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派遣受け入れ期間の上限撤廃 “改正派遣法”成立(ANN 15/09/11)
派遣労働者の割合は、全雇用労働者の2.3%である。
その2.3%の労働者の「働き方」を定めた「労働者派遣法」の“改悪法案”が昨日可決成立となった。
“たった”2.3%の労働者に関わる法律が、それほど問題なのか。
一瞬そう思わなくもない。
だが、その「2.3%」は、人数にして119万人にも及ぶ。
厚生労働省の発表による、2015年4月~6月期の会社役員を除く雇用労働者数は5,267万人。
内、パート、アルバイト、契約社員、嘱託など、非正規雇用の労働者の数は1,953万人。その内の119万人が派遣社員だ。
“されど”119万人である。九州大分県の人口(47都道府県中33位)に匹敵する。
⇒「改正労働者派遣法成立 衆院本会議で成立」(NHK 9月11日)
>今の国会の焦点の1つである改正労働者派遣法は、11日の衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決され、成立しました。改正法は、今月30日に施行されます。
>改正労働者派遣法は、一部の業務を除き、現在は最長で3年までとなっている派遣期間の制限を撤廃する一方で、1人の派遣労働者が、同じ部署で働ける期間を3年に制限するなどとしたものです。
>また、労働者の雇用の安定を図るため、派遣会社に対し、派遣期間が上限の3年に達した労働者について直接雇用するよう、派遣先に依頼することや、新たな派遣先を提供することなどを義務づけています。
>現行では、「通訳」や「ソフトウエア開発」、「財務処理」といった専門性が高いとされる26の業務では、派遣労働者が、同じ部署で働くことができる期間に制限はなく、これ以外の業務は、派遣期間は原則1年、最長でも3年までとなっています。
>今回の改正では、この「専門26業務」を廃止し、派遣期間の制限を撤廃する一方、1人の派遣労働者が同じ部署で働ける期間を3年に制限します。
>改正労働者派遣法は、これまで、2回、廃案になっています。
>法改正とあわせて、参議院では、民主党などの主張を踏まえ、派遣は臨時的、一時的なものという基本原則のもと労働者の正社員化に向けた取り組みを講じることや、悪質な派遣会社は許可の取り消しを含め処分を徹底すること、さらに派遣会社が得る料金と労働者の賃金の差額の割合に関する規制の在り方を検討することなど39項目に上る付帯決議が可決されました。
◆問題点◆
●正社員より賃金が低く、雇い止めしやすい「派遣」の働き方を助長する恐れがある。
●3年ごとに派遣労働者を入れ替えれば、何年でも同じ業務を任せることが可能で、派遣労働の固定化につながる。
●派遣労働が固定化して正社員のポストが減り、低賃金の非正規雇用が増える。
●現行法の「専門26業務」を廃止することで3年で職場を変わらなければならなくなり、雇用がさらに不安定になるおそれがある。
●派遣会社に、勤務が3年を迎えた人の受け入れ企業への直接雇用の依頼や、別の派遣先の紹介など雇用安定策を義務付けるが、その実効性が疑問視される。
ついては、日本共産党の小池晃参院議員が、成立間際にも問題提起をして追及質問を行なっている。
うそで塗り固めた法案 派遣法改悪(日本共産党 9月8日)
⇒「派遣法改悪案 採決を強行 「企業べったり」小池氏が反対討論」(しんぶん赤旗 9月9日)
>「法案は、いつでも、どこでも、いつまでも派遣労働者を使い続けることを可能にする」と指摘。「みなし雇用制度」の施行直前に改悪案を成立させて、派遣労働者が直接雇用される権利を奪うことはゆるされないと批判しました。
労働者切捨て企業ベッタリ「こんな悪法見たことない」(日本共産党 9月9日)
