星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

清涼寺・大覚寺と嵯峨野界隈

2009-10-17 | 散策・旅

先週は3連休じゃなかったので、これは今月初めの散策。
ちょうど1日から大覚寺で名宝展が始まっていて、ふだん非公開の五大明王像
や十一面観音菩薩像が見られるというので行ってきました。

ん? その前にちょっと清涼寺境内へ!



いや~しかし。
その日はまだ嵐山・嵯峨野は暑かった~。
清涼寺境内の大文字屋さんで、思わずちべた~い「抹茶ぜんざい」を注文!
通り抜けも含め、ここの境内はホントによく来させていただいてます。
夕霧太夫ゆかりのお寺のせいか、ほっと落ち着ける場所でもあります。
1か月ほど前まで奈良国立博物館に出されていた三国伝来の釈迦如来像も帰っ
てきて、寺宝を見るのにいまはジャストのタイミング。
ご本尊である釈迦如来像はもちろん、現役・前任の御前立ち様もそれぞれ
に違う表情と味わいがあって私は好きです。
(御前立ちというのは、ご本尊が見られない時に代わりに厨子の前で姿を
見せてくださる仏像のこと。)
それから、霊宝館にある阿弥陀三尊像のうちの一体は、光源氏のモデルと
なった源融(みなもとのとおる)の顔の写しだそうで、そのお顔を見た時、
思わず“パーフェクト”とつぶやいてしまった私です。
(ちなみにドキドキするほどパーフェクトなのは東寺講堂の帝釈天像です。)


では、大覚寺へ。
その日は大沢池周辺で「観月の夕べ」が開かれていましたが、去年体験した
ばかりなので今回はパス。建物内から遠望してみました。



ここは門跡寺院。つまり皇室に関係のあるお寺。
平安時代に嵯峨天皇の離宮が建立され、その後、嵯峨天皇の皇女正子内親王
が初代住職に就かれたお寺だそう。(いけばな嵯峨御流の総司所でもある。)
御所で使われていたお部屋がそのまま移築されていたりするのも、その理由
からなんですね~。江戸時代に後水尾天皇から下賜された宸殿がそうです。
ここには狩野山楽筆の「牡丹図」や「紅白梅図」もあります。正寝殿の
「松鷹図」「山水図」も同じく山楽筆によるもの。
それに式台玄関では狩野永徳作といわれる『松に山鳥図』も見られます。
・・・・・・
聞くところによると、これらは精密に再現された模写なんだそうです。
それでも実際に障壁画に囲まれた雰囲気を味わうことができて、これはこれ
でうれしいもんです。
(しかし、なんかデジャヴと思ったら、やっぱり見学は2度目でしたわ。)



さて、お宝、お宝と♪
特別公開のお部屋には大小の五大明王の姿と、十一面観音像がありました!
まずは大きいほうから。
不動明王、降三世(ごうざんぜ)明王、軍荼利(ぐんだり)明王、大威徳明
王、金剛夜叉明王の5つの明王をいっぺんに見るのは壮観で迫力あります。
それぞれ威厳とパワーをたたえたお顔をしています。
なかでも不動明王さんの険しいお顔、やっぱり好きだなあ。
これらは室町時代と鎌倉時代に作られたもの。
鎌倉時代の大威徳明王と軍荼利明王が重要文化財に指定されています。
へえ~、鎌倉時代のものと室町時代のもでは後背が違うんですねー。

厨子に入った小さい方の五大明王はなにやら旧清涼寺と関係のあるものだそ
う。ちっちゃいながらも明王だけに味わいあります。
こちらは平安時代のもので五体とも重要文化財となっています。
ちょっと離れて、腰を左にくいっと曲げている十一面観音像も・・・うふ♪
絵画では「野兎図」の本物が見られるので、正寝殿にある障壁画の模写と
比較できて面白いです。


その後、時間があったので嵯峨野界隈をブラブラ。
ある庵の中庭で腰掛けて休憩していると、地面でペチッ!!という音が。



そう! ここは修復を終えたばかりの落柿舎。
ほんまにここは真上から柿が落ちてくるんですねぇ~♪(驚)
嵐山の喧噪とは打って変わって、嵯峨野はいつ来てものんびりしててエエと
こです。



仏像もたしかに好きだけど、こうしてアフター・仏像ウォッチも楽しめる街
がやっぱり私は好き♪
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