、自民党のそれと全くやり方が同じである。さすが「御用新聞」「自民党機関誌」たる所以だろうか。笑わせてくれる、というか、ただ呆れる。
まだ、出さないほうが良かったんじゃないか?w


一方、
「安保法案で中央公聴会提案 野党応じず」(NHK 7月1日)

>与党側は今週の質疑を終えると、審議時間が衆議院を通過させる目安としてきた80時間を超える見通しとなっていることを念頭に、来週の8日に中央公聴会を行いたいと提案しました。
>これに対し、民主党は「時期尚早だ」と述べたほか、維新の党と共産党も6日の参考人質疑を踏まえて質疑を重ねるべきだなどとして応じず、引き続き、与野党で協議することになりました。


まぁかなり焦っているとみられるがそうは問屋が卸さない。
大体、そもそもが「時間ルール」などは存在しない。今回の安保法案審議について与党が勝手に言っているだけである。
一方で自らが説明不足だと言い、実際に8割に及ぶ国民が政府の説明が足りないとしている中において、このような提案行動は許されるものではないだろう。
昨日は民主党の高木義明国会対策委員長が、
>今議論をしている2法案は、本来10本の改正案と1本の新法であることから、「通常1本の法案の審議には最低でも2日はかかる。11本だとすると22日だ。ということはだいたい150時間ぐらいだ」
と会見でも述べている。
(⇒「『80時間』にはまったく根拠がない」(民主党HP 6月30日))
安倍政府はどこまでも聞き分けがなく、どこまで我侭を貫くつもりか、小さな子供にも劣る。一方で可愛そうに、これで維新の党の「対案」も殆ど与党側の念頭にはないとみることもできるだろうか。

※⇒「「公聴会」とは何なのですか?」(しんぶん赤旗)


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自民党、またやらかした

2015-07-01 06:38:28 | 政治
例の「百田発言」に端を発する自民党の勉強会「文化芸術懇話会」における、更なる自民党議員の問題発言について、党は、会を主宰した木原稔氏を27日付で「役職停止1年間」、問題発言をした衆院議員3人を「厳重注意」とする処分を決めたばかりである。
だが、それも束の間、その3人の内の1人、大西英男衆院議員が昨日(30日)午後の記者会見において、安保法案に批判的な報道について「懲らしめなければいけないんじゃないか」と述べ、また、「個人的には」としながらも「誤った報道をするようなマスコミに対して広告は自粛すべきじゃないか」とも語った。
「安保批判報道「懲らしめる」=自民・大西氏が再び問題発言―党幹部は不快感」(時事通信 6月30日)
「自民・大西議員 発言反省も「広告は自粛すべき」」(NHK 6月30日)



まぁ口先ばかり、形ばかりでまるで反省がない。いや、反省をするつもりもなく、反省の意味すら知らないのだろう。
この大西氏、処分を受けた日、6月28日夜のフェイスブックで「心より反省」していると述べ、次のようにコメントしている。

>「昨日、先日の文化芸術懇話会での私の発言について、谷垣禎一幹事長より厳重注意処分を受けた。平和安全法制の国会審議が山場を迎える中で、私の発言で混乱を呼んだことを心より反省し、処分を謹んでお受けした」
だが一方で、
>「地元を回る中で、多くの方々にお目にかかり、お声をかけていただく。中には、『一部マスコミの慰安婦虚偽報道など国を貶めるような報道の在り方は考えていかなくてはいけない』というご意見をいただいた。『これに負けず、言うべきことは言ってほしい』という励ましも受けた。様々なお声を受け止め、明日からの活動にしっかりと取り組んでいきたい」
と書いている。反省? どこ吹く風だ。

で、更にこの大西氏には前科がある。
昨年、衆院総務委員会で、日本維新の会の所属だった上西小百合衆院議員が少子化問題を質問していた際に、「子供を産まないとダメだぞ」というセクハラヤジをとばし、謝罪に追い込まれているのだ。
ついては当時、自身のブログで「私は、今後、自らの発言について十分に注意をしていかなくてはならないと肝に銘じている」と書いているのだが・・・。
「「マスコミ懲らしめる」発言の自民・大西英男議員、フェイスブックで「心より反省」」(弁護士ドットコム 6月29日)