⇒「労働者派遣法改悪案に対する小池副委員長の反対討論」(しんぶん赤旗 9月10日)
>派遣元で無期の雇用契約を結んだ派遣労働者を、期間制限の対象から外し、有期契約の派遣労働者についても過半数労働組合等からの意見聴取さえすれば、際限なく延長できる仕組みとなっています。個人単位でみても、有期雇用の派遣労働者は課を変えれば使い続けられるため、いつでも、どこでも、いつまでも、派遣先企業が派遣労働者を使い続けることを可能にします。
>政府は雇用安定措置が「正社員への道を開く」と言いますが、派遣元から派遣先に「お願い」するだけで、直接雇用される保証などありません。塩崎恭久厚生労働大臣も、雇用されるかどうかは「経営判断だ」と認めざるをえませんでした。
>法案の「均衡処遇確保措置」には、なんの実効性もありません。派遣元企業は「均衡処遇」を考慮した内容を労働者に説明さえすればよく、派遣先は、同種の業務に従事する派遣先労働者の賃金情報提供などについて「配慮」さえすれば実現しなくてもよいものだからです。
>日本経済新聞社などの調査では派遣労働者の68%が、「派遣社員の根本的な地位向上にならない」「派遣社員が固定化する」という理由で反対しています。「正社員になりたい」「労働条件改善と安定雇用を」と望む労働者の切実な声を踏みにじる法案は、断固として廃案にすべきです。
>「みなし雇用」では、期間制限違反の労働者が正社員になる道が開かれます。だからこそ、自民党も公明党も、3年前に賛成したのでしょう。それを今になってやめてしまうのは背信行為ではありませんか。この法案が派遣労働者保護法ではなく、派遣企業保護法であることを露骨に示すものではありませんか。
>付則9条「経過措置」の解釈をねじまげ、法案施行前に派遣契約を結んだ労働者に、専門業務偽装などの期間制限違反があっても「みなし雇用」を適用しないことも重大です。
>3年前に成立した法令を前提として契約した派遣労働者には「みなし雇用」の権利が発生しています。それを新法施行で奪うという過去に例を見ない悪らつ非道なやり方だと言わねばなりません。
>与党が強行した9月30日への施行日修正では円滑な施行などできません。41項目以上の省令・指針を労働政策審議会で検討しなければならず、周知期間はわずかしかなく、大混乱を招くことは必至です。立法府として無責任であり、重大な禍根を残すものです。
これが実態である。
横暴かつ無理矢理で拙速な法案成立は、経営側にとって都合の悪い「みなし雇用制度」を回避するためでもある。
施行まで20日間というのも無茶な話で、周知不足による現場の混乱は必至である。問題が更に問題を呼びかねない。杜撰な運営による矛盾が噴出するだろう。
また、上述、NHKの記事内で、
>榊原会長「経済界としては歓迎」
>改正労働者派遣法が成立したことについて経団連の榊原会長は記者団に対し、「経済界としては歓迎したい。経済界にとっても、派遣会社の業界にとっても、そして派遣労働者にとってもプラスの多い内容だと受け止めている。いろいろ心配も出ているが、改正法には派遣労働者に直接雇用の道が開けるような策も盛り込まれており、経済界も可能な範囲でそうした対応をしていきたい」と述べました。
としているが、労働者派遣法の改悪は、まさに経済界の要請によるものである。
この辺のところ、日本共産党が関わる内部文書を暴露している。
大企業に便宜 秘密通達 派遣業界天下り(日本共産党 9月10日)
(動画内、関連質疑は前半、丁度半分あたりまで。)
⇒「大企業に便宜 秘密通達 愛知労働局長 派遣業界天下り」(しんぶん赤旗 9月11日)
>厚生労働省愛知労働局で、労働基準監督官がトヨタ自動車など大企業に監督指導に入る場合、労働局の承認なしに認めない“マル秘”通達を出していたことが分かりました。日本共産党の小池晃議員が10日の参院厚生労働委員会で内部資料を明らかにしました。
