宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

乾燥肌の危険性

2017年11月05日 12時32分12秒 | アレルギー
先週まで、週末は台風ばかり来ていたので、こんなに穏やかな週末は久しぶりです

暖かい日差しは、何にも増して気分をあげますね

さて。

気温が下がってくると、クリニックにはとたんに乾燥肌の方が急増します

「全身の皮膚がかゆいんですが、乾燥肌だと思うんです。」
とか、
「最近、冬になると、身体中がかゆいようになりました。」
といったご相談がたくさんあります。

冬になると乾燥肌になるのは、しょうがない、みんななるものだから・・・と軽くみなしているような気がします。

でも。

実は、近年増加している乾燥肌は、実は、危険性をはらんでいいると感じます

なぜなら、以前の普通の乾燥肌と異なり、ただかさついているわけではなく、その結果、アレルギー体質を引き起こしているケースが急増しているからです

この原因は、冬の暖房器具の変化と、生活の仕方の変化によると感じています

エアコン、床暖房などは、部屋を全体を暖めるため、湿度の低下が特に顕著です。
ファンヒーターは、いわばドライヤーの風に当たっているようなもので、皮膚のわずかな水分を根こそぎ奪います。
ホットカーペットのうえに座っていると、皮膚に直接熱が当たり、乾燥肌はかなり重症になります。

そして、こういった低湿度の影響は、身体の小さな人から先に出ます。
全身の水分量が少ない赤ちゃんやお子様から、どんどん乾燥肌が進行するのです。

すると。

鼻や目の粘膜や全身の皮膚の水分量が低下し、外界からの防御能が失われ、さまざまなアレルギー物質(ハウスダスト、カビ、花粉など)の侵入を容易にしてしまうのです。

その結果。

幼いうちから、アトピー性皮膚炎や花粉症になりやすくなり、さらには、将来は喘息や食物アレルギーにもつながるのです

そこで、提案です

室内のお子様の服装を気をつけて欲しいです。
靴下や毛糸のパンツなどをはかせましょう。
首回りは暖かくしましょう。
こうした工夫で、室内の寒さを少し感じにくくなり、結果、暖房の温度を下げることになります。
最近は。
ぽかぽかに暖めた室内で、裸足で、首のあいたトレーナー一枚で、ずっとゲームをしている子供は、たくさんいます。
こうした薄着は、寒さを感じやすいため、暖房を強めに長時間かけがちになります。
そしてこの生活が、アレルギー体質につながることを、よく覚えていてほしいです。

当院は、冬になると、赤ちゃんや小さなお子様がたくさん来院され、まるで小児科のようです。
これは、皆さんがいまや当たり前になってしまった、室内の暖めすぎによると感じています。

そこで、重ね着のすすめです。
重ね着の詳しいお話は、次回にいたしましょう

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする