降る

収拾つかない想いが
次々と降ってきて

悲しみなのか
怒りなのか
憤りなのか

泣けてしまえれば楽なのに
こんな時は涙もでない


「どうして」ばかりが去来して

なんにでも
理由があれば楽になれるのか

今はただ
このリノリウムの床に
しゃがみこむだけ

誰もいないこの世界で

希望

ただ後悔するだけなのに

ずっとこうしている
ひとりで

少しずつ線がぼやけて
輪郭が歪んでゆく

誰にでも等しくやってくるもの


一番最初に諦められればいいのに

それでも、諦めがやってくるまではのたうちまわっていたいもの？
そこに希望があるような気がするから

もう誰もいないよ
世界にたったひとり

だけど待っていたい？
誰かが来るような気がするから

ひかり

もし時間がとめられるなら

きらきらと光の粒が落ちてゆくように過ぎてゆく

愛おしくて
このままずっと抱きしめていたい


こんなあたたかい日は
これから先の悲しみなんて忘れてしまう

このままこうしていたい


かみさまからの贈り物のような時が

この頭の中から消えてしまっても

わたしを包む風になって
目には見えずとも　ずっと

純白の

白い花が咲いて
いちめん　覆い尽くしている

風に揺れて
はなびらが落ちてゆく


この花を　あなたに捧げます



雨が降って
日照りが続き
風が吹きすさぶ
そんな日々でも

名前も知らないけれど


わたしたちの悲しみとは違う次元で
咲くでしょう
そして来年もその先も季節が来れば咲くでしょう



　　　　この大地いちめんに純白の花が咲いている

消失

こんなふうにしてくれるひとが
いなくなってしまう


おわり　が近づいてくる

目を閉じても
耳を手で覆っても

わかっているけど

永遠がないことは
はじめからお約束
そのルールで始めたんだから
わかっている


ああ、また

こんなふうに
奪われてゆく

なくしてゆく


すきまがどんどんひらいて
渡りきれないくらい

そこに橋を架けて
わたし自身が

そうしなければいけない

無題

もういらないのにな

だってどうしようもなくこわい

もってるもの、全部なくしたくない

忘れたくない
去っていかないで
とめられないとしても

強くなんかなりたくない

もうこれ以上・・

もう

ここには美しいおもいでがありすぎる
大切な人がいすぎる

行かないでよ
ここにいてよ

願うのをやめた
祈るのをやめた
全部　捨てた

なのに

頬をさする優しい風に
あの流れる星に

またこころが動いてしまう


誰かが答えをくれたらいいのに
だけど結局　迷う


怯えて
ただひとり
泣いている

大切だとどうしてこんなに涙がでるの？

もう、いらないのに

つきはなしながら
抱きしめている

やっぱりこうしていたいよ

枯れてゆくとしても
散ってゆくとしても

どうしてもこころが動いてしまう



さいごの鼓動まで
抱きしめていたいよ