>同通達を出した時の局長が派遣業界団体に天下りし、派遣法改悪を推進していたことも判明。小池氏は、厚労省と大企業、派遣業界の醜い癒着は許されないと追及しました。
>小池氏は、同局の監督件数は、通達前の7千件台から通達後の14年度は5395件と2割も減っており、「大企業の監督に手心を加えると見られても仕方ない。こんな通達はやめさせるべきだ」と追及。塩崎恭久厚労相は「大企業だからと指導を控えることはあってはならない。(通達は)やめるようにしたい」と言明しました。
>この通達を出した時の新宅友穂局長は退職後、製造業派遣会社でつくる日本生産技能労務協会の専務理事に就任。同協会は労働政策審議会部会に代表を送って派遣法改悪を主張し、要求に沿った改悪案が提出されました。
>小池氏は「在職中は大企業に便宜を図るような通達を出す。退職したら業界団体に天下りし、法案を提案させる。まるで“越後屋”(商人と癒着した代官)だ。許されない。(元局長を)やめさせるべきだ」と批判し、衆院に回付された派遣法改悪案は廃案にすべきだと求めました。
この事例は、たまたま愛知県労働局に限った問題だったかもしれないが、これは氷山の一角と見る向きもある。実際にこのようなことが行なわれていた事実は決して看過できず、法の改正により、こうしたことがよりあからさまに行なわれる可能性もある。
⇒「改悪派遣法の成立強行 衆院本会議 自公などが歴史的暴挙 「常用代替防止」覆す」(しんぶん赤旗 9月12日)
>派遣労働の期間制限をなくし、「正社員ゼロ」社会に道を開く労働者派遣法改悪案の採決が11日の衆院本会議で強行され、自民党、公明党などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党、民主党、維新の党、社民党、生活の党は反対。国会周辺には多くの労働者が駆けつけ、歴史的暴挙に抗議し「悪法は実施させない」と訴えました。
>日本共産党の高橋千鶴子議員は反対討論で、「『臨時的・一時的』『常用代替の防止』としてきた派遣労働の大原則を根底から覆す重大な改悪だ」と批判しました。
>法案の狙いは、派遣労働者に直接雇用への道を開く「労働契約申し込みみなし制度」(10月1日施行)を発動させないことにあると高橋氏は指摘。「派遣切り」防止から生まれた「みなし制度」について、「施行のたった1日前に本法案が施行され、手にするはずの直接雇用の権利を『なかったこと』にされる。こんなことが許されるのか」と糾弾しました。
つまり、従来、労働者派遣法の大原則というのは、あくまでも『臨時的・一時的』に限ること、『常用代替の防止』という制約を恒常的に雇用主に課すものであった。
それが今回の改悪によりその大原則を投げ捨て、労働者の権利保護や保証ではなく、むしろ派遣元、派遣受け入れ企業を優遇し守る法律に転換したことに最大の問題があると言える。この法律により、企業側が労働者を低賃金で使い捨てにするということが公然とまかり通ることになる。
そうした既成事実の積み上げが、じわじわと一歩いっぽ「正社員ゼロ社会」へと近付いて行くことになるのだ。
今は2.3%かもしれないが、それが4%、5%と増えていくことが大いに懸念される。なお生活がままならない、結婚も出来ない、子供も作れない世帯が増加することにもなる。
こうして安倍政府はことごとく経済界の言いなりの政治を行い、国民を蔑ろにするばかりである。絶対に、許しがたい。
※記事内でリンクしたサイト、貼り付けた動画は時間経過と共に削除、更新される場合があります。ご了承ください。
派遣受け入れ期間の上限撤廃 “改正派遣法”成立(ANN 15/09/11)
派遣労働者の割合は、全雇用労働者の2.3%である。
その2.3%の労働者の「働き方」を定めた「労働者派遣法」の“改悪法案”が昨日可決成立となった。
