宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

乾燥肌の危険性(その2)

2017年11月09日 08時02分09秒 | アレルギー
大学通りの木々の紅葉が、いきなり始まりました

数日前までは、元気のないくすんだ緑色だったのですが、昨日いきなり色づき始めたことに気づきました。
黄色、オレンジ、赤、緑の色が混在し、大学通りが色の混じり合いで美しく変身しつつあります。
これからこの色が濃くなり、見事な紅葉の景色を楽しむことができます。
私が一年で一番好きな景色です

さて。

秋がどんどん深まると、空気は潤いを失っていきます
空気が爽やか・・・は、乾燥が進んでいるともいえます。

これからの季節、気をつけなくてはいけないのは。
暖かさを暖房に頼るようになるという危険性です

特に気になるのは。

エアコンや床暖房でぽかぽかに暖めた室内で、まるで春か夏のような薄着一枚で過ごす子供たちです。

ただでさえ乾燥していく季節なのに、室内は暖房で暖められ、湿度はまるで砂漠のように乾燥していきます。
ここで、薄着で、皮膚を露出しているような格好で生活すると、どうなるでしょう

秋から冬は、全身の発汗機能が低下します
水分を飲んでも、皮膚からの発汗は減少しています。
ただでさえ、皮膚の角質層の水分量は低くなっているのに、周囲の環境が低湿度で暖められていると、わずかな水分さえも蒸発していきます。

全身の角質層および目や鼻の粘膜層の潤いも乾いてしまい、外界からの物質の侵入を防ぐ防御能が低下してしまいます。

こうした生活を続けていると、全身のかゆみや湿疹、鼻炎や結膜炎を起こしやすくなるのです

近年、アトピー性皮膚炎や花粉症が急増しているのは、こうした背景があるのです。

そこで、暖房の使い方や重ね着のお話は、また次回にしましょう

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