菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

次郎の新しい痛みのこらえ方。

2009年12月02日 00時01分17秒 | ブロぐ。
 
あまりキレイな話ではないことを先に言っておきますね。



先日、風呂に入っていて、尻に違和感を発見。
む。

実は、おいら、若い頃、痔ろうを患っている。
いわゆる痔持ちなのである。
海外での仕事のせい。
環境の厳しさと、酷く過酷な仕事の疲労が原因で、もたらされた。
帰国して、すぐに手術をした。
だが、医者には、こういうのは体質もあるから、また再発する可能性が高い、と言われた。

もしかしたら、9年ぶりの再会というわけだ。


持病というものは、恋人に近い。
そういうと恋人が気を悪くするかもしれないので、ステディと言おうか。
ステディの機嫌の伺うのが、生活の中、脳の片隅で気にかかりつづける。
仕事で、座り続けるおいらは、どうしても、尻のステディに優しくせざるえないというわけ。
痔ろうは、尻のことだから、毎日の生理とも関わりが深いしね。
ステディだから、呼び名も考えたりしてみた。
痔ろうだけに、次郎?
あ、これじゃまんまだから、三郎か。
あ、ジローラモは?
いやいや、ステディだから、女性で。
次子の方がいいか。
つぐこ?
じゃ、つぐこ、で。
すでに痔ろうの片鱗もなくなったなぁ。
尻の持病に、男の名前がついていると、ちょっとした誤解を受けかねない。
けっこう、そこはストレートなんでね。

日本人の痔持ち数は、かなりの数らしい。
だからか、うまく痔の話題にもっていくと、意外と盛り上がるよね。



本題。
というわけで、さっそく病院へ。

痔の診察は、触診と肛門鏡で、いつも出しているところに、入れられる。
これが、まぁ、なんとも言いがたい。
こちょばゆくて、痛い。
この痛みが体の内側の痛みに似ている。
くすぐられていたら、その指が突然、金属製になったような感じ。

看護士さんが、尻がすぼまらないように、息をハァーと吐いて下さいと言うのよ。
そう、力むというか、いきむと、尻がきゅっとなるから。
でも、痛みをこらえる時って、歯を食いしばるじゃない。
けど、息をハァーって吐きながら、歯を食いしばるのは出来ないのよね。
力を抜きながら、力を入れろと言われているようなものだ。
これは、難しい。
新しい痛みのこらえ方を考えなきゃならない。
で、やはり、痔ろうが、再発していたそう。
簡易的に手術することに。

局部麻酔をかけるとはいえ、さすがにメスを入れるとなれば、さっきより強い痛みに耐えなければならない。
そこで、思いついた。
鼻の舌と顎に力を入れて、強くハァーと息を出すことにする。
これはいいぞ!
これは何とかなりそうだ。
すると、息がすごく荒くなる。
クハァォー、クハァォー、てな感じだ。
それで痛みに耐えていたら、医者が言った。
「そう、うるさいと、やりづらいので、もう少しなんとかなリませんか?」
え?
うるさいとダメ?
「あ、がんばってみます」
と、答えたものの、さて、どうする?

『寄生獣』のミギーのセリフを思い出した。
「人間は痛がりだな」
そう、だから、痛みのこらえ方を考える。
物語を作って、痛みのない状態で、痛みに備える。
おいらを産む時、母はもっと痛かったんだろうか。
なんてのは、薬を待つ間のこと。
ケツに刃物を突き立てられている時に、そんなことを考える余裕はもてない。

ちくりズドン、と、ケツに刃物が刺さるのを感じる。
脳を電気がかけめぐる。
考えろ。
新しい痛みのこらえ方、新しい痛みのこらえ方・・・。

そうだ!
鼻の舌と顎に力を入れて、強くハァーと息を出すとこまでは同じだが、
息を熱くする感じにして、声を殺そう。
ほわぁふぅー、てな感じだ。
てか、さっきので、ただ声を殺しただけだ!
何とか、コレで耐え切る。
実際は、まぁ、賞味3,4分だったのだけども。


手術を終え、でかいガーゼを貼られた。
自転車に乗って帰るときには、立ち漕ぎで帰った。


夜、尻に貼られたガーゼをはがす時に「ツっ!」と、声が漏れた。
どんな痛みでも、無言で、こらえるのはなかなか大変だ。
何しろ、人間は痛がりだから。
それって、誰かに自分の痛みを知ってもらいたいからかな。
 





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