星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

真田十勇士(3)名古屋公演

2013-09-28 | 観劇メモ(演劇・ダンス系)
公演名  真田十勇士
劇場   中日劇場
観劇日  2013年9月23日(月祝)12:00
座席   17列

ネタバレ注意!!!
ただ、ストーリー上の決定的なネタバレは避け、ディテール
や座席からの見え方などについてこまごまと。
最後の展開を知ってから、そういう目で登場人物を見直すと、
また違った味わい方ができた。


<後方席だから見えたこと>
名古屋ではオペラグラスなしで後方席からの観劇。
東京で見たときは前列だったため、たくさんのことが見えて
いなかったことがわかった。
特に照明。森の中の鬱蒼とした感じが照明で描かれていた。
月光は白っぽい光とは別に、舞台全体を月色に染め上げる
パターンがある。戦場でのピンスポットの使い方も。
霧(スモーク)が広がってゆく様子もよく見えた。

幸村&十勇士の見得。決めポーズ。
前列だと重なってわからなかったが、引いて眺めるとすごく
きれいだった。それぞれが立ち位置におさまった後、順番に
各自のポーズを見せ、全員ピタッと決まる場面。
歌舞伎で言う「絵面の見得」になっており、ぞくっとする。

途中、十勇士たちが客席に現れるシーンは後方席の楽しみ。
下手から登場して通路を横に走り、その後、縦に駆け込ん
でくる。幸村公は上半身前傾姿勢のまま、縦に重心移動す
ることなく滑るように素早く駆け抜ける。う、うつくしい!
通路をピシッと直角に曲がり、センター前方でクルッと後ろを
振り返り、ひとこと言って十勇士たちを鼓舞する。
ここは前列では見えなかったので、この日は幸村さまに集中。
なので、十勇士の様子はすみませんが全く記憶なし。
幸村以外の勇士たちは上手からも登場したのか? 
そして、縦通路は3つとも使われたのか?(笑)

<劇場の大きさについて感じたこと>
東京公演は前列で見たせいだろうか。迫力満点だった。
特に印象に残ったのが三津谷亮さんの特技を生かした筧十蔵
の殺陣(?)。劇場のコンパクトさゆえのハラハラ感もあり、
新鮮なパフォーマンスに引きつけられた。
名古屋では筧十蔵のシーンで会場から拍手が起き、明らかに
東京のムードとは違う、ショータイムになっていた。

ただ、名古屋では劇場サイズが大きくなったからか、全体に
スピード感が若干落ちたように感じた(体感速度:当社比)。
台詞と台詞の間合いも赤坂ACTシアターサイズなのかな、と。
いや、はるか後方席から眺めていたせいかもしれない。
梅田芸術劇場メインホールは中日劇場と同じくらいだと思う。
どうか台詞の隙間は、出演者が醸す気配や存在感、濃密な
感情のやりとりで埋め尽くされますように。

<母と子>
幸村さまの出ないシーンでは、淀と秀頼に佐助が加わった
くだりがかなりツボ。
賀来千香子さんは『前田慶次』でも気性の強い女性役を好演
されていたけれど、今回も期待通り。
相馬圭祐さんは初見だけれど、役の性根をよくつかんでおら
れるように思う。大阪でもこの母子を楽しみにしたい。
佐助は起伏のある役で盛りだくさん。柳下大さんは本当に演
じがいがあると思う。

<幸村さま>
赤のロングの陣羽織が似合うなあ、幸村さま。
衣装は何種類あるんだろう。どれも派手でいい!

夏の陣での幸村の最期のシーンは、後方席で全体が見渡せた
から見えた風景だったのかも。
家康との直接対決・・・どう考えても若い幸村が優位だと思
えるのに、毅然とした家康の気迫に気圧されてか、混戦の
さなか家康を取り逃がし、味方もどんどんいなくなる。
激しい立ち回りのシーンを経て、一人になった幸村。まわり
には人の気配がない。手負いなのか自分の腕の血をなめる
あたりから凄惨さが立ちこめる。
(大阪公演を見ていたら、血をなめるのはもっと後だったこ
とがわかった。10月7日追記)

右膝を折り曲げ、左膝を立て、幸村がその場に腰をおろした瞬間、
パッと神社の風景が舞台上に見えた!(ように思えた。これが
演劇の素晴しさ、自由さ。)
お堂を取り囲む木々。傍らの木の下、少し斜面になった場所
でしばし休む幸村。一瞬の静寂があり、追手に気づく。
ここから先は・・・・・・月、月、月とともに。
大阪公演では悔いのないようじっくり見届けたい。

あの主題曲がかかり、赤みがかった大きな月が昇り始めた時
から、なぜか私にはまるで映画のように見えてくる。
東京では嗚咽、名古屋ではちょっとした感慨があった。

それぞれのキャストについてはまた次回、大阪公演の際に。


東京では一人で観劇し、誰にも会うことはなかったけれど、
名古屋ではいつもの仲間たちにたくさん会えた。
終演後のオフ会も盛り上がったし、観劇オフらしい濃厚な
ひとときでした。また大阪でねっ!
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2 コメント

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シビレました! (しろう)
2013-09-29 20:59:15
ひさびさにお邪魔いたします。

かずきさんらしい展開のストーリーと、ダイナミックな演出で、見応えたっぷりでしたね~。
上川さんについては、もはや言わずもがな。。。
はじめて生で拝見した里見さんの存在感は、やはりさすが! でした。
この舞台に出てくださって感謝感激、です。

中央通路で檄を飛ばす幸村さま、めっちゃ目の前でしたっ!
これまでで屈指の近さ(笑) 大迫力でございました。
今でも信じられない瞬間です。 ドキドキ・・・
それから、カテコ最後の最後、去り際に舞台袖で見せてくれた、
拳を胸にあてる幸村バージョンのあいさつも、とっても嬉しかったです♪


最近、上川さんの舞台は必ず名古屋でも観られるので
、ありがたいです。
しろうさま♪ (ムンパリ)
2013-09-30 06:16:25
よかったですねー♪
しろうさんからの名古屋の一報が入ったときはとてもうれしかったです。
そのワケがいまよ~くわかりました。
屈指の至近距離、おめでとうございます!!!
里見さんはヒールとしてではなく、幸村を見守る役というか
敵ながら不思議な役どころで、舞台に重みが増しますね。
今回の出演、本当によかったと思います。

そうそう、上川さんの主演の舞台は名古屋ははずせませんよね。
だいじょうぶ、これからも観られますよ。
ではまた大阪のレポをアップしたいと思います。

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