王様の耳はロバの耳

たったひとりの叫びでも、そのうち風にのって広がれば・・・

いつまで続くお山の大将

2015-09-08 22:18:24 | 政治
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党内独裁、安倍一強をまざまざと見せつけられたかたちだ。

野田氏が良いとか悪いとか、野田氏だからどうだという訳ではない。誰が総裁だろうが大同小異、所詮自民党は自民党である。
だがこの度の自民党総裁選、結局のところ安倍の当選が確実だったにせよ、対抗馬が出て「無投票当選」にしないことにまずは意味があった。

野田氏の擁立に動いたのは岸田派(宏池会)の古賀誠名誉会長であり、それに共闘するかたちで石原派(近未来政治研究会)の山崎拓前会長が加わった。
山崎拓氏は記者会見で安保法案反対の立場を明確にしている。その会見に古賀誠氏は同席しなかったが、TBS系のテレビ番組「時事放談」で野中広務自民党元官房長官とともに安倍政権を厳しく批判している。

これは前日の記事。
「【自民党総裁選】「脱無投票」にうごめく重鎮2人、古賀氏と山崎氏 「総裁選の名を借りた安保法案つぶしか」との見方も」(Zakzak 夕刊フジ 9月7日)

>これまで古賀氏は、首相の無投票再選を避けるよう主張し、年明け以降、岸田派会長の岸田文雄外相らに出馬を促してきた。ただ、岸田氏は不出馬を決め、今や出馬を模索するのは古賀氏と師弟関係にある野田氏のみ。岸田派幹部は「古賀氏は9月に入っても親しい議員に野田氏支援を求めている」と打ち明ける。

>山崎氏も首相の対抗馬擁立を目指す一人だ。当初、石原派会長の石原伸晃元幹事長の擁立に動いたが、「派内の議員が軒並み協力を拒否した」(石原派中堅)。今は古賀氏の動きを側面支援しているという。

>古賀、山崎両氏に共通するのは安全保障関連法案の廃案を求めていることだ。総裁選が「8日告示-20日開票」で実施されれば、この間は国会審議が停滞する可能性が高い。古賀氏は周囲に「総裁選で党の多様性を示さなければ党勢は衰退する」と力説しているが、首相周辺は「総裁選の名を借りた安保法案つぶしでないか」と見ている。

>両氏とも党幹事長を務めた実力者だが、今の党内は「笛吹けど踊らぬ」のが実情だ。岸田派議員は「岸田氏が出馬するならともかく、野田氏では協力できない」と言及。古賀氏らの影響力にも陰りが出ている。



ある程度揺さぶりをかけたことの効果はあったのかもしれないが、安倍陣営の結束は固い。


「野田氏出馬画策のなぜ? 総裁選、絶大な宣伝効果」(産経新聞 9月8日)

>安倍晋三首相(自民党総裁)の無投票再選が確実となった党総裁選は、告示前日になっても水面下の駆け引きが続いた。野田聖子前総務会長は7日深夜まで、20人の推薦人集めに奔走。一方、安倍晋三首相を支持する派閥領袖(りょうしゅう)らは、身内の「造反」を防ごうと引き締めに躍起となった。

>「わがグループは結束して首相を支えていく」
>岸田派(宏池会)会長の岸田文雄外相は7日、都内で緊急総会を開き、派閥所属議員に野田氏の推薦人にならないよう厳命した。しかし総会に集まったのは、所属議員の半分にも満たない20人弱。このころ、派閥の名誉会長も務める古賀誠元幹事長の元秘書ら複数の議員が、野田氏の推薦人になることを了承したという一報も駆け巡った。

>このため岸田氏は、この日は夜も都内の日本料理店に急遽(きゅうきょ)、派閥のメンバーを招集。古賀氏に近い2人を除く若手議員全員が出席した会合は3時間以上に及び、岸田氏が「ここは一致結束していこう」と重ねて引き締め、深夜まで造反阻止に追われた。関係者によると、野田氏は6日の段階で、推薦人となる尾辻秀久元参院副議長に電話で「現在(推薦人を)18人集めた」と伝えた。尾辻氏はこの情報を九州地方の議員に伝え、野田氏の推薦人になるよう求めたという。