“たった”2.3%の労働者に関わる法律が、それほど問題なのか。
一瞬そう思わなくもない。
だが、その「2.3%」は、人数にして119万人にも及ぶ。
厚生労働省の発表による、2015年4月~6月期の会社役員を除く雇用労働者数は5,267万人。
内、パート、アルバイト、契約社員、嘱託など、非正規雇用の労働者の数は1,953万人。その内の119万人が派遣社員だ。
“されど”119万人である。九州大分県の人口(47都道府県中33位)に匹敵する。
⇒「改正労働者派遣法成立 衆院本会議で成立」(NHK 9月11日)
>今の国会の焦点の1つである改正労働者派遣法は、11日の衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決され、成立しました。改正法は、今月30日に施行されます。
>改正労働者派遣法は、一部の業務を除き、現在は最長で3年までとなっている派遣期間の制限を撤廃する一方で、1人の派遣労働者が、同じ部署で働ける期間を3年に制限するなどとしたものです。
>また、労働者の雇用の安定を図るため、派遣会社に対し、派遣期間が上限の3年に達した労働者について直接雇用するよう、派遣先に依頼することや、新たな派遣先を提供することなどを義務づけています。
>現行では、「通訳」や「ソフトウエア開発」、「財務処理」といった専門性が高いとされる26の業務では、派遣労働者が、同じ部署で働くことができる期間に制限はなく、これ以外の業務は、派遣期間は原則1年、最長でも3年までとなっています。
>今回の改正では、この「専門26業務」を廃止し、派遣期間の制限を撤廃する一方、1人の派遣労働者が同じ部署で働ける期間を3年に制限します。
>改正労働者派遣法は、これまで、2回、廃案になっています。
>法改正とあわせて、参議院では、民主党などの主張を踏まえ、派遣は臨時的、一時的なものという基本原則のもと労働者の正社員化に向けた取り組みを講じることや、悪質な派遣会社は許可の取り消しを含め処分を徹底すること、さらに派遣会社が得る料金と労働者の賃金の差額の割合に関する規制の在り方を検討することなど39項目に上る付帯決議が可決されました。
◆問題点◆
●正社員より賃金が低く、雇い止めしやすい「派遣」の働き方を助長する恐れがある。
●3年ごとに派遣労働者を入れ替えれば、何年でも同じ業務を任せることが可能で、派遣労働の固定化につながる。
●派遣労働が固定化して正社員のポストが減り、低賃金の非正規雇用が増える。
●現行法の「専門26業務」を廃止することで3年で職場を変わらなければならなくなり、雇用がさらに不安定になるおそれがある。
●派遣会社に、勤務が3年を迎えた人の受け入れ企業への直接雇用の依頼や、別の派遣先の紹介など雇用安定策を義務付けるが、その実効性が疑問視される。
ついては、日本共産党の小池晃参院議員が、成立間際にも問題提起をして追及質問を行なっている。
うそで塗り固めた法案 派遣法改悪(日本共産党 9月8日)
⇒「派遣法改悪案 採決を強行 「企業べったり」小池氏が反対討論」(しんぶん赤旗 9月9日)
>「法案は、いつでも、どこでも、いつまでも派遣労働者を使い続けることを可能にする」と指摘。「みなし雇用制度」の施行直前に改悪案を成立させて、派遣労働者が直接雇用される権利を奪うことはゆるされないと批判しました。
労働者切捨て企業ベッタリ「こんな悪法見たことない」(日本共産党 9月9日)
⇒「労働者派遣法改悪案に対する小池副委員長の反対討論」(しんぶん赤旗 9月10日)
>派遣元で無期の雇用契約を結んだ派遣労働者を、期間制限の対象から外し、有期契約の派遣労働者についても過半数労働組合等からの意見聴取さえすれば、際限なく延長できる仕組みとなっています。個人単位でみても、有期雇用の派遣労働者は課を変えれば使い続けられるため、いつでも、どこでも、いつまでも、派遣先企業が派遣労働者を使い続けることを可能にします。