そもそも、自民党議員個人に限らず、自民党自体の「言論圧力」というのは今に始まったことではない。
>党情報通信戦略調査会は今年4月、番組出演者が「政権の圧力」に言及したテレビ朝日と、やらせ疑惑が浮上したNHKの幹部を呼び、事情を聴取した。
>昨年11月の衆院解散前にも、党幹部が各局に「選挙時期における報道の公平中立・公正の確保のお願い」を出した。こうした対応は「報道機関を萎縮させかねない」などと批判を招いたが、自民党は問題があったとは認めていない。

「「言論圧力」繰り返す自民=関係者処分も幕引きならず」(時事ドットコム 6月29日)


「自民「メディア批判」問題 安保法案の成立時期見通せない状況」(FNNニュース 6月30日)



>自民党若手の勉強会で、メディア批判が相次いだ問題で、週が明けても、余波が続いている。野党側は、追及をさらに強める構えで、安全保障関連法案の成立時期が見通せない状況が続いている。

更に輪をかけてこじれそうな予感だ。

>今回の発言を受け、民放連の井上会長は、「広告主に圧力をかけることにより、報道機関の取材、報道の自由を威圧しようとする言動は、言論・表現の自由を基盤とする民主主義社会を否定するものであって、容認しがたい。
>とりわけ、与党・自民党の国会議員から、これらの言葉が発せられたことは、誠に遺憾である」とのコメントを発表した。


だったら放送業界もいい加減、自民党の庇護の下を離れてまっとうな報道をしたらどうなのだろう。


一方、在京新聞各社は・・・
「各紙社説「言論統制」「自民の驕り」…報道威圧に危機感」(朝日新聞 6月30日)

>読売新聞、日本経済新聞は、「『1強』の勢力を持つ自民党の驕(おご)りの表れであり、国会議員としての見識も疑われる」(読売、27日)、「言論には言論で対抗していくのが民主主義」(日経、28日)と指摘する社説を掲載した。産経新聞は29日までに今回の問題を扱った社説を掲載していない。

え? 読売も?w まぁ産経はねぇ、二の足を踏んでいるというところだろうか。(笑)

そして地方紙も
「言論弾圧・沖縄侮辱 抗議・怒り広がる「民主主義の根幹の問題」 地方・ブロック26紙批判」(しんぶん赤旗 6月30日)


で、自民党総裁である安倍総理大臣は、官邸で「極めて遺憾」と述べたのに留まり、党の最高責任者としての謝罪は今のところしていない。
それ以前、谷垣幹事長が「党のことは私が預っている」などとフォローはしたものの、もはやそれでは済まないだろう。

また一方、「百田発言」において、「普天間基地は田んぼの中にあった」などのデマ、デタラメを吹聴された宜野湾(ぎのわん)市議会(大城政利議長)は、百田尚樹の発言に対し、6月定例議会最終日の29日、発言の撤回と謝罪を求める抗議決議を全会一致で可決した。
「百田氏発言に宜野湾議会が抗議決議 県議会与党も提案へ」(沖縄タイムス 6月30日)
「普天間接収の歴史発信 百田氏の誤認、一目瞭然」(琉球新報 6月30日)

ここ一連のこうした流れの所為か、朝日新聞が“珍しく”共産党の会見内容を伝えている。(笑)
「「安倍総裁は沖縄県民に謝罪を」 共産・山下書記局長」(朝日新聞 6月30日)

>沖縄の皆さんの怒りは非常に激しい。沖縄県民を侮辱し、言論の自由を否定するかのような発言が自民党本部で自民党の議員によって行われたということなので、総裁として遺憾という言葉では足りない。しっかり沖縄県民の心に届くように、国民に届くように総裁として謝罪すべきだ。(山下芳生・共産党書記局長)

百田発言は「風説の流布」とも言えるもの。国会で参考人として呼び、追及する必要もあるのではないだろうか。ここまでことが大きくなった以上、自民党は更なる“落とし前”をつけねばなるまい。法案の審議は改めてそれからだ。会期内に間に合わない? いや、それでいい。


