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東京五輪:紆余曲折の果て、エンブレム再公募

2015-10-07 21:00:23 | 東京五輪2020
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久しく遠ざかっていた話題。
また『東京五輪エンブレム』が動き出した。

さて、数日前、まずはこんなニュースがあった。

「五輪エンブレム担当局長退任 事実上更迭か」(NHK 10月2日)

>2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムが白紙撤回された問題で、エンブレム選定の中心となった組織委員会の担当局長が退任することになりました。一連の問題を受けての事実上の更迭と見られます。

>9月1日に白紙撤回されたエンブレムを巡っては、組織委員会のマーケティング局が中心となって審査委員の選定や公募条件の決定などを進めてきました。
>しかし、一連の問題を受けて行われた組織委員会の内部調査の結果、槙英俊マーケティング局長の判断で、公募発表の前にアートディレクターの佐野研二郎氏を含む8人のデザイナーに参加要請の文書を発送していたことや、ことし8月の組織委員会の会見で使用された写真が、個人のブログから無断で転用されていた問題についても槙局長が作成していたことが明らかになりました。
>槙局長は、一連の問題の責任を取って9月28日に戒告処分を受けましたが、組織委員会は2日付で槇局長の退任を発表しました。槙局長は、大手広告代理店から組織委員会に出向していましたが、出向が解除されたことから事実上の更迭とみられます。


「五輪エンブレム担当局長らが退任 事実上更迭、電通出向解除」(共同通信 10月2日)

>2020年東京五輪・パラリンピックのシンボルマークとなる公式エンブレムが白紙撤回となった問題で、大会組織委員会は2日、作成を担当した槙英俊マーケティング局長と、選考で審査委員を務めた企画財務局クリエイティブディレクターの高崎卓馬氏の退任を発表した。両名ともマーケティング活動を担う専任代理店の電通出身で、組織委は電通からの出向を解除、事実上の更迭となった。


左:槙英俊氏 右:高崎卓馬氏

人を食ったような横柄な槙氏、そして小細工を重ねながら暗躍していた高崎氏。
噂されていた「出来レース」は決して憶測ではなく、事実そのものだった。こうして、“やはり”どうして胡散臭い輩達なのであった。

ついては「リテラ」が詳しく記事にしている。

「東京五輪公式エンブレム問題はやはり電通主導だった! 社員2名“更迭”だけで、電通の責任は追及されないのか?」(リテラ 10月3日)

>槙氏は、公式エンブレムの公募開始前に佐野研二郎氏をふくむ8名のデザイナーに応募を要請していたことや、画像の無断転用に関与していたことが、先日明らかになり、戒告処分が発表されたばかりだった。そして、エンブレムの審査委員も務めていた高崎卓馬氏は槙氏とともに、当初審査委員会が選んだ佐野氏の原案について、ほかの審査委員の同意を得ずに、2度の修正を主導していたこともわかった。

>とはいえ、おそらく組織委員会もメディアも、槙氏と高崎氏のシッポ切りで騒動の幕引きをはかるつもりだろう。しかし、この2人が仮に「佐野氏ありきのデキレース選考」を主導していたとするなら、それは2人の個人的事情などではなく、バックに巨大広告代理店である電通の意志があることは明らかだ。

>「エンブレムの公募と審査のスキームをつくったのも高崎さんです。審査委員には、佐野さんと深い関係のある委員が4人もいることがわかっていますが、このメンバーも高崎さんが中心になって決めた。また、委員長の永井さんといっしょに、間口の狭い応募条件を決めたのも高崎さんのようです」(関係者)

>「彼は、審査委員としてではなく、五輪組織委員会の人間として、エンブレムの修正に携わっていたのです。修正案のデザインをほかの審査委員に報告する役目を負っていたのも高崎氏です」

>「佐野さんも博報堂出身でありながら、最近は電通の仕事がすごく多くなっていましたからね。佐野さんというスターをつくりだし、一方で、森さんをなだめながら、いろんなものを電通に都合のいいように決めていく。高崎さんは会社からそういう役割を命じられていたのかもしれません」(広告関係者)



しかしこれもまさに「トカゲの尻尾切り」だ。相も変らず五輪組織委員会の責任はあやふやのまま。これもまた世の常である。

一方、これとほぼ同時に『週刊新潮 10月8日号』(10/1発売)が「「五輪エンブレム」七転八倒 「新委員会」船出の前に片付けたい「インチキ選考」仰天の真実」と題して佐野研二郎氏の原案並びにエンブレムコンペの2位、3位の作品をスクープし、公開した。


umegrafixさんのツイッターより




これを受けてNetの書き込みは・・・

「2位3位はパクリ佐野よりはるかに酷い出来だな」
「佐野のをまともに見せようとさせる工作か? なんだよ2位と3位のやる気の無さは」
「これはひどい なんで今まで公表できなかったのか理解できたわwww」
「この4つで必ず決めるなら俺も佐野ちゃんにいれちゃうわwww」
「これよりひどいのが100点以上あったってことなんだぜ 信じられるか?」
「そうとは限らん いいのを隠したのかもしれん 佐野を選ぶ為に」
「これがほんとなら、佐野を選ぶように仕組まれた出来レースってことだよね。」