>政府は雇用安定措置が「正社員への道を開く」と言いますが、派遣元から派遣先に「お願い」するだけで、直接雇用される保証などありません。塩崎恭久厚生労働大臣も、雇用されるかどうかは「経営判断だ」と認めざるをえませんでした。
>法案の「均衡処遇確保措置」には、なんの実効性もありません。派遣元企業は「均衡処遇」を考慮した内容を労働者に説明さえすればよく、派遣先は、同種の業務に従事する派遣先労働者の賃金情報提供などについて「配慮」さえすれば実現しなくてもよいものだからです。
>日本経済新聞社などの調査では派遣労働者の68%が、「派遣社員の根本的な地位向上にならない」「派遣社員が固定化する」という理由で反対しています。「正社員になりたい」「労働条件改善と安定雇用を」と望む労働者の切実な声を踏みにじる法案は、断固として廃案にすべきです。
>「みなし雇用」では、期間制限違反の労働者が正社員になる道が開かれます。だからこそ、自民党も公明党も、3年前に賛成したのでしょう。それを今になってやめてしまうのは背信行為ではありませんか。この法案が派遣労働者保護法ではなく、派遣企業保護法であることを露骨に示すものではありませんか。
>付則9条「経過措置」の解釈をねじまげ、法案施行前に派遣契約を結んだ労働者に、専門業務偽装などの期間制限違反があっても「みなし雇用」を適用しないことも重大です。
>3年前に成立した法令を前提として契約した派遣労働者には「みなし雇用」の権利が発生しています。それを新法施行で奪うという過去に例を見ない悪らつ非道なやり方だと言わねばなりません。
>与党が強行した9月30日への施行日修正では円滑な施行などできません。41項目以上の省令・指針を労働政策審議会で検討しなければならず、周知期間はわずかしかなく、大混乱を招くことは必至です。立法府として無責任であり、重大な禍根を残すものです。
これが実態である。
横暴かつ無理矢理で拙速な法案成立は、経営側にとって都合の悪い「みなし雇用制度」を回避するためでもある。
施行まで20日間というのも無茶な話で、周知不足による現場の混乱は必至である。問題が更に問題を呼びかねない。杜撰な運営による矛盾が噴出するだろう。
労働契約申し込みみなし制度(みなし雇用制度)
『みなし制度』、派遣受け入れ事業者(以下、「派遣先」とします)が「違法派遣」と知りながら派遣社員を受けて入れている場合、違法状態が発生した時点から派遣先が派遣社員に対して直接雇用を申し込んだものとみなし、派遣社員が申込を承諾した場合、派遣先はその承諾を断ることができず、派遣元と派遣社員が契約している雇用条件と同一条件で雇用を行わなければならないという制度です。
ついての詳細 ⇒「グローバル・テクノロジー・デザイン株式会社」
また、上述、NHKの記事内で、
>榊原会長「経済界としては歓迎」
>改正労働者派遣法が成立したことについて経団連の榊原会長は記者団に対し、「経済界としては歓迎したい。経済界にとっても、派遣会社の業界にとっても、そして派遣労働者にとってもプラスの多い内容だと受け止めている。いろいろ心配も出ているが、改正法には派遣労働者に直接雇用の道が開けるような策も盛り込まれており、経済界も可能な範囲でそうした対応をしていきたい」と述べました。
としているが、労働者派遣法の改悪は、まさに経済界の要請によるものである。
この辺のところ、日本共産党が関わる内部文書を暴露している。
大企業に便宜 秘密通達 派遣業界天下り(日本共産党 9月10日)
(動画内、関連質疑は前半、丁度半分あたりまで。)
⇒「大企業に便宜 秘密通達 愛知労働局長 派遣業界天下り」(しんぶん赤旗 9月11日)