余談だが、少し前の参考記事、⇒「安保関連法案の撤回を求める長谷部氏と小林氏の発言詳報」(朝日新聞 6月16日)の終りのほうにあった小林節慶応大名誉教授の言葉を思い出した。

>30年以上、自民党の勉強会に付き合って最近感じるのは、意見が違うと怒り出す人が多い。意見が合うとプロフェッサーとなるが、意見が違うと「小林さん、あんたね」となる。すげえ、やくざだなあと。
>思う通りにならないと怒っちゃうというのは、苦労が足りないんだと思う。世襲議員について批判すると、我々だって選挙に当選してと言う。ただ、特別有利な形で当選したことが問題だ。だから、(親の地盤と)違う選挙区で苦労すれば、誰も批判しないし、本人たちも政策論争で逆切れしたりしないと思う。


ほかでも、小林教授は「世襲で権力者になるような人たちは自分たちこそが権力であり、判断基準だと思っている」と書いていたそうだ。


これは私の偏見だが、例えば仕事上の付き合いにおいて、唯我独尊、人の意見を聞かずワンマンで傲慢な会社経営者がいたとする。
「あぁ、この人自民党(支持)だな。」と思うと、大概が当たっている。(笑)


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「オフレコ」という名の報道と本当の「オフレコ」

2015-06-27 20:54:52 | 政治
例の「百田発言問題」が予想以上に拡大している。



昨夜、朝日新聞が「「マスコミ懲らしめるには…」文化芸術懇話会の主な意見」としてWeb記事を上げている。それによると・・・

>25日に開かれた自民党文化芸術懇話会で出た主な意見は次の通り。

>●大西英男衆院議員(東京16区、当選2回)
>「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。政治家には言えないことで、安倍晋三首相も言えないことだが、不買運動じゃないが、日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」

>●井上貴博衆院議員(福岡1区、当選2回)
>「福岡の青年会議所理事長の時、マスコミをたたいたことがある。日本全体でやらなきゃいけないことだが、スポンサーにならないことが一番(マスコミは)こたえることが分かった」

>●長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック、当選2回)
>「沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは戦後保守の堕落だ。先生なら沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくために、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られている」

>●百田尚樹氏
>「本当に沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが、沖縄のどっかの島でも中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ」
>「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、今や街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのは分かるが、そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる。基地の地主たちは大金持ちなんですよ。彼らはもし基地が出て行ったりしたら、えらいことになる。出て行きましょうかと言うと『出て行くな、置いとけ』。何がしたいのか」
>「沖縄の米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い」
>「政治家というのは、理念、信念、大事ですが、言葉が大事だ。戦争と愛については何をしても許されるという言葉があるが、政治家もある程度『負』の部分はネグったらいい。いかに心に届くか。その目的のためには多少……もちろんウソはダメですが」


まぁ何ともあからさまにして醜悪だ。

早速沖縄選出の野党国会議員ら5人が、発言は「断じて看過できない」として抗議する声明を発表した。
「百田氏発言「断じて看過できない」 沖縄選出国会議員らが抗議声明」(産経WEST(大阪) 6月27日)
その抗議声明のポイントは以下のとおりである。
>一、民主主義社会では、マスメディアが権力に対して批判的なスタンスであるのは健全。報道機関を「つぶす」と述べるのは報道・表現の自由に反し、断じて看過できない。
>一、地元2紙が基地問題を大きく扱うのは戦後70年、沖縄が国策の犠牲を強いられ続け、問題が解消していないからだ。
>一、百田氏の数々の発言は著しい事実誤認に基づき、沖縄に対する不見識の甚だしさを物語っている。
>一、「暴言」「妄言」と厳しく指弾せざるを得ず、発言の撤回と2紙への速やかな謝罪の意思を示すよう強く求める。

(産経WEST(大阪) 6月27日 「百田氏発言「『暴言』『妄言』と指弾せざる得ない」抗議声明のポイント」より)