・・・等々。

ここにも「出来レース」の「出来レース」たるカラクリがあるようである。確かに、仮に次点の2位や3位が選ばれていたとしても、それはそれで不評は必至だっただろうか。


そして、結果的に“利用された”かもしれない当の佐野研二郎氏といえば、その後、例の群馬県太田市の「おおたBITO」ロゴの使用中止や「フランク・ゲーリー展」のグラフィックの撤回などの憂き目をみている。

「佐野研二郎氏のロゴを断念  群馬・太田市の「おおたBITO」その理由は?」(The Huffington Post 10月03日)

>アートディレクターの佐野研二郎氏がデザインした、群馬県太田市の文化施設「おおたBITO 太田市美術館・図書館」のロゴの使用が断念されることになった。市民からの意見公募で反対意見が多数を占めたことから、清水聖義市長は10月2日、「市民の意見を重く受け止める」として、佐野氏のロゴの使用を断念する方針を固めた。NHKニュースが報じた。

>毎日新聞によると、太田市は9月20〜30日に市民から意見を募集、計217通が寄せられた。うち6割が「改めて公募し直す」、2割が「その他」で、使用継続への賛意は2割だったという。

>太田市公式サイトの「おおたBITO」の紹介ページには、佐野研二郎氏が手がけたロゴが掲載されていたが、10月3日現在は削除されている。





「佐野研二郎氏のグラフィック撤回 フランク・ゲーリー展」(スポニチ 9月10日)

>10月から東京都内で開催される建築家フランク・ゲーリーの展覧会で、主催者が、アートディレクター佐野研二郎氏制作の展覧会グラフィックの撤回を決めたことが、10日、分かった。理由は「主催者側の都合」としている。




ここ一連の騒動から、デザイナーと呼ぶにはあまりにもお粗末な失態の数々が明らかになった佐野研二郎氏であるが、ある点からすれば、電通に乗せられた「被害者」と見るのか、「電通一味」の「加害者」と見るのか、ついてはまた様々な見解があるだろう。
だが何れにせよ、彼は充分に「社会的制裁」を受けたのではないだろうか。

 * * * * *

さて、心機一転、先頃「東京五輪エンブレム」の公募要項案が新たに発表となった。

「エンブレム再公募、親子・職場仲間も可能に 五輪組織委」(朝日新聞 10月7日)

>2020年東京五輪・パラリンピックの新しいエンブレムを選び直す組織委員会のエンブレム委員会(委員長=宮田亮平・東京芸大学長)は6日、東京都内で第2回会合を開き、再公募する際の応募要項案をまとめた。親子の参加を認めるなど、多くの国民が参加できる形となっている。

>応募要項案は、デザインコンクールなどの受賞歴は問わず、個人参加なら日本国籍を持つ18歳以上の誰もが応募でき、国内在住の外国人にも門戸を開く。18歳以上の代表者を置けば10人以内のグループでの応募も可能で、小さな子と親や職場の仲間での参加もできるというもの。旧エンブレムへの応募が実績あるデザイナーに限られ、選考過程も閉鎖的だったことを踏まえた。

>また、エンブレムのコンセプトは「多様性、自由度を重視する」として定めず、応募者に委ねる。今月中旬に公募を始め、締め切りは12月7日正午。宮田委員長は「大勢の人に参加してもらいたい」と話している。



「五輪エンブレム、制作者氏名非公表も可能に 締め切りは12月7日正午」(デイリースポーツ 10月6日)

>20年東京五輪・パラリンピック組織委委員会は6日、都内で佐野研二郎氏のデザインが白紙撤回となった大会エンブレムを選び直すエンブレム委員会の第2回会合を開催し、募集要項案をまとめた。正式な応募要項は今月中旬に公表されるが、制作者の準備期間を確保するため、同案は近日中に組織委員会ホームページにアップされる。作品の締め切りは12月7日正午に決定した。

>「出来レース」と批判された前回の反省を生かし、応募資格では応募者の受賞歴などは問わず。18歳以上で日本国籍及び日本在住の外国籍を持つ人とした。ただ、個人だけではなく、グループでの応募も認め、年齢・国籍の条件は代表者のみがクリアしていればOK。グループ(1グループ10人以内)ならば子供や外国人の参加も可能とした。制作要件についてはIOC、IPCの規定を踏まえ、規定が設定された。

>一方で、前回の佐野研二郎氏が“盗用疑惑”をもたれて誹謗中傷にさらされたことを受けて、当選者の氏名公表、タイミングについては、「本人との相談の上対応します」とした上で、非公表でも可能とした。委員長を務めた東京芸大の宮田亮平学長は「これにより人格を保障する」と、説明した。

>賞金については前回と同じ100万円になるという。



もちろん、佐野研二郎氏がこれに再応募することも可能だ。(笑)

こちらはテレ朝 ANNニュースより。

子ども含めたグループ応募可能に 五輪新エンブレム(15/10/07)



これが当たり前と言えば当たり前。
ぜひ多くの人が納得し支持を得られるデザインに決まって欲しいと願うが、一方で、また根掘り葉掘りとNet民による「厳しい審査」が待ち受けていることだろう。その意味では決して楽観はできない。


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