王様の耳はロバの耳

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思わぬ向かい風

2015-06-05 18:10:55 | 社会
日本年金機構の個人情報流出問題が世間を騒がせている。

そもそも「日本年金機構※」は官僚の筆頭天下り先のひとつで、「天下り」という言葉に良い響きはない。親方日の丸で緊張感もなく、日々のうのうと仕事をしていたに違いない。

年金問題に絡んでは、2007年の「消えた年金記録問題」がある。
奇しくも第1次安倍政権時代であり、政権崩壊の引き金となった。

年金記録問題
第1次安倍内閣当時の2007年2月以降、国会の社会保険庁改革関連法案の審議中に社会保険庁のオンライン化したデータ(コンピュータ入力した年金記録)にミスや不備が多いこと等が明らかになり、国会やマスコミにおいて社会保険庁の年金記録のずさんな管理が指摘され、国民から批判されたことである。第21回参議院議員通常選挙で与野党の逆転を招いた原因の一つと言われている。第45回衆議院議員総選挙で政権交代した後、鳩山由紀夫首相は、問題解決への国民の期待が政権交代の原動力になったと述べている。2007年秋頃から厚生年金基金においても類似の記録問題が明らかとなった。(Wikipediaより)


流出問題を受け、「安保法案」審議の進行が鈍化すると同時に、「労働者派遣法改正案」や「労働基準法改正案」の審議、衆議院通過もずれ込むとみられている。

「年金情報流出、派遣法改正案など国会審議に暗雲」(読売 6月3日)
「「年金」「安保」で民・維接近=審議停滞、与党に焦り」(時事ドットコム 6月3日)


更に、ここに来て、昨日行われた衆議院憲法審査会の参考人質疑で、与党が推薦した学識経験者までもが「安保法案は憲法違反に当たる」という認識を示した。
「な、何を言うのか!?」と寝耳に水の自民党。
図らずも墓穴を掘り、ある意味で飼い犬に手を噛まれてしまった格好であるが、挙句に、「野党にうまく利用されてしまった」だと?
苦し紛れだろうが、ここに野党は関係がない。根拠もなく「アイツの所為だ!」と言っているようなもの。

斯くして「安保法案」については御用学者も弁護のしようがないほど、もとから法案は破綻していたということになるのだろう。やはり道理の上に無理は通らない。今更にして当たり前と言えば当たり前なことである。

「衆院審査会:想定外の「違憲」 与党「野党に利用された」」(毎日 6月4日)
「「憲法違反」政府与党は影響抑制 民主など攻勢」(NHK 6月5日)

安倍政府にしてみれば「年金情報流出問題」と併せてとんだ向かい風であり、一方、民主党あたりは「神風だ、追い風だ」と喜ぶのかもしれないが、だが油断はできない。卑劣な手段で強行するのが安倍晋三である。


「新安保法制は違憲」見解受け、野党追及「法案撤回すべき」(TBSニュース)



※日本年金機構(にっぽんねんきんきこう、英語: Japan Pension Service)は、日本国政府(厚生労働大臣)から委任・委託を受け、公的年金(厚生年金及び国民年金)に係る一連の運営業務を担う、非公務員型の特殊法人である。