星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

精華演劇祭は19日まで

2006-03-09 | 演劇・ダンス・映画・音楽・古典・TV

もうすぐ終わってしまう「 精華演劇祭 Vol.3 」のことを、今頃だけど・・・。
精華小劇場のことは知っていたのに、行ったのは初めて。もともと小学校だっ
た建物を劇場として使えるようにしたそうだけど、先日夜に行ってみたらライ
トアップのせいか、外観は演芸場みたいな趣きがあってチョットいい雰囲気。


演劇祭自体は今月の19日まであるようですが、私が行ったのは2月。
大野慶人+河村悟+由良部正美「身体の裏側2」というダンス・舞踏の舞台で
した。
当日のプログラムによれば「本日上演されるパフォーマンスは、4日間のワーク
ショップを通過し、生まれたものです。」
とあり、「社会的に条件付けられ、
名前のあるからだではなく、無名で、人間そのもののからだの景色」
とのこと。
ワークショップ参加者とプロのダンサーが出演した実験的な公演だったため、
ダンス関係者でもない私にはちょっと場違いだったかもと思いつつ、シロウト
の立場でそれなりに楽しむことにしました。
プロの踊り手の中では「白い顔」に出演した由良部さんのコミカルなテイスト
のダンスに引きつけられました。やっぱり私は白塗りにヨワイのかもしれない。
大野さんの舞踏は土方巽舞踏譜からの「時の風」でしたが、なにぶん時間が短
かったのが残念!

ダンスの身体表現については一切知識のない私だけど、ワークショップ参加者
によるダンスの中で1つだけ印象に残ったシーンについて。
「春」というテーマにそって踊る数十人のダンサーたちは全身黒づくめの衣装。
おそらく鳥をイメージしたらしい場面で、ほとんどの人が両手で鳥の羽ばたき
を形にしていたのに対し、一人だけ羽を閉じ、体を二つ折りに曲げてうつむい
たまま静かに足を運ぶ姿を見つけ、私はじっと見入ってしまいました。
それはときどき行く京都の鴨川で見る水鳥の動きにそっくりだったから。
川の浅瀬に立ち、餌を探してひたすら下を向いて歩き、ときおり頭を上げて餌
を食べたり休んだりしている水鳥の姿。
鳥を観察するだけなら普通の人にできても、その動きを自分の体に取り込んで、
さらに人が見て何かを感じてもらうためには、それなりの訓練を経なければで
きないんだろうな。さらに<表現>の域にまで到達するには、それなりの体の
プロセスが何段階も必要なんだろうな、と。名もないダンサーのパフォーマン
スを見ながらそんなことを感じた時間でした。

精華演劇祭の期間中、劇団八時半の「完璧な冬の日」が他の観劇と重なって
見られなかったことが心残り。

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