>推薦人を了承した議員は「安全保障関連法案は成立させなければならないが、官邸側のやり方が稚拙だ」と指摘。野田氏は党内の一部に渦巻く「首相への不満」のはけ口として、一定の役割を果たした格好だ。

>ただ実際に野田氏が出馬して総裁選となれば、首相交代の可能性を理由に、野党が安全保障関連法案の審議拒否に転じる可能性が高い。首相サイドは「出馬は無理だと見込んでいたが、見通しが甘かった」(側近)として、今月以降、推薦人に浮上した人物と個別に接触。うち数人は野田氏への支援をやめさせた。

>自ら党三役に抜擢(ばってき)した野田氏の謀反だけに首相は、側近にこう漏らしていたという。「野田氏と一緒に選挙カーには乗りたくない…」



周囲は結局結局のところ旗色を窺い、顔色を窺い、長いものには巻かれろとばかりに、多勢に無勢には敵わぬと、我が身可愛さで安倍側に付き、徒党を組んで野田潰しに奔走したという次第だ。


「安倍首相「結果出し責任果たす」総裁選再選」(日本テレビ NNN 9月8日)

>自民党総裁選挙が8日告示され、安倍首相が無投票で再選された。野田前総務会長は立候補に必要な推薦人20人を確保することができず、出馬を断念した。

>立候補の届け出に先立って、8日朝、都内のホテルで行われた安倍陣営の出陣式には、党所属の国会議員402人のうち、代理を含め約300人が出席するなど、党内の幅広い支持を印象づけた形。

>野田氏の出馬をめぐっては、議員OBの古賀元幹事長が、岸田派の若手議員を説得し、一時、野田氏の推薦人を積み増していた。しかし、現在の派閥会長である岸田外相や、安倍陣営の幹部が推薦人に回る動きを見せている議員の支持団体などにも働きかけるなど、徹底した切り崩し工作を行った。

>こうした動きの理由について、自民党幹部の一人は「20人に届かなくても、いいところまで集まったとなれば、今後も党内の不満の受け皿になってしまう」と解説する。

>安倍首相は今後、まずは安全保障関連法案の成立に全力を挙げることになる。政府・与党は来週前半の採決を目指していて、与野党の攻防は山場を迎える。



我が物顔のガキ大将、意気揚々の安倍である。相変わらずテレビの画面を通して見る安倍の顔色は良いとは言えないようだが、どこかで妙に自信があるのか、これ以前、先日は国会審議の最中であるのにもかかわらず、大阪に出向いてテレビ番組に出演していた。


「【安保法案】安倍首相、国会審議中の「ミヤネ屋」出演が波紋」(The Huffington Post 9月7日)

>安倍晋三首相が9月4日、大阪を訪れ、バラエティー番組2本に出演した。いずれも安全保障関連法案についての解説が主な内容だったが、参院の特別委員会で法案審議がある日に、大阪まで出向いてテレビ番組に出演したことで、波紋が広がっている。

>首相はこの日午後、閣議を終えたあと、大阪市中央区で読売テレビの情報番組「そこまで言って委員会NP」の収録(6日放送)と、「情報ライブ ミヤネ屋」の生放送に出演、安保法案や政局について、学者やタレント、ジャーナリストらの質問に答えた。

>この日は参院の安保法案に関する特別委員会が開催されていた。自民党側は、安倍首相の出席要求は出ていなかったと説明しているが、日本経済新聞によると、4日の理事懇談会で鴻池祥肇委員長(自民)は「一国の首相としてどういったものか」と不快感を示した。

>野党は攻勢を強める構えだ。特別委員会の福山哲郎理事(民主)は4日の記者会見で「中谷大臣の答弁が二転三転している中、安倍総理には安保特委員会に出て説明するよう再三再四要求をしているが、委員会質疑に出てこない。そのような中、わざわざ大阪まで出向いてテレビの生中継に出演し、他の番組の収録も行っていた」と批判した。



