星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

京都国立博物館で「琳派誕生400年記念 琳派 京を彩る」。

2015-11-11 | ミュージアム・企画展
11月23日まで開催されている「琳派誕生400年記念 琳派 京を彩る」。
その期間中、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の風神雷神図屏風が同時に
展示されたのは、10月27日~11月8日のたったの13日間だけ。

というわけで、10月31日にさっそく拝見!
11月3日まで待つと光琳の八橋蒔絵螺鈿硯箱(国宝)が加わって
さらに混みそうだし、考えたあげく決めた日だった。

(じつは去年の鳥獣戯画展の異常な混雑ぶりがトラウマになっている。
長時間待って、ようやく甲巻が観られるという時「立ち止まらないで。
小走りで観てください」と学芸員さんが大声で連呼していたのだった。
けっきょく絵の前にいた時間は10秒ほど。ありえへんっっっ!)



ネットの混雑状況「40分待ち」のタイミングで行くと、実質20分待ちだった。
さらに今回はありがたいことに「空いているところから観てください」とのこと。
内容は第1章から7章まであるが、「平成知新館」は幾つかの部屋に分かれて
展示されているため、エレベーターや階段で自由に回遊して何度でも同じ
ところに戻ってこられる。
特に順序にこだわるのでなければ、この方法が便利だと思う。

展示作品はもちろんたくさんあったが、特に印象に残った2つだけを。

●風神雷神図屏風
人が集まっているのですぐに場所がわかった。
3つの屏風はコの字型に並べられていた。宗達の絵を真ん中にして、右手に
光琳、左手に抱一。まず、三面がすべて見渡せる位置から阿修羅像のように
首を何度も動かしてキョロキョロ見比べた。
ほんまや。トリミングが、色彩がちが~う!
次に接近して一つずつ観ていく。なんて贅沢なひととき。
宗達のぼかしの部分がいいなあと思うのは比較できてこそかもしれない。
光琳は宗達の絵を模写しているけれど、独自性を加えていることがわかる。
抱一の絵が光琳の模写であることはよくわかった。それにしても抱一が宗達
の風神雷神図を全く見ていなかったというのはオドロキだった。
2008年に東京国立博物館で「宗達VS光琳」は経験していたけれど、3つ同時
に観る機会が来るなんてね。本当によかった。

●鶴下絵三十六歌仙和歌巻
宗達が下絵を描いた料紙の上に、本阿弥光悦が三十六歌仙の和歌を書いた
絵と書のコラボレーション。
この作品もなかなか近くで観られなかったが、三度目に来たら視界良好だった。
1回目は「美の巨人たち」を見て知ったポイントを細かく確認しながら楽しんだ。
次に頭から最後まで宗達の絵に照準を合わせてゆっくり移動しながら観たら、
とつぜん音楽が見えた。あまりに気持ちいいのでもう一回右端から左端まで
歩きながらリピート。これ、空いていたらオススメです。
京博の公式サイトに「宗達、光悦共演―光と歌のシンフォニー」とあるけれど、
比喩ではなく本当にシンフォニーが見えてくると思う。

宗達については杉戸絵、平家納経の表紙見返しの絵、扇面の絵も興味深かった。
混雑さえなければ展示替えの作品も観たいけれど・・・。

「琳派誕生400年記念 琳派 京を彩る」公式サイトはコチラ



<関連のTV情報>
●美の巨人たち 11月11日(水)23:00~23:30 BSジャパン 情報
 本阿弥光悦&俵屋宗達「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」
●ぶらぶら美術・博物館スペシャル 11月13日(金)19:00~20:54 BS日テレ 情報
 琳派400年の京都旅!今だけお宝 勢ぞろい!
 ~夢の共演!宗達・光琳・抱一の「風神雷神図屏風」~
●歴史秘話ヒストリア 11月18日(水)22:00~22:45 NHK総合 情報
 天才か?ドラ息子か?~尾形光琳 風神雷神図に挑む~
●美の巨人たち 11月18日(水)23:00~23:30 BSジャパン 情報
 俵屋宗達「杉戸絵」
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2 コメント

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Unknown (LaLa)
2015-11-27 22:18:09
この展覧会に行きたかったのですが、残念ながら行けませんでした。風神雷神図屏風は、実際に間近で見ると迫力ありますね。俵屋宗達の描く絵の迫力と構図、余白や間の取り方が素敵です。モンパリさんのブログ、以前に偶然見つけて以来、時々楽しみに拝見しています。「星月夜に逢えたら」の名前は、広大な夜空にキラッと時折輝く光を見失わずに発見した時の感動を感じさせます。1ヶ月の番組情報も観たい番組が事前にチョイス出来、寺院巡りの写真やお話も参考になります。ありがとうございます。これからも楽しみにしています。
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LaLaさま♪ (ムンパリ)
2016-01-02 01:31:59
去年いただいたコメントに気づいたのはナント年が明けてからです。
本当にごめんなさい!&どうもありがとうございます♪
ブログ更新頻度がいちじるしく低下して以来、コメントをいただく
機会がほとんどありませんので、のんびりかまえておりました。
TV番組もミュージアムも極端にかたよっていると思いますが、
好みがよく似ていてお役に立っているのでしたらとてもウレシイです。
こんなゆる~いブログですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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