星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

大阪松竹座 十月花形歌舞伎「夏祭浪花鑑」(2)

2013-11-03 | 観劇メモ(伝統芸能系)
1週間がたってしまった。日に日に記憶が薄れてゆく。
順序、台詞等がかなりあやふやだし、間違いだらけかもしれないけれ
ど、自分用メモなのでヨシとする。


<二幕目 内本町道具屋の場>
団七は出牢後、泉をところ払いになり、大坂に移り住んでいる。
名前も「九郎兵衛」と改め、魚屋として商いをしている。
磯之丞は「清七」と名前を変え、魚屋の団七九郎兵衛の口ききで、今
は団七の得意先の道具屋で手代として働いている。
清七は道具屋の娘、仲と親しくなったため、跡取りの座を狙う番頭の
伝八が清七を追い出しにかかっている。

幕が開くと、道具屋の座敷。
侍姿の権と八。佐賀右衛門に頼まれて磯之丞を探しに来たもよう。
「ばんとはーん!」と手代佐助が怒鳴るように呼ぶと、番頭登場。
赤ら顔の「番頭伝八」は猿弥さん。オトボケ顔でどこか滑稽な感じ。
(猿弥さんの大きな体と台詞の言い回しが独特のおかしみを感じさ
せる。どことなくゆるキャラという感じもする。)

煙草盆を持ってきて煙管に火をつけるが、火のついたほうを吸って
しまい「熱っ!!」。(千秋楽では「毎日熱かったんやで~」と
言っていた。同じく楽日に、敷居で躓き「痛っ!」。「さっきの、
ほんまに痛かった~」とつぶやき、笑いをとっていた。)
そんな番頭に「ばんとは~ん、お客さん待ってはりまっせ~」と低
い声で突き放したように言う丁稚長太。吉太朗くん、うまい!
昔TVでやってたドタバタ喜劇『番頭はんと丁稚どん』を思い出した。
(↑私が見ていたのは『いとはんと丁稚どん』だったことが判明。)

権と八が帰った後、侍がやってきて番頭に用があるという。
この侍、どこかヘン。自分の家来に向かって「これ、家来」と呼んだ
り、むりに威張った話し方をしてみたり。
侍、実は義平次。番頭と組んで何かたくらんでいる様子。接待を受け
るために奥の部屋に通される侍姿の義兵次。

清七が外回りから香炉を持って帰ってきた。
お仲が清七と話しているところへ魚屋の団七九郎兵衛が魚を持って来
て邪魔をしたため、お仲に嫌われる(笑)。団七は仕事で奥に姿を消す。

伝八から大事な取引を任された清七。さっきの侍(義平次)が香炉を
五十両に値切るので、仲買の弥市に負けさせる。その代わり、すぐに
金を払ってほしいというので、清七は客のために、番頭の伝八に金を
借りて弥市に払う。

一方、侍(義兵次)はそんな香炉の話は知らないと言い出す。伝八は
伝八で、金を返せと清七に迫る。
騙されたと知った清七は、侍に向かって刀を抜く。ここで刀を抜いた
ら店ののれんに傷がつく、と清七をさらに追い込む伝八。
ここへ団七九郎兵衛が来て、清七を止めに入る。が、侍の顔を見て
ビックリ。舅である三河屋義平次だった。
気まずい義平次、アイコンタクトで団七に見逃すように頼んでいる。
(文楽で見たときは、義兵次は顔をそらしたままだった。)
義平次が騙っているのを知り、怒りをおぼえる団七九郎兵衛だったが、
ここはじっと堪えて、穏便にすますため義平次を見逃す。

仲は母親にこの様子を知らせに行き、ひとまずこの場はおさまるが、
母のお芳は、仲買の弥市など知らないと言い、香炉も偽物だった。
清七は店をやめさせられ、団七九郎兵衛の家で預かりの身となる。

(うーん、どこまで問題児なのだ、磯之丞は!けっきょく五十両を
引き受けたのは団七だったわけで。命に替えても磯之丞様をお守り
すると誓った団七はそうするしかなかったんだね。
しかも琴浦がいながら店の娘と親しくなるとは。金も力もなく仕事
もできないのに、なぜ女にモテるのかもナゾ。そんな磯之丞をとこ
とん演じる薪車さんがまたイイの。)

この場面はまた、義平次と団七の因縁の対決の伏線でもある。
団七九郎兵衛の魚屋の拵え。かなり短めの着物で、太ももの途中まで
彫られている団七の刺青がちょうど隠れる長さ。ただ、しゃがんだり、
低い体勢になると刺青がチラチラ見えている。これは魚屋さんとして
はどうなんでしょ?(笑)



<横堀番小屋の場>
団七と、後ろからとぼとぼついてくる磯之丞、花道の出。
舞台には「火の用心」と書かれた番小屋がある。小屋の向こうは川。
上手のほうには塀があり、長屋のほうへと続いている設定だ。

横堀の裏長屋に住む「弥市」が仲買人だと目星をつけた団七。その
詮議に行ってくるから番小屋で待つように、と磯之丞にいう。
団七が去ったあとに、磯之丞を追いかけて仲がくる。
夜道だが磯とぶつかり、二人遭遇。そこへ3人の男がやってきた。

番小屋に隠れる二人。
なんと、弥市、義平次、そして伝八の3人組だ。話を立ち聞きし、3人
の共謀だったことを知り、番小屋の窓がそっと開く。
目をとじ、胸をかきむしって悔しがる磯之丞の様子が見えている。
と、番小屋の戸が開いて、飛び出してきた磯之丞が弥市を斬りつけた。
その瞬間から、だんまりとなる。
闇の中、裏長屋のほうから戻ってきた団七も加わった6人のだんまり。

ふとみると、義平次、伝八、団七が下手に。磯之丞と弥市が上手に。
そのまま磯之丞が弥市に再び斬りつけて殺してしまう。
伝八は立ち回りのすえ、勢いあまって川に飛び込んでしまった。

(伝八のその後が不明だが、文楽では、弥市を殺したのは番頭の伝八
で、伝八も首を吊って自殺してしまった、ということにさせられてい
た。歌舞伎ではそこのところは曖昧なまま。)


つづきは次回に。次は短く簡単に!(の予定)



●2013年 松竹座 十月花形歌舞伎
「十月花形歌舞伎」夜の部
大阪松竹座 十月花形歌舞伎「夏祭浪花鑑」(1)
大阪松竹座 十月花形歌舞伎「夏祭浪花鑑」(2)
大阪松竹座 十月花形歌舞伎「夏祭浪花鑑」(3)(追記版)
大阪松竹座 十月花形歌舞伎「夏祭浪花鑑」(4)
大阪松竹座 十月花形歌舞伎「夏祭浪花鑑」(5)
大阪松竹座 十月花形歌舞伎「夏祭浪花鑑」(6)

「夏祭浪花鑑」観劇リスト 2007~2013年
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