「首相のテレビ出演、参院委員長が不快感 安保法案の審議中」(日本経済新聞 9月4日)

>理事懇談会では民主党の北沢俊美氏が「そんなに暇なら、毎日でも特別委に出てきて一生懸命に答弁すべきだ。真剣度が足りない」と抗議。自民党は「政府に説明を求めている」と応じた。

>民主党幹部は「首相は国会を軽視している。明確な説明と謝罪がなければ、今後の審議にも影響する」と批判した。



鴻池委員長に訝しがられるほどだが、そう目くじらを立てるほどではないにせよ、ある意味で安倍のちゃらんぽらんさは否めない。

ちゃらんぽらんと言えば、今回の自民党総裁選で野田氏側を徹底的に切り崩したことからも解るように、「輝く女性の・・・」なんたらかんたら言いながら、結局は口先だけ。女性軽視の「男尊女卑」志向がここでも露呈した形だ。

「野田氏と一緒に選挙カーには乗りたくない…」もその現れであるし、振り返れば、社民党の福島みずほ議員の「戦争法案」という言葉に噛みついたのをはじめ、民主党の辻元議員に、次いで同、蓮舫議員にヤジを飛ばしたのも記憶に新しい。相手は全員女性である。こればかりは本当にどうかと思う。一国の首相にあるまじき最低な輩だ。
まぁ特に女性の支持率が低いのも頷ける。

例えば、世の中の流行がそうであるように、女性に支持されないものはやがて廃れるのである。一方でかみさんのスキャンダル記事が出るのも当然か。

さておき、そんなことは馬耳東風、総裁の座はこれで当面は安泰。「戦争法案」の採決にしろ、詰まるところ国会内の「数の力」は揺るぎないとして国民が何と言おうとも安倍はひたすら強引にこれを推し進める意向だ。


「安保法案 与党側15日の中央公聴会提案 民主応じず」(NHK 9月8日)

>安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会の理事会で、与党側が来週15日に中央公聴会を行いたいと提案したのに対し、民主党は応じられないとして、引き続き協議することになりました。

>この中で、与党側は、安全保障関連法案の採決に向けた環境を整えたいとして、来週14日に安倍総理大臣に出席を求めて集中審議を行ったうえで、翌15日に中央公聴会を行いたいと提案しました。
>これに対し、民主党は「2回目の参考人質疑や地方公聴会を行わないまま中央公聴会を行うことには、到底、応じられない」と反発し、引き続き協議することになりました。
>これに先立って開かれた理事懇談会では、先に共産党が示した自衛隊の統合幕僚長とアメリカ軍幹部との会談内容を記したとする文書について、防衛省が「省内で調査した結果、同一の文書は確認できなかった」と回答しました。しかし、野党側は納得せず、今後の審議で引き続き追及する考えを示しました。
>一方、先週、安倍総理大臣が民放のテレビ番組に出演するため大阪を訪れたことについて、世耕官房副長官が「安倍総理大臣が出席を求められている国会日程がないことを確認したうえで出演を決めた」と述べ、理解を求めましたが、民主党は「誠意が感じられない」などと重ねて批判しました。



「戦争法案」の攻防は山場である。
野党議員には国民の声を一身に受けて何が何でも一致団結して法案の廃案、成立阻止に向けて頑張ってほしい。同時に、国民運動もなお一層の高まりを見せることだろう。
何としても成立阻止。「戦争法案」は絶対に廃案あるのみ。そしてちゃらんぽらんなガキ大将とその一味を退陣に追い込むまでである。


《関連・参考記事》
「暴走止まらぬ安倍晋三と仲間たち」8/22
「安倍の自信と執念・その異常性」7/26
「政府論理の崩壊」6/12
「安保法制「国民の合意必要」 古賀氏がけん制」5/31


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