>厚生労働省愛知労働局で、労働基準監督官がトヨタ自動車など大企業に監督指導に入る場合、労働局の承認なしに認めない“マル秘”通達を出していたことが分かりました。日本共産党の小池晃議員が10日の参院厚生労働委員会で内部資料を明らかにしました。
>同通達を出した時の局長が派遣業界団体に天下りし、派遣法改悪を推進していたことも判明。小池氏は、厚労省と大企業、派遣業界の醜い癒着は許されないと追及しました。
>小池氏は、同局の監督件数は、通達前の7千件台から通達後の14年度は5395件と2割も減っており、「大企業の監督に手心を加えると見られても仕方ない。こんな通達はやめさせるべきだ」と追及。塩崎恭久厚労相は「大企業だからと指導を控えることはあってはならない。(通達は)やめるようにしたい」と言明しました。
>この通達を出した時の新宅友穂局長は退職後、製造業派遣会社でつくる日本生産技能労務協会の専務理事に就任。同協会は労働政策審議会部会に代表を送って派遣法改悪を主張し、要求に沿った改悪案が提出されました。
>小池氏は「在職中は大企業に便宜を図るような通達を出す。退職したら業界団体に天下りし、法案を提案させる。まるで“越後屋”(商人と癒着した代官)だ。許されない。(元局長を)やめさせるべきだ」と批判し、衆院に回付された派遣法改悪案は廃案にすべきだと求めました。
この事例は、たまたま愛知県労働局に限った問題だったかもしれないが、これは氷山の一角と見る向きもある。実際にこのようなことが行なわれていた事実は決して看過できず、法の改正により、こうしたことがよりあからさまに行なわれる可能性もある。
⇒「改悪派遣法の成立強行 衆院本会議 自公などが歴史的暴挙 「常用代替防止」覆す」(しんぶん赤旗 9月12日)
>派遣労働の期間制限をなくし、「正社員ゼロ」社会に道を開く労働者派遣法改悪案の採決が11日の衆院本会議で強行され、自民党、公明党などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党、民主党、維新の党、社民党、生活の党は反対。国会周辺には多くの労働者が駆けつけ、歴史的暴挙に抗議し「悪法は実施させない」と訴えました。
>日本共産党の高橋千鶴子議員は反対討論で、「『臨時的・一時的』『常用代替の防止』としてきた派遣労働の大原則を根底から覆す重大な改悪だ」と批判しました。
>法案の狙いは、派遣労働者に直接雇用への道を開く「労働契約申し込みみなし制度」(10月1日施行)を発動させないことにあると高橋氏は指摘。「派遣切り」防止から生まれた「みなし制度」について、「施行のたった1日前に本法案が施行され、手にするはずの直接雇用の権利を『なかったこと』にされる。こんなことが許されるのか」と糾弾しました。
つまり、従来、労働者派遣法の大原則というのは、あくまでも『臨時的・一時的』に限ること、『常用代替の防止』という制約を恒常的に雇用主に課すものであった。
それが今回の改悪によりその大原則を投げ捨て、労働者の権利保護や保証ではなく、むしろ派遣元、派遣受け入れ企業を優遇し守る法律に転換したことに最大の問題があると言える。この法律により、企業側が労働者を低賃金で使い捨てにするということが公然とまかり通ることになる。
そうした既成事実の積み上げが、じわじわと一歩いっぽ「正社員ゼロ社会」へと近付いて行くことになるのだ。
今は2.3%かもしれないが、それが4%、5%と増えていくことが大いに懸念される。なお生活がままならない、結婚も出来ない、子供も作れない世帯が増加することにもなる。
こうして安倍政府はことごとく経済界の言いなりの政治を行い、国民を蔑ろにするばかりである。絶対に、許しがたい。
※記事内でリンクしたサイト、貼り付けた動画は時間経過と共に削除、更新される場合があります。ご了承ください。