星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

金柑少年2005  観劇メモ

2005-10-04 | 観劇メモ(演劇・ダンス系)
公演名    山海塾「金柑少年2005」
劇場     びわ湖ホール 中ホール
観劇日    2005年10月1日(土) 14:00開演
座席     最前列


○観劇を決めた理由
・初期の作品だったから
・アフタートーク(天児牛大さん)
○販売グッズ
山海塾の舞台音楽のCD、蝉丸さんの独舞のDVD、パンフレット、過去の公演ポスター、山海塾の舞台写真集、天児さんのインタビュー掲載雑誌等。公演DM送付申し込みの受付。
○劇場メモ
近くにコンビニや飲食店がなかったので、ランチは琵琶湖が一望できる劇場のラウンジを利用。ちなみに、カレー(サラダ付き)950円、サンドイッチセット(スープ付き)1000円なり。



封印が解かれたー!!
山海塾の初期の舞踏が観たい。この願望は1998年の「ひよめき」で初めて山海塾を観た時からムクムクと芽生えていた。「金柑少年」は過去に公演を観た人たちがありとあらゆる言葉を駆使して語り継いできた伝説の作品。身体的にハードだからという理由で一旦は封印されてしまっていた。そこで、天児牛大さんがひとりで全部やっていたソロパートを今回初めて若い人たちに委ねることで作品が復活したという。
アフタートークで天児さんが語っていた。自分がやっていたソロを特定の誰かに踊らせたのでは単なる比較になってしまう。それではただの思い出になってしまう。そうはしたくないから踊り手の個性を生かすようにソロパートを振り分けた。だから「金柑少年」ではなく「金柑少年2005」なんだと。私たち観客も気持ちを切り替えなければいけないんだと思った。天児さんが出演する「金柑少年」は今後イッサイ観ることはできないのだから。
で、今年の金柑少年。2005年版にもやっぱり70年代特有の力は宿っていて、いま観ても胸がザワザワ騒いだ。最前列だったから、よけいにそうなのかも。封印を解いてもらって本当にヨカッタ!!

舞台装置など
舞台背景の壁面にはおびただしい数の大きな魚のシッポがびっしり。海辺のイメージらしい。向かって左手の前方にはオレンジ色の輪が宙に浮いている。これが金柑を表すのだろうか。輪の下のほうには白砂のようなものが盛ってある(実際はお米だった)。
※アフタートークで聞いた話では、今回の舞台用に型抜きした魚のシッポは1300匹分。それぞれのシッポに一つの心臓。つまり、舞台には1300匹分の心臓音が隠れBGMとして聴こえているという設定になっていた。1978年の初演の舞台では本物のマグロのシッポを1200匹敷き詰めたとか。干した魚のニオイがして、それもまた作品の構成要素になったという。
当時の話を聞くと、こういう作品は時代背景や環境とは決して切り離して語れないのだなあ、と思う。

2005年版舞台の印象メモ
天児さんいわく、作品ごとのテーマはあるけれど、それをどう見なければならないというものはない。それぞれの見方で見てもらえればいい、と。
その言葉に勇気100倍。
夏服を着た金柑少年も、孔雀も、豆太郎(ワタシ的にはこれが好き)も、もちろん、金属性の飛鳥の逆さ宙吊りもゼッタイに忘れられないけれど、ポスターやチラシにも使われている4人の群舞の印象を記しておこうと思う。(タイトルは公演プログラムから)



I I  闇の手  微細な世界・犠儀
4人の舞踏手が腰から下に布を巻き、シワシワのお面をつけて踊る。お面には目鼻口がない。前に突き出した両手の指は節足動物の足のように曲がったまま不気味に動く。蜘蛛? ときおり指を1本を立てるのが触手のように見える。その触手が途中、化粧をする指に変わる。
最後に4人が後ろ向きになって体をくねらせながら腰布を徐々に下ろしていく。このまま音楽に合わせ延々と8の字を描くように体をくねらせ続ける。私は人間の背中の動きをこれほどマジマジと観察したことはなかったので、首から始まる各部位の見事な連動ぶりにただただ見入ってしまう。くねる体には1本の脊椎のラインがあり、もしも骨が透けて見えたなら、人間が魚から進化したということがよくわかるのではないかと思った。触手、くねらせる体。曲線的な動きは泳ぐ魚? それとも女性をイメージしたエロスの世界への入り口なのだろうか?

>> 1978年の「金柑少年」の舞台写真コチラ
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