水の丘交通公園

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福井鉄道 880形電車

2009-04-29 21:00:00 | 電車図鑑・ローカル私鉄&第三セクター
福武線の路線活性化のため、平成17年に廃止になった名鉄美濃町線で
運用されていた同社の880形電車を譲り受けたものである。

名鉄880形電車は美濃町線で運行されていた田神線・各務原線で新岐阜に直通する
列車の増発のために登場したものである。
昭和55年に2体連接5本=10両が製造された。
車番は美濃・新関側が奇数、徹明町・新岐阜(現・名鉄岐阜)側が偶数車となる。

車体は鋼鉄製で、塗装は名鉄標準色のスカーレットであった。
正面には黒色のバンパーとステンレス製の飾り帯が付き、外観上のアクセントと
なっている。
本形式のデザインは後に登場する770形や780形のベースとなった。

車内はロングシートであるが、座布団と背もたれ布団が一人分ずつ独立した
独自のものを採用している。
ドアは2体で片側4箇所で連接側が両開き、運転台側が3枚折り戸である。
各ドアには開閉と連動するドアステップが装備されている。

主制御装置は抵抗制御で架線電圧600Vと1500V双方に対応できる複電圧機能がある。
性能面では速度領域の低い美濃町線での運行だったので、低速向けとなっている。
台車はインダイレクトマウント式空気バネ台車である。

当初、冷房を持たず、ラインデリアによる送風のみであったが、後に改造で取り付けた。
しかし、この冷房は電源の関係上、1500V区間での運用が出来なかった。
このため、1500V区間にあり、折り返しのため長時間停車する新岐阜駅では
冷房を運転できず、夏場は「サウナ電車」と呼ばれた。
平成12年にワンマン化対応改造を受けている。
冷房装置の問題はあったものの路線廃止まで美濃町線電車の主力車として運用された。

平成17年の路線廃止後、福井鉄道への譲渡のため、名鉄岐阜工場で改造が行われた。
主な改造点は塗装の変更(ホワイトに窓周りがブルー床より下がグリーン)、
ワンマン機器の一部交換、パンタグラフのシングルアーム化、制御装置への
弱め界磁取り付け、ギア比の変更による高速対応化、複電圧機能の廃止など
である。

770形、800形と異なり、足回りの改造が必要であったため、搬出が営業開始
直前の平成18年3月となった。
また、この改造に起因する故障も発生したため、引退した高床車を一時的に
走らせることもあったが、名鉄の出張工事により、平成18年5月中旬以降、
運用に復帰している。

なお、本形式の改造が、名鉄岐阜工場の最後の仕事となり、95年に亘る歴史に
終止符を打った。


車内。

コカコーラ社の広告電車。

名鉄時代の姿。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
880形 (なすび)
2007-02-25 15:22:31
きれいな電車ですね。
カラーもきれいです。
返信する
コメントありがとうございます (水の丘)
2007-02-26 22:26:51
乗り心地は、見た目に反して物凄いんですけどね。
この形式は他にコカコーラや新聞社の広告電車になっているのがあります。
いずれご紹介いたします。
返信する
懐かしす! (Pochi)
2007-03-18 13:03:26
名鉄の880系じゃないですか。元気に走っているのですね。これは、見に行かなければ。
返信する

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