また、身内の沖縄が地元の議員からも反発の声が上がり、自民党宮崎政久衆院議員は、件の勉強会の代表、同党木原稔青年局長(45)=熊本1区選出=と面会し、抗議文を提出した。
「沖縄が地元の自民議員、「百田氏発言」に反発」(TBSニュース 6月26日)

そしてついにはその“落とし前”として、ひとまず自民党は木原稔青年局長を更迭することにした。
「自民、木原青年局長更迭へ 百田氏招いた「勉強会」代表」(産経WEST(大阪) 6月27日)
トンデモ発言をした百田より、百田を招いた側が悪い、という理屈だ。この場合それは正しい。
安倍の推挙でNHKの経営委員になり、当時はそうした公職の立場にありながら暴言を吐いてきた百田である。そんな百田を講師に招いた自民党議員に非がある。責められるべきは今や“民間人”の百田ではなく、百田を招聘した自民党議員だ。
だがこの件に関し、国会審議の場での質問に対し当初安倍は、「私がその場にいないのに、勝手におわびすることはできない。発言した人だけができる」と述べ、謝罪を拒否し、当事者の処分にも消極的な姿勢を示した。また、「私的な勉強会」であるとし、関与も否定した。

件の勉強会「文化芸術懇話会」が開かれたのは一昨日の25日である。この2日間で見る見る内容が明らかとなり、ここまでの大きな問題へと発展した。
果たして非公開な「私的勉強会」であるならばこれほど瞬く間に内容が露呈することはない。そもそもが最初の2分間(百田談)とは言え、メディアの取材が入ったことにおいて既に「公開勉強会」であったことは事実だ。
発言が即座に問題視され始めた25日夜、百田は「ギャグで言った言葉を切り取られた。しかも部屋の外から盗み聞き!卑劣!それにしても、報道陣は冒頭の2分だけで退室したのに、ドアのガラスに耳をつけて聞き耳してるのは笑った。しかし、正規の取材じゃなくて盗み聞きを記事にするのは、ルール違反だし、卑劣だろう!」とツイートしている(スポニチ 2015年6月26日)。だが、申し上げたように、その全てが公開されないまでも、自民党内において勉強会の一部始終は録画されて残っているはずで、それがリークされたとしても何ら不思議なことではない。
更に、漏洩されることが充分「想定内」であっただろうにもかかわらずの暴走は、いわゆる「驕り」が招いた結果なのだろうが、「酒の勢い」とするわけにもいかず、「ギャグ」だったと言い訳をしてみたところで始まらない。

「百田氏「軽口、冗談のつもりだった」 沖縄紙つぶせ発言」(朝日新聞 6月26日)
〈百田尚樹氏の話〉「報道されている発言内容は事実だが、講演で言ったのではなく、講演後の出席議員との雑談のなかでポロッと出た軽口だった。冗談のつもりで、本意ではない。出席者の誰かが「沖縄の人やメディアの意識はやっかいだ」と言ったので、それに答える形で「やっかいやなあ、(沖縄の二つの地元紙は)つぶさんとなあ」とは言った。地元紙はほとんど読まないし、自分の悪口ばっかり書くからきらいだが、本当に潰さないといけないとまで思っていない。出版社や新聞社はアンタッチャブルな領域で、権力によって圧力をかけられるべきではない、とも思っている。」
(ほか、⇒「百田尚樹氏がFBで釈明 「私的な集まりの軽口にすぎない」「報道陣がガラス越しに盗み聞き」」産経 6月27日)

いずれにせよ「非公開」、「オフレコ」とは名ばかりで、自民党はまたとんだ失態を曝け出してしまった。まったく「アホらしい」ことではあるが、果たして木原稔議員の更迭でケリがつくのか、いや、未だ百田尚樹はさも他人事のような苦し紛れの釈明しかしておらず、謝罪には至っていない。しばらくは尾を引きそうだ。

オ・マ・ケ ww
「「百田さんにも言論の自由ある」 松井一郎・大阪府知事」(朝日新聞 6月27日)
かつて言論を封殺しようとしたのはどこの党だったっけ? らしいっちゃぁらしい。(笑)
あのね、同じようにアンタのボスが公の場でデタラメ、デマを吹聴するのもまた言論の自由なのだろうが、間違った言動や誹謗中傷を糾弾するのはそれとはワケが違うゾ。


