熱

あなたがわたしを抱きしめるから
あなたの熱で
わたしが溶け出すの


もう、ぜんぶあなたで満たされて
過去も未来もこの瞬間はなにもいらない


あなたのちからで
へこんだわたしのからだが
もとに戻らなければいいのに

すべて忘れていたいけど
どこか冷静なわたしがいて
それすらも、連れてって消してしまって


その、力強さ
その、熱
そのすべてで
なにも考えさせなくして

やくそく

約束は嫌いなあなただから

遠い先のことも
近い未来のことも
なにも決められない

それでもよかった

縛りつけることも
縛られることもない

永遠の自由


永遠の自由


あなたと交わした約束
ひとつもない

反故すらされない


わたしたちには

なにもなかったのかもしれない

アタシ

アタシがダレなのかわからなくなる

この名前がダレのものなのか

歩いている道も輪郭があやふやで

こわくて

踏み外してるの？
まっすぐ歩けてる？
まわりまわってるの？
それとも墜ちていくだけ？


アタシって　ダレ　？

大事にしてる人はどこ？
守りたいものはなに？

アタシの価値
アタシの存在


堂々巡りしているだけ
眩暈がとまらないだけ



もう、いなくなって

いっぽ

歩き出せないわたしを
カワイソウと甘やかすのも
それはそれでいい
殴って引っ張り出して
無理やり歩かせる
それもそれでいい

なにをしたって
なにもしなくたって
この１秒が消えていく

なににもなれず
なにも残せず
また１秒が消えていく

わたしは

あなたを抱きしめたい
大事にしたい
守りたい

１秒も無駄にしたくない

だったら

やっぱりここから出ていかなきゃいけないみたい

覚悟

覚悟はできたの？
諦めによく似ている

時が癒してくれるのは
わたしたちの痛みだった？
風化されて、消えるような痛み？
乗り越えたって胸を張れる痛み？

わたしのまんなかにいつまでもあり続ける　
そういう痛み
でもね、もう慣れた

時が癒してくれるんじゃない
流れる時がもたらしたものは慣れてゆくこと


ずっとそばにいたのに
ずっとそばにいれたのに
それだけでたからもの

さあ、
もう　いこうか？
覚悟はできたんでしょ
見切り発車でもいいよ
もう時間がないから

考え尽くして
燃え尽くして
そのあとには、なにものこらない
そこからまた　はじめる

また　ふたりで

どうしたいの？

さくらが散って

去年の今を思う

なにもかわってないことは

しあわせなのか
そうじゃないのか

なにが欲しいのか
どうしたいのか

目先のことばかり考えていた気もする

閉じこもった世界で
王様になっていたんだ
ただそれだけ


だいじにしたいのに！
あなたを
わたしを
これから先もずっと一緒にいるんでしょ？



ぬるまゆのなかで
ゆらゆら
タイムリミットが来るまで
そうしているつもり？