さて一方、本当の「オフレコ」というのは完全にメディアをシャットアウトしたところで成り立つ。
例えば直近の「安倍、橋下会談」がそうだった。(⇒「ヒトラーとムッソリーニ」
未だ何の情報も漏れてはこない。

その類で言えば、先頃「しんぶん赤旗」が次の記事を掲載した。
「戦争法案審議入り1カ月 首相会食 銀座・赤坂へ 財界・マスコミ・橋下大阪市長…計15回」(しんぶん赤旗 6月26日)
>「自衛隊員のリスクは当然増える」と平然といい、「戦争する国づくり」に暴走する安倍晋三首相。その一方で、「戦争法案」審議入り以降、東京・銀座の日本料理店や赤坂の居酒屋などで、財界人やマスコミ関係者らとひんぱんに会い、15回にのぼる飲み食いを重ねています。


しんぶん赤旗より

まぁお盛んなことである。歴史は料亭で作られるのか。密室でどんな悪巧みを重ねていることだろう。考えただけで空恐ろしい。

赤旗の記事はこう結んでいる。
>この間、年金情報流出だけでなく、鹿児島県・口永良部島噴火や小笠原地震など、「国民の安全と安心」をめぐって重大事態が相次いでいるにもかかわらず、首相は、ほぼ2日に1回の飲み食い。どっちを向いた政治をしているかは、明らかです。

安倍の頭の中には、国民のことがこれっぽっちも無いのは明らかだろう。


ついでながら、Wikipediaで ⇒「オフレコ」を見てみた。
ほほう、なかなか興味深い。飲みながら薀蓄を語るには持って来いかもしれない。(笑)


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国民の金はオレの金

2015-06-21 21:02:11 | 政治
もう1ヶ月ほど前になるが、安保法案の審議が開始されようとしているとき、そっちのけでまた何やらやっている安倍クン。
な~にかと思えば、ま~た超大盤振舞のバラマキである。(怒!)

5月23日、福島県いわき市で開催された「太平洋・島サミット」のことであるが、パラオなど南太平洋の島諸国に今後3年間で550億円以上の財政支援を行うとな!?
いい加減にしてくれ!! テメェの金か!? 勝手に使うんじゃねぇっ!!
まったくもってハラが立つ!

画像は「新・ほんとうがいちばん」さんより拝借いたしました。


「どれほどの成果が? 安倍首相がバラマキ外交で払った26兆円」(日刊ゲンダイ 2015年5月25日)

この記事にあるとおり、
>しかし、いくらなんでも安倍首相の“札束外交”は常軌を逸している。ライバルの中国に負けたくないのだろうが、とにかくカネ、カネ、カネ。見境なく、外国にカネをばらまいている。

今更ではあるが、とにかく、外交の何たるかを完全に履き違えているとしか思えない。闇雲に過ぎる。
金銭、外国との付き合い方、国民の平和。どれをとっても安倍は正常な感覚を持ち合わせていないのだろう。まさに正気の沙汰ではない。

で、この安倍のバラマキ。「安倍 バラマキ」でNet検索すれば、まぁ出てくる出てくる。一説には安倍政権時だけで50兆円超えとか70兆円とかいう話も!!
例を上げれば切りがなく、それこそ枚挙に暇がなくなるが、例えば・・・
「安倍首相:ミャンマー支援を表明、対日債務解消、ODA-首脳会談」(2013年5月26日)
「首相、女性支援にODA3000億円表明 国連演説」(日本経済新聞 2013年9月27日)
「ASEANへODA2兆円 首相、特別首脳会議で表明へ」(朝日新聞 2013年12月14日)
「インドの地下鉄に円借款2千億円 首相、首脳会談で表明」(朝日新聞 2014年1月26日)
「バラマキの安倍外交…中東4カ国歴訪で2940億円をポン」(日刊ゲンダイ 2015年1月19日)
・・・等々、これらは報道の一部だが、上記を含め ⇒「【要拡散】 安倍政権が外国にばらまいた金額一覧」(NAVERまとめ 2015年5月23日)にまとめられている。

私の俄か情報収集では正確なところが掴めないが、取り敢えず上記、日刊ゲンダイの記事に記載されている表を計算してみよう。

■2013年
ミャンマーに円借款と無償金協力・・・・・・910億円
中東・北アフリカに支援・・・・・・2160億円
シリアの女性支援にODA・・・・・・3000億円
シリア難民に追加支援・・・・・・59億円
ASEANにODA・・・・・・2兆円規模(5年間での金額)
ラオスに円借款・・・・・・90億円
■2014年
モザンビークにODA・・・・・・700億円
アメリカのリニア構想に融資・・・・・・5000億円
インドに円借款・・・・・・2000億円
バングラデシュにODA・・・・・・6000億円
ウクライナに円借款など・・・・・・1500億円
アフリカに官民拠出・・・・・・3兆円(5年間での金額)
パプアニューギニアにODA・・・・・・200億円
インドに官民投融資・・・・・・3兆5000億円(5年間での金額)
スリランカに円借款・・・・・・137億円
気候変動サミットで途上国支援・・・・・・1兆7000億円
エボラ対策で国連に追加支援・・・・・・43億円
中東の地域安定化に緊急支援・・・・・・55億円
ガザ復興支援・・・・・・22億円
ミャンマーに円借款供与・・・・・・260億円
■2015年
エジプトに円借款・・・・・・430億円
イスラム国対策など・・・・・・3000億円
ヨルダンに難民対策支援・・・・・・147億円
シリア難民の人道支援に無償資金協力・・・・・・7億円
アジアのインフラ投資支援・・・・・・13兆円(5年間での金額)
パラオなど太平洋島しょに財政支援・・・・・・550億円

単純に足し算をした結果は
25,827,000,000,000円=25兆8270億円

仮に「貸付け」だとしても、これだけの資金を融通するなど尋常ではない。



日刊ゲンダイの記事中、
「安倍政権の外交方針は、対米追従と中韓に対する対抗意識――。基本的にこの2つしかありません。本来、外交は複雑なものなのに非常に単純です。だから、手の内を読まれ、足元を見透かされている。外国にとっては、格好のカネづるになりかねない。そりゃ資金援助してもらえる国はニコニコして、表面上は安倍首相をチヤホヤしてくれるでしょう。でも、それだけのこと。支援が途切れたら、ソッポを向かれるのがオチです」
と「金の切れ目は縁の切れ目」とばかりに語られているが、だがそう単純なことでもない。問題はもっと根本にある。

一方で、国の借金は1053兆3572億円である。4月1日時点の人口推計をもとに単純計算すると、国民1人当たり約830万円の借金を抱えていることになる。
「「国の借金」3月末は1053兆円 国民1人当たり830万円」(日本経済新聞 5月8日)

安倍の金遣いの荒さ・・・、それは必ずしも安倍から始まったことではないにせよ、更に現状での国内での無駄遣いやおかしな金の使い方は数え上げたら切りがない。
政党助成金、大企業への優遇税制、米軍への「思い遣り予算」等々。一方で、「アホノミクス」や「アベノリスク」などと揶揄されて久しい。
残念ながら私は「経済」については疎いので、これ以上のことは言えないが、結局そのツケを払わされるのはいつも国民だ。更に重くのしかかる消費税、医療費、保険料・・・等々。そしてまた、例えば、東日本大震災から4年。全国の避難者数は2月時点でまだ約22万9千人も居るのである。こうした話も挙げたら切りがない。確かな金の使い道、充分にあるだろうが! 
安倍にとって「国民の金は俺の金」であり、「国の財布は俺の財布」なのか。何とも怒りの持って行き場がないというところだ。


ところで、
「強制退去の日に長女殺害 生活苦、母に懲役7年判決」(朝日新聞 6月12日)
考えさせられる事件だった。この類で言えば、生活苦による殺人、自殺は絶えることがない。

もっとも、安倍は知らんのだろうな・・・。いや、見て見ぬ振りか・・・。


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